目次
特徴いっぱいなブダイの生態について
ブダイについて

ブダイはスズキ目ベラ亜目ブダイ科ブダイ属に分類され、最大で50cm前後まで成長する中型のベラの仲間です。
キュウセンなどの一般的なベラよりも体高が高く、頭部が大きい特徴があり見分けるのは簡単な魚。
メスは赤みがかった体色をしているのに対して、オスは青っぽい色をしているので雌雄の判別も容易です。
ブダイの生息地

ブダイの生息域は、千葉県から九州にかけての沿岸。山陰から九州北部および西部、小笠原や奄美地方が挙げられます。
主に岩礁帯を好んで生息し、静岡県や和歌山県など磯釣りの好ターゲットとなっている地方もあります。
ブダイの由来と地方名について

ブダイを漢字で表すと舞鯛(ぶだい)と書き、その名の通り、胸びれを羽ばたかせるように華麗に泳ぎます。
コブダイやナンヨウブダイなど、この手の魚の泳ぎ方は本当に優雅でついつい見惚れてしまいます。
ブダイにはいくつかの地方名があり、中でも関西地方での「イガミ」という呼び名が有名です。
■ブダイの地方名
- ●イガミ:関西・高知県
- ●バンド:愛媛県
- ●八ウオ:鹿児島県
- ●ウーフー:小笠原諸島
ブダイはメスからオスに性転換する魚

ベラの仲間であるブダイは、メスからオスに性転換する雌性先熟の魚で、一夫多妻のハーレム集団を形成します。
ブダイの産卵期は、初夏から夏にかけてと考えられています。
ブダイは粘液で丸い膜を作って休む変わった魚

数あるブダイの面白い生態の中でもっとも有名なのが、夜に球体の膜でベットを作って休む姿が挙げられるでしょう。
丸い粘液の壁には、寄生虫の侵入を防ぐ役割があるのではないかと考えられています。
ベラの仲間は、ほとんどの種類において完全な昼行性を示す珍しい生き物です。
絶対に夜に休む魚って意外と少ないんですよ!
ブダイの旬|ブダイの食性は夏と冬で大きく異なり、味も変化します
夏はカニやエビを食べる

ブダイの食性は、季節によって大きく変化することが知られています。
海水温が上昇する夏は、カニやエビなどの甲殻類を中心に捕食する肉食性を示します。
この時期は磯臭くなる個体が増えてきます。
ブダイが美味しいのは12~3月

海水温が下がり、海藻類が繁茂するようになるとブダイたちは植物食性にシフトさせ、磯臭さが抜けてきます。
ヒジキやハンバ海苔など、磯に生える海藻は選り好みせずなんでもよく食べます。
ブダイの旬は所によって多少のズレはありますが、おおむね12月から3月と考えて良いでしょう。
夏のブダイは磯臭いが、冬は絶品!現場の血抜きをお忘れなく!

カニを食べている間のブダイは磯臭い場合が多く、僕も実際に磯臭いブダイに当たった苦い思い出があります。
しかしながら、血抜きをしっかり施した12月から3月にかけてのブダイはまるで同じ魚とは思えないほど、美味しい魚になります。
夏と冬のブダイを食べ比べると、食べ物って本当に大事なんだな……普段の食生活を気を付けよう!って痛感します(笑)
スナギンチャクを食べるアオブダイの毒に注意

アオブダイは東京湾以南に生息し、食性もブダイとよく似ているため、ブダイ釣りをしていると稀に掛かってきます。
間違ってもアオブダイの内臓は食べないように注意しましょう。
ブダイ釣りの仕掛けについて
冬のブダイ釣り日和について

磯釣りで狙うブダイ釣りですが、波風の立たない凪の晴天が狙い目です。
伊豆半島の凪の日は、地元のおじ様たちが1m近い大きなブダイウキを使ってブダイを狙う光景が風物詩となっています。
メーカー品のブダイウキはほとんど流通しておらず、グレやチヌ用の棒ウキを代用するか自作しています。
ブダイのウキ釣り

「ブダイは根頭を釣れ!」と言われるほど、ブダイは根につく魚です。
海藻を食べるため、海底の起伏に合わせて仕掛けを流す必要があります。
そんな時に役立つのが、長い棒ウキ通称:ブダイウキです。
ウキのオモリ負荷は5~10号が一般的ですが、流れが緩やかな場所では3号でも大丈夫な場合もあります。
■ブダイのウキ釣り仕掛け
- 竿:磯竿4~5号 5m前後
- リール:中型スピニングリール
- 道糸:ナイロン5~6号
- ウキ:ブダイウキ50~100cm
オモリ負荷10号前後(グレ・チヌ用で代用可) - テンビン:松葉天秤(二又天秤)
オモリ:中通しオモリ10号前後(オモリ負荷に合わせて)
ハリス:フロロ4~5号 40cmおよび60cm(2本針) - 針:グレ針8~10号
ブダイの垂らし釣り

足元から水深のある磯では、垂らし釣りでブダイを狙うこともできます。
水深は2.5mあれば大丈夫です。足元にブダイの魚影が確認できれば垂らし釣りも試してみましょう。
■ブダイの垂らし釣り仕掛け
- 竿:イシダイ竿もしくは磯竿5号 5~6m
- リール:イシダイ用両軸リール
- 道糸:ナイロン12号orPE5号
- リーダー:50lb 1m(道糸がPEの場合)
オモリ:中通しオモリ12号前後 - スイベル
ハリス:フロロ5号 30~50cm - 針:グレ針8~10号
餌はヒジキやハンバ海苔など
ブダイ釣りが盛んな地域の釣具屋では、海苔やヒジキなどが販売されています。
磯の海藻類は漁業権が設定されている場合がありますので、餌に使う場合は必ず漁協に確認するようにしましょう。
また、関西地方ではブダイ用の寄せ餌も販売されています。
ブダイの釣り方|海藻がかじられたらチャンス到来ですよ!
海底付近を狙おう
ブダイ釣りで重要なのは底を釣ることです。ウキ釣りの場合は、しっかりタナを測ってオモリが海底につくかつかないかのギリギリに調整しましょう。垂らし釣りの場合は、海底からハリスの長さ分浮かして待ちましょう。
海藻をたっぷり針につけよう

本当にこんなので釣れるんかい!って思いますが、ブダイがいれば高確率でかじられてきます。
ウキ釣りの場合は、広範囲に探って針から海藻が取られる場所を探しましょう。
アタリは意外と小さいです

図体が大きい割にアタリは弱く、グレのように綺麗に引き込まないので正直言って迫力に欠けます。
波に揺られる棒ウキが、波の周期と違った間隔でフワフワしたらアタリかもしれません……と、まぁーブダイのアタリはそんな感じですw
なかには消し込む(ウキが水中に引き込まれる)アタリもありますが、とりあえずウキの動きに違和感を感じたら合わせてみましょう。
ブダイさえいれば、イメージよりも餌がかじられる釣りなので、初めて海藻で釣りをされる方でも「釣れそう!」って感じられる釣りですよ!
真冬の美味しいブダイの食べ方について
ブダイのお刺身と霜降り

真冬のブダイは、驚くほど透き通った美味しさです。
釣った当日のお刺身は歯ごたえがあり、新鮮な触感を楽しみたい方にオススメです。
ブダイならではの甘みを感じたい方は、1日寝かすと良いでしょう。
また、ブダイは皮も美味しい魚ですのでサッと熱湯をかけて霜降りにしても絶品ですよ!
ブダイの煮つけ

冬のブダイは煮つけにしても最高です。一度食べると、またブダイ釣りに行きたくなること間違いなしです!
伊豆半島ではこの食べ方が一般的だとか。身離れが大変よく、しっかりとした歯ごたえで煮魚向きの魚だなぁと感じさせられます。
ブダイの鍋

僕が一番美味しい!と思ったのはブダイの鍋です!
骨からとても良いお出汁がでますし、身はタラに負けない触感と旨味がたまりません!
寒い想いをして釣ってきたブダイで楽しむブダイ鍋は格別ですよ!
釣り物の少ない真冬に、美味しいブダイを狙ってみてはいかがでしょうか?!
筆者紹介

山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017
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