エギングの釣れるタイミングとは?

エギングで釣果を上げるためには、ロッドやリール、エギなどの道具選びも重要ですが、釣れるタイミングを把握しておくことがもっとも大切です。
季節によるパターンはもちろん、時間帯や潮、ポイントの選び方によってイカの釣れやすさは大きく変わってきます。
本記事では、エギングでアオリイカを釣るための条件を元釣具屋の筆者が解説します。
エギングの時期

地域によって若干の差はありますが、全国的なエギングのハイシーズンは春と秋の2回です。
季節による特徴を確認しておきましょう。
秋

春から夏に産まれた新仔が成長する時期で、イカの個体数が多くて活性が高いため、1年で最も釣りやすい時期です。
釣れるイカ自体は小さいため、シーズン序盤(9〜10月ごろ)は2.5号サイズのエギを使用しましょう。
10月を過ぎてイカのサイズが大きくなってくると、アピール力の高い3〜3.5号のエギが有効です。
11月に入ると難しくなるため、ビギナーの方は9月3週目〜10月いっぱいまでに集中的に釣行すると釣果が出やすいと思います。
冬

水温の低下によってイカが沖合の深場に移動するため、岸からはかなり釣りにくく、多くの地域はオフシーズンです。
ただし、黒潮の影響を受ける太平洋側のエリアは冬場でも水温が安定するため、地域によっては釣果がでます。
海水温が15〜16℃以上になるとアオリイカが回遊するため、16℃以上の海域を狙うと釣果が出やすいです。
逆を言うと、15℃を下回る海域はほぼ期待できません。
春

1年の中でもっとも大きなサイズを狙いやすいシーズンですが、個体数は秋よりも少ないので釣れる確率は低く、数釣りは期待できません。
秋から冬にかけて成長して産卵のために接岸する親イカがターゲットとなるため、海藻が多い浅場、またはその周辺がポイントとなります。
接岸の目安は水温16℃なので、紀伊半島・伊豆半島が3月〜、大阪湾・東京湾が6月〜と、「春イカ」と一括りに言っても地域差が大きいことを理解しておきましょう。
3.5号サイズをメインに底・海藻周辺をネチネチと攻めるのがセオリーです。
夏

親イカシーズンと新仔シーズンの間に該当する夏は個体数が少なく、多くの地域ではオフシーズンとなります。
地域によっては、産卵で回遊してきた大型個体の居残り組と早産まれの新仔を同時に狙える時期です。
釣り場のプレッシャーも少なく、ポイントは混雑しにくいため、イカさえいれば好釣果が見込めることも。
釣り場によってはケンサキイカやヒイカも狙える時期です。
エギングの釣れる時間

エギングは1日中釣果がでますが、魚と同様に釣りやすい時間帯があります。
釣れる時間帯を把握して効率よく釣りをしましょう。
朝・夕

朝夕のマズメ時(薄暗い時間)はアオリイカの活性が高く、もっとも釣りやすい時間です。
喰い気が立っているので浅いタナで連発することも多く、底だけではなく広い層を探りましょう。
また、大型のイカはマズメ時に接岸する傾向が強いため、親イカ狙いの場合は朝夕は外せません。
朝夕のマズメはオレンジやピンクテープのエギがおすすめです。
夜間

アオリイカは夜行性も強いため、夜は朝夕に次いでよく釣れる時間帯です。
ベイトが集まる常夜灯周りは新仔のイカが特に集まりやすく、秋の夜間は好ポイントになります。
ただし、良型のイカは警戒心が強くて明るい部分を嫌うため、明るいところの周りの暗い部分や深い層を狙うのがセオリー。
夜間はシルエットがハッキリでる赤テープや紫テープのエギがおすすめです。
日中

朝夕や夜間に比べると良型を釣りにくくなりますが、新仔(9月〜10月初旬)は日中でもよく釣れます。
また、暗い時間と比較して地形の変化やイカの姿を確認でき、ラインや竿先も見えるのでアタリも取りやすく、効率よく釣れることもメリット。
夜は視覚的な情報が一気に減って釣りの動作自体が難しくなるため、ビギナーの方は新仔シーズンの日中に釣行してエギングに慣れるといいでしょう。
さらに、エギに対するイカの反応も見れるので上達も早まります。
日中はフラッシング効果の高い金テープや銀テープのエギがおすすめです。
エギングの釣れる潮

アオリイカも魚と同様に潮が動いているタイミングに活性が上がります。
ポイントによって条件が異なることもありますが、潮汐や干満による違いを抑えておきましょう。
潮汐

潮がよく動く大潮や中潮は付近は釣果が上がりやすいです。
ポイントによっては潮が動き過ぎ、潮流が速くなって釣りにくくなることもありますが、基本的に一般的な堤防などでは有利になります。
遊泳力が高くないアオリイカは潮に乗って浅場に近づいてくるので、潮位が高くなる大潮付近のタイミングは浅場に回遊しやすく、堤防から釣れるチャンスが増えるともいえます。
ただし、新仔はもともと岸沿いにいるため、あまり潮汐を気にする必要はありません。
干満

干潮付近でも満潮付近でも、潮が動いているタイミングや潮が緩み始めるタイミングなどでアオリイカは釣れます。
干潮と満潮のどちらが良いかは一概に言えませんが、浅場は潮位が高くなる満潮付近でないとアオリイカが回遊して来ないことが多く、注意が必要です。
深いポイントなら干潮でも満潮でも釣果は期待できますが、岸沿いは水深が浅い場所が多いことを考慮すると、満潮付近に釣行する方がリスクは少ないと言えるかもしれません。
エギングの釣れるポイント

アオリイカは堤防や磯、サーフなどさまざまな場所から狙えます。
以下の条件に当てはまるほど好ポイントといえますので、釣行時はぜひチェックしておいてください。
潮通しが良い

アオリイカは潮通しがよい場所を好みます。
内湾より外海にある堤防がよく、釣り座は内向きより外向きがおすすめ。
また、堤防の先端や角付近は潮通しがよく狙い目です。
ただし、遊泳能力の低い新仔は強い流れを嫌うため、初秋は港内などがポイントになります。
ベイトフィッシュがいる

アオリイカのエサとなるアジやイワシなどのベイトフィッシュが豊富な場所は好ポイントです。
流れが緩くなる場所や夜間の常夜灯付近は特にベイトフィッシュが多く集まります。
群れから少し外れて弱ったベイトを演出して狙ってみましょう。
ただし、青物やタチウオ、サワラが寄るとアオリイカは一気に活性が下がります。
海藻がある

海藻はアオリイカにとって隠れ家であり、エサとなる小魚や甲殻類も多く生息しています。
産卵時も海藻を利用するため、シーズンを問わず、海藻が多い場所は好ポイントといえます。
アオリイカはアマモやホンダワラを特に好むので、偏光サングラスを掛けて海底の様子をチェックするか、根掛かり具合で確認しましょう。
岩礁・消波ブロックがある

岩礁や消波ブロックなどの障害物は、アオリイカにとっては絶好のエサ場であり隠れ家です。
流れの変化ができるのでエサが溜まりやすく、身を隠す場所にもなるため、アオリイカがよく付きます。
ただし、根掛かりが増えるので日中に地形を確認しておきましょう。
スミ跡がある

足元を見てスミ跡が多い場所は実績ポイントといえます。
できるだけ新しいスミ跡がある場所が特に狙い目です。
初心者の方でもわかりやすいヒントなので、明るいうちに釣り場の足元を確認しておきましょう。
エギングはタイミングと場所が命!

どうしてもシャクリ方やエギに注目してしまいがちですが、エギングでもっとも大切なのはタイミングと場所。
また、正直な話をすると、エギングは釣期がかなり短い釣り物です。(一部地域を除く)
春は個体数が少なくてポイントが限られることを考慮すると、ビギナーの方が手堅くイカを釣れるのは秋だけ。期間にすると、1ヶ月半〜2ヶ月ほどです。
しかし、タイミングとポイントさえ外さなければ釣るのは難しくないので、この2点をしっかりと考えて釣行してみてくださいね。
筆者の紹介

関西出身の元釣具屋。釣具店時代の知識を活かして皆様の役に立つ情報を発信していきます♪
釣りはいろんなジャンルをしていますが、その中でも好きな釣りはタナゴ釣り。