メジナ(グレ)とは?
特徴は青く光る黒い体色

やや黒い灰色を基本色としながらも、太陽光が当たることで大変美しい青緑色に輝く体色がメジナの仲間の特徴です。
メジナの体形は扁平して体高は高く、頭部は丸みを帯び、マダイやクロダイと比べると優しい印象を与える顔つきをしています。
メジナの仲間は世界で約15種類いるとされ、その内日本に棲息しているのは3種類です。
日本に生息するメジナは3種類
メジナ(クチブトグレ)

メジナという標準和名を与えられているこの魚は、しばしば『クチブト(口太)』と釣り人から呼ばれます。
後述するクロメジナとは、ウロコの暗色点の有無や各項目の鱗数によって区別が可能です。
メジナのエラ蓋の後縁は黒くないことでクロメジナと見分ける場合もありますが、稀にメジナにも黒い個体がいるので注意が必要。
体色についても個体差や環境によって変化するため、体色で見分けることはできません。
概ね50cmを超えれば大型、60cmを超えると記録級サイズと言えるでしょう。
67.5cm/6.85kg(高知県沖の島ノコバエ3番 磯釣り)という記述もあります。
クロメジナ(オナガグレ)

釣り人から『オナガ(尾長)』と呼ばれるクロメジナは、メジナよりも遊泳力が高く、外洋に面した磯に生息しています。
メジナよりも尾鰭が湾曲していることからも想像できるように、回遊性が強くて引き味も強いのが特徴です。
また、歯が鋭い(ヤスリ状になっている)こともメジナとの違いです。
釣り人によって価値観は様々ですが、一般的にクチブトよりもオナガの方が人気や憧れ度が高い魚とされています。
メジナよりも大型化し、60cmを超えると大型、70cmを超えると記録級サイズと言えるでしょう。
\オナガとクチブチトを徹底比較した記事です/
オキナメジナ(ウシグレ)

ウシグレとも呼ばれるオキナメジナは、おもに沖縄県に生息する南方系の魚で、稀に伊豆諸島や紀伊半島でも釣り上げられます。
メジナよりもやや体高が高くて唇が分厚く、若魚までは体側に黄色い横帯が入るのが特徴。
メジナやクロメジナほど大きくならない魚とされ、40cmを超えると大型とされます。
木っ端グレはメジナの幼魚

木っ端グレと呼ばれる魚は、メジナ類の幼魚の総称です。
初夏から秋にかけて、堤防からのサビキ釣りやウキ釣りで手軽に釣ることができます。
イスズミとの見分け方

メジナの仲間とよく似た魚にイスズミがいます。
日本には4種類のイスズミが棲息していますが、これら4種は見分けられることは殆ど無く、一括りにグレ釣りの定番外道として扱われることが多いです。
イスズミの仲間の体側には頭から尾に向かう縦線模様があり、体色は銀白色の割合が多く、見慣れてくると簡単にメジナ類と見分けられます。
よく見ると、上の写真も糞を漏らしているのがわかります(笑)
\イスズミを紹介した記事です/
メジナの生態と生息域
新潟および房総半島から鹿児島にかけて生息

メジナのおもな生息域は房総半島および新潟県から鹿児島県ですが、北は北海道、南は沖縄県まで釣果が見られます。
クロメジナはメジナよりもやや暖かな海域を好むため、おもな生息域は房総半島および山口県から沖縄県にかけて。稀に新潟県までの日本海側や東北地方の太平洋側で釣り上げられることも。
オキナメジナは沖縄県および小笠原周辺の海域をおもな生息域としています。
メジナの繁殖期は冬から春

このようにメジナ類の生息域は広いため、繁殖期は地域によって大きく前後します。
メジナ類の繁殖は冬から初夏にかけて行われ、暖かな地域ほど早く産卵する傾向に。
例えば、九州の男女群島では1~2月が産卵のピークですが、本州北部では5~6月ごろがピークとされ、クロメジナはメジナよりも2ヶ月ほど早く産卵します。
ちなみに、磯釣りのベストシーズンは冬から翌春にかけてです。
藻類や動物プランクトン、甲殻類、時に小魚も食べる雑食性

メジナ類は藻類や動物プランクトン、小型の甲殻類を主食とする雑食性で、稀に小魚も食べることが知られています。
メジナとクロメジナを比べると、メジナの方が植物食性の傾向が強く、海藻で釣ることも可能です。
メジナの釣り方
メジナは磯やゴロタ場を好む

メジナの仲間は岩礁帯に生息するため、磯やゴロタ場が釣り場として適しています。
地域によっては汽水域や港湾部に侵入してくることもあり、岸釣りにおいてとても身近な魚の1つです。
堤防から気軽に釣ることもできる

本格的な磯釣りだけでなく、堤防からでも気軽に楽しめるのがメジナの魅力の1つです。
テトラポッドやケーソンなどを住み家とし、潮通しの良い堤防の先端などに餌を食べにやってきます。
フカセ釣りが王道

グレ釣りはウキとコマセ(撒き餌)を使った、フカセ釣りで狙うのが最もポピュラー。
1.5号程度の磯竿 に、ナイロン2号前後の道糸を巻いた2500番のスピニングリールを合わせるタックルが標準的です。
0~1号程度の円錐ウキを用いることが多く、タナの深さや潮流の速さに合わせて使い分けます。
メジナの場合はグレバリ6号・ハリス2号程度が基準ですが、クロメジナは引きが強くて歯が鋭いので全体的に道具の強度を上げて狙います。
マルシン かんたんフカセ釣セット(水中ウキ付)
ウキ | B |
---|---|
水中ウキ | -B |
ハリス | 1.5号 |
針 | チヌ3号 |
これ1つでフカセ釣りが始められるセット仕掛けです。
ウキ止めや水中ウキ、ハリスもついているので、初めてフカセ釣りに挑戦される方にオススメ。
針はチヌ針の3号が付属しています。
\グレのフカセ釣りを紹介した記事です/
木っ端グレなら簡単な釣り方でも

サイズを問わず、堤防から木っ端グレを狙ってみたい方は、もっと簡単な釣り方でも楽しめます。
メジナ釣りのコツを挙げるとすれば、コマセを使うこと、ハリスを細くすること、小針を使うことです。
15cm程度の小さなグレでしたら、袖針の4~5号を使うとわりと簡単に針に掛かってくれますよ。
サビキで狙う場合は、コマセを針につけるタイプのトリックサビキがオススメです。
がまかつ 金袖 4号
針サイズ | 4号 |
---|---|
ハリス | 0.6号 |
堤防の小物釣りに打ってつけな袖針。
木っ端グレやサンバソウ、タカベやサヨリなど、夏の堤防で釣れる小物を狙う際に活躍します。
マルフジ 改良トリック7 朱塗
針数 | 7本 |
---|---|
全長 | 1.2m |
別売りのスピード餌付け器を使用して針にアミエビをつけて使用するタイプのサビキ仕掛けです。
餌を付けることでアジやイワシ以外にも様々な魚を狙うことができます。
\トリックサビキを紹介した記事です/
メジナの旬と食べ方
メジナの旬は晩秋から春先

メジナの旬は冬から産卵までの期間とされ、クロメジナは秋ごろから脂が乗ると言われますが、産卵期と同様に地域によってズレがあります。
とくにメジナ(クチブト)は季節によって食性を変える傾向にあり、藻類を食べるようになる冬場が美味しいとされる一方で、夏場は磯臭い個体が一定数いるとされます。
刺身は白身魚らしく美味

繁殖期になると脂が良く乗り、刺身で美味しく食べられます。
メジナは皮も美味しいため、湯引きやタタキにする食べ方も人気。
一般的にはクロメジナの方が食感も脂の乗りも良いとされますが、メジナも十分美味しい魚です。
小さいグレやアラは煮つけが美味しい

小さなメジナやアラは煮つけがオススメです。
煮付けはやや濃いめの味付けでしっかり味をしみ込ますと美味しいですよ。
天ぷらやフライも美味しい

メジナは火を通しても身が硬くなりにくい一方で、身崩れもしにくいため、加熱調理との相性も良い魚です。
天ぷらやフライといった揚げ物でも美味しく食べられます。
塩焼きは脂が乗る旬の時期がオススメ。真夏はやや磯臭さを感じる場合があります。
メジナは磯釣りの人気者

一般的な認知度ではタイやマグロには及ばないメジナですが、磯釣りにおいては花形とも言える存在です。
身近な釣り場にも多い魚なので、ぜひ狙ってみてくださいね。
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