イカメタルで選ぶべきロッドは?
手軽に美味しいイカが釣れることで大人気のイカメタル。
そんなイカメタルで釣果を伸ばすためには、誘いとフッキングが重要。スッテを巧みに操って小さなアタリを取るには、まずはロッド選びが大切です。
本記事では、元釣具屋の筆者がイカメタルロッドの選び方を解説し、おすすめのロッドを厳選して紹介します。
イカメタルロッドの選び方1. 長さ
イカメタルロッドの長さは、6〜7ftの間が一般的です。
数字だけで見ると小さな差ですが、実際に使うとなると数字以上に大きな違いを感じます。
操作性重視のショートロッド(6ft前後)
6ft前後のロッドは、イカメタルロッドの中ではショートロッドに分類されます。
短いので軽くて操作性がよく、手感度も良いことが特徴。
スッテをクイックに動かして、小さなアタリを積極的に掛ける釣りに適しています。
シェイクなどのアクションを快適に行なえ、フッキングスピードも速いので、イカメタルの醍醐味を味わえます。
キャスティングやオモリグにも対応ロングロッド(7ft前後)
7ft前後のロングロッドは長めの仕掛けが扱いやすく、キャスティングやオモリグ仕掛けなどに向いています。
また、長いロッドは船の揺れを吸収して仕掛けを安定させられるため、荒天時などにもおすすめです。
長めのレングスによって大きなアクションもつけられるため、ショートロッドとは異なる誘いを演出できます。
イカメタルロッドの選び方2. パワー(硬さ/適合スッテサイズ)
他の船釣りと同じく、スッテの重さによって適したロッドのパワー(硬さ)が異なります。
地域や釣り場によって用いるスッテの重さは異なるので、ロッドを選ぶ前にスッテの重さを確認しておきましょう。
浅場・軽いスッテ向きのLクラス(15号以下)
15号以下の軽めのスッテに対応するのがLクラスのロッドです。浅場や潮流が速くないエリアに適しています。
また、2本目として用意しておき、イカが浮いてきた場合に使用するのもおすすめです。
オールラウンドなML・Mクラス(10〜20号前後対応)
10号から20号程度のスッテに対応するのがML・Mクラスのロッドです。
全国的に見て、もっともよく使われるスッテは15号前後ですので、はじめの1本はこのあたりのクラスを選びましょう。
重いスッテにはMHクラス(〜30号対応)
深場や潮が速い釣り場では、30号程度の重たいスッテでないと釣りが成立しない場合もあります。
また、重たいオモリを使うことが多いオモリグにも適しています。
イカメタルロッドの選び方3. 調子(テーパー)
イカメタルロッドは基本的に先調子に作られていますが、その中でもより先調子(掛け調子)なものと、やや胴調子(乗せ調子)なものに分けられます。
掛け調子(先調子)
より穂先に近い部分から曲がる掛け調子のロッドは、スッテにアクションが伝わりやすく、小さなアタリを表現できるのが特徴です。
積極的に誘ってアタリを取れるので、ショートハリスの仕掛けとはとくに好相性です。
乗せ調子(胴調子)
ロッドの胴寄りの部分から曲がる乗せ調子のロッドは、仕掛けを安定させる能力が高く、イカをオートマチックに乗せる釣りに適しています。
イカがロングポーズに反応する状況、ロングハリスの仕掛けやオモリグにおすすめ。イカの引きに対して竿が追従するのでバラしにくいのもメリットです。
イカメタルロッドの選び方4. ティップの素材
イカメタルロッドのティップには、大きく分けるとソリッド・チューブラー・チタンの3種類があります。
ソリッド
ソリッドティップは穂先の中身が詰まっている構造のことを指します。
柔軟に曲がるのが特徴で、イカの繊細なアタリを明確に表現できるため、多くのイカメタルロッドがソリッドティップを搭載しています。
チューブラー
穂先が中空構造になっているのがチューブラーティップです。
ソリッドと比較するとハリがあるので目感度は劣りますが、手感度は良くなります。
重たいスッテやオモリグと好相性です。
チタンティップ
ソリッドの目感度とチューブラーの手感度を併せ持ったような特性の金属製穂先です。
目感度も手感度も抜群ですが、高価格で搭載されているロッドが限られていることが難点。
仕掛けの巻き込みなどで破損しにくい点もメリットです。
イカメタルロッドの選び方5. スピニング or ベイト
イカメタルロッドには、ベイトタイプとスピニングタイプの両方があります。適した釣り方が大きく異なるので、しっかりと違いを把握しておきたい部分です。
ベイトタックル
カウンター付きリールを使えるのが、ベイトタックルの大きなメリットです。
イカメタルにおいて、釣れているタナを把握することはかなり重要な要素で、カウンターリールを用いれば釣れているタナを正確に狙い撃てます。タナは何よりも重要なので、初めの1本はベイトタックルがおすすめです。
また、ベイトリールは仕掛けの上げ降ろしがスムーズに行えるので、スピニングタックルと比較すると縦方向の釣りでは手返しが良くなります。
しかし、ラインの放出時の抵抗が大きいため、とくに軽いスッテのフォールスピードが遅くなります。
スピニングタックル
キャストが簡単で飛距離を稼げ、ハンドル1回転当たりの巻き取り量も多いため、広い範囲を探るキャスティング釣法に向いています。
また、ベイトリールよりもライン放出時の抵抗が少なく、スッテを速く沈められることもメリットです。それゆえに、軽いスッテも扱いやすいといえます。
おすすめのエントリーモデル(1万円前後)
1万円前後の価格帯の中から、はじめの1本におすすめなロッドを集めました。
ライトレーダー メタルスクイッド 662M(プロマリン)
プロマリン ライトレーダーメタルスクイッド 662M
自重:約140g
継数:2本
仕舞寸法:103cm
オモリ負荷:30-90g
実売価格1万円以下のリーズナブルなイカメタル用ベイトロッドです。
エントリーモデルでは珍しい、金属製ティップが搭載されています。
金属製ティップならではの手感度と目感度を備えており、初心者の方でもアタリが判りやすいのが魅力。
また、カーボンソリッドティップよりも強度が高く、巻き込みによってティップが折れにくいのもおすすめポイントです。
クロステージ 鉛スッテ CRXJ-B602M/NS(メジャークラフト)
6ftのショートレングスに設計された、ベイトロッドです。
ブランクの繊維を横・縦・横方向に巻いたうえで、外層をX状のダブルテーピングで強化するマイクロピッチクロスフォース製法を採用しています。
ショートレングスかつ軽量なので操作性が良く、スパイラルガイドセッティングなので糸絡みも少ないです。
メリハリをつけるアクションに適し、フッキングレスポンスも良いので、素早く掛け合わせる釣りにおすすめの1本。
エメラルダスX イカメタル 63ULS-S(ダイワ)
ダイワ エメラルダスX イカメタル 63ULS-S
自重:77g
継数:2本
仕舞寸法:100cm
オモリ負荷:20−95g/5−25号
ダイワ製イカメタル用ロッドのエントリーシリーズに当たる、スピニングロッドです。
ブランクの最外層をカーボンテープでX状に締め上げて強化するブレーディングXにより、細身軽量ながら強いロッドに仕上がっています。
とくに自重は77gとクラスを超えた軽さを誇り、それによる軽快な操作感が魅力です。
穂先は視認性に優れる蛍光オレンジに塗装されているので、繊細なアタリも捉えられます。
セフィアBB メタルスッテ B66M-S(シマノ)
シマノ セフィアBB メタルスッテ B66M−S
自重:85g
継数:2本
仕舞寸法:102.7cm
オモリ負荷:8-25号
25号までのスッテを使用できる、汎用性に優れたスペックのベイトロッドです。
カーボンテープをX状に締め上げるハイパワーXがブランクに採用され、ロッドのブレを軽減し、シャープなフィーリングを実現。
穂先には、張りを抑えたタフテックα(シマノ独自のソリッドティップ)が搭載されており、イカの繊細なアタリを表現します。
トップガイドのみSiCリングで、それ以外はアルコナイトリングを用い、スパイラルガイドにセッティングしています。
ラグゼ スピードメタルS B65M(がまかつ)
がまかつ ラグゼ スピードメタルS B65M
自重:109g
継数:2本
仕舞寸法:103cm
オモリ負荷:38-112g/8-25号
感度を重視して設計された、がまかつ社のベイトロッドです。
繊細なソリッドティップとハリの強いバットを組み合わせることで、感度と操作性を高めています。
糸が絡みにくいようにスパイラルガイドにセッティングされており、トップガイドは糸滑りに優れるSiCリングです。
15〜20号の鉛スッテにキレのあるアクションを与えたい場合に適したモデルです。
おすすめのミドルグレードモデル(2万円〜3万円前後)
2万円〜3万円前後の価格帯から、「これはお値段以上だな〜」と感じたハイコスパなロッドを集めました。
エメラルダスMX イカメタル N56ULB-S(ダイワ)
ダイワ エメラルダス MX イカメタル N56ULB-S
自重:76g
継数:2本
仕舞寸法:89cm
オモリ負荷:20-95g/5-20号
繊細に誘ってアタリを乗せられる、軟調のベイトロッドです。
ブランクには、高密度カーボンのHVFと強化構造のX45、継ぎ目のパワーロスを抑えるVジョイントが採用され、軟調ながら必要十分なパワーが確保されています。
穂先には、細径で柔軟ながら強度も優れるメガトップ(ダイワ独自のカーボンソリッドティップ)を搭載。
超ショートレングスなので、手首への負担が少ないことも特徴です。
セフィアSS B66MH-S(シマノ)
シマノ セフィアSS メタルスッテ B66MH-S
自重:93g
継数:2本
仕舞寸法:102.7cm
適合重量:10号-30号
30号までのスッテを使え、深場や速潮に対応できるハイパワーなベイトロッドです。
三層構造のスパイラルXをさらにハイパワーXで強化したブランクは、パワーロスが非常に少なく、深場でもアクション・フッキングレスポンスが低下しません。
軽量・高感度かつ低重心に設計されたマルチパーミングシートは、握りの自由度が高く、軽快なアクションをサポートしてくれます。
ガイドはスパイラルセッティングで、リングはすべてSiCです。
メタルゾン SSD C64ML/SL
テイルウォーク メタルゾン SSD C64ML/SL
自重:85g(113g)
継数:2本
仕舞寸法:100cm
オモリ負荷:5-20号
バーチカルからショートキャストまで対応する、絶妙なレングスのベイトロッドです。
ブランクは細身でシャープですが、バットには大剣サイズやダブルヒットにも対応できるパワーを備えています。
繊細なソリッドティップを蛍光グリーンとホワイトに塗装し、スレッドを蛍光オレンジにしているので、穂先の視認性は抜群。
テイルウォークオリジナルのZシェープリールシートは、どんな握り方でもタイトに握り込めます。
ブルーポーター IKM 6.6 ML(B)(宇崎日新)
宇崎日新 アレス ブルーポーター IKM ML(B) 6.6
自重:93g
継数:2本
仕舞寸法:104cm
オモリ負荷:20-60g/5-15号
軽量なスッテで浅場を狙うのに適したベイトロッドです。
バット部に4軸カーボンを採用したブランクはネジレに強く、シャープな振り調子を実現しています。
バット以外は軽さと感度を優先し、塗装を控えたマットラッピング工法を導入。
穂先は視認性を重視して蛍光イエローのスレッドを用いています。
グランシャリオ GC-S6102M(ゼニス)
ゼニス グランシャリオ GC-S6102M
自重:88g
継数:2本
仕舞寸法:107cm
オモリ負荷:MAX20号
夜間に映える白いブランクが特徴的なスピニングロッドです。
やや重めのスッテをキャストして、広範囲を探る釣りにも適します。
6ft10inのやや長めのレングスにより、波が高い時でもロングステイがしやすい1本です。
バトルウィップ IM69S(ヤマガブランクス)
ヤマガブランクス バトルウィップ IM69S
自重:86g
継数:2本
仕舞寸法:106cm
オモリ負荷:MAX25号
品質の高いブランクスが高評価を得ている、ヤマガブランクス製のスピニングロッドです。
柔軟性と復元力のバランスを追求したブランクは、操作性に優れるうえに、手首の負担も軽減してくれます。
手感度と目感度に優れるカーボンソリッドティップは、アタリの表現力に優れています。
20号程度のライトなオモリグにも対応できるロッドです。
ハンドレッド 55H(ブラックライオン)
操作性を追求し、5ft5inの超ショートレングスに設計されたベイトロッドです。
軽量かつ張りの強いブランクは、スッテを自在に操れ、フッキングスピードにも長けています。
また、ハリの強いショートレングスに専用設計のソリッドティップを組み合わせたことで、手元への反響感度も抜群。
近畿圏で使用頻度の高い15〜20号程度のスッテが扱いやすいモデルです。
おすすめのハイエンドモデル(3万円以上)
3万円以上のハイエンドモデルの中から、「竿頭を狙いたい」と言う方におすすめのロッドを厳選しました。
セフィアXR メタルスッテ B66UK-GS(シマノ)
シマノ セフィア XR メタルスッテ S68UK-GS
自重:83g
継数:2本
仕舞寸法:105cm
オモリ負荷:3-20号/10-75g
しなやかでアタリの表現力が高く、目感度に優れるウキウキトップ(グラスソリッド穂先)を搭載したスピニングロッドです。
東レのナノアロイ®︎テクノロジーによって高強度化したスパイラルXコアを、さらにハイパワーXで補強し、軽量かつ強靭なブランクに作られています。
搭載されているシマノオリジナルのXガイドは、軽量化・トラブル軽減・糸抜け向上に貢献。
中空構造によって感度を高めるカーボンモノコックグリップも採用され、反響感度も高められています。
ラグゼ スピードメタルR B65ML(がまかつ)
がまかつ ラグゼ スピードメタルR B65ML
自重:103g
継数:2本
仕舞寸法:102.5cm
適合重量:5-20号
5号から15号の軽い鉛スッテをメインにした、繊細さが際立つベイトロッドです。
しなやかなブランクは、ロングステイや角を出さないアクションを演出しやすくなっています。
ソリッドティップはアジングロッド並みの0.7mm径。低負荷な軽いスッテでも表現力に優れ、高い目感度を備えています。
エメラルダス AIR AGS イカメタル K60LB(ダイワ)
ダイワ エメラルダス AIR AGS イカメタル K60LB
自重:85g
継数:2本
仕舞寸法:96cm
オモリ負荷:10-75g
軽さを重視した、ショートレングスな掛け調子のベイトロッドです。
高密度なHVFカーボンと強化構造のX45、Vジョイントが採用されたブランクは、軽量ながら高強度。
チタン合金製穂先のメタルトップとAGS(ダイワの独自のカーボンフレームガイド)が組み合わされ、優れた手感度と目感度を発揮します。
セフィアエクスチューン メタルスッテ B66M-S/F(シマノ)
シマノ セフィアエクスチューン メタルスッテ B66M-S/F
自重:90g
継数:3本
仕舞寸法:130.3cm
適合重量:8号〜25号
セフィアXRの上位機種に当たる、汎用性に優れたベイトロッドです。
スパイラルXコアとハイパワーXに加え、ナノピッチ(成形時のラッピングテープを細かいピッチで巻く製法)を採用し、XR以上に軽量で高強度なブランクに仕上がっています。
その他のXRとの違いは、トルザイトリングが搭載されているのと(Xガイド以外)、変則3本継になっていることです。
ソリッドティップが脱着式になっていることで、穂先が折れた際の修理費を抑えられます。
ヌーボカラマレッティ プロトタイプ GNCPRC-652ML-S(オリムピック)
オリムピック ヌーボ カラマレッティー プロトタイプ GNCPRC-652ML-S
自重:99g
継数:2本
仕舞寸法:100.8cm
オモリ負荷:8-25号
高品質な国産ブランクが人気のオリムピックが発売する、ハイエンドベイトロッドです。
トレカ®︎T1100Gカーボンを用いたクワトログラファイトクロスXXを、独自のGマップス製法(カーボンシートをあらゆる方向に積み重ねる)で成形。
極限まで肉薄に設計されたブランクは、イカのアタリはもちろん、潮流の変化をも捉えます。
穂先にはしなやかな低弾性ソリッドを採用し、違和感のない動きを演出すると同時に優れた目感度を発揮します。
ステイ 71(ブラックライオン)
ブラックライオン ホワイトライオン ステイ71
自重:99g
継数:2本
仕舞寸法:110.5cm
オモリ負荷:18-75g
7ft1inのロングレングスが特徴的なベイトロッドです。
スローテーパー気味の長いブランクにより、荒れた状況でもスッテを安定させられます。
8〜20号までのスッテならほぼ同じように曲がり込み、軽いスッテでも重いスッテでもアタリを取りやすいことが特徴。
柔らかいスローテーパーのロッドながら、しっかりアタリを取って掛けられます。
エメラルダスEX N65ULS-SMT(ダイワ)
ダイワ エメラルダス EX イカメタル N65ULS-SMT
自重:73g
継数:2本
仕舞寸法:103cm
オモリ負荷:20−95g/5−25号
ダイワ製イカメタルロッドの最上位機種に当たり、N65ULSは乗せ調子のスピニングロッドです。
HVFカーボンをさらに強化したHVFナノプラス、Vジョイントαも採用し、圧倒的な軽さを実現。
また、X45以上の剛性を発揮するX45フルシールドを導入したことで、AIR AGS以上にシャープなフィーリングになっています。
SMT(スーパーメタルトップ)と新開発の軽量リングを搭載したAGSの相乗効果により、感度も抜群です。
セフィア リミテッド(シマノ)
シマノ セフィアリミテッド メタルスッテ B65M-S
自重:93g
継数:3本
仕舞寸法:127.6cm
オモリ負荷:8-25号/30-90g
究極の感度と操作性を追求した、シマノのフラッグシップモデルです。
高弾性かつ高強度な東レのM40Xカーボンを用い、スパイラルXコア・ハイパワーX・ナノピッチなどの独自のテクノロジーを投入して作られたブランクは、軽量・高反発ながらしなやかに曲がります。
エクスチューンとは異なる多面体形状のカーボンモノコックグリップが採用され、脇挟みにした時のホールド感がアップ。
持った時のバランスも追求されており、操作時には数字以上に軽く感じられます。
イカメタルはロッドが命!
イカメタルをやったことがある人は、口を揃えて「ロッドで釣果が変わる」と言います。つまり、それだけ専用ロッドは誘ってアタリを取ることに特化しているということです。
単純にアタリが増えれば楽しみも増え、もちろん釣果にも繋がります。ぜひ、専用ロッドでイカメタルを楽しでください。