20キロをこえる国産巨大魚「ビワコオオナマズ」を“わずか3日間”で追い求めた釣行記

2019/07/19 更新

日本三大怪魚の1種、ビワコオオナマズ。大きいものでは130センチ/20キロをこえる正真正銘のモンスターです。筆者はそんなビワコオオナマズを長年追い求めているファン。かつて発信機をつけてまで、この魚を研究していたことがあります。今回与えられた期間は3日。通常20日でやっと出会えるような魚ですが、短期間で釣りあげてみせます。


アイキャッチ画像提供:山根 央之

ぼくとビワコオオナマズ


大前提として、ぼくの釣りは“初めての1匹”のために存在しています。

でも、唯一執着し続けている魚種がいるんです。

それがビワコオオナマズ。130センチ/20キロを超えるモンスターで、日本三大怪魚の1種です。


宇治川で初めてオオナマズを釣獲してから、気づけばこの魚で頭がいっぱいでした。

琵琶湖でオオナマズの産卵に立会い、オオナマズへの愛が爆発。超音波発振器を取り付け琵琶湖中を何年も追跡しました。

変態と思われるかもしれません。でもいいんです。数多くのビワコオオナマズを釣獲したからこその境地です。

最愛の魚であり、今回の釣行記でのメインターゲット。もちろん、釣るのは簡単とは言えません。ビワコオオナマズとの戦いをお楽しみください。

筆者紹介

山根 kimi ヒロユキ

初めての1匹を求めて世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズ(兄)。テレビ東京系列の人気番組”池の水全部抜く”にも兄弟で出演している。

ビワコオオナマズに超音波発振器を取り付け何年も琵琶湖中を追跡した経験をもつオオナマズのエキスパート。

ビワコオオナマズってどんな魚?


琵琶湖・淀川水系にのみ生息するこのオオナマズは、その名に恥じない大きさに成長し、生態系の頂点に君臨しています。

目の前を泳ぐ生き物であれば何でも手を出す獰猛な性格で、ブルーギルやブラックバスは勿論、ニゴイやウナギにまでも襲いかかる湖の王者です。

130センチ20キロ以上にまで成長し、国内産純淡水魚としては最大。日本三大怪魚として釣師の間では有名な魚です。

僕らがよく目にするマナマズとは、頭部の形がマナマズよりもビワコオオナマズの方が長いため平たい印象を受けることに加え、上顎の髭が短く胸ビレまで達することがありません。

また、腹側が白く模様が出ないといった点から区別することができます。

ぼくはビワコオオナマズにも種類があると考えています


河川域に棲息する河川型オオナマズと、琵琶湖本湖に棲息する本湖型オオナマズを釣りの対象魚として違うものと捉えています。

イメージとしては、潮の効いた場所でシーバスを狙うのと、霞ヶ浦のような棲息密度の低い止水環境でシーバスを狙うような感じでしょうか?

河川型


シーズンが長く、3~12月まで狙うことができます。流れがあることにより、オオナマズを騙しやすくもなります。

また、瀬田川に関しては河畔を1キロメートルも歩けば必ずオオナマズがいる! と言っても過言でないほど棲息密度が高く、初見でも正直釣りやすいです。

本湖型


対して、琵琶湖・本湖でのオオナマズ釣りは想像を絶する程に釣れない釣りを強いられます。

通年、ブラックバスの外道として釣果は揚がっているので僕の中ではオールシーズン狙える魚として捉えています。

しかしながら、いざ狙うと、そのヒット率は20晩に1度程度です。

今回狙うのは……?

本湖型です。諸事情により、釣行可能日数は3日間。つまり、3晩のみ。

20晩やり続けて1ヒットの本湖型オオナマズ。はたして……?

獲難易度は?Bクラス!


みなさんもご存知でしょう。琵琶湖は広すぎるのです。くわえて、ターゲットは瀬田川洗堰から奥琵琶湖まで全域に姿を現します。

ぼくの経験上ですが、本湖のオオナマズはルアーをなかなか追いません。

つまり、どこにいるか分からない・反応しないという、最悪の要素が2つ揃っているのです。

というわけで、難易度はアオウオと同様のBクラスに設定しました。

超短期決戦!作戦は?

関西在住の頃であれば、毎晩実績場に通いこみ、琵琶湖全体の変化を感じながらヒットを待つ釣り方をしていたのですが、今回は日数が3日しかありません。

というわけで、僕の作戦は単純明快!

1, 最新情報の入手

2, 産卵回遊狙い

やはり、産卵は毎年同じ場所で行われるため、産卵回遊狙いは打率が安定するのです。

現地からの情報を頼りに

琵琶湖の畔に住むオオナマズ観察仲間と僕はホットラインで繋がっています。

”事情”を説明し、最新情報を入手します。なんでもここ数日間、水深50センチの全く同じスーパーシャローに毎晩来ているオオナマズがいるのだとか……。

1晩目


その個体の状況とピンポイントを確認したかったため、一先ず懐中電灯を頼りに水辺を散策します。

すると彼の言う通り、そこにはオオナマズが! 産卵場から数百メートルの距離でしたが、周りに他の個体は見当たりません。居着き個体と判断しました。

ウェーダーを装備し、入水。期待に胸膨らませながらのファーストキャスト!

その後投げ続けるも、残念ながら口を使わせられず……。いるのは分かっているのに、口を使わない。

この個体を見切り、産卵回遊狙いの実績場を2箇所巡るも不発。この日は終了しました。

2晩目


時間帯を変えてシャローのポイントに入りなおし、今度は丁寧にこのストレッチ全体をミノーで打っていきます。

すると!?

掛かってきたのはイワトコナマズ! オオナマズと並んで僕が愛してやまない大好きなナマズです。もう可愛くってたまんない魚です。

嬉しいゲストに小躍りしてしまいますね(笑)

外道あらわる


オオナマズ釣りには外道が付きもので、頻度の多い順にバス、ニゴイ、ハス、イワトコナマズが釣れてきます。

時には60アップのバスが掛かることも。嬉しいんだけど、今じゃないんだよなーってそんな感情になるものです。

例のピンスポへ

 


そして例のピンスポット。イワトコナマズがヒットしたルアーをキャスト!

……何も起らず。1キャストに留め、試しにヘッドライトを灯してみるとそこにはオオナマズはいませんでした。

毎晩のことで慣れっこですが、気づけばもう日の出。あっという間に最終日をむかえます。

最終夜

例の場所ではいつも通りノーバイト。

ホットラインからは別の場所で、イワトコナマズと少数のオオナマズの産卵行動を発見したとのこと! でも、釣り人も多いみたい……。

日付を跨ぐ頃、手詰まりとなり例のピンポイントへ。

秘策発動!


僕には秘策がありました。崖の上からのエントリーです。どう降りたかは言えません。

普段はウェーダーで入水して沖合を狙うこのポイント。

通常は岸とやや平行にロングキャストして狙うのですが、今回の居着き個体はドシャローにさしていて、オーバーハングが障害物となりどうしてもオオナマズに接近しないとキャストできない状況だったのです。

つまり、昨晩までは接近のしすぎ。そもそも逃げられてしまったと考えた訳です。

1時間、自分の気配を完全に消し去るため微動だにせず、キャストのタイミングを待ちます。

その時がきた


そしてゆっくりと。ほとんどルアーは動いていない速度でリーリングすると……

ブォンッ! と耳では聞こえないくらい、鋭く篭った破壊音が糸そして竿とリールを通して僕を貫きました。

喰った!!!とうとう喰ったぞ!!!

全身の血液が突沸すると同時に、頭は氷河のように冷たく冴えわたります。ティップにしっかり重みを感じたところで、ゆっくりとバットまで曲げます。

ファイト開始!


締めていたドラグを解放し、オオナマズを沖へ逃します。

これはオオナマズ特有のヘッドシェイクとローリングを誘発させないため。

オオナマズは口が硬く、バラシの大半は太いフックが貫通していないファイト序盤のヘッドシェイクやローリングで起こります。

このポイントは沖合40メートルまでなだらかに傾斜する地形であることを知っているため、一気に30メートル走らせます。

フックを伸ばされないことだけに集中し、ティップとベリーをうまく使ってオオナマズが強く引いた時はいなし、大人しくなったらリーリング。

体感的に8分程度のファイトを終え、水深50センチのシャローまで寄せてくることができました。

ヨッシャ!


歓喜の瞬間!

まず初めに出た言葉は……

今日もここにいてくれて本当にありがとう。

大切な魚と竿を写真に!


フラッシュで青く映るのがオオナマズの特徴ですが、本湖のオオナマズは若干茶色も混じっているように僕は感じます。

また、河川のオオナマズと違い傷は自分が今付けたものだけ。髭も全部揃いピンッ! としています。

小顔効果


本湖のオオナマズは顔が小さく見えますが、それは河川のオオナマズよりも肉付きが良く体高も幅も太いためです。

なかなか釣れない。だけど、釣れればこんなに美しい。そして頑張っていればまれに会いにきてくれる。

これも僕が本湖のオオナマズを愛してやまない理由の一つです。

本湖のオオナマズのサイズ


琵琶湖では、60センチから時には125センチを超える超特大サイズも掛かってきます。

でも、釣り分けるのは難しいですし、何より1匹の価値に酔いしれたいので、僕の今の価値感ではサイズによらず嬉しく思います。

勿論、サイズを狙ってた時代もあります。

今では、できるだけ怪我せず、綺麗な魚体のまま元気に湖に帰って欲しい。この想いの方が強いですね。

今後、本湖でオオナマズ釣りに挑戦してみたい方へ

スピニングタックル

PE3号+ナイロンリーダー40ポンド+ST46クラスのフック

ベイトタックル

PE4~5号+ナイロンリーダー50~60ポンド+ST46or56クラスのフック

解説

上記のように、フックがワンランク弱くなるようなバランスを僕は取っています。これは、細軸フックの方が掛りが良いことに加え、根掛かりの際にルアー回収率が良いためです。

時には20キロ以上のオオナマズが掛かりますし、ブレイクがあったりウィードがあったりしますので、PE3号以上は巻いておきましょう。

勿論、何かの外道としてオオナマズが掛かり、PE1号や2号でとれることもあります。ですが、PE3号と比較してヒット率に大差はありません。

滅多に掛からない貴重なチャンスを逃さないためにも、僕のアドバイスを参考にしていただけたら幸いです。

おすすめルアー①

K-TEN Blue Ocean 115(F)/18g  140(F)/28g

115は一口サイズでフッキングも決まりやすいので最も使用頻度の高いルアーです。

140は遠投する際やフナや小さいニゴイが多く接岸している際に選択します。

両サイズ共にスローからファーストリトリーブで使用します。

ITEM
タックルハウス(TackleHouse) ミノー K-TEN ブルーオーシャン


 

ミノーには板オモリを貼って使用することが多いです。

シールで貼るだけなので容易にルアーウェイトやバランスを調整できます。

ITEM
ACTIVE(アクティブ) エスウエイト

おすすめルアー②

レンジバイブ90ES/28g

主にブレイク周りでリフト&フォールで使用します。根掛かり必須の釣り方になるのでストックは多めに持っておきましょう。

僕は28グラムを中心に状況次第ではより軽いものも使用します。


おすすめルアー③

ジャッカル ノッキンジョー

3/8 ozがオススメですが、状況に合わせて使い分けましょう!

トリプルフックに交換しスローリトリーブで使用します。広大なシャローフラットで活躍します。


あとがき


産卵のために浅瀬にやってきたオオナマズ。周りには何匹ものオオナマズが集まっています。

こんな感動的なシーンを目の当たりにすると、僕の価値観では、釣る必要性なんて感じなくなります。

都会の人混みを離れ、数匹の蛍が舞い踊る中、鹿や猪に見守られながら竿を振ったり、産卵を観察する時間は僕にとって何事にも変えがたい至福のひと時なのです。

今では、釣り竿を持たずに湖畔を歩く時間の方が圧倒的に長くなっています。

次はどんな理由でオオナマズを釣りに行くことでしょう。

その日が来るのなら今から楽しみです。

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