バチコンアジングとは?
バチコンとは“バーチカルコンタクト”の略で、船からバーチカルに(仕掛けを縦に入れて)アジを狙うルアーフィッシングです。
ライトなタックルで良型のアジが狙え、ゲーム性も高いことから近年は人気が急上昇中。
本記事では、元釣具屋の筆者がバチコンの仕掛けやタックル、釣り方について解説します。
バチコンの仕掛け
バチコンでおもに使うのは、胴付き仕掛けと逆ダウンショット(逆ダン)の2種です。
それぞれの仕掛けの特性を解説します。
胴付き仕掛け
ダウンショットリグとも呼ばれ、もっともオーソドックスな仕掛けです。
サルカンが回転するので糸ヨレが少なく、仕掛け絡みなどのトラブルが少ないことが特徴。
セッティングが簡単なので初心者でも使いやすい反面、エダスの長さを変える場合はその都度カットする必要があります。
基本的にはエサ釣りの胴付き仕掛けと同じなので、サルカンを用いる他にも回転ビーズ等で仕掛けを作ることも可能です。
逆ダウンショット(逆ダン)
ショックリーダーにジグヘッドを直結し、そのリーダーに対して捨て糸をハーフヒッチで編み込む仕掛けです。
ハーフヒッチ部分を滑らせることでエダスの長さを自由に調節できますが、やりとりやアワセのショックで捨て糸がズレることもあるため、仕掛けのチェックはマメにする必要があります。
胴付き仕掛けに比べてアタリが伝わりやすいのもメリットですが、サルカンがない分だけやや絡みやすいです。
バチコンのタックル
ここではバチコンに適したタックルを解説します。
ロッド
バレーヒル レトロベーシック バチコンアジング RBS-70VC
自重:99g
継数:2本
仕舞寸法:114cm
オモリ負荷:5-20号
感度の高い6〜7ft前後のバチコン専用ロッドがおすすめです。
その中から、水深やオモリに応じた硬さのロッドを選びましょう。
専用ロッド以外では、イカメタルロッドやティップランロッド、SLJロッド、一つテンヤロッド、エギングロッドなど、オモリ負荷が近い先調子のロッドが代用できます。
リール
シマノ ナスキー C2000SHG
ギア比:6.0
最大ドラグ力:3kg
PE糸巻量:0.6号-150m
巻取り長さ:79cm
ベアリング数:5/1
スピニングリールもベイトリールもどちらでも使えます。
スピニングリールはキャスティングで広範囲を探れるため、浅い釣り場と好相性。
ベイトリールは巻き上げが強いので深場に適します。また、ヒットレンジを把握しやすいカウンター付きモデルなら尚良しです。
リールのサイズは、スピニングリールが2000〜3000番程度、ベイトリールは小型サイズ(タイラバやイカメタルと同程度)を目安にしてください。
ライン
0.4号前後のPEラインを200m程度巻きましょう。
レンジの把握がしやすいカラーマーキングのあるものがおすすめです。
PEラインの先には2号前後のショックリーダーを1ヒロ(約1.5m)程度接続しておきましょう。
ジグヘッド+ワーム
ジグヘッドやワームは岸からのアジングで使うものを流用します。
良型が釣れる場合は、フックの軸が太いジグヘッドを選ぶと安心です。
ジグヘッドの重さは〜1g程度の軽いものを揃えておきましょう。
シンカー
シンカーはどんなものでも問題ありませんが、フォールスピードの速いものがおすすめです。
重さは5〜15号(18〜56g)程度がよく使われます。
水深や潮流によって変える必要があるため、複数の重さを用意しておきましょう。
バチコンの釣り方
もっともオーソドックスな釣り方は、リフト&フォール(ステイ)の組み合わせです。
その他には、着底後に張らず緩めずのゼロテンションでワームを漂わせたり、シェイクで小刻みに誘うのも有効。
アタリがあればすぐにアワセを入れ、口切れに注意しつつ、一定のテンションで巻き上げましょう。
アタリがない場合は、回収してワームがズレていないかチェックしたり、ワームやジグヘッドを変えたりしつつ探ってみてください。
バチコンで釣果を伸ばすコツ
ここからはバチコンで釣果を伸ばすコツを紹介します。
ぜひ実践してみてください。
仕掛けを入れ直す
ワームが同じレンジに長時間あると、アジに見切られてしまいます。
ある程度誘ってアタリがなければ、一度アジの視界から仕掛けを消すために、仕掛けを回収して再度入れ直しましょう。
アジは急に上から落ちてきたものにリアクションバイトする性質もあり、アタリがもっとも出やすいのは投入直後です。
また、アタリを掛け損ねると高確率でワームがズレますし、初心者の方は仕掛けが絡むことも多いため、仕掛けの入れっぱなしは避けましょう。
キャスティングを活用
キャストして広い範囲を探ることで、船の周りにいるアジを狙えます。
真下でアタリが少ない場合は、スピニングタックルでアンダーハンドキャストをして探ってみてください。
とくに夜釣りでは、集魚灯の明暗部や暗い側をアジが回遊することも多いので有効です。
また、キャストをすることで仕掛けが新しいポイントに入るため、見切られにくいことも覚えておきましょう。
小さいアタリをアワせる
アジのアタリは小さく、エダスが緩んだりするとアタリがボケることも多いため、常に竿先に集中して小さな違和感を逃さないようにしましょう。
竿先を引っ張るアタリは簡単に気付けますが、“コツッ”という瞬間的なアタリやテンションが抜けるアタリは気付きにくいので、違和感があればアワせるようにしてください。
また、吸い込んだ瞬間にフッキングすることで、フックが上アゴの硬い部分に刺さるのでキャッチ率もアップします。
アワセが遅れると口の横に掛かる確率が高まり、口切れによるバラシが増えるので注意しましょう。
おすすめのバチコン仕掛け4選
「仕掛けの自作が難しそう」という方のために、既製品のバチコン仕掛けを集めました。
また、既製品を使うことで自作のクオリティーも上がると思うので、ぜひ使ってみてください。
オーソドックスな胴付きタイプのバチコン仕掛けです。
エダスの先にスナップが付属しており、ジグヘッドの交換をスムーズに行えます。
外道に狙われにくいブラックパイプを用いた、胴付きタイプのバチコン仕掛けです。
ダブルラインと硬質ブラックパイプ、高回転なサルカンの相乗効果によって絡みにくいことが特徴。
レギュラータイプは一手スナップが採用されており、ジグヘッドの交換がスピーディーです。
簡単にセッティングができる逆ダウンショット式の仕掛けです。
スナップ以外にパーツがないため、オマツリしてもほどきやすいことが特徴。
ハリスは強度に定評のあるシーガーハリスが採用されています。
逆ダウンショットのバチコン仕掛けです。
編み込み部分を移動させることでリーダーの長さを調整できます。
リーダーを長くすると喰わせ重視、短くすると感度重視のセッティングです。
スリリングなやりとりも楽しい!
繊細に誘って掛ける楽しさはもちろん、ライトタックルでのスリリングなやりとりもバチコンの醍醐味です。
小さなアタリをアワせ、大アジの重みがロッドにズドンと乗った瞬間は堪りません。
釣りの後にはアジ料理を堪能できるので、ぜひバチコンにチャレンジしてみてくださいね!