フカセ釣りで重要な“撒き餌”
フカセ釣りは「撒き餌(マキエ・コマセ)」で魚を寄せて釣る釣り方です。撒き餌を撒くことで、広いエリアから魚を寄せることができます。
そのため、攻めの起点となる撒き餌は、フカセ釣りの中でも重要な要素の一つ。まずこれが無ければ始まりません。
自分のスタイルに合った撒き餌を選び、作ることで釣果がアップします。今回は、撒き餌について詳しく解説します!
フカセ釣りの撒き餌とは
フカセ釣りの撒き餌は、基本的にオキアミです。しかし、オキアミだけでは纏まりが無く、狙ったポイントに撒き餌を撃つことができません。
そこで集魚剤という配合餌をオキアミに混ぜるのが、一般的になっています。
集魚剤はオキアミを纏める効果がある粉末ですが、集魚効果を高める成分が入っており、遠投性能と集魚効果の高さがメリットです。
チヌとグレの集魚剤の違い
チヌ・グレともにオキアミを使うのは同じですが、集魚剤は魚種毎に異なります。
それぞれの魚の習性に合わせて作られているため、チヌ用集魚剤とグレ用集魚剤の大まかな違いを解説します。
チヌ(クロダイ)用集魚剤
チヌは底付近を遊泳していることが多く、撒き餌を底に留めた方が効率良く釣れるため、集魚剤は纏まりが良くて重め(高比重)に設計されています。
また、チヌは雑食性なのでコーンや麦、貝殻、サナギといったエサが多く含まれているのも特徴です。比重を高くするために、砂も多く含まれています。
グレ(メジナ・クロ)用
グレはチヌと同じく、底や沈み根に潜んでいる魚ですが、摂餌する際は底から浮いてくる性質があります。
そのため、可能な限りグレを浮かせるべく、拡散性が高くて軽めに設計されていることが特徴です。
広範囲に広がってゆっくり沈下するので、複雑な流れの中でも撒き餌と刺し餌の同調時間が長くなります。
撒き餌の作り方
バッカンで混ぜるのも良いですし、釣具店によってはスコップやトロ舟が用意されている所もあります。
オキアミと集魚剤を入れ、ムラがないように良く混ぜて粉っぽい部分がなくなればOK。
最後に水を足しますが、手で軽く握って纏まるくらいが丁度良い水分量です。水を入れすぎてベチャベチャにならないように注意してください。
分量
集魚剤1袋に対してオキアミ3キロが基本の分量です。この量であれば、3〜4時間程度釣りができます。
ただし、釣り人によって撒くペースは異なるので、上記の分量をベースにしながら、釣りのスタイルや釣行時間に合わせた量を考えてみてください。
参考までに筆者の場合は、グレ釣りであれば1日(約8時間)で集魚剤3袋とオキアミ6キロで少し余るくらい、チヌ釣りなら半日(約4時間)で集魚剤2袋とオキアミ3キロで丁度良いくらいです。
アミエビを混ぜるのも効果的!
オキアミと集魚剤に加え、アミエビを混ぜるのも効果的な場合があります。アミエビは臭いが強く、集魚効果がさらに高まることがメリットです。
また、粘りが出て遠投性能もアップします。ただし、集魚効果が強すぎてエサ取りも呼んでしまうため、高水温期は注意が必要です。
魚種別おすすめ集魚剤
釣具店に行けばたくさんの集魚剤が並んでおり、どれを選べばいいのか悩んでしまう方も多いはずです。
そこで、筆者が使って良かった集魚剤を魚種別に紹介します。
チヌ用集魚剤
比重が高くて纏まりが良いので、初心者の方にも使いやすい集魚剤です。コーンとムギが多めに入っているのでチヌへのアピール力もGOOD。
価格抑えめですが、コーンや貝殻などいろんな素材が入っています。他の集魚剤と混ぜてボリュームアップに使うのもアリです。
これもコスパが優れたタイプの集魚剤です。纏まりが抜群に良いのにベタつかず、シャク離れが良くて投げやすいところが気に入っています。
グレ用集魚剤
最もバランスに優れた名作集魚剤です。筆者が釣具店勤務だった頃は、V9が圧倒的人気だったと記憶しています。
遠投性・拡散性・集魚力の全てを備えている集魚剤なので、まずはこれを使ってみましょう。あと、V9の独特の香りは癖になりますよ(笑)
纏まりが非常に良い集魚剤で、飛距離を出すにはもってこい。単品だと集魚力は控えめなので、他の集魚剤と混ぜて使うのがおすすめです。
グレの集魚剤の中では重ための部類に入り、集魚効果が高い反面、纏まりは少し弱め。
深いタナまで届くため、厳寒期などのグレが浮かない時などに有効です。
さらに集魚効果を高めるアイテム
撒き餌に加えることで、さらに集魚効果を高めるアイテムを紹介します。
チヌの撒き餌に入れる、コーンとサナギが入った冷凍エサです。
強烈な匂いで撒き餌の集魚効果が高まるのはもちろん、エキスが染み込んだコーンとサナギは刺し餌としても使用できます。
グレにこれだ!!/チヌにこれだ!!
オキアミなどの濃縮エキスです。これをトッピングしておけば集魚力は格段に上がります。
エサ取りすら寄って来ない厳しい状況なら、ぜひ試して下さい。
ボイルオキアミもアリ!
ここまではオキアミ+集魚剤の撒き餌を解説してきましたが、フカセ釣りには「ボイルオキアミ」という撒き餌もあります。
その名の通り、オキアミを加熱処理したもので、比重が軽い、固い、白いという点が特徴です。
生のオキアミとは異なって集魚剤と混ぜずに単品で使用し、軽さを活かしてグレ釣りに用いられます。
メリットとデメリット
固いのでエサ取りに強く、ゆっくり落ちるのでアピール力があります。
また、集魚剤を用いたエサよりも魚が浮くため、より浅いタナで釣れることもメリットです。
ただし、纏まりがないことがデメリットで、遠投することはできません。投げるのも難しく、扱いには少々慣れが必要です。
デメリットを消す方法
ボイルオキアミ専用の調整剤が発売されており、入れることによって纏まりが良くなって遠投性・コントロール性が上がります。
ただし、調整剤なので集魚効果はありません。
また、水を切ったアミエビと混ぜるのも効果的で、遠投性と集魚効果の両方が良くなります。
撒き餌が釣果を左右する!
フカセ釣りの「最大の武器」と言えるのが、撒き餌ではないでしょうか。
撒き餌を使うことで、魚を動かし、騙し、刺し餌を食わせることができます。
撒き餌にこだわれば、きっと釣果も伸びるはずです!
筆者の紹介
tsuki
関西出身の元釣具屋。釣具店時代の知識を活かして皆様の役に立つ情報を発信していきます♪
釣りはいろんなジャンルをしていますが、その中でも好きな釣りはタナゴ釣り。