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「あれ?リーダーが結べないッ……!」40代釣り人に訪れる“審判の日”

「あれ?リーダーが結べないッ……!」40代釣り人に訪れる“審判の日”

視力だけは誰にも負けない——ずっとそう思っていました。

ところが40代に入り、気づけば夜の港で「見えん……」と呟く自分がいる。

老眼は釣り人にとって無関係な話ではなく、やがて誰もが迎える“あっち側”の出来事。

今回は、老眼がもたらす釣りの苦労と、その現実的な対策についてまとめました。

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目次

あの頃は笑ってた俺、今はそっち側

2年前。いつもの堤防で釣りをしていた時のことです。

常連のおっちゃんが「見えん」と言いながら、リーダーを結ぶのに悪戦苦闘していました。

僕はその姿を横目に、「そんなことあるんだ(笑)」とどこか他人事のように笑っていました。

ところが今、その「見えん」という言葉が、まさか自分の口から出てくるとは——。

まさかの事態が、静かに訪れていたのです。

KOBAYASHI

今回の記事では、年齢とともに変わっていく釣り人の“ささやかな苦労”と、その対策をお伝えしていきます。

ズバリ、原因は老眼です!

僕は現在45歳。どうやら、着々と老眼が進行しているようなのです。

もともと視力はめちゃくちゃ良くて、「全盛期は2.5あったんじゃないか?」と思うほどでした。

ところが40歳を過ぎたあたりから、近くのものを見ると「ピントが合いづらいな……」と感じる瞬間が増え、気づけばあれよあれよと進行。

今では、60cmほど離さないとピントが合わなくなってしまいました。

数年前までは40、45、50cm……と、じわじわ距離が伸び続け、ついに60cmに到達。

60cmって、魚ならもう立派なハマチですよ!

ハマチほど離さないとピントが合わないなんて、なかなかの衝撃です。

KOBAYASHI

ちなみに老眼とは、「近くのものにピントが合いづらくなるけれど、遠くは変わらず見える」という、とてもざっくり言うとそんな状態です。

老眼鏡を試す日々

その現実を受け入れるまでには、正直かなり時間がかかりました。

だって、これまで目が恐ろしく良かったのですから。

「見えない」という状況に苦労したことがないのに、ある日を境にいきなり見えなくなる。

世界との距離感がガラッと変わってしまって、本当に戸惑いました。

でも、その“見えない”という現実を受け入れてからは、一気に老眼鏡探しの旅が始まります。

ダイソーでは度数違いやフレーム違いの老眼鏡を何本も買い漁り、JINSでは“リーディンググラス”という名の老眼鏡を試し、さらには仕事専用メガネまで作ってみたり。

KOBAYASHI

そんな感じで、今もなお「自分にとってベストな一本」を求めて、メガネ迷宮をさまよっている最中です。

釣りにおいて困ること

リーダー結ぶのが大変

そんな老眼を背負ってしまってからというもの、釣りのシーンでも困る場面が一気に増えました。

なによりキツいのが、リーダーを結ぶ時。これがまあ、本当に見えない。

近くに持ってくるとピントが合わずボケボケ、かと言って離すと今度は細かすぎてディテールが追えない……。

「あーー! 見えん!」と叫びたくなるのを必死にこらえながら、経験則だけで無理やり結束したり、場合によってはその日のやる気がごっそり削がれて帰宅してしまったり。

KOBAYASHI

老眼が、釣りへのモチベーションにまで影響を与えるようになってしまったのです。

アジングセッティングが億劫

細いラインを扱うウルトラライトタックルは、正直、老眼になる前からあまり得意ではありませんでした。でも、老眼になってからはその苦手意識がさらに顕著に。

リーダーを結ぶのも一苦労。寒い夜空の下、ジグヘッドのアイにスナップを通そうとするものの、なぜかスカる——そんな日が続きました。

KOBAYASHI

スナップがちゃんと締まっていなくて、キャストして回収したらルアーだけ消えていた、なんてこともありましたね〜。

口に刺さったフックも見えません

もちろん、魚の口に刺さったフックもハッキリとは見えません。

以前はチョチョイと外して、そのままスッとリリースできていたのに、今では、いちいち老眼鏡をかけて「よいしょ……」という感じでリリース(笑)

KOBAYASHI

こんな小さな所作の変化にも、年齢ってしっかり出るんだなあと実感しています。

偏光グラスか老眼鏡か

老眼鏡をかけながら釣りをすることも増えてきました。でも、偏光グラスもかけていたい。

そんな事情もあって、ここ最近は“メガネ2本体制”で釣りに行くことが増えました。

で、時々どっちがどっちか分からなくなるんですよね。

KOBAYASHI

気づけば2本とも頭にのっけていたり、「メガネ、メガネ……」と探していたら、普通に頭の上に乗っていたり。

そんな日が確実に増えてきました。

今では老眼鏡も立派な釣具の一部です!

こうした苦労を経て、では老眼鏡も“なくてはならない大事な釣具のひとつ”として扱うようになりました。釣行時には必ず持ち歩く、完全なる相棒です。

これがあるかないかで、QOLならぬQOF(クオリティ・オブ・フィッシング)が本当に別物。

リーダーを結ぶ時も、魚をリリースする時も、ルアーを付け替える時も、まずは老眼鏡をかけるところから僕の釣りが始まるようになりました。

KOBAYASHI

ある意味、“老眼とともにある釣り”が、今の僕のスタンダードになったのです。

今後、こっち側に来る人々へのアドバイス

老眼は“目が良い人ほど早く来る”と言われますが、僕はまさにその典型。

40歳あたりから症状が出始め、そのままスーッと階段を降りるように老眼の世界へ突入していきました。

まだ“その時”を迎えていない視力の良い人は、これから注意が必要ですし、同時に少しずつ“この世界”を受け入れる心の準備もしておいたほうがいいかもしれません。

KOBAYASHI

そんな中、すべてを受け入れ、対策も講じてきた“先輩”として、今回は現実的にできる栄養学的な視点からの対策をお伝えしてみたいと思います。

栄養素の補助を怠りなく

老眼の進行は、じつは 「目の筋肉」と「ミトコンドリアの疲労が大きな原因とされています。

つまり、目の“燃費”を良くする栄養を意識して採り入れると、体感的な変化が出やすいと考えられます。

おすすめは、アスタキサンチン(目の酸化ストレス軽減)やビタミンB群・マグネシウム(ピント調整の筋肉サポート)、そしてオメガ3脂肪酸(血流改善)などです。

栄養素主な働き含まれる食材例
アスタキサンチン目の酸化ストレス軽減、ピント疲労の軽減鮭、エビ、カニ、イクラ、紅鮭フレーク
ビタミンB群エネルギー代謝促進、ピント調整筋のサポートレバー、卵、豚肉、納豆、玄米、にんにく
マグネシウム筋肉の緊張緩和、神経伝達の安定化アーモンド、海藻類、豆腐、ほうれん草、にがり塩
オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)血流改善、網膜細胞の保護サバ、イワシ、サンマ、アマニ油、チアシード

もちろんこの限りではありませんが、ひとつの対策として講じることは、目に限らず体すべてに影響があるので、するに越したことはありません。

KOBAYASHI

老眼が進んでしまった僕でも、これらの栄養素を摂っておくと目が潤う感覚があり、そこそこ調子が良いので、かなり頻繁にサプリで摂るようにしています。

(まだ)栄養満点な若者たちへ

今、あなたが「そんなことある?」と笑っているその瞬間。

もしかしたら2年後、夜の港でリーダーを結びながら「み、見えない……」と呟いているかもしれませんよ。

でもね、その時は焦っちゃいけません。

老眼は“敗北”ではなく、ただ次のステージに進んだというだけの話。

ピントは合わないし、確かにいろいろと見えづらくはなる。

けれど、不思議なことに——人生の輪郭だけは、むしろ前よりよ〜く見えるようになるんです(しみじみ)。

撮影:DAISUKE KOBAYASHI

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