イカメタルはどんな釣り?
その発祥は福井県敦賀ともいわれ、ここ数年高い人気を誇る『イカメタル』はシンプルな仕掛けでイカを狙え、ゲーム性も高いことから人気に火がついた釣り方です。
いい日にはなんと100杯以上釣れることも!
タックル選びや誘い方などの基礎知識を、実釣体験時に聞いた現地ガイドの方のアドバイスを交えてご紹介します。
名前とは裏腹にゲーム性が高い
イカメタルという響きだけで、気になってしまうその名前。全く釣りをしない人からすれば、新たな音楽系ジャンルが生まれたのかと勘違いしてしまうかもしれません。
しかし、その定義は『メタルスッテ単体 or メタルスッテと枝1本のスッテまでの仕掛け』とされています。
現在はメタルスッテと浮きスッテの組み合わせが主流。イカメタルは船のライトでイカを寄せる“夜焚き”をメインに、日中も狙うことができます。
イカメタルで釣れるイカの種類と季節
釣れる時期は地域やイカの種類によって様々。どんなイカがいつ頃狙えるか、種別ごとに見ていきましょう。
ケンサキイカ
ケンサキイカは、日本各地に生息しているヤリイカ科ヤリイカ属のイカ。鳥取・島根では『白イカ』、関東地方では幼体のことを『マルイカ』の名前で呼んでいます。胴の長さは最大40cm前後まで大きくなります。
明確な旬は定められていませんが、火を通しても硬くなりにくく、刺身や天ぷらなど様々な調理法で味わうことが出来ます。船釣りでは7〜10月くらいまでシーズンとされています。
スルメイカ
5〜10月くらいが釣り好機のスルメイカは、アカイカ科スルメイカ亜科スルメイカ属に属するイカです。
胴の長さは最大で25cmほどで、イカメタルで狙えるイカの中では比較的小型の種類です。他のイカとは、長い2本の触腕があることから見分けることが出来ます。
身は程よい硬さで、特に熱を通すと旨みや甘みが増す特徴があります。一年を通して味が変わりにくく、どの季節でも美味しく食べることができるイカです。
ヤリイカ
ヤリイカ科ヤリイカ属に属するヤリイカは、体が細く、足が極端に小さな特徴を持つイカです。その見た目が槍に似ていることからヤリイカの名前が付けられています。
船からは10〜4月ごろに狙え、味の旬は秋から春にかけてで、アオリイカと並ぶ高級なイカとして有名です。透き通った身は味・見た目ともに良く、常に高値で取引されています。
イカメタルのタックル&仕掛け
釣果を伸ばすためにはどんなタックルが必要なのか知っておきたいところですね。
ここではイカメタルのタックルについて、現地の釣りガイドもされている『釣り具のポイント八幡本店』の甲斐店長のアドバイスも交えて解説していきます。
ロッド
イカメタルロッドは長さ6ft前後でティップが柔らかいことが特徴です。
10〜20号程度までの負荷に対応するモデルを、水深や潮の流れによって使い分けましょう。
▶︎ここで現地ガイドの甲斐店長に聞いてみました!
ーーどんなロッドがよいのでしょうか?他の釣り物の竿で使いやすいものはありますか?
イカ特有の“抑え込むアタリ”や仕掛けを持ち上げた際の“抜けアタリ”を掛けるには、他のロッドでは難しいところがあります。
イカメタルロッドには目感度に優れるソリッドティップと、手感度に優れるチューブラーティップの2種類があり、現在の主流はソリッドティップです。
リアルメソッド IKAMETAL-GRII C66L NOSE
自重:127g
継数:2本
ルアー重量:Max 120g
適合ライン(PE):Max 1.2号
アルファタックル クレイジーイカメタル S682ML
自重:84g
継数:2本
仕舞:105cm
適合重量:8号-20号
リール
イカメタルで使用するリールは、ベイトだとダイワ150~200番・シマノ200~300番、スピニングだと2500番クラスです。
ギア比に関しては、ベイトもスピニングもハイギアがおすすめ。
ベイトリールはカウンター付きのリールを選ぶと、釣れた水深が分かりやすいので釣果アップが図りやすいです。
ーーベイトタックル、スピニングタックルの違いは?それぞれのメリットを教えてください。
ベイトは沈下速度が遅いものの、フォール中にイカが乗ってくる確率が非常に高いです。また、巻き上げ力も強いので深場や潮が速い場所に適します。
カウンター付きベイトリールですと指示棚に確実に合わせることができるので、まず初めはベイトタックルがおすすめです。
ダイワ スパルタン MX IC 150H
ギア比:6.3
最大ドラグ力:5kg
PE糸巻量:2号-200m
巻取り長さ:70cm
ベアリング:5/1
シマノ ヴァンフォード C3000XG
ギア比:6.4
最大ドラグ力:9kg
巻き取り長さ:94cm
PE糸巻き量:1号-400m
ベアリング数:7/1
ライン
ベイト・スピニングともにPEラインは0.4~0.6号が適し、トラブルが起きることも考慮して200mほど巻いておきましょう。
水深を把握するために、PEラインは必ず10mごとに色が変わっているものを選んでください。
PEラインの先端にはフロロカーボンかエステル製ショックリーダーの2~3号を、2~3mほど結束します。
メタルスッテ(鉛スッテ)
イカメタルで最も重要なのがメタルスッテ(鉛スッテ)です。
10~30号程度の重さの中から、船宿が指定する号数を選んでください。
カラーは赤/白や赤/緑、赤/黄といったものがスタンダードです。
浮きスッテ
浮きスッテははエダスに結ぶもので、ふわふわとしたアクションでイカを誘います。大きさは80mm前後がスタンダードです。
メタルスッテと同じようなカラーや、正反対のカラーを組み合わせ、イカの反応を見ながらローテーションしましょう。
エギ
浮きスッテと同じように、エギもエダスにセットして使えます。浮きスッテとの違いは、ポーズを入れたときにエギのほうが水平な姿勢を保ちやすいことで、これによって釣果が分かれることも。
サイズは1.8~2.5号がおすすめです。スッテと同じような頭が赤のカラーやリアルカラーも人気があります。
ーースッテのカラーはどう選べば良いでしょうか?また鉛スッテと浮きスッテのカラーはどう組み合わせればよいでしょうか?
鉛スッテと浮きスッテのカラーは合わせてもいいですし、全く違う色同士でも問題ありません。日によってアタリカラーが違うので、いろいろ試すとおもしろいですよ!
仕掛け
仕掛けは自作することも可能ですが、既製品が各メーカーから市販されています。
慣れてきたらこだわって自作するのもアリですが、初心者の方はまず市販の仕掛けを使うのがおすすめです!
ーー鉛スッテと浮きスッテの間隔、エダスから浮きスッテの間隔について教えてください。
エダスの長さは5〜7cmからスタートし、ノリが悪ければ15cm以上の長いタイプに変えていきましょう。ちょっとした仕掛けの違いが釣果に現れることも多々ありますよ。
イカメタルの誘い
イカメタルの誘いは、動かして止めるメリハリをつけたアクションで誘います。
ワンピッチジャークで誘い上げて、止める。大きくフォールさせて、止める。基本的にはこれの繰り返しです。
ーー明るい時間と暗い時間の狙い方の違いは?
焚き始めると、灯りにエサとなる小魚が集まり始め、イカも徐々にボトムから浮いてきます。
徐々に棚を上げ、イカが多い棚を集中的に狙うことで数釣りに繋がります。とはいえ、光を焚いても大型はボトムから浮きにくく、大型を狙うときはあえてボトムを中心に狙ってみましょう。
ーーどんな誘いのパターンがありますか?
1つ目は、竿を大きく煽り、そこからフォールさせるゆっくりな誘い。
2つ目は、シェイクやワンピッチジャーク、タタキなどの速い誘い。
3つ目は、誘ったあとに5〜10秒止めてイカに抱く時間をあたえること。
アタリがあったら即アワセを入れ、ロッドを一定の角度に保って一定のスピードで巻き上げて取り込みましょう。
イカを美味しく持ち帰る方法
イカを持ち帰るときに最も大事なのは、真水や氷に直に触れさせないことです。直に触れてしまうとイカの身が一気に劣化してしまいます。
釣れたイカはトロ箱に並べたり、ビニール袋に数杯ずつ入れたりして、なるべく重ならないように持ち帰るのがおすすめです。
誰もがハマるイカメタル!
イカが好きな人はもちろんのこと、誰でもそのゲーム性の高さにハマってしまうことでしょう!
編集部員も初挑戦にも関わらず多くのイカを釣ることができ、イカメタルを堪能できましたよ。
ぜひ本記事を参考にして、イカメタルに挑戦してみてくださいね。
▼質問に答えてくれた甲斐店長のお店はコチラ。
「釣具のポイント八幡本店」HP