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アイゴの食べ方&釣り方を伝授! 刺された時の対処法など、堤防の有名毒魚を怪魚ハンターが解説

アイゴの食べ方&釣り方を伝授! 刺された時の対処法など、堤防の有名毒魚を怪魚ハンターが解説

身近な堤防などでも釣れるうえ、毒針を持つことから危ない魚として名高い「アイゴ」。 危険なイメージとは裏腹に、好んで食べられている地域もある魚ですが、正しい処理をしないと臭みが気になりやすい一面もあります。

本記事ではアイゴを美味しく食べるための捌き方や料理釣る時に注意しておきたいポイントを怪魚ハンターが解説します!

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目次

アイキャッチ画像撮影:山根 央之

毒針が有名な「アイゴ」という魚について

分類と学名

アイゴ

アイゴ(Siganus fuscescensは、スズキ目ニザダイ亜目アイゴ科アイゴ属に分類され、広い意味ではスズキの仲間です。

ニザダイ亜目に該当する魚としては、ニザダイやツノダシ、ナンヨウハギ、チョウチョウウオなどが挙げられます。

怪魚ハンター山根

また、アイゴ属は1属のみで構成され、世界に27種いることが知られています。

分布と生息域

▼分布は西太平洋の温帯から熱帯域

分布している地域

アイゴの分布域は西太平洋の温帯から熱帯域ととても広く、日本では本州から沖縄にかけて生息。

沖縄にはハナアイゴをはじめ、約10種類のアイゴの仲間が生息しています。

▼生息域は岩礁帯やサンゴ礁

生息域

アイゴは海藻が繁茂しやすい岩礁帯や、沖縄ではサンゴ礁にも生息する魚です。

堤防釣りの定番魚であり、毒針を持つ厄介者として外道扱いされることもしばしば。

一方で、良く引く魚であり、適切に処理することで美味しく食べられることから専門に狙う方も少なくありません。

生態や食性

アイゴの食性

アイゴは藻類を主食とし、甲殻類や多毛類も食べる雑食性の魚です。

繁殖期は7月から8月とされ、海藻などにくっつく沈性粘着卵を産卵します。

このような生態からもアイゴが藻場を好む性質を持つことが分かります。

アイゴの見分け方

▼最大で40~50cm。平たい体に小さな口が特徴

アイゴの見分け方

アイゴの特徴は、平べったい魚体と小さな口、そして茶色い下地に明るい横縞模様です。

口が小さく伸縮性も少ないため、アイゴを釣り狙う場合は、小針に餌を小さく付けることがコツになります。

▼茶色のマダラ模様でぬめりのある体

釣ったアイゴ

アイゴの体色や白い斑点の量は、個体差だけでなく、同じ個体でも環境や刺激によって変化。

アイゴのウロコは極端に小さく、ヌメリも多いことから一見するとウロコの無い魚のように見えます。

アイゴのヌメリは臭みに直結するので、調理する際はしっかり落とし、冊どりした際にヌメリが身につかないように注意しましょう。

怪魚ハンター山根

このヌメリが意外と厄介。魚の扱いに慣れた人でもヌルッと滑らせてしまい、プスッと毒針に刺されてしまうこともあるので注意が必要です。

▼毒針のあるヒレに注意!

アイゴの毒針の図

アイゴの“背ビレ・腹ビレ・臀(しり)ビレ”には毒腺が備わっており、これらの棘で刺されると激しく痛みます。

痛みは数時間から数日間続きますので、アイゴが釣れた場合は素手で触らないように注意しましょう。

アイゴの安全な捌き方

毒のあるヒレは最初にハサミで落とす

アイゴの毒針

アイゴの毒は死んでも残るので、持ち帰る際はハサミでザクザクとヒレを切っちゃいましょう。

また、切ったアイゴのヒレにも毒は残りますので、ゴミ袋ではなく、海中に投げてしまった方が二次災害の危険が少なくなります。

内臓は可能な限り早く取り去るのが◯

アイゴの下処理

アイゴを持ち帰る場合は、必ず血抜きを行いましょう。

血が抜けたらすかさず、内臓とエラも取り去ります。頭ごと落としてもOKです。

ここで1つ注意点! アイゴの磯臭さは内臓から身に移ると言われています。内臓類はできる限り傷つけないように取り除きましょう。

怪魚ハンター山根

アイゴの内蔵は食べる気が完璧に無くなるくらい臭いです……。

安全な状態になったら料理に合わせて捌きましょう

3枚おろし

とにかくアイゴを美味しく食べるには、鮮度を保持して臭みを抑えることに限ります。

海水氷を作るなどして、しっかりと冷やして持ち帰ります。

捌く際は、包丁の背などでしっかりとニオイの原因となるヌメリを落としてから調理しましょう。

怪魚ハンター山根

何度も繰り返しになりますが、アイゴのヌメリはニオイに直結します。皮を引く際も皮をまな板につけた部分に身を置かないなど、ヌメリを身に移さないように徹底しましょう。

\基本の捌き方はこちらをチェック/

アイゴの美味しい食べ方。コツは臭み対策

じつは好んで食べられている地域もある美味しい魚

アイゴの食べ方

アイゴは磯臭い魚の代表格である一方で、西日本では好んで食べられている地域もあります。

アイゴは釣り場での下処理や鮮度維持を徹底することで美味しく食べられる魚です。

アイゴの刺身は旨味たっぷり!

▼3%の塩水で洗うと臭みが抜ける

3%の塩水に浸ける

血抜きと内臓処理を現場で行い、しっかりと保冷したアイゴはきっと美味しく食べられるはずです。

それでも心配な方は、皮を引いた身を3%程度の冷たい塩水に1分程浸し、流水で塩水を洗い流します。

水気をしっかり拭いてからキッチンペーパーで包み冷蔵庫で30分置いてみてください。

怪魚ハンター山根

この下処理を行うことでアイゴの身から臭みを含んだ余分な水分を追い出すことができます。

▼できるだけ早めに食べるのがおすすめ

アイゴとニザダイの刺身

数日寝かせることで旨味が増す魚が多いのも事実ですが、アイゴは鮮度が命。寝かせると臭みが発生してしまいます。

鮮度の良いアイゴの刺身は、旨味と甘みのある白身魚らしい食味と食感が楽しめます。

きっと次回も持ち帰りたくなることでしょう。

怪魚ハンター山根

また、アイゴと並んで磯臭い魚の代表格とも言われるニザダイも同様の下処理を行うことで美味しく食べられます。

煮付けも歯応えがあって美味い

アイゴの煮付け

アイゴの身は煮付けるとキシッと身が締まり、歯ごたえがあって美味しいです。

匂いが心配な方は、皮を引いてから生姜やこぼうと一緒に煮ると良いでしょう。

唐揚げにすると磯臭さも軽減

アイゴの唐揚げ

初めてアイゴ料理にチャレンジする方で、やっぱり磯臭さが心配……という場合は唐揚げにしてみましょう。

三枚におろし、ヌメリが付かないように皮を引き、3%の塩水で洗えば大丈夫!

魚と鶏肉の間のような独特な食感が楽しめますよ!

アイゴの釣り方と釣れた時の扱い方

小型サイズならサビキ釣りでOK

サビキ釣り

外道として嫌われがちなアイゴですが、狙って釣ると意外と面白かったりします。

アイゴの幼魚は群れで行動することが多く、コマセを撒くとワラワラと集まってくることがありますが、そんな時はサビキ仕掛けにコマセやオキアミを付けてみると掛かってきますよ。

\サビキ釣りはこちらもチェック/

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重さ 480g

中型以上を狙うならフカセ釣りやヌカ切りがおすすめ

ヌカ切り

25cm以上の良型のアイゴを狙う場合は、コマセを使ったフカセ釣りやヌカを使った釣りがオススメです。

草食性が強いアイゴは、ヌカの香りが大好き。オキアミを付け餌にヌカ切りや紀州釣りで狙ってみましょう。

\ヌカ切りはこちらもチェック/

アイゴが釣れた時の注意点と扱い方

アイゴ持ち方のNG例

アイゴが釣れた場合は、焦らずに一旦地面に置きましょう。

サビキで掛かった場合、オモリやカゴを持ってしまうと針から外れて落ちてきた際に刺さることがあるので危険です。

ペンチを2本用意して外すか、釣り初心者の方で魚の扱いに不慣れな場合は、ハリスを切って逃がしてあげるのが魚も人もリスクが少なくオススメです。

アイゴに刺されたら「熱めのお湯につける」

アイゴの毒の対処法

万が一アイゴに刺された場合は、痛み止めを服用し、火傷しない程度のお湯(45~50℃程度)に患部を1時間程度漬けましょう。

釣り場ですぐにお湯が手に入らない場合は、近くのコンビニなどに駆け込み事情を説明し、お湯を分けてもらうと良いでしょう。

また、アイゴに限らず毒魚に刺された場合は、極めて稀にアナフィラキシーショックを起こすことがあるので、意識障害やめまい、呼吸に違和感が出た場合は、躊躇せずに救急車を呼んでください。

毒針を回避すればアイゴはうまい魚!

アイゴの顔

美味しく食べる為には、普通の魚よりも鮮度維持に気をつかわないといけない魚ですが、じつは結構うまい魚「アイゴ」をご紹介しました。

毒針にくれぐれもご注意いただきながら、一度アイゴ調理に挑戦してみてはいかがでしょうか。

撮影・文:山根 央之

ライタープロフィール

山根央之
山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。

テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活動中。

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