タチウオテンヤロッドを厳選!

手軽かつゲーム性が高く、関西の船釣りシーンで圧倒的な人気を誇るタチウオテンヤ。
筆者のメインフィールドの大阪湾では、「船釣りと言えばタチウオテンヤ」というぐらい人気の釣りです。
そんなタチウオテンヤにおすすめのロッドを、タチウオテンヤが大好きでロッドの仕入れも担当していた筆者が解説します!
タチウオテンヤロッドの選び方

まずはタチウオテンヤロッドの選び方について解説します。
先調子(掛け調子)が基本

タチウオテンヤはテンヤを操作し、タチウオを誘って掛け合わせる釣りです。
そのため、操作性が良くて小さなアタリも感知でき、それを即座に掛け合わせられる先調子(8:2や9:1調子)のロッドが適しています。
釣り人のスタイルにもよりますが、先調子のロッドで積極的に操作して釣る方がゲーム性が高く、釣果も伸びやすいので先調子の竿が主流になっています。
オールラウンドな8:2調子

タチウオテンヤロッドの中でも、オールラウンドなのが8:2調子です。
誘いや掛けが得意な先調子に分類されますが、9:1調子ほど極端ではないため、乗せる釣りにもある程度対応できます。
幅広い状況に対応できるので、最初の1本には8:2調子がおすすめです。
掛けに特化した9:1調子

9:1調子は曲がり込む部分が少なく、ダイレクトな操作性とフッキング性能が利点です。
素早く掛け合わせられるため、高活性なタチウオが多い状況において、数釣りをするのに向いています。
曲がらない分だけ入力を吸収しないので、深場でもテンヤをキビキビと動かせ、手感度が高いのも特徴。
ただし、遊びが少ないので慣れていないと扱いが難しいです。
乗せる釣りには7:3 or 6:4調子

先調子の竿が主流だと解説しましたが、ゆっくり誘ったり、タダ巻きで狙ったりする時は胴調子(6:4や7:3調子)のロッドが適しています。
こういった釣り方は、タチウオの活性が低い時に効果を発揮するので、先調子のロッドと胴調子のロッドの両方を持っておくのがベストです。
胴調子のロッドは、竿が曲がって船の揺れを吸収してテンヤに余計な動きを与えないので、海が荒れ気味の時にもアドバンテージがあります。
長さは1.9mが基準

タチウオテンヤは“アクションが命”なので、多くの専用ロッドは2m以下です。
短い竿の方が操作性が良くて軽量、そして感度が良くなることがその理由。
ただし、極端に短いとタチウオが掛かった時に船縁や船底にラインを擦りやすくなるので、ビギナーの方は1.7m以上ある方が使いやすいと思います。
穂先の種類

タチウオテンヤロッドは、グラスソリッド穂先が主流です。
高価格帯のロッドになると、カーボンソリッドやチタンソリッドを搭載する機種が増えてきます。
カーボンソリッドはグラスソリッドに比べ、振動を伝達しやすく、手感度が良いことがメリットです。
チタンソリッドはカーボンソリッド並みの手感度に加え、しなやかさも備えているので目感度も良好。さらに折れにくいという利点もあります。
大半の竿が40〜50号のテンヤを想定

他の釣竿や船竿とは異なり、タチウオテンヤロッドには「硬さ(パワー・オモリ負荷)を選ぶ」という概念はあまりありません。
というのも、大半の専用ロッドが、大阪湾や東京湾等での使用頻度が高い40〜50号のテンヤに対応します。
ただし、瀬戸内用や豊後水道用など特定の地域に合わせた特殊なモデルも一部あるので、間違えないように注意しましょう。
人気メーカーとラインナップ
他の船竿と同じく、人気があるのはダイワとシマノです。
以下でダイワ・シマノの専用ロッドのラインナップと価格帯をまとめました。
ダイワ
モデル | 定価(円) |
---|---|
テンヤタチウオX | 18,000〜18,500 |
アナリスター タチウオテンヤ | 28,500〜29,000 |
メタリア タチウオ テンヤSP | 39,500〜40,500 |
極鋭タチウオ テンヤSP | 54,500〜55,500 |
極鋭 タチウオテンヤSP EX | 83,000〜84,000 |
シマノ
モデル | 定価(円) |
---|---|
サーベルマスター BB | 18,700〜20,900 |
サーベルマスター TT | 24,100〜25,200 |
サーベルマスター SS テンヤ | 30,600〜31,600 |
サーベルマスター XR テンヤ | 46,600〜49,300 |
サーベルマスター エクスチューン テンヤ | 62,000〜63,000 |
サーベルマスター リミテッド | 82,000〜82,500 |
高いロッドと安いロッドの違い

高価なロッドは、高性能なカーボンやガイド、各部の設計などにより感度を高める工夫が凝らされています。
感度が良くなるとアタリを大きく分かりやすく表現してくれるので、アワセどころがとても判断しやすいです。
アタリにたくさん気づけ、掛け損ねも少なくなるということは、自ずと釣果がアップします。

また、素材や設計が高度になると、強度を損なわずに軽量化できることもメリット。
軽くなると操作がしやすくなり、1日釣りをしても疲労が少なかったり、素早いフッキングが可能になったりします。
さらに、シャープな一方でスムーズに曲がる竿も多く、タチウオが強く引き込んでもバラしにくいです。
タチウオは個体数が多くてアタリも多いので、数ある釣りの中でも「ロッドの性能が釣果に結び付きやすい釣り」といえます。
おすすめのタチウオテンヤロッド15選

船タチウオにおすすめなロッドを価格帯別に集めました。
ぜひ、ロッド選びの参考にしてください。
おすすめの入門モデル7選(2万円以下)
メジャークラフト ソルパラ 船タチウオてんや ソルパラ SPXJ-B180M/Tachi
全長(m) | 1.8 |
---|---|
自重(g) | - |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | - |
オモリ負荷(号) | 30-60 |
フッキングレスポンスに優れた8:2調子のモデルです。
一気にフックを貫通させられる張りの強いブランクは、小さなアタリも掛けアワせられます。
視認性に優れる蛍光イエロー塗装のティップは、アタリの表現力に優れます。
実売価格は1万円以下なので、これから船タチウオを始める方におすすめです。
アブガルシア 黒船 タチウオテンヤ KTTC-82/185MH
全長(m) | 1.85 |
---|---|
自重(g) | 127 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 96 |
オモリ負荷(号) | 30-60 |
8:2調子に設計し、軽量化を徹底追求したモデルです。
斜め方向からX状にカーボンテープで締め上げるXカーボンテープを採用し、バットパワーを強化ています。
穂先はLDBガイドを搭載しているので糸を拾いにくく、PEラインの穂先絡みを軽減。
小口径ガイドを多点配置するマイクロガイドシステムが採用され、感度も高いです。
ダイワ テンヤタチウオX 91-180・R
全長(m) | 1.8 |
---|---|
自重(g) | 127 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 95 |
オモリ負荷(号) | 30-60 |
操作性とフッキングレスポンスを重視した9:1調子のロッドです。
ブランクのネジレを抑えるために、強化構造のブレーディングXを採用。
細身軽量ながら十分なパワーを備え、ブレも少ない操作性が実現されています。
積極的に誘って掛けたい方におすすめの1本です。
アルファタックル タチウオテンヤFT 82-180MH
全長(m) | 1.8 |
---|---|
自重(g) | 122 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 93 |
オモリ負荷(号) | 30-60 |
しっかり誘って掛けられるオールラウンドな8:2アクションに設計されたロッドです。
手のひらにフィットするオリジナルリールシートを採用しており、操作性に優れます。
繊細なグラスソリッドの穂先を搭載しており、アタリも明確。
高品質な船竿メーカーとして評価が高いアルファタックル製であるのもポイントです。
宇崎日新 極技 タチウオ MH 1902
全長(m) | 1.9 |
---|---|
自重(g) | 135 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 146 |
オモリ負荷(号) | 40-100 |
高品質ながら低価格な国産ロッドメーカーとして定評のある宇崎日新製のロッドです。
柔軟なグラスソリッド穂先により、喰い渋りでも喰いこませることができます。
バットパワーも優れており、攻撃的に掛けていく操作にも対応。
バットジョイント設計のため、曲がりもスムーズです。
シマノ サーベルマスターTT 82MH180
全長(m) | 1.8 |
---|---|
自重(g) | 138 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 93.9 |
オモリ負荷(号) | 30-60 |
オールラウンドな8:2調子に設計された、ハイコストパフォーマンスなモデルです。
強化構造のハイパワーXが採用されたブランクは、アクション時やフッキング時にブレが少ないことが特徴。
パーミング中の負荷を軽減するXシートデュアルガングリップも搭載され、釣行中の疲労感を抑えてくれます。
穂先のソリッド部分だけを交換できる修理サービスに対応しており、万が一穂先を折ってしまっても修理代が安く済みます。
ジャッカル アンチョビドライバー タチウオテンヤ ADT-C190M64
全長(m) | 1.9 |
---|---|
自重(g) | - |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | - |
オモリ負荷(号) | 30-50 |
渋い状況に適する、6:4の胴調子のモデルです。
張りを抑えたブランクはスロー巻きやスロージャークと相性が良く、喰い込みの良さも光ります。
穂先は戻りが速く、手感度に優れるカーボンソリッドを採用。
スパイラルガイドセッティングなので糸絡みも少ないです。
おすすめの中級モデル4選(2〜4万円)
がまかつ デッキステージ タチウオテンヤ M 180
全長(m) | 1.8 |
---|---|
自重(g) | 124 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 135 |
オモリ負荷(号) | 20-50 |
扱い易さを重視して設計した、コストパフォーマンスに優れるロッドです。
レスポンスに優れ、さまざまな状況に対応できるオールラウンドなアクション設定。
バット部を4軸カーボンで強化しており、誘いやすく、即アワセに対応できます。
ガイドは糸絡みの少ないスパイラルセッティングです。
シマノ サーベルマスター XR テンヤ 82MH180
全長(m) | 1.8 |
---|---|
自重(g) | 148 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 93.6 |
オモリ負荷(号) | 30-60 |
多彩な誘いに対応できる8:2調子に設計された、オールラウンドな1本です。
東レのナノアロイ®︎テクノロジーによって実現した強化構造であるスパイラルXコアが採用され、高強度かつ軽量に仕上がっています。
リールシートは左右専用設計のXシートエクストリームガングリップを搭載。パーミング性能が向上し、手首への疲労を軽減します。
リアグリップは中空構造のカーボンモノコックグリップが採用され、手感度も抜群です。
アルファタックル アルファソニック タチウオテンヤ GZ 180MH
全長(m) | 1.8 |
---|---|
自重(g) | 148 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 133 |
オモリ負荷(号) | 30-60 |
驚くほど柔軟なチタントップを採用したモデルです。
喰い上げなどのアタリを明確に表現し。前アタリなども感じとりやすくなっています。
ベリーからバット部にかけては、十分な張りを持たせており、しっかりアクションできる操作性を実現。
グリップエンドにはメタルパーツが搭載され、先重りも解消されています。
がまかつ タチウオテンヤSR チタン 乗せアワセ 1.75m
全長(m) | 1.75 |
---|---|
自重(g) | 120 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 100 |
オモリ負荷(号) | 20-50 |
金属製穂先のテクノチタントップソリッドⅡを搭載したモデルです。
従来は実現できなかった、金属穂先特有の手感度と目感度が高いレベルで実現しています。
乗せアワセモデルの穂先は繊細かつ柔軟にセッティングされており、喰い渋り時にも威力を発揮。
違和感なく喰わせられ、もたれるアタリや居食いも捉えます。
おすすめの上級モデル4選(4〜6万円)
ダイワ 極鋭 タチウオ テンヤSP 82S-185AGS
全長(m) | 1.85 |
---|---|
自重(g) | 104 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 140 |
オモリ負荷(号) | 40-100 |
現代のタチウオテンヤシーンにおいて、非常に高い評価を得ている極鋭シリーズ。
ダイワ独自の復元力を解析するESSによって設計されており、タチウオテンヤに理想的な調子に仕上げられています。
超弾性チタン合金のスーパーメタルトップと独自の軽量カーボン製ガイドのAGSも搭載。
相乗効果によって、高い目感度と手感度を発揮し、あらゆるアタリを明確に表現します。
シマノ サーベルマスター エクスチューン 82M/MH178
全長(m) | 1.78 |
---|---|
自重(g) | - |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 130.3 |
オモリ負荷(号) | 30-60 |
サーベルマスターXRの上位機種にあたる、本格スペックのロッドです。
スパイラルXコアに加え、強化構造であるハイパワーXも採用され、シャープなブランクを実現。
軽量かつトラブルレスな独自のXガイドが搭載され、操作性も快適です。
人間工学に基づき設計されたXシートテクニカルガングリップにより、パーミング時の安定感が高く、疲労も少なくなっています。
ダイワ 極鋭 タチウオ テンヤSP EX 91-170
全長(m) | 1.7 |
---|---|
自重(g) | 86 |
継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 170 |
オモリ負荷(号) | 40-100 |
妥協のない軽量化により異次元の実釣性能を追求した、ダイワ製テンヤロッドの最上位モデルです。
他メーカーと比較しても最軽量クラスに仕上がっており、軽量ながらタチウオテンヤに必要なパワーを十分に備えています。
リールシートにはパーミング性能に優れるゼロシートが採用され、操作性は抜群。
もちろん、スーパーメタルトップとAGSも搭載され、最高レベルの感度も備えています。
シマノ サーベルマスター リミテッド 91HH170
全長(m) | 1.7 |
---|---|
自重(g) | 153 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 124.2 |
オモリ負荷(号) | 30-60 |
限界を超える性能を追求した、シマノ製テンヤロッドの最上位モデルです。
リミテッドのみに採用が許される高弾性素材を使用し、細身軽量化を実現。
数値だけでなく実釣におけるフィーリングも含め、トータルで設計することによって、最高峰のロッドとしての性能を追求しています。
穂先は軽量かつ高感度な激短カーボンソリッドが採用され、アクションへのレスポンスも抜群です。
ロッドの代用について

専用竿ではなくても釣り自体は成立します。
とくにタコエギ用ロッドは調子がよく似ているので使いまわすことが可能。
また、感度などは劣りますが200g対応のジギングロッドも流用できます。掛ける釣りは少し厳しいですが、ゆっくりとタダ巻きで誘うのであれば50号の船竿でも代用が可能です。

また、専用竿はタチウオテンヤ以外にも使え、オニカサゴなどの根魚釣りやアマダイ釣りにはとくに使いやすいです。
感度に優れているため、底取りやアタリも判りやすく、フッキングレスポンスに優れます。
その他、ややパワー不足ではありますが、明石のタコ釣りや淡路島(沼島)のサンバソウ釣りなど、大阪湾では使用できるシーンは多いです。
ロッドで釣果が変わる!

タチウオテンヤという釣りは、ロッドで誘って、ロッドでアタリを取って、ロッドで掛け合わせる釣りです。
つまり、タチウオテンヤにおいて、ロッドは非常に重要なアイテムだということです。
ロッド選びに迷った際はぜひ本記事を参考にしていただき、自分に合った1本を見つけてくださいね。
画像提供:tsuki
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