マブナ釣りの楽しさを伝えたい

マブナ釣りは、身近な河川や池で楽しめる釣りです。
手軽に始められるうえに、最初に釣りの楽しさを知る入口になることも多いジャンルですが、「釣りはフナに始まり、フナに終わる」という格言が示すように、じつはとても奥深い世界でもあります。
のんびりと座って糸を垂らすのも楽しいものですが、今回おすすめするのは、ランガンスタイルのマブナ釣り。
狙うのは「ホソ」と呼ばれる細い用水路。延べ竿を持って歩き回ってマブナを探す釣りです。
マブナとは?

マブナは、身近に生息するコイ科の淡水魚で、キンブナやギンブナなどの総称です。
全国の川や湖に広く生息しており、「柿の種」と呼ばれる小さなフナから、尺(30cm)を超える大物まで狙えるため、数釣りも大物狙いも楽しめるのが魅力といえます。
イシカワ
近縁種のヘラブナとは異なり、生息範囲がとても広く、釣るのも比較的やさしい魚とされています。
マブナ釣りに必要な道具

道具が少なくて済むのもマブナ釣りの良いところ。
竿は1.5~2.4m程度の延べ竿。道糸はナイロンの1号〜1.5号程度。針は袖針の3号を中心に、小さいサイズを狙うのであれば1号などを使うと良いです。
タナの調整がしやすいシモリ仕掛けが便利ですが、ウキ釣りやミャク釣りでも問題ありません。
プロマリン PG 清風 240
オーナー ホリデーフナ日和仕掛

餌には細めのミミズを使用。餌箱があると、持ち運びがぐっと楽になります。
また、大きいサイズが期待できる場所では、タモを用意しておくと安心です。
専用の道具でなくても問題なく、手持ちのもので十分に対応可能です。
イシカワ
ちなみに筆者は、バス釣り用のタモをそのまま兼用していますよ。
マブナ釣りへ

実際にマブナ釣りに出かけてきました。
この釣りの面白さを、実釣風景とともにお伝えできればと思います。
舞台は狭い水路

この釣りの舞台は、田んぼ脇やレンコン畑のすぐ横にあるホソ。
幅1mにも満たない水路ですが、見た目には魚がいないような場所でも、水の中には魚が潜んでいたりします。
イシカワ
こんなところにマブナがいた!
という、探して見つける面白さがこの釣りの醍醐味。
歩き回ってマブナを探す楽しさ

マブナは底を意識していることが多いため、餌のミミズが底に這うようにします。
餌を落とし込んだら魚の反応を確認し、反応がなければ少し餌を浮かせて、再び底につけるように誘います。

マブナ釣りは見つけるゲーム。
足で釣ると言われるように、足を使って探り歩くことが釣果に繋がります。
反応がなければ移動。あまり粘らず、テンポ良くポイントを変えていくランガンが基本です。

狭いホソでの釣りとは言え、流れ込みや杭、水草のある場所など“変化のあるポイント”を意識して探るのがコツです。
イシカワ
歩き回って、魚のいるところを想像し、探して釣る。
マブナを見つけた時の喜びは格別で、童心に戻ったようにワクワクしますよ!
魚との駆け引きに痺れる

アタリの出方はさまざま。
ウキがツンツンと動いたり、突然ウキが沈んで竿先がしなることもあります。
型の良いマブナでもシモリがモゾっとしか動かない時もあり、この魚との駆け引きも楽しいです。

尺サイズの良型ともなると、思わず息を呑むようなやりとりに発展します。
糸鳴りとともに竿が深くしなり、狭い水路では壁や障害物に触れないよう神経を尖らせながら、縦へ横へと走るマブナをいなしていく展開に。
イシカワ
ハラハラとしたやりとりの末に、水面に銀色の魚体が浮かんできた時にはついニンマリとしてしまいます。
自然風景と重なる遊び

マブナ釣りは生活風景の延長にある遊び。
田んぼの匂い、聞こえてくる鳥の声、季節ごとの植生や水色の変化を感じながら楽しめる釣りです。

時には辺りを眺めて目を休める。
釣りの合間にぼんやり景色を眺めると、釣果以上に満たされることもあります。
釣りと風景が合わさる心地良さも、この釣りの魅力のひとつ。
イシカワ
この日も夕焼けを眺めてまったり。
歩き回る釣りですが、牧歌的な一面もあるのが好きなところです。
小物〜良型まで幅広く楽しめる

一年中楽しめるのもマブナ釣りをおすすめする理由のひとつ。
春〜夏にかけては乗っ込みと呼ばれる産卵シーズンになるため、良型のマブナを狙うことができます。

秋から初冬にかけては、小型サイズの数釣りシーズン。
寒くなって魚の反応が鈍くなり、釣りが楽しみにくい時期でも、マブナであれば反応を示してくれることがあります。
イシカワ
季節によって楽しみ方を変えられるのもマブナ釣りの魅力ですね。
延べ竿片手にマブナ釣りはいかがでしょう?

始めるのが簡単でありながら奥深さのあるマブナ釣り。
道具が少なくて気軽に楽しめますし、歩き回って探していけば、良型との熱いやり取りも味わえます。
イシカワ
近所の小河川や水路で、ぜひマブナを探してみてくださいね!
撮影:イシカワヒデカズ
