【ピライーバ】巨大ナマズが絶滅の危機?救えるのは僕ら釣り人だけかもしれない。

2020/02/28 更新

超大型ナマズ“ピライーバ”という怪魚について。ピラルクやアリゲーターガーに比べると知名度は低く、知らない方も多いと思います。この魚の魅力や生態と、抱えている問題について怪魚ハンターがお話したいと思います。


アイキャッチ画像提供:山根 央之

ピライーバってどんな魚?


ピライーバは3メートル以上に成長すると言われている、超大型のナマズ。

ピラルクやメコンオオナマズのような経済・文化的価値がないため、詳しい生態や資源量に関する研究は進んでいません。

何を食べて、どのくらい大きくなるのか。生息範囲や繁殖生態など……科学的に殆ど明らかにされていない魚なのです。

流れのある場所を好む


ピライーバは流れのある場所でよく釣獲されます。また、時期により釣れる釣れないがハッキリするポイントもあり、河口域から中流域まで幅広く出現します。

これらの釣り人が得た状況証拠から、ピライーバは流れのある環境を好み、年周期でアマゾン川を大規模に回遊している可能性があります。

もしこの回遊が繁殖行動であった場合、例えば途中にダムなどが建設されてしまうと一気に生息できない環境となってしまうかもしれません。


アマゾン川に広く生息し、流れのある深みを好んで利用すると言われ、近年では産卵のために季節的な大回遊を行っているのではないかと考える人も出てきています。

今でこそ、釣り人がスポットライトを当て始めた生き物ですが、これまでは先住民族と共にジャングル奥地でひっそりと暮らしていたのです。

ピライーバの釣り方

ピーコックバスをエサにしたブッコミ釣りが基本


ルアーフィッシングの大スターであるピーコックバスが、ピライーバ釣りのエサとなります。

ピライーバフィッシングはまず、ピーコックを釣ることから始まるのです。

なんと贅沢な釣りなのでしょう。


ピライーバは専用タックルが必要


ピライーバは流れのある河川本流で釣るということもあり、専用タックルでなければ釣ることはできません。

資源管理の観点から、タックルに制限がかけられている場合もあるので確認しておきましょう。

魚を弱らせるような長いファイトは禁物です。できる限り素早く元気のあるうちに取り込むように心がけてください。

ピラニアの脅威


ピライーバが生息する場所にはもちろんピラニアも生息します。

これが厄介。究極のエサ取りであることは勿論のこと、疲弊しきったピライーバが襲われる危険性もあります。


巨大魚であってもアマゾンでは敵だらけなのです。ちょっとでも弱ることが命の危機に直結します。

 
>>Next Page:ピライーバの未来のために

ピライーバの未来のために考えたいこと


釣り人であれば、“レッドリスト”や“絶滅危惧種”といった単語を耳にしたことがあるかと思います。

これはIUCN(国際自然保護連合)によって評価された生き物を表すものですが、ピライーバは「NE」(Not Evaluated;未評価)です。

つまり、「DD」(Data Deficient;データ不足)より下の段階になっているのです。

しかし、巨大生物はあっという間に絶滅へ向かう


例えばメコンオオナマズは「CR」(絶滅危惧IA類;ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)と評価されています。

しかし、このナマズは乱獲により、たった40年の間にあっという間に野生絶滅寸前まで追い込まれました

僕はこの魚と何年も向き合うことで、巨大生物の強さと弱さを身をもって知ることができたのと同時に、必ず残さないといけないと感じています。

利用価値が生まれることで研究は進みます


研究においても、人間にとって有益なものにどうしても優先順位が与えられがちです。

水産資源としても文化的にも大きな価値がないとされるピライーバ。

しかし、僕ら釣り人が積極的釣りに出かければ、ピラルクやヨーロッパオオナマズのようにスポーツフィッシングの対象種として認知されるかもしれません。

ダム建設や森林伐採など、人為的な環境破壊によってピライーバの生息数が減る前に、データ収集が始まればいいのですが。

「住民」と「ピライーバ」と「釣り人」が共存できるアマゾンに


アマゾンのガイアナ共和国やスリナムではピライーバを狙って釣らせている村やロッジがあります。

彼らはピライーバの価値を最初に見出した人の一人と言えるでしょう。

安定的にこんな大きな魚が釣れるとなれば、世界中からアングラーが駆けつけお金を落とすかもしれません。

現場では、キャッチ&リリースの徹底、魚体の蘇生方法、釣り具や釣獲尾数の制限など……ルール作りも始まっていると聞きます。

アングラーができることは?


僕ら怪魚ハンターと言われる釣り人はただ開拓して自慢するだけではなく、住民の理解を取り付けながらこの先もフィールドや対象魚をしっかり維持できるよう、心がけるべきなのです。

ピライーバが絶滅に瀕することなく、この先も多くの住民を潤し、釣り人に夢と感動を与え続けて欲しいと願っています。


ルールを守って楽しめば、とても魅力的な魚。一生の思い出を作りに、海外へ釣り旅に出るのもいいものですよ!
画像提供:山根 央之

この記事を書いた人

サザンサラトガ 釣り山根 kimi ヒロユキ

“初めての1匹”を求めて、世界中どこへでも行く怪魚ハンター「山根ブラザーズ」の兄。海外釣行のガイドとしても腕を振るう。

釣りに留まらず、ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。

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海外で釣りを楽しむなら、ツアー会社に頼んだり、現地ガイドを利用することをオススメします。

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山根央之

初めての一匹に最も価値を置くプロアングラー。 20ケ国以上を渡航し釣獲した魚は数百種にのぼる。

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