タチウオジギングとは?
タチウオは食味が良くて手軽に釣れるとあって、青物に並ぶジギングの人気ターゲットになりました。
手軽に楽しめる反面、気まぐれなタチウオは一筋縄で攻略することが難しく、奥深いゲーム性の高さも魅力です。
本記事では、元釣具屋の筆者がタチウオジギングのタックルや釣り方などを詳しく紹介します!
タチウオジギングのシーズン
地域にもよりますが、タチウオはほぼ1年を通して狙え、その中でもベストシーズンは夏〜秋です。
冬は深場に落ちたタチウオを狙うため、ハイシーズンよりもアタリの数は減りますが、大型を狙って釣れます。
タチウオジギングが盛んな東京湾も大阪湾も釣期は夏〜冬です。
ただし、近年の東京湾は春からタチウオ狙いで出船している船宿もあり、ほぼ年中楽しめるようになってきています。
それに対して大阪湾の春はオフシーズンで、例年8月ごろからのスタートです。大阪湾は潮や釣況によって青物狙いかタチウオ狙いか変わる船が多く、1日の中で両方狙うこともあります。
タチウオジギングのタックル
ここからはタチウオジギングのタックルについて解説します。
ジグのウエイトが似通っていても、青物ジギングとは適したタックルが異なります。
ロッド
タチウオジギングではメタルジグをスライドさせ過ぎないことが大切なので、反発力を抑えたタチウオジギング専用ロッドがベストです。
船はスパンカーを張るのでラインはバーチカルな状態(ドテラではない)になり、タチウオはフォール中のアタリが多いため、基本的にはベイトロッドを使います。(ごく一部を除き、専用ロッドはすべてベイトロッドです)
東京湾や大阪湾でもっともオールマイティなのは、150g程度のジグに対応する6ft前後のロッドです。
専用ロッドの他には、150g前後のウエイトを扱えるタイラバロッドやライトジギングロッドを代用できます。
リール
0.8〜1号のPEラインを200m程度巻けるベイトリールを選びましょう。
ダイワ製・シマノ製リールともに、150〜300番サイズがこれに該当します。
そして、ヒットレンジを集中して狙うタチウオジギングでは、デジタルカウンター(水深表示機能)付きのリールが圧倒的に有利です。
広いレンジを素早く探り、ラインブレイクを回避して素早くフッキングするには、ハンドル1回転当たりの巻き量が多いハイギアが適します。
反対に、冬に代表されるスローテンポで誘う釣りにはローギアが人気です。
ラインシステム
PEラインは0.8号か1号を300m程度巻きます。オマツリを防止するために、1号以上のPEが禁止されている船も多いので注意してください。
レンジを把握するために10m毎のマーキングは必須、糸を噛まれてラインブレイクすることが多いので余裕をもって巻いておきましょう。
リーダーはフロロカーボンの4〜6号(16〜24lb)を3ヒロ程度接続します。
ミスバイトによるラインブレイクを減らすには、リーダーの先にさらに太いリーダー(8〜20号程度)を50cmほど結束するのが有効です。
近年は、先端が太くなるテーパーリーダーが便利で人気です。
ワイヤーリーダーを使えばさらにラインブレイクは減りますが、アタリが少なくなり、オマツリをした時に解きにくいのでおすすめしません。(ワイヤーリーダー禁止の船も多いので注意してください)
メタルジグ
東京湾や大阪湾で使用頻度が高いウエイトは150gですが、100〜200gの範囲で用意して水深や潮流に応じたものを選べるようにしましょう。
カラーはゼブラグローやパープル、ピンクが定番です。
ジグの使い分けは、センターバランスとリアバランスの2パターンで考えるのがおすすめ。
センターバランスのジグは横に向きやすく、ヒラヒラとフォールします。リアバランスのジグは直進気味の動きで、横方向への動きが小さいことが特徴。
タチウオは反応するアクションが偏る傾向にあるので、両タイプを使い分けることで釣果が伸びます。
また、リアバランスはフォールスピードが速くて糸フケも出にくいので、手返しが良く、ラインブレイクが少ないこともメリットです。
ダイワ 鏡牙 ベーシック 160g
口コミ・レビュー
始めた頃から今に至るまで季節を問わず安定して釣れるタチウオの基幹ジグです。ワンピッチからただ巻き・リフト&フォールありとあらゆる釣り方で釣れます。
フックセッティング
タチウオはジグの中心付近にバイトしてくるため、ジャーク時にもフォール時にも常にフックが中央付近にくるセッティングにします。
アシストフックもトレブルフックも、前後のフックが干渉しない範囲で可動するようにセッティングしましょう。
フックは前後に付けるのがセオリーですが、リアバランスのジグはフォール中にフロントフックに掛かりやすく、そのままリーダーに牙が当たってしまうことがあり、リアだけにトリプルフックをセッティングすることもあります。
また、東京湾はアシストフックを禁止している船も多く、トレブルフックを用いたセッティングが主流です。
タチウオハサミ
タチウオは牙が鋭く、触れただけでスパッと手が切れてしまうため、必ずタチウオバサミを用意しましょう。
とくに針を外す時に噛まれやすいので、必ずタチウオバサミで掴んでから、プライヤーで針を外してください。
胴体の真ん中を掴むと、蛇のように起き上がってきて噛まれるため、首根っこ(エラのあたり)を掴みます。
タチウオジギングのアクション
ワンピッチジャーク
ワンピッチジャークとは、リールのハンドル1回転に対してロッドを1回シャクる、ジギングでもっともベーシックなアクションです。
タチウオは青物のように遊泳力が強くないので、激しくて速いジャークは必要ありません。タチウオが捕食しやすいように、“角のない動き”を演出しましょう。
ただし、ゆっくりとしたアクションを見切る場合もあるので、いろんなスピードやテンポを試したください。
ロングフォール
タチウオはフォールへの反応が非常に良い魚です。
ロッドを送り込んでフォールさせるのはもちろん、底取り中にもよくヒットするので、ラインのテンションを張ったり、抜いたりしていろんなフォールアクションを試してみてください。
フォール中のアタリは手元に伝わりにくく、ラインや穂先の動きで判断する必要があるので注意しましょう。
コンビネーション
タチウオは目が良い魚なので、単調なワンピッチジャークやフォール一辺倒では見切られることも多いです。
そのため、ワンピッチジャークやフォールを組み合わせ、タチウオを飽きさせずにバイトに持ち込む必要があります。
例えば、ワンピッチジャークでタチウオにジグを追わせ、その後のフォールで食わせるようなテクニックは非常に有効です。
釣果を伸ばすコツ
タナを探す
タチウオはヒットレンジがコロコロと変わることも多く、基本的には船長の指示ダナを重点的に狙うのがセオリーです。
しかし、タチウオは魚探に映りにくく、映っていたとしても魚探の反応と実際のヒットレンジが異なることもあります。
タチウオは上下動が激しく、思っているよりも長い距離を追ってくるので、たまに指示ダナの上や下を探るようにしてみてください。
ジグを大きくスライドさせない
ジグを大きくスライドさせると、タチウオが追い切れないだけでなく、リーダーがジグに沿ってしまってラインブレイクに繋がります。
時にはスライドアクションを好むこともありますが、その場合もできるだけジグが自走しないように心掛けましょう。
ジャークの後にすぐロッドを止めのではなく、ロッドを少し持ち上げつつ止めると、ジグのスライド距離をある程度抑えられます。
食い上げに注意
慣れるまではタチウオ特有の食い上げるバイトを捉えるのに苦労するかもしれません。
タチウオは下からジグを食い上げるようにバイトすることが多く、手元にゴツンと伝わらないアタリも多くあります。
このようなアタリは素早くフッキングしないと掛からないばかりか、リーダーまで食われてラインブレイクしてしまいます。
食い上げバイトを取れるか否かで、釣果も変わりますし、ロストするジグの数も変わるので、ラインや穂先のテンション変化に注意してください。
ジギング入門にもイチオシです!
タチウオジギングは初心者の方でも数釣りを楽しめ、体力的な負担も少ないのでジギング入門にも最適です。
それでいて、青物にはないタチウオ特有の奥深さもあり、ハマる要素も存分。
もちろん食べても美味しい魚なので、ぜひタチウオジギングに挑戦してみてくださいね!
動画での解説も!
ブルーブルー・吉澤竜郎氏が解説するタチウオジギング動画はこちら。