大物を釣る楽しさと魅力を語る
魚の力強さを体感できる
大物釣りの魅力のひとつに、魚達の力強さを一本の釣り糸を通して体感できることがあります。
とくに1m、10kgを超えるような魚の重量感溢れるファイトで、身体が引っ張られるような感覚を一度味わうと病みつきになってしまいます。
もちろん、魚の引きの強度やランディングに至るまでの難易度は魚種によってさまざま。今回の記事では、難易度別に魅力的な大物をご紹介していきます。
まずは、僕が思う大物釣りの魅力からお届けします!
迫力満点な写真が撮れます
釣り上げた魚を抱えて撮る、記念写真も大物釣りの醍醐味のひとつと言えるでしょう。
自分なりに苦労したり試行錯誤して釣り上げた大物の写真って、時間が経っても見返したくなるものです。
時には魚体が大きすぎて陸に揚げられず、自ら水中に入って写真を撮るなんてこともよくあります。
大物を狙っていると、“イッピキの価値に気が付くキッカケになり、釣り上げた魚を大切に扱いたい”と価値観が変わることもありますよ。
“目標を持った魚釣りの魅力”をお伝えしたい
最大で1mに迫るような大物を釣り狙う場合、例え身近な魚であっても釣り具の強度や仕掛け、ルアーの種類などをしっかり選ぶ必要があります。
『この魚を釣ってみたい!』という確固たる目標を持って挑戦していく過程が大物釣り最大の醍醐味であり、準備や試行錯誤の期間が長い程、目標を手にした瞬間、つまり大物を釣り上げた瞬間の感動と達成感はなんとも言葉に表すことができないものになってきます。
全身が震えたり、感情を抑えられず雄たけびやガッツポーズが出ちゃったりする……そんな体験を大人になっても味わえる。それが魚釣りの良い所だと僕は思っています。
大物を釣り上げるまでの3ステップをお伝えします
どんな大物を釣りたいか決めましょう
まずは、自分の目標とする魚を設定しましょう。魚種でも良いですし、この魚の何センチ以上! とかでも素敵な目標だと思います。
他人に認められる魚とか、SNSでイイネをたくさんもらえそうな魚とかでも良いかもしれませんが、大切なのは、“自分が釣ってみたい魚や大きさ”を意識すること。
僕はいつも、自分の好奇心と探求心を一番大切にするように心がけています。
何処でどんな釣り具を使えば釣れるか勉強しましょう
目標とする魚が決まったら、その魚の生態や生息域を勉強しましょう。
このステップをすっ飛ばしてしまうと、“釣れた魚や釣り場の環境に対する想いや価値観”が半減してしまいがちに……。
たとえ誰かに釣り場を案内してもらう時であっても、釣りたい魚がどんな環境で暮らしている生き物なのか図鑑や文献などで簡単にでも調べておくと良いですよ。
諦めずに釣り場に通いましょう
魚種やサイズによって大物釣りの難易度は、1日で釣れるものから数年かかるものまで様々です。
自分が定めた目標に向かって、釣れない日や掛かってもバラしてしまう日だってあるかもしれませんが、諦めずに釣り場に通ってみましょう。
手早く、狙った大物を釣り上げる腕利きの釣り人の方がカッコ良く見えるかもしれませんが、僕はたくさん努力したことで全身が震えるあの感動を味わえている人も素敵だなといつも感じます。
近所に潜む大物10選&レア度をご紹介
大物は意外と身近にもいるんです
それでは、ここからは身近な水辺に生息する大物達を釣り上げる難易度別にご紹介していきます。
どの魚も、陸っぱりで狙えて最大全長が1mを超えるものばかり!
お住まいの地域にこれからリストアップする魚が生息していたら、狙ってみてはいかがでしょうか。
鯉|もっとも手軽で簡単な大物
難易度:★☆☆|平均70cm、1m超えれば超絶レア
魚釣り初心者の方にオススメしたいのは食パンを使ったコイ釣りです!
安・近・短で手軽に釣ることができ、ボウズ(釣果ゼロ)で終わってしまうリスクも少ないのがパンコイゲームの魅力ですね。
▼食パンを使ったコイの釣り方はこちら!
1mを超えるコイは超絶レアですよ!
身近な川魚のコイといえども最大サイズは1mを優に超え、コイを専門に狙う釣り人にとってメーター超えの巨鯉は一生に1匹でも良いから釣ってみたい憧れのサイズです。
メーターオーバーのコイは幻級の魚ですが、90cm前後までのコイは都市型河川でもよく見かけますので、パンコイゲームを楽しみに行かれる際は、メジャーも一緒に持って行ってみてはいかがでしょうか。
ウツボ|岩礁帯にある堤防が狙い目
難易度:★☆☆|平均70cm、意外と旨い!
堤防釣りに出掛ける方にオススメなのが、海のギャングとも呼ばれる「ウツボ」を狙った釣り。想像以上に強烈なファイトが味わえますし、冬場はとっても美味しい魚なんです。
関東にお住まいの方なら、房総・三浦・伊豆半島のいずれでもウツボを狙って釣ることができますよ! 関西なら、紀伊半島まで行くとウツボの魚影が濃くなります。
釣り方はとっても簡単! サバやサンマの切り身を餌に堤防際やテトラや岩礁周りに落としこむだけで釣れちゃいます。
▼ウツボ釣りや食べ方はコチラの記事
噛まれると怪我をするので要注意
大型魚の中には獲物を襲ったり、身近らの命を守る為に武器を持つ魚もいるので、触れ合う際には注意が必要です。
ウツボの武器は鋭い牙とやや強い顎の力、そして何より怖いのが意識的に人間に噛みついてやろうと向かってくる闘争心です。
間違っても噛みつかれないように、針を外す際はフィッシュグリップで下顎を掴んだ状態で、柄の長いプライヤーを使って外しましょう。
冬のウツボをぜひ味わってみて欲しい
ウツボは高知県など一部の地域で食材として扱われるほど、じつは美味しい魚です。
とくに冬場のウツボは脂が良く乗り、臭みも無く一度食べると、毎度1匹は持ち帰りたくなる美味しさです。
しっかり血抜きを行えば夏ウツボも美味しくいただけますので、興味のある方はぜひ、食べるところまでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
オオウナギ|沖縄に行ったら狙ってみてほしい
難易度:★☆☆(沖縄限定)|平均1m
ここで少し変化球的な魚種「オオウナギ」をご紹介。最大で1.8mにもなると言われるまさに巨大魚です。
巨体をくねらした強烈な引き味は、一度体験する価値ありです。ヒットした大型のオオウナギが倒木や岩の隙間に潜ると釣り人の負け確定。GTロッドで引っ張ってもビクともしません(笑)
そんなオオウナギですが、沖縄県で比較的簡単に釣ることができるんです。例えるなら、近所のナマズ釣りくらいの難易度です。
ちなみに、那覇市内の川でも1m越えのオオウナギを釣ることができるので、沖縄旅行に出かける機会がありましたら狙ってみてはいかがでしょうか。
ちなみに……オオウナギはあまり美味しくないんです
ウナギと聞けば美味しそうと感じるかもしれませんが、じつはオオウナギはあまり美味しくありません。
どちらかと言えば、ナマズに近しい淡白で筋肉質な白身魚といった触感で脂は少な目です。
あえて食べる必要は無く、巨大さと強烈な引きを楽しむゲームフィッシュ的な要素が強い魚ですので、キャッチ&リリースがオススメです。
▼オオウナギの釣り方や食味ついてはコチラの記事
ドチザメ&クロアナゴ|東京湾で狙えます
難易度:★★☆|平均1m
東京湾で海釣りを楽しんでいる方にオススメしたいのが、ドチザメとクロアナゴ(ダイナンアナゴ)です。
ウツボほど高確率で釣れる魚ではありませんが、どちらもサンマやサバの切り身を使ったブッコミ釣りで狙うことができます。
ドチザメやクロアナゴに目標を設定して専門に狙ってみても面白いですし、サビキ釣りの合間に1本投げ竿を用意してブッコんでおくのもアリでしょう!
釣り方自体は簡単ですが、釣り場やその日の状況によって釣果が左右されやすいため中級とさせていただきました。
▼クロアナゴについてはコチラの記事で詳しくご紹介!
比較的大人しいサメですが、噛まれないように注意しましょう
ドチザメは泳いでいる人を襲うようなことはありませんが、ウツボと同様に釣り針を外す際に噛まれる危険があるので要注意です。
持ち上げて写真を撮る際は、口が尾まで届くことがあるので尻尾だけを保持せずに、胸鰭の下と尾の付け根を力強く持ちましょう。
▼ドチザメの釣り方と取り扱いについてはコチラ
ハクレン|首都圏にお住まいの方にオススメ
難易度:★★☆|平均90cm、関東で一番身近な怪魚?
引き続き首都圏にお住まいの方にオススメな大物、「ハクレン」をご紹介します。
一般的に130cm前後まで成長するハクレンを、荒川や利根川で周年狙って釣ることができるんです。
ヘラブナ用のエサと仕掛けで釣ることができます
釣り方は練餌を使ったヘラブナ釣りを大がかりにしたような釣りになるため、ウキ釣りの経験がある方なら比較的簡単に感じるかもしれませんが、魚釣り初心者の方には少しハードルの上がる釣りと言えるでしょう。
巨体に見合わない小さなアタリをヘラブナ用の棒ウキを使ってアワセていくのが醍醐味。掛かったらズシッっと1m級の魚の重みが竿にのしかかってきますよ!
▼初心者でもトライできるブッコミ釣りスタイルで狙ったハクレン釣り
ソウギョ|全国各地で狙えるメーターオーバー
難易度:★★☆|平均1m
日本各地の池や沼・川や水路には、水草の除草目的で放たれたソウギョという大型魚が棲んでいることがあります。
放流されてから時間が経っている場所では、120~130cmまで成長しているものも珍しくなく、20kgを超える大魚と日本の川で戦うことができるんです。
専門に狙う場合は葦の葉を使った草針釣法になりますが、パンコイと同様に食パンを浮かべても釣ることができるため、釣り方自体の難易度は低めです。
近所の川や池に一際大きい魚が棲んでいないか観察してみよう
難易度を中級としたのは、そもそもソウギョを探すことが難しいためです。
ソウギョの生態をしっかり勉強して、ソウギョが好む環境や人がソウギョを放ちそうな場所を探していきましょう。
ソウギョ釣りの好機は梅雨時から9月ごろと言われます。暑い時期にコイに交じって一際大きな魚が泳いでいたらソウギョかもしれませんよ!
▼草針釣法によるソウギョ釣りはコチラの記事で紹介!
ビワコオオナマズ|琵琶湖・淀川水系に生息する巨大ナマズ
難易度:★★★|平均90cm、日本三大怪魚のひとつ
ここからは、生息域で狙ってもなかなか釣れない難易度高めな大型魚をご紹介いたします。
日本最大の湖『琵琶湖』には、最大で130cm前後にまで成長するビワコオオナマズが生息しています。
貪欲な肉食魚でありながら、670㎢という広大な面積を誇る琵琶湖に対して生息数が少なく、ルアーへの反応もマナマズ程強くないため、釣り上げるのが難しい魚です。
大物釣りの魅力が味わえるビワコオオナマズ釣り
何日も何十日も夜の琵琶湖に通わないと釣れないとも言われる幻の魚ですが、冒頭にご紹介した大物釣りの魅力が最大限に詰まった対象魚とも言えるでしょう。
バス釣りやシーバス釣りをやり込み、ちょっとやそっとじゃもう身体が震えることが無くなった……そんな方にオススメです。
▼ビワコオオナマズを追い求めた釣行記はこちら
アカメ|多くの釣り人を魅了し続ける魅惑の魚
難易度:★★★|平均80cm、日本三大怪魚のひとつ
釣り人に圧倒的な知名度を誇る大型魚と言えば、やはり“アカメ”でしょう。
最大で130cmを超える巨体、釣り人を引きずる程の暴力的な突進ファイト。豪快なエラ洗い、特徴的な真っ赤な眼とスプーンヘッド、そして生息域の狭さと釣り自体の難易度の高さ。
釣り人が憧れる要素がこれほど詰まった魚は、アカメの他に数える程しかいないでしょう。
日本が誇るスーパースター“アカメ”
四国に住んでいないかぎり遠征釣行になりますし、釣果に恵まれないことも多い魚なので初心者の方や中級者の方に安易にオススメできる対象魚ではありません。
でも、いつかアカメ釣りに挑戦してみたい。その日の為に自分の釣りの腕を磨くんだ! そんなアングラーがとっても多いんです。
▼アカメの生態や基礎知識を怪魚ハンターが解説
アオウオ|日本で狙って釣ることのできる最大最重の淡水魚
難易度:★★★|平均1.3m、首都圏に棲む幻の魚
最後にご紹介するのは、日本の川で釣ることのできる最大かつもっとも重たい淡水魚“アオウオ”です。
原産地中国では200cm前後まで成長すると言われ、日本国内でも170cmを超えるアオウオが釣り上げられています。
お察しの通り、おいそれと簡単に釣れるような魚ではなく、色んな魚釣りを経験して新たな目標を探している方や純粋に巨大魚が好きな方にオススメの釣りと言えるでしょう。
何日も何か月も、時に何年も釣れないことがある幻の魚
アオウオは貝類を好んで食べる生態を持っているため、タニシや二枚貝を使った餌釣りで狙っていきます。
アオウオを専門に狙う釣り人の多くは車に寝泊まりしながらひたすらアオウオがヒットするの待ち続けるわけですが、数百時間ヒットなし……なんてことも珍しくありません。
アオウオ釣りには、ルアーで狙うアカメ釣りと比べ、華やかさや多くの釣り人を引き寄せる魅惑も劣りますが、待つ時間の長さと比例する釣り上げた時の達成感はこの釣りならでは。まさに唯一無二の感覚です。
▼幻の魚アオウオを追い求めた釣行記
皆さんも目標を作って大物釣りに挑戦してみては?!
今回は手軽に釣れるコイやウツボから、幻の魚とも言われるアカメやアオウオまで幅広い対象魚をご紹介いたしました。
この中に釣ってみたい魚がもしもいれば、たくさん調べて釣りに出掛けてみてください!
きっと、釣り上げた時の感動は一際大きくて、一生の思い出になりますよ!