美しい姿で水族館の人気者!ミノカサゴの生態や特徴について
ミノカサゴの生息域について
長いヒレが特徴的なミノカサゴは、その名の通りカサゴの仲間で一般的に30~40cm程度にまで成長します。
生息域は西太平洋からインド洋にかけての広い範囲に分布し、日本では北海道南部から沖縄県に生息しています。
優雅に泳ぐミノカサゴはダイビングや水族館で人気者
釣り人にとっては毒を持つ危険な魚として認知度の高いミノカサゴですが、ダイバーや水族館を訪れる人からは人気の高い魚。
僕もダイビングを趣味としていますが、大きくて長い胸ビレや背ビレを広げ優雅に泳ぐ姿は何度見ても癒される存在です。
アクアリストにも人気の高いミノカサゴの飼育について
ミノカサゴは水質にさえ気を使っていれば、比較的丈夫で餌付きやすい魚です。海水魚飼育の入門〜中級者向けな位置づけとされていますね。
ただしミノカサゴはミノカサゴの仲間の中でも大型なので、飼育水槽は90cm以上が望ましく、口に入ってしまう大きさの魚との混泳は不可です。
ミノカサゴとハナミノカサゴの見分け方ついて
ミノカサゴに近い種類とされるミノカサゴ亜科に分類される魚は、世界に約17種が知られています。
なかでも、ミノカサゴとハナミノカサゴは容姿が良く似ているため、しばしば見間違えられます。
ミノカサゴとハナミノカサゴの違いは、尾びれの模様に注目すると明らかで、尾びれに明瞭な斑点があれば『ハナミノカサゴ』、斑点が不明慮もしくは無ければ『ミノカサゴ』です。
美しい生き物には基本、毒があると警戒しましょう
ミノカサゴの毒針の位置
ミノカサゴが持つ毒針の場所は、背ビレ、尻ビレ、腹ビレです。
とくに背ビレの先端はとても細くて鋭いため、触れただけでスルッと刺さってしまいますので注意が必要です。
ミノカサゴは自分が毒を持っていることを自覚している
ダイビングをしていてミノカサゴを観察していると毎度感じることなのですが、ミノカサゴは自分が毒を持っていることを自覚しています。
近づいてカメラを向けても逃げることはなく、ヒレを大きく広げポーズを取ってくれるのですが、これがじつは威嚇行動。
それ以上近づいて触ろうとしたり、岩やサンゴに追い込むと、極稀に急に突進してくることがあります。
万が一、ミノカサゴに刺されたら
ミノカサゴに限らず生き物から攻撃を受けた場合は、まずは落ち着くことが大切です。そして、どんな生き物に攻撃されたか必ず確認しましょう。
ミノカサゴの場合、毒を熱で不活性化させることができます。45~50度のお湯に火傷に注意しながら患部を1時間程度漬けましょう。
コンビニなどに駆け込み、事情を説明してお湯をわけてもらうと良いでしょう。また、痛み止めを持っていれば服用するのも良いでしょう。
ダイビングの際は痛みが強く無くても、アナフィラキシーショックにより意識障害やめまい、呼吸障害等の症状が出る可能性を否定できないのですぐに水面から上がりましょう。
綺麗なミノカサゴを釣ってみたい……なんてマニアックな人へ
ミノカサゴの釣り方
僕のように、綺麗で特徴的な魚は何でも釣ってみたい! そんな方もいることでしょう。
ミノカサゴは群れではなく単独で行動する魚のため、狙っていない時に限って釣れてしまう外道の素質を持った魚です。
堤防釣りでも、砂浜からの投げ釣りでも、船釣りでも釣れる。という点からも釣り方を絞れない魚であることが分かります。
岸壁沿いを歩いてミノカサゴを探してみよう
ミノカサゴをどうしても釣りたい場合は、透明度が高く波風の立ちにくい堤防や漁港の岸壁沿いを、とにかく歩き回って泳いでいるミノカサゴを探してみましょう。
ミノカサゴは獰猛な肉食魚ですが、餌を追い回すのは苦手です。泳いでいるミノカサゴを発見したら、ジグヘッドや胴突き仕掛けなどワームや餌をコントロールしやすい仕掛けで、口元に警戒されないようにアプローチしてみましょう。
食性はカサゴに似ていると考えて良く、サンマの切り身、オキアミなどで釣ることができますよ。
狙ってもないのにミノカサゴが釣れてしまったら
万が一、狙ってもないのにミノカサゴが釣れてしまったら、僕のように素手で持つのはとても危険ですので真似をしないでください。
フィッシュグリップやペンチを使って魚と距離を取ることを意識しましょう。
もし、怖くて針を外せない場合や時間が掛かってしまいそうだった場合、早めにハリスを切って逃がしてあげた方がお互いリスクが少なくて済みます。
ミノカサゴってじつは美味しい魚なんです
毒のあるカサゴ系の魚は基本旨い説
危険な毒魚として認知度の高いミノカサゴの仲間ですが、じつは食べられる魚……というかかなり旨い魚なんです。
オニカサゴやオニオコゼなど、毒を持つカサゴ系は基本的に美味しい魚が多いんですね。
ミノカサゴは死んでも毒が残ります
ミノカサゴは死んでも毒が残る為、持ち帰る場合は注意しましょう。
ご家族にミノカサゴを持ち帰っていることを伝えるのもお忘れなく。
以前、僕がイズカサゴを持ち帰っていることを知らずに、祖母がクーラーの中に手を入れて刺されたことがあります。
ミノカサゴは刺身でも旨い
ミノカサゴの身は、オニカサゴにやや似た綺麗な白身です。やや水分が多いので焼いてしまうと身が締まって硬くなってしまいます。
40cm程度の大きなミノカサゴであれば、皮下に脂を蓄えているため刺身や炙りでとても美味しくいただけます。
ミノカサゴの刺身は、上品な白身魚の刺身がお好きな方なら大満足される一品ですよ!
ミノカサゴは酒蒸しがオススメ
ミノカサゴの身は臭みやクセが無い綺麗な白身魚なので、酒蒸しとの相性が抜群です。
ふっくらと蒸されたミノカサゴの身と酒の香りが相まり、贅沢な一品になります。
アラから上品な出汁が取れる
頭や骨からもクセの無い上品なお出汁が取れます。
潮汁にしても良し、味噌汁にしても良し。晩御飯の最後に頂きたい一杯ですね。
勿論、ミノカサゴは唐揚げでも旨い
淡白でクセのないミノカサゴの身は、唐揚げにも相性抜群です。
片栗粉をまぶしてカラッと揚げれて、レモン汁でもかけて揚げれば絶品ですよ!
くれぐれも、刺されないようにご注意を
観察して癒され、食べて美味しいミノカサゴですが、危険な毒針を持っている事を忘れてはいけません。
美しい物にはトゲがあること意識して接するように心がけましょう。