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釣った魚をよりおいしくさばく“8か条”を元料理人が紹介!

【元料理人が解説】釣った魚をより美味しく捌くための“八箇条”

綺麗に捌けない、せっかく捌いたのになんか美味しくない......そんなお悩みを抱えた方必見!

元料理人である筆者が、より美味しく捌く“八箇条”を伝授いたします!

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目次

アイキャッチ画像撮影:山下洋太

魚料理は“捌く(さばく)”工程がとても大事

オオモンハタとマゴチ

釣りあげた魚をより新鮮な状態で食べられるのは、釣り人の特権。どうせなら極上のままいただきたいものです。

刺身、焼き魚、煮魚など……魚料理全てにおいて“捌く”という工程がとても重要で、その捌き方によっては食味がガタ落ちしてしまうことも考えられます。

そこで、捌く際に抑えておきたい大事なことを、元料理人が八箇条にして伝授!

より美味しく味わうためにこだわって意識してほしいことなので、捌き慣れている方も今一度チェックしてみてくださいね!

山下

数年働いても魚に触れさせてもらえない、なんていう料理人も少なくありません。
 
美味しく魚を捌くということは、それだけ難しい工程なんです。

魚をより美味しく捌くための“八箇条”

①切れ味の良い包丁を使う

切れ味の良い包丁と真鯛

釣った魚を美味しく食べるためには、切れ味の良い包丁が必須です。

包丁の切れ味が悪いと余計な力が必要になり、身を押し潰しかねません。また、刺身にする場合、断面に凹凸ができやすく、舌触りまでもが著しく悪くなってしまいます。

そのようなことがないように、切れ味の良い包丁を用意しておくことを心掛けましょう。

切れ味が悪くなる前に、砥石で研いで切れ味を維持しておくことも重要です。

山下

切れ味が悪くなってから研ぐと、切れ味を戻すのに時間がかかります
 
数回使ったら研いで、切れ味を維持しておきましょう。

②包丁とまな板はこまめに洗う

まな板を洗う様子

包丁やまな板には、魚のヌメリやウロコなどが付着します。汚れた際にはこまめに水で洗う、またはふきんで拭くなどして、常に綺麗な状態にしておくことが重要です。

プロの料理人は固く絞ったふきんをそばに置いておき、1つの動作を行ったら包丁やまな板を拭き取り、常に綺麗な状態を保ちます。

切れ味が良い刺身包丁

切り身を切り出す前の段階や、皮を引いて刺身に切り分ける前の段階など……料理の完成に近い工程になればなるほど、まな板と包丁の綺麗さが料理の味を左右します

③うろこは綺麗にしっかり取り除く

うろこ取り

基本的なことではありますが、うろこはまんべんなく綺麗に取り除いておくことが重要です。

うろこが料理に混ざると臭みが発生するだけでなく、食感が著しく悪くなります。

細かい部分は包丁でうろこを取る

うろこ取りでざっくりと全体を取ったら、細かな部分は包丁を使用して綺麗に取り除いてあげましょう。

また、煮魚や鍋など、煮る工程を行う場合は霜降りをしておくのもおすすめです。

霜降りとは、熱湯に魚をくぐらせて表面が少し白くなったら冷水に落とし、魚の表面にあるヌメリを取り除く下処理のこと。

ヌメリとともに細かなうろこが取れるので、臭みがなく、すっきりとした味わいの料理を堪能できます。

山下

料理人時代にうろこが1枚残ってただけで怒られたのが懐かしい……(笑)

④しっかりと水洗いする

水洗い

三枚おろし前の下処理の段階は、こまめに魚を水洗いすることが重要です。

皮に汚れや雑菌などが付着していることが考えられるため、うろこを取るとともに流水でしっかりと洗い流しましょう

また、内臓を取った後の腹にも汚れがたまりやすいので、ササラなどを使って水で洗い流しておくと魚の持ちも良くなります。

山下

魚を熟成したい場合はとくに、魚体の表面、腹の汚れや血をしっかりと洗い流し、腐敗の原因を排除しておきましょう。

⑤水気を身に移さない

三枚におろしたら水をつけない

三枚おろしの前段階は、水洗いで綺麗にしておく必要がありますが、三枚おろしの後に関しては身に水気をつけるのはNG

水気が残っていると身が水を吸ってしまい、瞬く間に水っぽくなって食味が悪くなってしまいます。

とくに刺身で食べる場合は、水っぽさをダイレクトに感じてしまうので、細心の注意を払いたいところです。

キッチンペーパーで水気を拭き取る

下処理を終えた段階で、キッチンペーパーなどで水気をしっかりと拭き取っておくことが重要ですよ。

⑥魚体を動かしすぎない

すき引き

うろこを取るときや三枚におろすときなど、どんなときでも魚体を動かしすぎないことが重要です。

身に余計なダメージが加わると身割れしやすくなり、食感が悪くなります。

魚体を折り曲げないように持つ

魚を持ち上げるときは、魚体を折り曲げないように、魚の頭と尾ビレ付近を支えるなどの工夫も効果的です。

包丁を添えて柵を持つ

また、柵の状態のときも、身が折れ曲がることがないように包丁を添えるなどして丁寧に扱いましょう。

⑦必要以上に触らない

触りすぎない

魚を捌くとき、また調理段階は、必要以上に触らないことが重要です。

手のひら全体で魚に触れると手の熱が加わり、魚が傷みやすくなります。

三枚おろしにする際にも、必要以上に触らないように魚に触れるのは指先だけにして、包丁の切れ味を活かして捌くようにしましょう。

⑧スピーディーに作業する

手際良くさばく

どの工程も時間をかけずに手際良く作業することが重要です。

捌くのに時間がかかると、室温で魚が温まってしまい、劣化が進みやすくなってしまいます。

また、魚の脂の融点は低いため、捌くのに時間がかかってしまえば、脂が乗っていたとしてもその脂が溶け出してしまう、なんてことも……。

スピーディーに作業することが、より美味しい魚料理を作るための秘訣です。

山下

丁寧に作業することはもちろん大事ですが、スピーディーに越したことはありません。
 
たくさんチャレンジして、捌くのに慣れていくことが大事ですね!

魚を捌くのに適した包丁とは?

三枚おろしには出刃包丁

出刃包丁

三枚おろしはもちろん、頭と落としたり、背骨を断ち切ったりするためには、出刃包丁が必要です。

出刃包丁は刃に厚みがあり、硬いものを切っても刃こぼれが起こりにくいのが特徴。

家庭用の包丁に比べて切れ味も鋭く、断面が綺麗な三枚おろしができるようになります。

料理人用の一般的な長さは180mmですが、家庭用であれば150〜165mmほどの長さを用意すると良いでしょう。

刺身を引くには刺身包丁

刺身包丁

綺麗な刺身を引くためには、刺身包丁が必要です。

長さがあり、包丁の刃渡り全体を使って刺身を引く、いわゆる引き切りを可能にします

料理人は尺と呼ばれる300mmを使うことが多いですが、家庭用であれば作業スペースを考慮し、240〜270mmを選ぶと良いでしょう。

1本でまかなえる身卸出刃

身卸包丁

出刃包丁と刺身包丁を1本ずつ用意するのは、予算的にも収納スペース的にも厳しい……。

そんな人には、出刃包丁と刺身包丁の中間の形状で、1本で2役をこなせる身卸出刃を購入するのがおすすめです。

大型魚の硬い骨を切ったり、薄造りのように薄く切ったりする、より専門的なことはこなしにくいのが弱点。

ただし、ある程度幅広い魚種の三枚おろしから刺身を引くまで1本でまかなえるのは大きな魅力でしょう。

山下

筆者は家でアジやメバルなどの小魚を捌いて刺身にするときに、身卸出刃を利用しています。

極上を味わうために基本をしっかりと!

刺身

新鮮な魚を最大限美味しく食べるには、魚の扱い方が非常に重要となります。

今回紹介した八箇条は、基本的なことも多かったですが、振り返るとしっかりとできていないという方も多いのではないでしょうか。

これらの基本動作に磨きをかけることで、より極上な魚料理を生み出すことができるはずですよ!

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