流行りのブレードジギング
ブレードジギングとは、ブレード付きのジグを高速で巻いて誘うジギングです。
これがサワラに対して非常に有効な釣り方だとわかり、広島湾・岩国沖から全国に人気が拡がりつつあります。
本記事では、そんな大流行中のブレードジギングに必要なタックルや釣り方を詳しく解説します!
ブレードジギングのターゲット=サワラ
冒頭でも触れた通り、ブレードジギングは基本的にサワラを狙う釣りです。
サワラは遊泳力が強い魚ですが、浮袋を持たないので激しい上下への運動を苦手とします。
そんなサワラに対して、ブレード付きのジグをキャストして、高速で横(斜め)引きするブレードジギングは非常に合理的というわけです。
また、ハイスピードかつ直線的な動きで誘うのでテールフックに掛けやすく、通常のジギングよりもラインブレイクが少ないことも大きなメリット。
ちなみに、巻きスピードや誘い方を変えれば、青物やマダイ、シーバスなども狙えます。
ブレードジギングが盛んな地域と時期
ブレードジギングの発祥は広島〜山口にかけての岩国沖で、近年は東京湾や相模湾、伊勢湾、大阪湾、舞鶴湾など、さまざまな地域に人気が拡がっています。
ベイトが豊富な湾口や湾奥がポイントになることが多く、本格的なシーズンはどの地域も秋〜冬にかけてです。
ベイトの回遊や水温によって左右はされますが、岩国沖や伊勢湾は9〜翌1月頃、東京湾から相模湾にかけては12〜翌2月頃、大阪湾は9〜12月頃、舞鶴湾は1〜3月頃までがハイシーズンとされています。
ブレードジギングのタックル
ブレードジギングはキャストが必須なので、スピニングタックルを使います。
ベイトタックルはキャストが難しいため、基本的にはおすすめしません。
専用ロッド or ボートキャスティングロッド
アブガルシア オーシャンフィールド サワラキャスティング OFWS-732MH
全長 | 7ft3in |
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自重 | 199g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 114.5cm |
ルアーウエイト | 12-60g |
PEライン適合 | 1.0-2.5号 |
ブレードジギング専用ロッドがベストですが、まだ歴史が浅い釣りなので専用品は少ないです。
そのため、軟らかめのキャスティングロッドやジギングロッド、ボートシーバスロッドなどを代用するのもおすすめ。
40〜60g前後のジグをアンダーハンドキャストできるロッドを選んでみてください。
4000〜5000番のスピニングリール
シマノ ストラディックSW 4000HG
自重 | 300g |
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ギア比 | 5.8 |
最大ドラグ力 | 11kg |
巻取り長さ | 95cm |
PE糸巻量(号-m) | 1.5-320m |
40gまでの軽いジグが中心なら汎用スピニングリールの4000〜5000番、60g以上のウエイトになってくるとSWリール(ジギングリール)の4000〜5000番がおすすめです。
高速巻きした際のスピードとトルクのバランスを考えると、ハイギアモデルが良いと思います。
エクストラハイギアはより速く巻けますが、巻き重りするのでアングラーへの負担も大きく、体力に自信のある人向きです。
PE1.5号+リーダー30lbが基準
PEラインは1.2〜1.5号を200m以上巻きましょう。
リーダーは、30〜40lb(6〜10号程度)を2ヒロ(約3m)前後接続します。
歯によるラインブレイクが心配な方は、リーダーの先端に10号ほどの先糸を結んでください。
ブレードジギングの釣り方
サワラは上下移動が苦手なので、横方向に追わせられるように、しっかりとキャストして長い距離を斜めに探ります。
ジグをアンダーハンドキャストで遠投したら底を取り、着底後はひたすらハイスピードで巻き続けてください。
アタリは巻き上げ中にガツンと来るのが大半で、そのままハイスピードで巻き続ければフッキングします。
ブレードジギングは、船のエンジンを切って風と潮に乗せて流す(ドテラ流し)のが主流です。
サワラの泳層が深いとわかっている場合は、ある程度巻き上げたら底を取り直しましょう。
表層付近に群れている場合や活性が高い時は船縁近くまで追ってくるため、そんな時は最後まで巻き切ることがヒットに繋がります。
ブレードジギングをやってみた!
真冬の舞鶴へ
釣行の舞台は、日本海の舞鶴湾口エリア。
大河川である由良川が海に栄養を供給し、プランクトンやマイクロベイトが集まるため、由良川の沖合はサワラの好漁場となっています。
この時期釣れるサワラは脂のノリもよくて絶品だそうです!
釣行は2月の初旬。お世話になったのは、東舞鶴から出船する鈴蘭丸さん。
7:30集合の8:00出船と、ゆっくり目のスケジュール。
当日の天候は晴れ、水温は11.5℃でした。
ポイントは近く、20分ほど走って到着。
朝一は流れがあり、谷から吹き込んで来る風も強い状況です。
いきなり時合いなのか、一流し目からお隣の方にサワラがヒット!
「羨ましいな〜」と横目で見ていると、筆者にも連鎖でヒット!
しかし、ラインブレイクでバラシ……。
反応はあるものの、風が強過ぎるのでポイント移動。
少し風がマシな河口部の沖へやってきました。
ポイント移動後も好調は続きます!
反応はピンポイントなので、こまめに船を流し直し、群れにあたればバタバタと釣れる感じです。
サゴシサイズですが、とりあえず早い時間に1本キャッチできて一安心。
ちなみに、周りを見ても釣れているカラーはバラバラです。
外道で釣れたレンコダイ。ボトムを意識し過ぎてしまったようです。
攻め方次第では、いろんな魚を狙えるのもブレードジギングの魅力かもしれませんね。
もちろん、専用ジグではなくても楽しめます!
TGベイト45gをブレードチューンして、サワラをゲット♪
ロストは怖いですが、さすがTGベイト。よく釣れますね。
扁平なスロー系ジグなどは回転しやすいので注意!
サワラが吐き出したのは、3cmほどのカタクチイワシ。
小さなシルエットのブレードジグを選んで喰ってくるのが納得ですね。
普通のジギングではまず釣れないやつです(笑)
釣ったサワラは、船長が締めて血抜きもしてくれます。
釣りに集中できるので、ありがたいですね。
ボーナスタイムに突入か!?
後半は、船でナブラを追っかけ回すキャスティングゲーム状態に!
底は取らず、着水したらすぐに速巻きで表層を狙います。
めちゃくちゃアタりますが、喰いが浅いのか、バラシもかなり多め(汗)
バレまくりますが、それ以上にアタりまくるので、常にバタバタと釣れています(笑)
しかも釣れるのは、全部サワラサイズ。
筆者もこのタイミングで数本追加できました!
良い感じでしたが、周りの船も沢山集まってきました……。
集まった船のプレッシャーで群れが散り、ボイルもどんどん小さくなってしまいました。
けっきょくここからは数が伸びず、船のクーラーも満タンになったので帰港することに。
1日ジグを巻き倒すと、指の皮は剥けまくりでした。
ノブの形状や持ち方などは、見直さなければいけませんね。
速巻きの負担は想像以上で、軽いジグといえどもナメない方が良いですよ。
寒サワラは絶品
冬のサワラは絶品との噂。
軽く炙って薄く切り、岩塩でいただきました。
臭みはまったくなく、脂のノリも丁度良い感じで、お箸が止まりません。
炙りが美味しすぎて全部食べられる勢いでしたが、少し気分を変えてカルパッチョに。
これもまた合う〜♪
なお、サワラはアニサキスが寄生していることもあるので、よく確認しておきましょう!
生食が不安な方は、加熱調理でも美味しく食べられます。
おすすめはチーズ焼き。マスタードを軽く塗れば、サワラ特有の臭いもほぼ消えます。
その他にも、煮付やフライ、西京焼きなど、どんな料理にしても美味しいですよ。
ブレードジギングで釣果を伸ばすコツ
実釣してきた内容も踏まえ、ブレードジギングで釣果を伸ばすコツを紹介します。
サワラを釣る極意は、とにかく速く巻くこと、シグのウエイト選択、ロッドでアワさないことです!
キープ・ハイスピード
とにかく長時間ハイスピードで巻き続けるのが釣果への近道。
サゴシや他の魚が追いつけないぐらい速く巻き、遊泳力の強いサワラだけを選んで釣っていくイメージです。
ちなみに、トローリングでサワラを狙う漁師は8kt(約15km/h)ぐらいで引っ張るそう。
そのため、できるだけ長い時間速く巻けるタックルセッティングを心掛けましょう。
ちなみに、筆者はカルディアLT4000-CXHを使っていましたが、60〜80gのジグはしんどかったですね。
30〜40gなら問題なく扱えますが、それ以上になってくるとかなり苦しいです。
これは「カルディアだから」というわけではなく、汎用スピニングリールの限界なので、60gを超えるとSWリールの5000番・ハイギアを推奨します。
また、T字ノブもおすすめしません。ラウンドノブの方が遥かに楽に巻けます。
ウエイト選択も重要
底から中層に感度がある時や、風が強くて船が流れる場合は、しっかりと沈められる重さを選びましょう。
逆に表層付近に反応がある場合は、軽いジグで攻めた方がサワラの泳層とマッチさせやすくなります。
軽いジグは速巻きをしやすく、シルエットが小さいので渋い時にも喰わせやすいため、“サワラの泳層を外さない”という前提でなるべく軽いジグを使うのがおすすめです。
ジグのウエイトは体力的な負担にも直結するので、バリエーションは広く用意しておきましょう。
焦ってアワせない
アタリがあってもそのまま巻き続け、巻きアワセでフックを貫通させるように意識してください。
サワラも高速で泳ぎながらルアーの突進してくるわけですから、ロッドを煽った程度ではまったく追いつきません。
変にロッドを煽って甘く掛かるよりかは、魚が反転したタイミングで針先を深く入れた方がキャッチ率は高まります。
ブレードジギングおすすめジグ
ブレードジギングにおすすめのジグを集めました。
ぜひジグ選びの参考にしてください。
シャウト ブレードショーテル
ブレードジギング専用設計のジグです。
低重心の極太ボディは高速巻きでも回転しにくく、安定した姿勢を保持します。
ブレードとフックはボールベアリングで接続されており、ブレードの回転を妨げません。
強度に優れるカン付伊勢尼フックは、刺さりも抜群です。
ラインナップ | 30-80g |
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メガバス マキッパ サワラチューン
フックの接続パーツをスイベル仕様にして、サワラに特化させたマキッパです。
ターゲットに見切られないハイスピードフラッシングアクションと強烈な波動を生み出します。
全カラーがケイムラなので、とくに朝夕はハイアピールです。
フロントフックが標準装備されているため、サワラ狙いでは外すのを推奨します。
ラインナップ | 30-40g |
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ジャクソン メタルエフェクト サゴシチューン
東京湾の人気ガイド船「アンリミテッド」の池上日明氏が監修した、サワラ用のブレードジグです。
アイの位置やウエイトバランスの調整、ボディ後部に設けたフィンにより、フォールと高速リトリーブ時の安定性を向上。
高速リトリーブ中のバイトの衝撃にも耐えられるよう、強度に優れるシングルフックを採用しています。
ラインナップ | 30-60g |
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コーモラン アクアウェーブ メタルマジックTG
高比重なタングステン製のスピンテールジグです。
フロントヘビーなバランスなのでトラブルが少なく、素早い底取りが可能。
低速から超高速域までスイム姿勢が安定しており、シルエットの小ささも魅力。
純正で高強度なスプリットリングを採用しており、パワーファイトをしても安心です。
ラインナップ | 20-60g |
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ダイワ リアルブレードTG
トラブルレス性能を重視して、タングステン製のブレードジグです。
独自にデザインされたフィン構造によって、キャストおよびフォール時のフック絡みを軽減。
フックは初期掛かりと掛かりの速さを重視して選定されています。
ラインナップ | 30-40g |
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ジャッカル バンブルズ バイトビーンズ TGサワラスペシャル
とくにマイクロベイトパターンに強い、タングステン製のサワラ用ブレードジグです。
低重心かつ前方重心に設計されており、飛距離と超高速域での安定性を両立させています。
ブレードは、引き抵抗とアピール力のバランスを目指して作られた独自形状。
ブレードへのバイトも掛けることを目指し、NTパワースイベルを用いてフックとブレードの距離を近づけています。
ラインナップ | 30-80g |
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煙が出るぐらい速く!
「リールから煙が出るほど速く巻け」と言われるくらい、速巻きが重要な釣りです。
ややゆっくり目な速巻きが効くこともありますが、基本的には遅いとサワラに見切られます。
このシンプルな動作が意外と難しい(体力も含めて)ので、できるだけ楽に速巻きを続けられるタックルセッティングでチャレンジしてみてくださいね。
ガツンと来るサワラのバイトは堪りませんよ!