首都圏で簡単に狙える怪魚“ハクレン”

ハクレンは、一般的に全長130cm前後まで成長する中国産の食用淡水魚です。
日本では利根川水系と荒川水系に定着し、外来魚として扱われていますがブラックバスやブルーギルほど嫌われていないような気がします。
それはきっと……。 巨大魚にも関わらず、ちょっと変わった餌を食べて成長するためかと思います。
今回は、そんなハクレンの習性やちょっと変わった釣り方について迫ってみます!
巨漢を支えているのはプランクトン

写真に写っているエビのような生き物がケンミジンコの仲間で、黒い球体の物は渦鞭毛藻類と呼ばれる植物プランクトンです。
ハクレンは、このような比較的大きなプランクトンを主食としています。身近な魚で例えるなら、練り餌で狙うヘラブナに近いと言えますね。
それにしても、顕微鏡で覗かないと見えないような餌をどうやって食べてるんでしょうか?
エラに備わる特殊な器官でプランクトンを捕まえます

赤い部分は皆さんもご存知のえら(鰓)と呼ばれる魚が呼吸するために使う器官です。
えらの前方にある白いスポンジ状の器官がありますよね。いかにもプランクトンが引っ掛かりそうな構造だと思いませんか?
そう。これは、さいは(鰓耙)と呼ばれ、ハクレンは特化したさいはを使ってプランクトンをこしとるようにして食べています。
関東でハクレンを狙える場所は荒川と利根川

今回は、家から近い荒川へやってきました。さっそく上から覗いてみると大小沢山の魚が!
こんなに集まると少々気味が悪いですが、よく見るとコイやフナに交じってハクレンの姿も確認できます。
都会を流れる川でも魚はいっぱいいるものですね。
今回、ハクレンを狙う仕掛けはコレ!
今回は、新メソッドということで、「ポップアップ」「フィーダーシンカー」という仕掛けを用いて狙います。どれも聞いたことない釣り具ばかりだと思います。
ヨーロピアンカープで使用される釣り具たち

ポップアップと呼ぶと小難しいですね。はい、正直に言います。
今回、ハクレンを釣るための仕掛けは、ただの発泡スチロールです!
発泡玉つけることで、針を水の中で漂う状態を演出します。ルアーで言うならばサスペンドの状態ですね。
フィーダーシンカーはこませカゴのようなもの

簡単に表現するならオモリ一体型の吸い込み仕掛です。
ゆっくりと時間をかけて練り餌が解け落ちるように、このような形状をしています。
これらの釣り具は、ヨーロッパでコイを狙う際に一般的に使われる釣り具なんです。
日本では入手しづらい釣り具ですが、吸い込み仕掛を代用したり、針金を使って自作してみましょう!
とてもシンプルな仕掛けです!

ここで肝心なのは針には練り餌を付けないこと。
ハクレンは大きな餌の塊では無く、溶けだして浮遊する餌の粒子を狙って水ごと吸い込みます。
そこに針を混ぜ込んでやろうという作戦なのです。
本当に発泡スチロールに食ってくるのか?
今回はシーバス用パックロッドを使ってみます

荒川で釣れるハクレンの平均サイズは75-90cmです。
時に1mを超える大物も掛かりますが、しっかりドラグを滑らせてあげればシーバスロッドや投げ竿でも十分釣ることができます。
バスロッドでもMHアクション以上であれば挑戦できますよ!
道糸は水馴染みが良いナイロンの4号前後がオススメですが、PE2号程度でも大丈夫でしょう。
爆量のマッシュを混ぜていく

餌は比重の軽いマルキューのマッシュポテトが最適です。
今回は3時間で1袋使いました。一日楽しむためには2袋くらいはあった方が良さそうです。
水中で溶けやすい餌なので良く練ってからフィーダーシンカーにつけましょう。
「すぐ溶けちゃうのでは……。」と思うかもしれませんが、それだけ魚を寄せてくれます。
じゃんじゃん打ち込みましょう!
フィーダーシンカーにセット

この大きさで5分くらいで溶けてしまいます。
ハクレンが寄ってくれば水流が発生するのでもっと早く溶けていきます。
ウキが沈んで糸が走るまで待つ
魚が寄るとウキがピョコピョコ動く

ヘラブナ用の仕掛を使っていると、本アタリか否か見極めるのがとても難しいです。
それが醍醐味でもあるのですが。今回はシンプルに簡単な釣り方がお題です。
この仕掛の場合、ウキが完全に沈み込んみ糸が走り出すまで待ちましょう。
アワセは大きく!しっかり入れましょう

ウキが沈んだら、慌てずに糸のたるみを取ってから大きくしっかりあわせましょう。
糸がゆるんでいるとアワセが空振りになりがちです。そこだけ要注意ですよ!
体重相応の重厚感ある引きを楽しもう

このファイトがたまらなく面白いんですよ!
やっぱ重量感満載の大物ファイトは、やみつきになります!
発泡スチロールでハクレン釣れました!

実はこのメソッドはメコンオオナマズを狙う仕掛けで使用されるものなんです。
この仕掛で釣れるということは、きっとハクレンもメコンオオナマズと同じようにプランクトンを食べているんでしょうね。
新たなメソッドであると確信に変わる!連続ヒット
実釣3時間で4匹の釣果に大満足

このあとも、ハクレンが群れで集まってきたようで連続ヒット!
餌を沢山打ち込むこの釣り方は、集魚力も抜群のようですね。
楽しいゾ!ハクレン釣り

アタリが明確なのでヒット率も抜群です。カラツンに悩まされることもありません。
皆さんも発泡スチロールを使って関東の怪魚を釣り上げてみてはいかがでしょうか?
今回のメソッドに適した釣り具の紹介
筆者紹介

“初めての1匹”を求めて、世界中どこへでも行く怪魚ハンター「山根ブラザーズ」の兄。フィッシングガイド兼ライターとして活動中。釣りに留まらず、ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017
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