まずは牙を見てください!
ノーザンパイクの一番の武器はこの牙でしょう! 決して大きくありませんが、それが重要なのです。
無駄に大きすぎず、切れ味と角度が完璧なこの牙は瞬時に獲物を切り裂き、致命傷を与えつつ獲物に牙が食い込み逃しません。
鋭さを例えるならば、タチウオと同等といったところでしょう。
動くものは何でも餌だ!
ノーザンパイクは、視界に入る動く物には何でも襲いかかる非常に獰猛な魚です。
共食いだって当たり前。ファイト中に他のノーザンパイクが喰ってくることもしばしばです。
ノーザンパイクの形態と生息域
ノーザンパイクは姿かたちが海水魚のカマス科の魚とよく似ているため、「カワカマス」という和名で呼ばれることもある淡水魚です。
体色は全体的に美しい緑色を帯び、体表に白い斑点が並びます。
カワカマス目は1科1属5種で構成され、中でもノーザンパイクはマスキーパイクと並んで大型になります。
カマス科の魚とは全く違います!
ホント良く似ていますよね(笑)
でも、よく観察するとカマス科の魚は背鰭が2個あったり、胸鰭と腹鰭の距離が短かったり、牙の形状が違ったりと、異なる点が多々あります。
生息範囲がめっちゃ広いんです!
ノーザンパイク北半球の亜寒帯から温帯に属する殆どの国に生息しています。
ここまで広い“本来の生息範囲”を持つ淡水魚は他に少ないでしょう。
ヨーロッパではルアーを追う魚種が少ないため、スポーツフィッシングとして人気があります。
しかし、アメリカではバスやマスキー、ウォールアイ、クラッピーなど、多くのゲームフィッシュが生息しているため、専門に狙われることは殆どありません。
アメリカ人はノーザンパイクを好まない!?
こちらは、ある湖の魚種ごとのバッグリミットを記した看板です。
そう。ノーザンパイクが生息しているのにも関わらず、記載がありません。つまり、そういうことです(笑)
マスキーを狙う大物釣り師にとっては、簡単に釣れる小さい魚。
クラッピーやブルーギルなどを狙う食を目的とした釣り人にとっては、小骨だらけの美味しくない魚。
バスを狙う人が最も軽蔑しますが……
一番良いポイントにパイクあり。ルアー泥棒。パイクのせいでバスが増えない。牙でネットが破れる。
などと、散々な言われ様です(笑)
ホントにそんな面白くない魚なの?
こんな風にトップにガンガンアタックしてくれるのに、面白くない訳がありませんよね!
実際に、ノーザンパイクの生息数が多いウィスコンシン州で狙ってみると、トップからライトリグまで、昼でも夜でも夏でも冬でも簡単に釣れてくれます。
誰も狙わないからスレ知らずなのも要因かと思いますが、それにしても良く釣れて楽しかったです!
初心者向けの癒やし系です!
ここまでアメリカで悪評高いノーザンパイクですが、手当り次第動く物に手を出す高い攻撃性は、スレた魚や生息数が少ない魚を追ってばかりいる日々に癒やしを与えてくれます。
そういった意味では、日本人が最も釣るべき怪魚かもしれません(笑)
アベレージサイズは?!
ノーザンパイクは、最大で1.5メートル・25キロ程度まで成長しますが、よく釣れるサイズは50〜70センチが主体です。
1メートルを超えるとビッグサイズと言って良いでしょう。
ノーザンパイクを狙ってみてください!
ノーザンパイクは意外と身近な魚です。
例えばヨーロッパでは、街中を流れる水路でも釣れたりします。
旅行や出張の合間にぜひ狙ってみてください! 夜も釣れるので、家族や上司が寝ている間に密かに釣行することもできますよ(笑)
ノーザンパイクは水草が好き!
獲物を待ち伏せて捕食を行う魚なので、水草が繁茂する場所にサスペンドしていることが多いです。
止水にも流水にも潜んでいるので、冷たく綺麗な水辺で水草を見かけたらルアーを投げてみてください。
どんなルアーが効果的?
スピナーベイトが最強です! ウィード耐性に加え、光る物が大好きなノーザンパイクにとってスピナベは完璧なルアーと言えます。
その他には、トップウォーターやビッグベイトで楽しく釣るのもありですし、バイブレーションやクランクベイトで広大なウィードフラットを手早く攻めるのも効果的です。
また、縦の動きにも反応が良いので、ウィードのポケットにジグを落とし込むのもGOODです!
ワイヤーのご準備を!
バスを狙っていると、多い日には10回以上もノーザンパイクにラインを切られてしまうこともあります。
魚にルアーを残さないためにも、ノーザンパイクを狙う場合はワイヤーリーダーを装着することを強くオススメします。
メインラインはPEであれば2号か3号、ナイロンやフロロの場合は16〜20ポンドを選んでください。
ノーザンパイクを狙う上での注意点は?
鋭い牙にはご注意を。僕も何度も手を切られた経験があります。
これもアメリカでバス釣りをする人に嫌われる理由ですね。
弱りやすい魚です
冷水性の魚ということで、酸素要求量が多いために弱りやすく、身が柔くて傷つきやすいです。
リリースする場合は、水から上げる時間を極力短くしましょう。
ノーザンパイクにおすすめのタックル
パックロッドが便利
ノーザンパイクに限りませんが、海外釣行時はパックロッドがおすすめ。
ノーザンパイクは身近な場所に生息しているので、旅行・出張の際はパックロッドを忍ばせてはいかがでしょうか。
スピナベは必携
ルアーをひとつだけ持って行くなら、絶対にスピナーベイトです! コンパクトでワイヤーが細軸の物が良く釣れますよ。
ジャッカル スーパーイラプションジュニア 3/8oz
トレーラーフックも忘れずに
スピナベで確実に釣果をあげたいのなら、必ずトレーラーフックをつけてください!
筆者紹介
山根 kimi ヒロユキ
初めての1匹を求めて世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズ(兄)。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。