タコ釣りのベストタイミングとは
近年、堤防からも船からも人気が高まっているタコ釣り。
そんなタコ釣りにおいて釣果を伸ばすには、釣れるタイミングをしっかりと把握しておくことが大切です。
今回は元釣具屋の筆者が、タコが釣れる時期や時間帯、潮周りなどを解説します。
タコを釣ってみたい、もっと釣りたいという方は、ぜひ参考にしてくださいね!
タコが良く釣れる時期は?
基本的にタコは年中釣れますが、その中でも釣りやすいのは初夏〜初秋です。
時期さえ間違えなければわりと簡単に釣れますよ。
ベストシーズンは夏
タコ釣りのベストシーズンは6〜8月頃です。
産卵期は地域によって異なりますが、多くは春〜秋にかけて産卵しています。
春から秋にかけて生まれて冬を越した新子は、水温が上がり出した初夏に積極的に捕食活動を行い、急速に成長しようとします。
つまり、夏はタコの絶対数が多くて活性も高いため、釣れる確率も高いというわけです。
タコ釣り入門には最適な時期ですが、小さい個体もたくさん釣れてしまうため、資源保護も考慮して必要以上にキープするのは避けましょう。
冬は大型が狙える
冬は低水温によって活性が低く、個体数も少ないので難しい時期になりますが、まったく釣れないわけではありません。
夏からさらに成長しているため、釣れるタコは大型が多いのも特徴です。
良い日に当たれば1kgオーバーがコンスタントに釣れたり、3kgクラスが混じったりすることもあり、近年は冬でもタコ狙いに出船している船宿もあるぐらいです。
低活性なことが多いので、ゆっくり誘うのを意識すると良いでしょう。
地域差は少ない
代表的な地域 | 釣期 |
関東 | 7〜8月頃 |
中部 | 太平洋側:5〜7月頃 日本海側:7〜10月頃 |
近畿 | 6〜8月頃 |
四国 | 7〜9月頃 |
山陰 | 7〜9月頃 |
九州 | 6〜8月頃 |
アジや青物のように釣期に地域差がある魚もいますが、タコは地域差が少なく、どこも初夏から初秋にかけてがハイシーズンです。
温帯性のマダコは北海道や東北にはほとんど生息しておらず、その代わりにミズダコやヤナギダコが生息しています。どちらも水温の低い12〜翌5月頃によく釣れます。
タコがよく釣れる時間帯は?
本来タコは夜行性が強いと言われていますが、日中も活発に捕食活動を行なっているため、夜間でも日中でも釣れます。
つまり、「どの時間でも釣れる」ということですが、時間帯によってタコの行動が変わることを理解しておきましょう。
夜間は活性が高い
夜間はタコが活発に動いているのでよく釣れます。
タコの好物であるエビやカニなどの甲殻類も夜行性が強いので、それらを捕食するために海底を活発に歩き周っているのです。
夜間のタコは驚くほど活発にエサを追うので、テンヤやエギなどで広い範囲を探るとヒット率が上がります。
朝夕も高活性
朝・夕においても、夜と同様に薄暗い時間であればタコは活発に動いているので、警戒心も薄くて釣りやすいといえます。
夜釣りにはある程度の慣れが必要なので、初心者の方はまず朝か夕方に釣行するのがおすすめです。
エギのキャスティングでもタコジグでの壁際を狙いでも満遍なく釣れ、どちらが有効かはその時の状況によります。
日中は目の前のエサを捕食する
日中のタコは、岩の隙間や堤防の継ぎ目などの物陰に隠れることが多くなります。
夜間や朝夕のように活発にエサを追わないので、障害物周りを重点的に狙うことが大切です。
タコジグはタコが潜んでいる堤防際を効率良く探れるため、とくに日中は有効な釣り方です。
あまりエサを追わないとはいえ、好奇心旺盛なタコは目の前の動くものにはよく反応するので、ハイシーズンなら日中にもたくさん釣れますよ。
タコがよく釣れる潮周りとは?
タコは潮が動きすぎると釣りにくく、潮が止まっても活性が下がるため、ほどよく流れているタイミングが一番です。
潮と釣果の関係は地域や釣り場によっても異なりますが、その傾向を解説します。
緩い潮周りが釣りやすい
タコ釣りは大潮よりも、潮が緩やかに動く小潮周りがおすすめです。
大潮は干満差が大きいため、潮の流れが速くなります。潮が速いと仕掛けが流れやすく、底をキープできなかったり、アタリがボケたりと、釣りが難しくなるのが難点。
岩壁を狙うタコジグにはあまり関係ありませんが、堤防でも船でも底を狙う釣り方では小潮周辺を狙うのがセオリーです。
しかし、もともと流れが少ない湾内のような釣り場では、潮が動きやすい大潮がチャンスともいえるでしょう。
干潮か満潮かは”ポイント次第”
タコは干潮と満潮のどちらのタイミングでも釣れます。
干潮時は食わない、満潮時は食わないなど、いろんな意見がありますが、これはポイントによって条件が変わるため一概には言えません。
ただし、水深が浅いポイントや岩壁は潮位が低くなるとタコが離れる傾向にあり、こういった場所では潮位の高い満潮付近が釣れやすくなります。
完全に潮が止まってしまうとなかなか釣れないので、干潮・満潮前後の潮の動き始めと緩み始めがチャンスです。
タコ釣りは雨に注意!
タコは真水を嫌う性質があるため、大雨の日や雨後の釣行は避けるのが無難です。
雨水の影響を大きく受ける河口付近や浅場はアタリが一気に無くなります。
小降りの雨であれば釣り人も少なく、さほど海中にも影響を与えないので、ある意味チャンスといえるでしょう。
苦潮にも注意!
港湾部などでは、夏場に苦潮(青潮)が発生することがあります。
これは海底付近の酸素濃度が極めて低くなり、多くの生物に影響を与える現象です。
苦潮が発生すると、タコは酸素の少ない海底付近から岸壁などに移動すると言われています。そのため、タコジグで壁際を探ると浅い水深で釣れやすくなるとも。
ポジティブ要素ではないので、避けられるなら避けたほうが無難でしょう。
釣れるタイミングを把握して釣果アップ!
釣れやすいタイミングをまとめると、時期は夏、時間帯は夜もしくは朝夕、潮周りは小潮の潮が動くタイミングです。
もちろん地域によっても差はあるので、釣りをしながらその釣り場の傾向を掴むのが釣果への近道。
とはいっても、タコは釣れるタイミングが長いので、あまり難しく考えすぎる必要もありません。