タコエギとは
タコエギとはその名の通り、タコを釣るためのエギです。
ひと昔前までは、船でも堤防でもタコ釣りはテンヤ仕掛けが主流でしたが、近年は圧倒的にタコエギが多く使われるようになっています。
とくに船のタコ釣りでは、各メーカーからさまざまなタコエギが発売されており、選ぶのも一苦労です。
本記事では、タコ釣り大好きな筆者がタコエギの選び方や釣り方、おすすめアイテムを紹介します!
タコエギの選び方
まずはタコエギの基本的な選び方について解説します。
重さ
船釣りの場合は50号程度のオモリを組み合わせて使うため、タコエギそのものの重さはあまり関係ありません。
そのため、ウエイトの複数展開がないタコエギも多く、大半は35g前後のオモリが付けられています。
その一方で、船釣りはタコエギを複数個付けて使うことが多く、異なる重さのエギを接続することでイレギュラーな動きを演出できます。
あまり重さにこだわる必要はありませんが、余裕があれば2パターンほど用意するのも◯。
堤防釣りの場合は、底取りのしやすさを優先して重ため(30〜40g程度)を選ぶのがおすすめです。
号数(ボディの大きさ)にバリエーションがある場合は、アピール力が強い3.5号を基準にしましょう。
タコが小さい場合は、シルエットが小さい2.5号なども有効です。
カラー
海中で目立ちやすくてアピールが強い、黄色が一番人気です。黄色がベースになるので、まずは黄色から揃えるのがおすすめ。
黄色に次いで、赤や緑、白などが人気です。
その日の光量や潮色、水深によってアタリカラーが変わることも多いので、可能な範囲で複数色を揃えておきましょう。
種類
近年はオーソドックスなタコエギに加え、エサを巻きやすいもの、ワームをセットしやすいもの、エギとはシルエットが大きく異なる変則系ルアーなどが登場しています。
これらの種類に関しても、状況によってアタリが変わるので、いろいろローテーションさせてみてください。
オーソドックスなものをベースに揃え、それに+αで種類が異なるものを加えていくのがおすすめです。
タコエギでの釣り方
タコは海底にいるので、タコエギを底から離さずに動かす(誘う)のが鉄則です。
動画のように、オモリを底に付けたままロッドでシェイクして誘います。
オモリを浮かさずに誘うには、先調子(穂先が胴に対して柔らかい)のタコエギ専用ロッドが有利です。
タコに気づかせたり、仕掛けの位置を変えたりするために時々大きく浮かせるのも有効ですが、ずっと浮かせているとタコが乗るタイミングが無くなるので注意しましょう。
タコがタコエギに乗ると、穂先を押さえつけられるような違和感があります。
魚のような明確なアタリではなく、根掛かりのように、エギが動かなくなるようなイメージです。
早くアワせると掛らないことも多いので、そのまま誘い続けて深く抱き込ませてから、一気に大きなストロークでアワせましょう。
タコがタコエギに乗ってからも誘い続けることで、タコが獲物を強く押さえつけようとするので、抱きが深くなると言われています。
タコが掛かったらハリから抜けないように一定速度で巻き上げてください。
テンションが抜けるとバラシに繋がるので要注意!
タコに警戒心を与えず、長い時間抱かせるには、豚の脂身などのエサを巻き付けるのも有効です。
近年はバターを塗るのも流行っています。
2個以上付ける場合は、異なる種類やカラーのタコエギを組み合わせるのもおすすめ。
ワーム付きのエギやスッテタイプなど、いろいろなものをローテションさせながらタコの反応を伺ってください。
リーダーに接続する“集寄”を使用すれば、さらにアピールを強められます。
とくに乗合船の場合は、たくさんのエギが同時に落ちてくるので、周りのエギよりも目立たせられることはメリットです。
ただし、あまり大きなものを付けると潮受けが大きくなり、オマツリしたり、感度が低下してアタリがわからなくなったりするデメリットもあります。
また、仕掛けの全長が長くなるので、キャストもしにくくなるので注意してください。
タコエギの疑問にお答え
筆者が釣具店に勤務していた頃によく受けた、タコエギに関する質問にお答えしてみました。
ぜひタコエギを使う時の参考にしてください。
タコエギのタックルは?
船の場合、タコエギ専用ロッド+小型ベイトリール(200〜300番)+PE2号+リーダー8号が標準的です。
同船者同士のオマツリを回避するために、PEラインやオモリの号数に指定がある釣り船もあるので事前に確認しておきましょう。
堤防の場合、シーバスタックルやライトショアジギングタックル、強めのエギングタックルを流用できます。
船用のタコエギは堤防でも使える?
船用のタコエギは、堤防でも問題なく使えます。
ただし、ウエイトが水深に対して軽い場合もあるので、深いポイントでは親子サルカンなどを介してオモリを接続し、しっかり底取りできるようにしましょう。
反対に、堤防用のタコエギを船から使うこともできます。
脱着式シンカーが付いた堤防用タコエギは、オモリと干渉することがあるので、トラブルが発生するようならエギ側のシンカーを外してください。
テンヤとの違い・使い分けは?
テンヤは海底での安定感が高いため、潮が速い時に適しています。
また、エサが巻けるので、大型や警戒心の高い個体に有効なことが多いです。
その反面、仕掛け全体とハリが大きいので、小さなタコのアタリがわかりにくくてハリに掛かりにくいことが難点。しかし、その分大型を選んで釣りやすいとも言えます。
近年はエサを巻きやすいタコエギも多く、テンヤを使う人はかなり少なくなりましたが、とくに潮が速い時や大型狙いには有効な仕掛けです。
スッテとの違い・使い分けは?
シンカーがないスッテはアクションが大きく、潮が緩い時にもフワフワ漂って動いてくれます。
また、針が全方向(360°)に向いている“全笠タイプ”が多く、フッキング率が高い反面、障害物が多い場所では根掛かりしやすいことが特徴。
とくに堤防の敷石周りなどでは根掛かりのリスクが高く、捨て糸を使うなどして底と接触しないようにする工夫が必要です。
アオリイカ用のエギは使える?
筆者は船からアオリイカ用のエギでタコを釣ったことがあります。また、堤防からエギングをしているとタコが釣れるのは珍しくありませんよね。
結論、アオリイカ用のエギでもタコは釣れますが、あえて使うメリットは無いのでおすすめしません。
ハリ(カンナ)がタコに対しては小さく、全笠ゆえに根掛かりも多いので、タコ釣りには不向きです。
ボロボロになったエギをタコエギに改造する節約術もあるので、下記の記事もご覧ください。
おすすめのタコエギ6選
スタンダードなタコエギからおすすめのアイテムを集めました。
船のタコ釣りが盛んな兵庫県明石で、抜群の実績を誇るタコエギです。
ラトルサウンドとブレードのフラッシングによってアピール力に優れます。
ハリが太軸なので大型への対応力も高く、タコエギの中では比較的リーズナブル。迷ったら蛸墨族から揃えましょう。
タコマスター フラッシュブースト(シマノ)
シマノ独自のフラッシュブーストが搭載された、画期的なタコエギです。
フラッシングプレートが動き続けることにより、止めている間にも自発的にアピールします。
他のタコエギにはない強力なフラッシングを備えているため、集寄を減らせることもメリットで、潮の速い明石では人気・釣果ともに爆発しています。
ワームやエサを簡単にセットできることが魅力のタコエギです。
背面にピンが付いているのでエサがズレにくく、ロックシャフトで素早く確実に固定できることが魅力。
ボディにはスリット加工が入っており、シャフトで固定しにくいエサもワイヤーできっちり巻けます。
がまかつ製のバーブレスフックは、高強度で針先も非常に鋭いです。
フッ素コートのサクサスフックを搭載したタコエギです。
フッ素コート特有の滑るような刺さりにより、素早く深くフッキングできます。
3kgクラスの大ダコを引き剥がせるように、テール部分には補強が。ブレードとラトル音によってアピール力も十分です。
漁師が使用していた“引きエギ”からヒントを得て設計された、独特の二段ボディのタコエギです。
フックに近い位置に目玉を配置したことで、目玉を狙う修正があるタコをフッキングしやすくなっています。
シンカーにはアイが付属しており、タコベイトやブレードなどを取り付け可能です。
蛸墨族 オンブ(ハリミツ)
ワームやエサ巻きに特化したタイプのタコエギです。
背面がフラットになっているので、エサを安定して固定できます。
アシストピンシステムにより、身持ちに優れるエサならワイヤーを使わずに付けられるので便利です。
ワイヤーも付属しているので、崩れやすいエサもしっかり固定できます。
変則系タコルアー4選
近年はエギでもスッテでもテンヤでもない、変則系タコルアーが多く発売されています。
エギとは異なるアピールができるので、ぜひ組み合わせて使ってみてください。
ハード&ソフトマテリアルを融合させたタコルアーです。
ワーム素材でできた爪が大きく動いてアピールし、タコが抱きやすい水中姿勢を維持することが特徴。
フックはゆっくり引っ張れば伸び、根掛かりしても回収できる絶妙な硬度に設計されています。
全笠フックが取り付けられたツインシャフトに、クラッカー(球体)とワームが組み合わされた仕掛けです。
特殊素材のクラッカーが絡みを防ぎ、ワームの稼働範囲が大きいことが特徴。
フックはシャープかつ細軸なので貫通性能が抜群シャフトの上下にはアイがあり、さまざまなアレンジができます。
半笠のフックが搭載されたシャフトに、シンカーとワームがセットされたルアーです。
ワームのアームがスイングするアクションでタコを誘います。
低重心のヘッドがボディの横倒れを防止し、安定した水中姿勢を維持することで根掛かりが少なくなります。
フック部分にはアイを装備しており、ブレードカスタムなども可能です。
ザリガニそっくりなフォルムが特徴的なタコルアーです。
取り替え可能なワーム素材の爪が海中で動いてアピールを続けます。
止めているだけでも潮を受けて自発的にアピールするので、難しいアクションは不要です。
おすすめのカスタムアイテム4選
タコエギのアピール力をアップさせるアイテムを紹介します。
味と匂いをプラスできる、スプレータイプの誘引剤です。
タコの好む魚テイストの抽出物により、違和感を与えずにしっかり抱き込ませられます。
スプレーなので、遊漁船で使用する場合は風向きなどに注意し、周りの人に掛けないようにしましょう。
スタンプ式の誘引剤です。タコが好む甲殻類テイストの抽出物を配合しています。
スプレーのように飛び散らないので、遊漁船でも使いやすいです。
集寄 カニラバ(ハヤブサ)
シンカーやタコエギのアイなどに取り付けできる、集寄アイテムです。
ラバースカートと爪を模したラバーが海中でゆらゆら動いてアピールします。
水を掴むジャバラ形状によってよく踊るタコベイトです。
エギのフックやスッテの頭にセットして使います。
タコエギでタコ釣りを楽しもう!
タコエギを使えば、ルアーフィッシングのような感覚で手軽にタコ釣りが楽しめます。
手軽に楽しめる一方で、仕掛けや釣り方で釣果に大きな差が出るのが、ハマる人が続出している理由です。(もちろん食べても最高!)
地域によっては漁業権の問題でタコ釣りが制限されていることもあるので、確認した上で楽しんでくださいね。