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コブダイの生態・釣り方・食味を怪魚ハンターが解説!コブも食べてみた

コブダイの生態・釣り方・食味を怪魚ハンターが解説!コブも食べてみた

冬の堤防で強烈な引きを味わえることから、ここ数年釣り物として人気の「コブダイ」

大型化することに加え、コブのある頭に頑丈な牙のある口と個性的な見た目もさることながら、珍しい生態を持つ魚でもあります。

コブダイという魚について、釣り方や食べ方を交え詳しく紹介していきます!

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目次

岸壁の重戦車「コブダイ」とは

分類と学名

コブダイ

鯛(たい)とは名ばかりで、じつはベラの仲間であるコブダイ(Semicossyphus reticulatus)は、スズキ目ベラ科コブダイ属に分類されます。

イシダイやイシガキダイを狙う石物釣り師の間で「カンダイのひとのし」と言われるほど引き味は強烈です。

そんな大物が磯だけでなく堤防でも比較的気軽に狙えるため、近年注目を集めています。

最大120cm・20kgの巨体

大型コブダイ

コブダイは最大で100cm・15kg以上にまで成長し、長いものでは20年以上生きる比較的長寿な魚です。

このような長老かつ超大型個体は年々減少傾向にあるとも言われますが、おでこが大きくなった60~80cmのコブダイは今でも珍しくなく、身近な大魚と言えるでしょう。

分布と生息域

分布は北海道から九州にかけて

オスのコブダイ

コブダイは北海道南部から九州にかけて分布しています。

コブダイが好む環境は潮通しの良い岩礁帯で、磯釣りや堤防釣りで狙えます。

生息域は~50mの岩礁帯

岩礁帯を泳ぐコブダイ

コブダイは水深50m程度までの比較的浅い沿岸域に生息し、餌となるサザエやウニが多く生息するような岩礁帯を好みます。

怪魚ハンター山根
コブダイが大好きでボンベ背負って観察しに潜ったこともあります!

オスは根のトップに出て縄張りの中に別のオスが浸入してこないか見張っている感じでした。

生態はベラ科特有

コブダイとダイバー

ベラの仲間であるコブダイは、夜間は活動を止めて休息します。そのためコブダイ釣りをする場合は日中になります。

また、一夫多妻制のハーレムを形成するのも、コブダイを始めとするベラ類の特徴的な生態と言えるでしょう。

性転換する珍しい魚

コブダイの性転換
画像提供:Tail Beat 土井慧祐

コブダイは集団の中で最も大きくて力がある個体が、メスからオスに性転換します

このような生態を雌性先熟と呼び、コブダイのオス化する目安は50cm前後と言われています。

▼性転換する魚を紹介した記事です

オスだけにある「コブ」の役割は?

コブダイのコブ

コブダイのオスは、しばしば縄張り争いや群れを乗っ取ろうとする別オスと戦います。

その際、激しく噛み合うのではなく、口を大きく開きながら大きく膨らんだコブと下あごを見せ合うようにして競り合うのです。

コブダイの肥大したコブやアゴには、相手をできるだけ傷つけずに誰が強くて健康かを群れのメス達に示す役割があると考えられています。

コブダイの釣り方

釣れる地域と場所の選び方

よく釣れるのは大阪湾や瀬戸内海

コブダイがよく釣れる地域

コブダイを釣りで狙う場合、仕掛けや餌の種類よりも重要なのがポイント選びです。

ジッと構えて待つ釣りになるので、コブダイが生息している堤防や磯を見つけてから釣りを始めることをオススメします。

実績や聞き込みで釣れる堤防を絞り込む

堤防

磯が隣接する堤防を歩きながら、コブダイを見たり掛けたりしたことがないかを地元の釣り人に尋ねてみましょう。

波風が無い穏やかな日は、堤防の際を泳ぐコブダイの姿を見ることも珍しくありません。

頑丈なタックルと仕掛けを選ぼう

石鯛タックルがベスト

コブダイのタックル

穂先がしなやかで大物の引きもしっかり受け止められる石鯛タックルが最適です。

ですが、石鯛竿はどうしても高額ですので、手軽に始めたい方はお手元のショアジギングタックルやタコタックルを流用するのがおすすめ。

コブダイの引きを例えるなら“短距離選手”です。最初のツッコミこそ強烈ですが、それに耐えられれば大丈夫。青物のように走り回ることはありません。

道糸については、大型の両軸リールを使用する場合、根ズレに強い20~30号のイシダイ用ナイロンラインを巻きましょう。

ショアジギングタックル等を使う場合は、PE4~6号に15~25号のショックリーダーを結束してください。

怪魚ハンター山根
ちなみに筆者は、この手の魚は全部怪魚ロッドでやってしまいます。

汎用性の高いパックロッドを1本持っていると重宝しますよ!

トランスセンデンス レイトブルーミングス 510

全長5ft10in-7ft7in(4パターンの長さに調整可能)
継数変則5ピース
仕舞寸法500mm
対象魚バス、シーバス、怪魚全般

シマノ カルカッタコンクエストMD 400XG

自重(g)340
ギア比7.5
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)101
最大ドラグ力(kg)8
糸巻量ナイロン(lb-m)20-235、25-200
糸巻量PE(号-m)4-260、5-210、6-170
本体価格(円)64,800

ぶっこみ or 胴付き仕掛けがポピュラー

コブダイの仕掛け

足元を狙える仕掛けであれば、オモリを使った仕掛けやウキ釣り、針だけのフカセ釣りでも、どんな仕掛けでもコブダイを釣れます。

その中でも、中通しオモリを使った遊動仕掛け三又サルカンを使った胴突き仕掛けがシンプルでオススメです。

鋭利な牙ではありませんが、根ズレのリスクが高いのでハリスはフロロを選択すると良いでしょう。

また、ハリスが太くて結びにくいので針は管付きタイプがオススメです。

仕掛けの一例

  1. ●オモリ:10-30号
  2. ●スイベル
  3. ●ハリス:フロロ16-20号(約60-80lb)30-60cm
  4. ●針:管付き真鯛針 13-15号など

餌はカキ・エビの剥き身が定番

コブダイ釣りのエサ
画像提供:Tail Beat 土井慧祐

コブダイの食性は貝類や甲殻類を主食とする肉食性であり、サザエやウニを「えッ……」って思うくらい、いとも簡単に砕いて食べてしまいます。

もちろんイシダイと同じくウニやサザエも良い餌ですが、スーパーで比較的安く手に入るバナメイエビやカキを使う人が多いです。

アサリ・オキアミ・アオイソメ・ムール貝も有効

貝餌

コブダイにとっては小さな餌ですが、アサリやオキアミでも釣果が出ますし、真冬のコブダイ釣りではアオイソメの房掛けが良い餌になることもあります。

その他には、ムール貝や赤貝といった貝類も効果的。選り好みする魚ではありませんので、その場その時に安く手に入る餌で気軽に挑戦してみましょう。

コブダイの足を止めたい時は撒き餌!

集魚剤

結論からいうと、撒き餌はなくてもコブダイは釣れます。とはいえ、待っている時間が長いので精神的に撒き餌をしたくなるのも事実です。

回遊するコブダイを自分の足元に留めたい場合や、餌取りが多い時には有効になります。

アサリやカキを単体で撒くのも効果的ですが、財政的に厳しい場合は、オキアミと砕いた殻付きのアサリにグレ用集魚剤を混ぜてかさ増しするのがおすすめです。

怪魚ハンター山根
ちなみに、筆者は必ず撒き餌をします(笑)

それもたっぷりめに。

コブダイ釣りの基本とコツ

糸を張らず緩めずでアタリを待ちましょう

コブダイ釣り
画像提供:Tail Beat 土井慧祐

基本的には堤防際を狙うため、仕掛けは真下に落とし込むだけでOKです

しっかり底を取り、道糸の弛みを取って待ちましょう。

この時、竿を飛ばされないようにドラグを緩めるか、尻手ロープを付けるなどして対策しましょう。

穂先が大きく入ったら即合わせ!からのゴリ巻き!

堤防で釣ったコブダイ

コブダイの本アタリは大きく、穂先が力強く舞い込みます。ドラグを緩めている場合はしっかりラインが走ります。

送り込む必要はなく、すぐに力強くアワせ、その勢いで一気にゴリ巻きして魚の頭を下に向けないように浮かせましょう。無論、やり取りの時にはドラグを締めこんでおきましょう。

コブダイの味と料理方法

コブダイの食味は賛否両論ある

コブダイを食べてみた

コブダイは寒鯛と書いてカンダイと呼ばれることもあるように、冬に旬を迎える魚として知られています。

同じベラの仲間であるブダイが個体や季節、地域によって食味に大きな差が出るように、美味しいコブダイはとても旨いとされています。

刺身では白身魚らしい甘みと食感が楽しめ、煮込んでも身が硬くならないので煮つけや鍋にしても美味しいという評価が多いですね。

特大サイズのコブダイは磯臭くてマズイ?

コブダイを料理

コブダイは大きくなるほど美味しいとされる一方で、磯臭い個体が一定数いるのも事実。

筆者は一度だけ90cm近いサイズのコブダイを、現場で血抜きと内蔵処理を施したうえで持ち帰ったことがありますが、真冬にも関わらずとっても磯臭い個体でした。

塩コショウで強めに味付けしたフライを冷凍し、何日もかけて食べきりましたが……以来超大型はリリースしています。

怪魚ハンター山根
ちなみに、コブは脂そのもので非常に磯臭かったです。

本来は刺身、焼き、煮魚、何にしても美味しいと聞きますので、興味がある方は食べてみても良いかもしれませんね!

コブダイは身近な怪魚だ!

カンダイ

とくに大阪湾や瀬戸内において、コブダイは想像以上に身近な魚です。

そのうえ通年狙えるので、ぜひこの機会に豪快なタックルで挑戦してみてはいかがでしょうか?

アワセの直後は強烈に突っ込むので少し怖いかもしれませんが、ここが最大の醍醐味ですよ!

撮影・文:山根 央之

筆者紹介

山根央之

山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。

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