タルイカって?
皆さんはタルイカをご存知でしょうか?
驚くべきはその大きさ。最大サイズはなんと30キロ……まさにモンスターサイズです。
何としても釣ってみたい! というわけで、今回はタルイカを狙った釣行記をお届けします。
タルイカの基礎知識
タルイカは通称。全国的にはソデイカと呼ばれます。
日本海側の地域ではタルイカと呼ばれるため、釣り人の間ではこの呼名が浸透しています。
日本では沖縄から本州にかけて生息しますが、釣りの対象魚として人気があるのは福井県でしょう。
寿命は1年!?
日本海に来遊するタルイカは主に沖縄産まれで、産卵回帰はしないと考えられています。
メッキなどと同様にある種の死滅回遊と言えますね。1年で30キロ近くになるって、成長スピードが早すぎますね……。
そして、何より微笑ましい生態が雌雄1尾ずつで行動するということ。
夫婦仲の良いイカなんです。
シーズンはいつ?
例年通りですと、9月下旬から12月中旬がシーズンですが、年によってタルイカが来遊する時期や量が大きく変動します。
8名乗船して船中0~2匹……。といった年もあれば、全員安打達成。船の周りがタルイカだらけ! と幸せな悲鳴が聞かれる年もあります。
釣獲難易度
難易度Cにしたいところですが、豊漁の年はEクラス。間を取ってDクラスに設定しました!
初釣行!驚きの連続
タルイカ専用針のカンナには、なんとカエシがついています!
圧倒的な大きさなのが分かりますね(笑)
タルイカが釣れる地域以外では見ることのない釣具です!
仕掛けはこんな感じ
タルイカ釣りが可能な地域以外では、まずみることの無い仕掛けです。
まずはクッションゴム。船べりでのジェット噴射に耐えるために必要不可欠です。
そして水中ライト。これも必須!
オモリは潮の速さや乗船人数によって変わります。確認をしておいたほうが良いですね。
豪快なジェット噴射
ワンダッシュで10、20メートルはあっという間です! この引きの強さ……病みつきになりますよ。
止まらないからといって、ドラグを締めすぎるのはNG。タルイカは身切れしやすく、バレてしまいます。
緩めに設定したドラグで一定スピードで巻き上げます。
バラし厳禁!?
つがいで行動するタルイカは、一回バラしてしまうともう一匹も逃げてしまうと言われます。
裏を返せば、バラさなければ船べりまでもう一匹がついてきますので、船べりで隣の人がサイトでヒットさせることも目にする光景です。
まさにモンスター級!最後の抵抗が凄まじい
最後は船頭がギャフを打ってくれますが、そこはモンスター! なかなか諦めてくれません。
船べりで何度もダッシュしますが、気を抜かずドラグを上手に使って手巻きで対応します!
墨の量も半端ない!
モンスターは放つ墨の量も規格外!
汚れるのは覚悟の上です。
釣果は?
僕にとっての初めてのタルイカ釣行は、とりあえずのボウズ逃れといった感じで終了。
個人的には初めてのアカイカ(ムラサキイカ/バカイカ)も釣れて大喜び!
なんですが……。
隣の名人がスゴかった
隣の常連さんは、なんと6杯のイカをキャッチ!
圧倒的に釣り負けた感が否めず、悔しい思いをしました。
どうしてこんなに差ができてしまうのか? 少し研究してみました。
餌に秘密アリ!?
釣り餌は持参するのが、タルイカ便の基本的なスタイル。
釣行する前に、餌や仕掛けなどがその場で購入できるか必ず確認するようにしましょう!
配られる餌がサバだけの場合に備えて、喰いが良いサンマとエサ取りに強いスルメイカは持っておいた方が良いみたいです。
目安は1人当り、サンマ10匹/スルメイカ5匹/アジorサバ5匹です。
餌の付け方も重要!
タルイカは餌を離してしまっても、もう一度抱いてくる場合があります。その際に餌がしっかり針に残っていることがとても大切です。
できるだけ餌が不自然な動きにならないように真っ直ぐつけましょう。
スルメイカの場合もサンマ同様に口から通し、魚体天辺から抜きます。
イカって意外と餌やルアーをよく観察します。回転してしまったり、エサ取りに突かれる程度で外れてしまうようでは釣果に繋がりません。
タルイカ便は、同船者がライバルです。
面倒でもしっかりと針にセットすることが大切です。
慌てないこと!それが一番のテクニック
天秤を使わないため、テンションを掛けながら仕掛けを投入します。
タナは、150メートルから5メートルの間で刻一刻と変化します。時にはサイトフィッシングになることも。
ゆっくりと巻き上げる
指示棚の一番下まで仕掛けを沈めたら、1秒で20〜50センチ程度のゆっくりした一定の速度で仕掛けを巻き上げるのが一般的な釣り方になります。
しかしながら日によっては、竿をあおりながら速く誘ったり、一旦停止させたりするアクションが効果的な場合も。
この時、ドラグは緩めにしておきましょう。150号のオモリがギリギリで巻き上げられる程度のドラグが良いです。
前アタリがきても焦らない!
前アタリは、モゾモゾしたり、フッと食いあげたり、グッと押え込んだりと様々ですが、気にせず同じスピードで巻き上げましょう。
押さえ込めば、ドラグが効いてスプールが空転しますので、とにかくリールは一定速度で巻き続けます!
離してしまうこともありますが、諦めずに巻き続けましょう。
走り出したら本アタリ!
我慢して巻き続けると一気に走り出します。これが本アタリ!
ここでも慌てずにリーリングを続けながらドラグを締め込んでいきましょう。
焦って竿をあげて合わせるとすっぽ抜けます。必ず竿の角度と巻取りスピードは一定。ドラグで合わせを入れます。
行き着いた先は
タルイカ釣りでは竿の角度を固定し、ドラグ操作と巻取りを同時に行います。
それなら、竿を固定した方がやりやすいのでは……?
というわけで置き竿スタイルに切り替え、リベンジしてみたいと思います!
リベンジ成功!
目標としていた10キロオーバーに、思わずガッツポーズしちゃいました!
12キロのグッドサイズを頭に、13匹の大漁です!
壮絶な船内で、思わずデジカメを落としてしまいました。見辛い写真ですみません……。
経験は活かされる!
自分なりに考えて、置き竿・手巻きスタイルでバラシもミスバイトもほとんどありませんでした。
タルイカはルアーでの釣果も期待できます。今後チャレンジしたい釣り方ですね!
クーラーに収まりきらない!
13匹で約100キロ(笑)
クーラーに収まるわけもなく、念のために持っていった衣装ケース2個が大活躍。
タルイカは冷凍することにより繊維が切れ甘みが増します。食べるのは半年〜1年後、食べるのが楽しみです!
タルイカはリリースすると活性が下がってしまうため、リリースさせてもらえない船が多いかと思います。
大漁に備えて、クーラーは大きめのものを用意しましょう!
タルイカ用オススメ釣具
専用遊動仕掛けとタルイカ針は必須です。加えて太いクッションや水中ライトも必ず用意しましょう。
専門釣具なため、取り扱う店舗が少ないのが現状です。通販でまとめて購入するのをオススメします。
ヤマリア ゴムヨリトリ R/RH 5mm 1m
水中ライトは様々な色が販売されています。日によってアタリカラーが変わるので複数色あると良いでしょう。
因みに僕は白が好きです。
Runcircle LED 集魚ライト
100mより深い場所に落とす場合に備え、水中ライトは耐圧性に優れたものがあると安心です。
水中集魚灯 メガコンボイ 2灯常灯 耐水圧:1000m
タルイカ針には専用スナップが最適です!
ハリミツ E-1 ワンタッチ タルイカスイベル
釣り船紹介
福井県ではタルイカ狙いで出船する船が何船かあります。その中からタルイカで有名な船を3船ピックアップしました。
タルイカの時期はマダイや青物狙いで出船していることも多いので、ホームページで出船状況を確認してから予約をするようにしましょう。
筆者紹介
山根 kimi ヒロユキ
初めての1匹を求めて世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズ(兄)。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。