タイラバ に適したリールとは
タイラバは船から手軽にマダイが釣れるルアーフィッシングとして近年大人気です。
ベイトリールを用いて等速に巻いて誘うのが一般的な釣り方ですが、どのようなリールが適しているのかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、元釣具屋の筆者がタイラバ用リールの選び方を解説し、厳選したおすすめ機種を紹介します。
これからタイラバを始める方やリールの買い替えを検討されている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
タイラバリールの選び方1. サイズ(糸巻き量)
タイラバに適したリールサイズは、シマノの100〜200番程度、ダイワの100〜150番程度のコンパクトなベイトリールです。
0.6〜0.8号のPEラインを200m以上巻けるラインキャパシティがあれば、大半の地域・ポイントに対応します。
これよりも小さいサイズだと巻き上げ力が足りず、大きいサイズだとリールが重くなるといったストレスが生じるので、上記のサイズが適切です。
しかし、船をドテラ流しの状態で200g以上のウエイトを使うディープタイラバの場合、シマノの300番、ダイワの200〜300番が適します。
タイラバ リールの選び方2. ロープロ or 丸型
タイラバに用いるベイトリールは、その形状によって「ロープロ型」と「丸型」の2種類に分けられます。
二つのタイプの特徴を理解して用途にあったものを選びましょう。
ロープロ型
ボディが平たい形状のリールがロープロ型です。コンパクトで握り込みやすく、軽いことが特徴。
タイラバは1日手持ちで巻き続ける釣りなので、軽量であればあるほど疲れにくく、集中力が持続します。その結果、安定した等速巻きを維持でき、釣果に繋がりやすいといえるでしょう。
また、ロープロ型は低価格な機種も多く、これからタイラバを始める方や、手が小さい方などにおすすめです。
丸型
丸型リールは金属素材でボディが構成されており、剛性が高くて巻き上げ力が強く、巻き心地が滑らかなことが特徴です。
100m以深の深場を狙う時や200g以上の重たいタイラバを使用する際にも、リールのたわみが少なくて安定した巻き上げが可能で、大型魚とのやりとりも楽に行えます。
パワーと巻き心地を重視する方にはおすすめですが、重くて高額なことがネックです。
タイラバリールの選び方3. ギア比
ギア比とは、ハンドル1回転当たりのスプールの回転数を表すもので、ギア比が高いほどハンドルを1回転させた時の巻き上げ長が大きくなります。
ギア比が低いローギア(パワーギア)とギア比が高いハイギアの2種類に大別されていることが多く、ギア比の選択はタイラバではとくに重要な要素だと言われています。
ローギア(パワーギア)
巻き上げ時の抵抗が少なくて回転が軽いため、ゆっくりした速度で等速に巻きやすいのが特徴です。
慣れていない方の場合、集中力が切れた時に巻く速度が速くなる傾向が強く、そういった意味では「ローギアを使えば誰でもゆっくり巻きやすい」といえるでしょう。
タイラバはスローに等速巻きすることがセオリーなので、ローギアが好まれ、慣れていない初心者の方にはとくにおすすめです。
ハイギア
ハイギアは巻き上げ長が大きいため、仕掛けの回収などが速くて楽になり、手返しが良くなります。
巻きの重さがデメリットに挙げられますが、それは感度が良いとも言い換えられ、海中の違和感が伝わりやすいというメリットにもなります。
潮の変化や鯛がスカートを噛んだのを感じられるので、ある程度タイラバに慣れた方や2台目の購入を検討している方におすすめです。
タイラバリールの選び方4. カウンター
カウンターリールは、リールの上部にカウンター(ディスプレイ)が搭載されており、ここに放出されたラインの距離が表示されます。
アタリがあった水深を把握したり、仕掛けが流れすぎていないかなどを判断したりできるので、非常に便利な機能です。
また、水深以外にも巻き速度を表示することで、反応が良かった速度を再現できるリールもあります。
タイラバリールの選び方5. ハンドル
ベイトリールのハンドルには、ハンドルノブが2つ付いているダブルハンドルと、1つだけのシングルハンドルがあります。
ハンドルによっても特性が大きく異なるので、それぞれの特徴を把握しておきましょう。
ダブルハンドル
ダブルハンドルは重量バランスが均等なので、一定の速度で巻きやすいのが特徴。
タイラバでは等速巻きが大切なのでダブルハンドルが好まれ、最初の1台にはダブルハンドルをおすすめします。
シングルハンドルに比べて力強く負けないことがデメリットですが、ほとんどの状況では支障となりません。
シングルハンドル
ハンドル軸からノブまでが長く、大型のノブが付いているという構造上、力を入れて巻き上げることが可能です。
巻き上げパワーが強くなることで、重たいタイラバの扱いや大物とのやりとり、深場からの回収が楽になります。
近年流行中のディープタイラバなどには適していますが、等速巻きが難しく、初めの1台にはおすすめしません。
おすすめのエントリーモデル(1万円前後)
1万円前後のエントリーモデルの中から、これからタイラバを始めるのにおすすめの機種を集めました。
ダイワ 紅牙 X IC
ギア比:4.9
最大ドラグ力:5kg
巻き取り長さ54cm
PE糸巻き量:1号-200m
ベアリング数:5/1
実売価格が1万円前半の、リーズナブルなカウンター付きベイトリールです。
金属製のスーパーメタルフレームを採用したボディは、たわみが少なくてやりとり時に安定した巻き上げができます。
タイラバに適した低めのギアレシオなので、スローな等速巻きが簡単です。
電池交換はメーカー対応なのと、カウンターに入力できるPEラインの号数に指定がある点に注意してください。
シマノ 炎月BB 100PG
ギヤ比:5.5
巻き取り長さ:59cm
最大ドラグ力:5.5kg
PE糸巻量:1号-200m
ベアリング数:4/1
軽量なCI4+(シマノ独自の炭素繊維強化プラスチック)を用いた、タイラバ専用のベイトリールです。
51mmの長めのダブルハンドルを搭載しており、巻き上げのパワーと安定感を両立しています。
ドラグにはカーボン製のワッシャーを採用し、粘り強さと耐久性を向上。
SVS(シマノ独自の遠心ブレーキ)を備えているので、キャスティングも可能です。
シマノ バルケッタBB 150DHPG
ギア比:5.8
最大ドラグ力:5kg
糸巻量:PE1.5号-200m
巻取り長さ:58cm
ベアリング数:3/1
高強度樹脂製のボディを採用した、リーズナブルかつ軽量なカウンターリールです。
55mmのダブルハンドルを標準装備しており、タイラバにとても適した仕様。
カウンターはLEDバックライト付きなので、暗い時間でもよく見えます。
電池交換がセルフででき、メンテナンス性の良さも好ポイントです。
アブガルシア MAX DLC
ギア比:5.8
最大ドラグ力:5kg
糸巻き量:PE2号-1150m
ベアリング数:5/1
大きめの文字と、白色バックライトによって視認性に優れるディスプレイを搭載したベイトリールです。
C6カーボン(アブガルシア独自の炭素繊維強化プラスチック)をボディに用いており、十分な剛性を備えつつ軽量に仕上がっています。
ドラグにはカーボン製のドラグワッシャーが入っているので、安定したドラグ性能を発揮。
ドラグ音機能も付いているため、やりとり中のドラグ調整もしやすくなっています。
ダイワ スパルタン IC 150H
ギア比:6.3
最大ドラグ力:5kg
糸巻き量:2号-200m
巻取り長さ:70cm
ベアリング数:4/1
アルミフレームのボディを採用した、剛性に優れるカウンターリールです。
ドラグはダイワ独自のATDなので、滑らかかつ粘り強く魚に追従し、ラインブレイクを防ぎつつも魚の体力を奪います。
スパルタンIC以上のグレードのダイワ製カウンターリールは、電池交換がセルフで可能です。
おすすめのミドルグレードモデル(2万円〜3万円以下)
2〜3万円のミドルグレードモデルの中から、「これはコスパが高い!」というリールを集めました。
シマノ スティーレSS 150PG
ギア比:5.5
最大ドラグ力:4kg
PE糸巻き量:1.5号-200m
巻き取り長さ:55cm
ベアリング数:4/1
剛性重視のアルミボディながら、自重160gの軽さが光るベイトリールです。
軽快なリーリングを可能にするXシップ(シマノ独自の駆動システム)を導入し、強い巻き上げを可能にしています。
コンパクトなコアフィットボディはパーミング性に優れ、手の小さな方でも疲れにくいです。
ドラグサウンド機能も搭載しており、ライトラインも安心して使えます。
ダイワ ライトゲーム IC 150-DH
ギア比:6.3
最大ドラグ力:5kg
糸巻き量:PE2号-200m
巻取り長さ:70cm
ベアリング数:5/1
新しい設計思想であるハイパードライブデザインで作られた、カウンターリールです。
ギアの噛み合い率を向上させたハイパードライブデジギアによって、従来のリールよりも強くて滑らかな回転が長期間持続します。
アルミニウム合金をフレームに採用したハイパーアームドハウジングは、高精度なことが特徴。
固着等のトラブルの少ないハイパータフクラッチも搭載しており、耐久性に優れます。
シマノ 炎月 CT 150PG
ギア比:5.8
最大ドラグ力:6kg
PE糸巻き量:0.8号-400m
巻き取り長さ:58cm
ベアリング数:5/1
巻き速度に加えてフォールスピードも表示できるカウンターリールです。
ヒットパターンを数値で確認できるので、再現性の高い釣りができます。
フォールレバーを搭載しているのでフォールスピードを自在に調整でき、フォールで誘う釣り方も可能。
レベルワインドがスプールに同調して動くため、仕掛けの落下が早く、ドラグ性能も優れます。
ダイワ 紅牙 IC 150
ギア比:6.3
最大ドラグ力:5kg
糸巻き量:PE1号-400m
巻取り長さ:70cm
ベアリング数:6/1
ライトゲームICと同じく、ハイパードライブデザインによって設計されたカウンターリールです。
ピニオンギアの両端をベアリングで支持するハイパーダブルサポートを採用したことで、ライトゲームICよりも巻き上げ力が優れます。
カウンターは巻き上げ速度と落下速度の両方を表示でき、水深を音で知らせてくれるデプスアラームも装備。
ノーマルギアとハイギアモデルは、カスタムハンドル並みの130mmハンドルを搭載しています。
シマノ エンゲツ 100PG
ギア比:5.8
最大ドラグ力:4.5kg
糸巻き量:PE1号-200m
巻取り長さ:58cm
ベアリング数:8/1
フォールスピードを調整できるフォールレバーが搭載されたベイトリールです。
精度の高いマイクロモジュールギアを搭載しており、ノイズの少ない非常に滑らかな巻き心地を誇ります。
防水構造のXプロテクトも導入されており、海水の侵入を大幅に防ぐことでトラブルを軽減。
スプールとレベルワインドが連動するため、フォールスピードが速く、ドラグ性能も安定しています。
おすすめのハイクラスモデル(3万円以上)
3万円以上のハイクラスのリールから、タイラバを極めようという方におすすめのリールを集めました。
シマノ 炎月 プレミアム 150PG
ギア比:5.8
最大ドラグ力:6kg
PE糸巻き量:0.8号-400m
巻き取り長さ:58cm
ベアリング数:8/1
エンゲツCTの上位機種に当たる、カウンター付きベイトリールです。
マイクロモジュールギアが搭載されたことで、エンゲツCTよりも巻き心地が滑らかになっています。
ピニオンギアは特殊表面処理を施したものを採用しており、これによってギアの耐久性が大幅に向上。
その他にも、フォールレバーやレベルワインド連動機能、ドラグサウンド機能など、タイラバに必要な機能をフルに備えています。
ティエラ 100(ダイワ)
ダイワ ティエラ IC 100
ギア比:6.3
最大ドラグ力:5kg
巻き取り長さ:59cm
PE糸巻き量:1号-200m
ベアリング数:6/1
自重はわずか165gと、カウンターリール史上最軽量のモデルです。
ボディはザイオン(ダイワ独自の炭素繊維強化プラスチック)製で、軽量ながら高い剛性も備えています。
ノーマルギアとハイギアモデルはハイパードライブデザインで設計されており、耐久性も文句なし。
感度を重視して、タックル全体を軽量化したい方にはイチオシの1台です。
シマノ オシアコンクエスト リミテッド 200PG
ギア比:4.8
最大ドラグ力:6kg
糸巻き量:2号-200m
巻取り長さ:60cm
ベアリング数:12/1
人気のオシアコンクエストに、フォールレバー等の機能が加えられたカスタムモデルです。
フォールレバーが追加されただけではなく、オリジナルの200番には採用されていなかったレベルワインド連動機能も搭載しており、より速いフォールと安定したドラグ性能を得ています。
もちろん、オリジナルと同じ丸型の金属ボディは剛性が抜群で、巻き上げ力と巻き心地はトップクラスです。
ダイワ ソルティガIC 100P-DH
ギヤ比:4.8
最大ドラグ力:7kg
巻き取り長さ:54cm
PE糸巻き量:1号-400m
ベアリング数:13/1
マシンカットで削り出したアルミ製ボディと、新設計のハイパードライブデジギアを組み合わせた、丸型カウンターリールです。
オシアコンクエストなどと同じく、丸型金属ボディの重たいリールですが、巻き上げパワーはロープロリールを大きく上回ります。
ダイワ独自の防水機構マグシールドと固着しにくいハイパータフクラッチを搭載しており、耐久性も抜群です。
シマノ オシアコンクエストCT 200PG
ギア比:4.8
最大ドラグ力:6kg
巻き取り長さ:60cm
PE糸巻き量:2号-200m
ベアリング数:12/1
フォールレバーとカウンターを搭載した丸型リールです。
マイクロモジュールギアとアルミ製ボディによって、圧倒的に滑らかな巻き心地と強力な巻き上げ力を誇ります。
重たいリールですがその分剛性は高く、深場や潮が速い釣り場での使用感は圧巻。
他にも、レベルワインド連動、高耐久クラッチ、カーボンクロスワッシャーなど、最高峰の機能が投入されています。
タイラバはリールが大切!
タイラバは一定の速度で巻き続ける一見単純な釣りですが、それゆえにリールの性能が釣果に大きく影響する釣りです。わずかな巻き感の違いやギア比の違いなどが、釣果となって顕著に現れます。
ぜひ、本記事を参考にしてご自身に合ったタイラバリールを見つけてください。