カサゴとよく似た小さな赤い魚、ハオコゼに注意!

堤防釣りをしていると、カサゴによく似た赤くて小ぶりな魚が釣れることがあります。
じつはこの魚……『ハオコゼ』という毒魚。カサゴと間違えて触ってしまい刺されてしまう方が多いんです。
今回の記事では、ハオコゼの毒針の位置や刺された時の症状や対処方法、そして食べ方までご紹介いたします。
ハオコゼの姿形や特徴|カサゴとの見分け方
ハオコゼの大きさについて

ハオコゼは大きくても10cm程度の小型の魚で、広い意味ではカサゴの仲間です。
体長の割に体高があり、横から観察するとなんとも前のめりな印象を受ける顔つきをした魚です。
ハオコゼの色や模様について

ハオコゼの模様や色合いは、個体差や棲んでいる環境によって変化があるため一概ではありませんが、赤と褐色と黒の迷彩柄と表現すると伝わりやすいかなと思います。
カサゴもハオコゼと良く似た色や柄をしている場合がありますので、間違えて触らないように注意しましょう。
ハオコゼとカサゴの見分け方

ハオコゼとカサゴの見かけ方は、背ビレの位置。
ハオコゼは、背ビレが頭の上まで迫り出しているのが分かります。

多くの場合、釣り上げられたハオコゼは自分の毒針を最大限活かして身を守ろうとヒレを「ピンッ!」っと立たせます。
やたらと背ビレを立てている13cmより小さな赤い魚が釣れたら要注意です。
ハオコゼの毒針の位置について
ハオコゼは背ビレ・臀ビレ・腹ビレに毒がある

ハオコゼのヒレの棘はとても細くて鋭いため、ちょっと触れただけでも「スルッ!」と抵抗なく刺さってしまいます。
魚のヒレはただ刺さるだけでも痛いのに、ハオコゼは棘の周りに毒腺を持っているため、刺さった傷口からハオコゼの毒が体内に侵入することで激しく痛む場合があります。
ちなみに、ハオコゼの毒はハオコゼが死んでも残るので、ハオコゼを持ち帰る場合はくれぐれもご注意ください。
ハオコゼに刺される事例①|ハオコゼという魚を知らないで触ってしまう

この記事を読んでい頂ければ、この理由でハオコゼに刺されることは無いでしょう。
堤防には、他にも毒針を持つ魚が棲んでいますので、この機会によく釣れる毒魚について把握してみるのも良いでしょう。
▼魚釣りで遭遇しやすい毒魚はコチラの記事
ハオコゼに刺される事例②|針からハオコゼを外そうとして刺されてしまう

じつは、僕もサビキ釣りで釣れたハオコゼに刺されたことがあります。
もちろんハオコゼが釣れたと認識していたのですが……ハオコゼを釣り上げ、サビキ仕掛けのカゴを持った瞬間に針からハオコゼが外れて、手の甲に落ちてしまったのです。
ハオコゼが釣れた場合は、すぐに仕掛けとハオコゼを地面に置いて、ノーズの長いプライヤーをできれば2本使用して外しましょう。
どうしても怖い方は、ハサミでハリスを切って海へ逃がしましょう。
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ハオコゼに刺される事例③|美味しいハオコゼを調理しようとして刺されてしまう

ハオコゼの毒は死んでも残るため、持ち帰る際は各ヒレをハサミで切り落とすと良いでしょう。
言わずもがな切り落としたヒレにも毒がありますので、堤防などに放置したりゴミ袋にいれて捨てると二次災害が発生する可能性があります。
気が引けるかもしれませんが、切り落とした毒針は海に投げてしまうのが安全です。
ハオコゼに刺された時の症状と対処方法
ハオコゼに刺された瞬間はチクっとする

多くの場合、ハオコゼに刺された瞬間から劇的に傷むということはありません。
最初は「チクッ!」としただけで、アレこんなもんかな? といった具合がほとんどです。
まずは、ハオコゼに刺されてしまってもパニックにならないように落ち着きましょう。
時間が経つにつれて鈍痛に変わります

刺された場所や傷の深さによって、その後の痛みには差があります。
一般的には刺されてから30秒から数分程でズキズキと疼(うず)くように痛み始め、半日から数日程度患部の腫れと痛みが続き痺れが出る場合もあります。
軽傷の場合は、その後も釣りを続行できる場合もありますが、蕁麻疹(じんましん)や嘔吐などの症状が出た場合は、アレルギー反応の可能性があるためすぐに病院を受診しましょう。
万が一、呼吸に違和感を覚えたり、意識が朦朧とする場合はアナフィラキシーショックを疑い躊躇せずに救急車を呼んでください。
ハオコゼに刺された場合の応急処置|患部を温めることが効果的

まずはハオコゼに刺された患部を水道水など清潔な水で洗い、棘が残っていれば抜きましょう。
ハオコゼの毒は熱によって分解される性質がありますので、45℃程度のお湯に患部を30~90分程漬けましょう。
釣行中は、コンビニなどで事情を説明しお湯を分けてもらうと良いでしょう。
また、痛みに対する対処として薬局で購入できる痛み止めの服用も効果があります。
めっちゃ小さいケド、ハオコゼの素揚げは美味。
ハオコゼは狙った魚が釣れない時に釣れる魚……

ハオコゼは堤防の際や消波ブロックなど、隠れ家になるような場所の近くで潮が緩い時間帯に釣れることの多い魚です。
せっかく魚釣りにきたのに、ハオコゼしか釣れなかった……夕食に釣った魚を食べるのも楽しみだったのに。
そんな方は、毒針に注意してハオコゼの唐揚げにチャレンジしてみても良いかもしれません。
ハオコゼの唐揚げが意外とウマイ!

小さいことを気にしなければ、ハオコゼは意外と美味しい魚です。
刺身でも旨味を感じられる魚ですが、なんせ小さいので1匹から2切れしか取れません(笑)
内蔵とエラを取って、片栗粉をまぶして唐揚げにするのが一番!
くれぐれも刺されないようにご注意くださいね。
堤防釣りの際は毒魚にご注意を!

改めてになりますが、ハオコゼは堤防釣りの外道としてよく釣れてしまう魚。毒があるからといって、決して堤防の上に放置しないようにしましょう。
ハオコゼの危険部位さえしっかり理解して、上手に調理すればいれば意外と美味しい魚なので、一度、持って帰って食べてみてはいかがでしょうか?