ティラピアってどんな魚?
アフリカ出身のシクリッドの仲間

ティラピアは、植物性プランクトンやデトリタスといった微細物から小魚まで、何でも食べることができます。
南アフリカ出身の何でも食べるオールラウンダー。最大で70cmにもなるというから侮れません。
つまり、エサ釣りはもちろん、ルアーやフライでも楽しめる魚なのです。
温度耐性も幅広く10~37℃まで大丈夫。10℃を一時的に切っても昏睡状態で乗り切るという強者です。
(水温が10度を下回ると死んでしまうため、日本では一部のピンポイントにしか生息していません)
128か国で養殖されている

世界196ケ国なので、じつに全世界の65%の国で養殖されていることになります。
雑食で身体も丈夫、おまけに食べて美味しいとくれば、養殖や栽培漁業(稚魚を放流して成魚を獲る漁業)にもってこいなわけです。
世界が期待する“食糧危機を救う魚”

ティラピアは鯛に似た味でとても美味しい淡水魚です。
今回はお世辞にもキレイとは言えない、「日本の“ドブ水路”で釣ったティラピアも美味しいのか?」を検証したいと思います。
ティラピアを釣ってみる
三重県桑名市(旧 長島町)の温泉地へ

このエリアは高速のインター(湾岸長島IC)からとても近く、関西方面からのアクセス抜群。
京都から1時間30分、大阪から2時間で到着します。
ティラピア釣りは、コアなアングラーから人気を得ている釣り。
しかも警戒心が強いため、先行者利益が働きやすい魚でもあるのです。できれば早起きしてモーニングバイトを狙いましょう。
最大で60cmも。シーバス換算ではどれくらい?

あまりメジャーでない魚の紹介をするとき、いつもこの例えに悩むのですが……
ティラピア20cm=シーバス35cm
ティラピア40cm=シーバス75cm
ティラピア50cm=シーバス95cm
あくまで主観ですが、そんなところでしょうか。35cmが釣れれば、まぁ良しかなと思ってます。
ティラピアポイントの探し方
温泉を探そう

このエリアには幾重にも水路が張り巡らされています。
温泉が流れ込んでいる場所がいくつかあり、水路群の中でも場所によって大きな水温差があります。
一年ぶりに来てみたけどやっぱ水汚いなー(笑)
冬場のティラピア釣りには水温計がマスト

18℃前後は40cmオーバーを狙うに適した水温です
20℃を超えるような場所を見つけられれば周りに沢山のティラピアがいる可能性があります。
24℃以上であれば、目の前にティラピアが泳いでいることも。
インレットは35℃

流れ込む温泉は35.1℃。
インレット直下で23.3℃の水路を今回の釣り場にすることに。(因みに朝の気温は7.5℃)
辺りにはティラピアの魚影が見え隠れしています。
今回、調理用のデジタル温度計を試してみましたが、足場が高い所や水濡れ等では不便でした。
やっぱ釣り専用のアナログ水温計が良いかなって思ってます。
開始早々、モーニングバイト!

まずは5cmのフローティングミノーで表層をトレースするとすぐに食ってきました。
高活性だ! これは期待できそう♪
アベレージサイスGET

セイゴサイズですが、幸先の良い出だし。
ミノーで連発……これならトップにも出るかもな?
出たぞ!これこれ〜♪

1キャスト3バイトの勢いで食ってきます。
たまにはこうやって癒しの釣りも悪くないですよね♪
元祖 I 字形ルアーで入れ食い

10年以上前から好き好んで使っているK-1ミノーSPのリップを折るチューン。
今でこそ i 字専用ルアーが出てるのでわざわざ感がありますが、当時バスはもちろん、メバルや管釣りでも大活躍したルアーです。
ランカーティラピアを狙います

せっかく網を持ってきたので、ランカーにターゲットを変更。
大群で行動し、「釣れれば数釣りとなる」先ほどまで狙っていたサイズとは違い、ランカーサイズのティラピアは非常に憶病で足音さえ禁物です。
狙い方も繊細なワームの釣りが中心です。
アタリを感じてフッキング!

アワせると同時に凄い波紋が!
皆さんにお見せしたかったジャンボサイズか……!?

「これは50UPか!?」と、脳裏をよぎるほどのファーストラン。
何とか凌いで寄せてくると……アレ?
ヤマトゴイw

残念無念。
でも、コイは毎度ドキドキさせてくれるんで感謝です。
この水路では他にナマズ、ライギョ、ボラ、ニゴイなどなど。
外道いっぱいで楽しいフィールドなんです。

ヒットワームは強烈なニオイが特徴のガルプ(バークレイ)。
「白にピンクラメ」は、コイやティラピアなどの雑食系の魚にとても効果的です。
気を取り直して下流へ移動

警戒心の強い大きなティラピアは、チビティラピアから少し離れた場所にいる傾向が強いもの。
水温が2℃下がるまで、下流方向へ移動してきました。
水面に気配はありません。食ったら35cmは超えてきそう。
小さなリフト&フォールを軸に、ボトムでステイやシェイクを入れるアクションで探ってみると……
気持ち良いくらい狙い通り♪

今回はステイの間にモゾモゾっとバイトが!
この釣りはバス釣りに近いものがありますね。ライトリグがお好きな方はハマっちゃうと思います。
ナイスネットイン。やりましたー。サイズアップです。
狙い通りの35cmに納得。

チビティラピアを避けるため水温を目安に移動。そして、ジグヘッド1.2gにガルプという組み合わせという「スローダウン作戦」が的中。
狙ってとった価値ある一匹です!
東海・関西地方の方はぜひチャレンジしてみてください

バスタックルや管釣りタックルで十分楽しめるティラピアフィッシング。
僕は渓流ロッドに4lbのフロロラインで楽しみました。
チビティラピアに癒されるも良し、ジャンボサイズにチャレンジするも良し。
どうしても引きこもりがちになる寒い冬ですが、ぜひフィールドに足を運んで見てくださいね!
動画版もチェック!
ティラピアを料理
ティラピア味が気になる

関東の自宅まで寄り道しながら6時間のドライブ。
カサゴとアジがクーラーにいるにも関わらず、台所にウロコをまき散らしながらティラピアを捌きます。
キレイに洗えば問題なさそう?

変な匂いもなく、少々拍子抜け感が否めません。
これだったらもう少し持って帰ってくれば良かったかな。(フライと煮つけにしたら美味しそうじゃん)
今回は「塩焼き」にて

うっすら塩を振りかけ、シンプルに焼き上げ。
既に僕の中では「う・ま・い」の三文字が確定中です。
完成♪

どうですか?
この見た目、うまそうじゃないですか?

香りは小鯛の塩焼きそのものですよ。

もう口にする前から確信の笑みが。
だって、めっちゃいい匂いするんだもん。

めちゃ美味です。うん。普通にうまいね。
焼きたてホクホクの身がたまりません。マダイよりチダイかな? とにかく旨いです。
あんなドブ水路の水からこんな美味しい食材が生まれるなんて。
ティラピアは、世界の食糧危機を救う魚なんだなと改めて実感しました。
刺身はやめましょう

ティラピアは別名イズミダイ(泉鯛)と呼ばれ、お刺身でも美味しいという話があります。
事実、刺身でも大変美味しい魚です。(ホンマに美味しかったのでまたの機会にリポートします)
しかし、食べることができるのは生食用に養殖されたものに限ります。
ティラピアは寄生虫や細菌のリスクが極めて高いため、生食用に養殖されたもの以外は必ず加熱してからお召し上がりください。
この記事を書いた人

山根 kimi ヒロユキ
“初めての1匹”を求めて、世界中どこへでも行く怪魚ハンター「山根ブラザーズ」の兄。
釣りに留まらず、ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017