あれもできる、これもできる!

「万能なロッド」と聞いて、エギングロッドを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
筆者もその1人で、実際にエギングロッドでさまざまな魚を釣っており、いろんな釣りに使いまわせる“ほど良い長さと硬さ”が万能と呼ばれる理由だと思います。
まずは、エギングロッドでどんな釣りができるのか、筆者の経験を元にご紹介します!
サビキ釣り

足元に落とすだけのサビキ釣りなら、エギングロッドで十分に対応できます。
穂先のしなやかさも丁度良く、磯竿より軽くて操作性に優れる点も◎。
エギングロッドのパワー的には、サビキカゴは8〜10号程度の重さが使いやすいですよ。
ウキを付けて投げる飛ばしサビキは、ロッドの長さとパワーが足りないので難しいです。
ちょい投げ釣り

ちょい投げ釣りでキスなどを狙うにも好相性。
エギングロッドは感度に優れているため、キスのアタリが非常にわかりやすく、底の様子も感じ取れます。
パワー的に、オモリは6〜8号程度が使いやすいです。
本格的な長い仕掛けは投げにくいので、1m以下の短いちょい投げ仕掛けを選びましょう。
タコ釣り

タコエギやタコテンヤを使った、キャスティングでのタコ釣りにも最適です。
穂先が適度に曲がってくれるため、タコの重みが乗る様子(アタリ)がよくわかります。
タコ釣りは負荷が大きいため、最低でもMクラス、できればMHクラスのエギングロッドが欲しいですね。
Mクラス以上のエギングロッドなら、35g程度のタコエギや10号程度のテンヤを十分使えます。
ロックフィッシュ

感度が良くて海底の変化がわかりやすいので、テキサスリグやフリーリグを使ってロックフィッシュを釣るのも得意です。
もちろん、ジグヘッドリグのスイミングなどにも使いやすく、シンカーのウエイトは10〜20g前後が目安。
30cm程度のハタであれば、Mクラスのエギングロッドで難なくキャッチできますよ。
チニング

テキサスリグやフリーリグを使ったボトムチニングをはじめ、トップウォーターゲーム、バイブレーションゲームなど、幅広く楽しめます。
チニングは5〜15g程度のシンカーを使うことが多いため、ML〜Mクラスのエギングロッドが丁度良いです。
50cm超の年無しサイズでも難なくキャッチできますよ。
シーバス

20g程度までのシーバス用ルアーならほぼ使えるので、極端な釣り方でなければ十分楽しめます。
大型サイズとは強引なファイトはできませんが、レギュラーサイズの引きを味わえ、シーバスロッドより軽いのも利点です。
シーバス用のルアーは種類が豊富なので、ロッドの硬さに応じたルアーを選びましょう。
タチウオ

タチウオテンヤ(引き釣り)やワインドといったタチウオ釣りも楽しめます。
テンヤは5号程度まで、ジグヘッドやルアーは20g程度までを目安にすると快適です。
タチウオ釣りはフッキングに力を要するため、硬めのMHクラスが理想ですが、Mクラスでも十分使えます。
ライトゲーム

カマスやメッキ狙いをはじめ、キャロやフロートを使ったアジング・メバリングにも使えます。
ジグヘッド単体の釣りもできますが、軽量なジグヘッドは操作感が薄くなりますので、あまり快適ではありません。
MLクラスのエギングロッドなら、5〜20g程度のルアーが使えます。
ジグサビキ

ジグサビキを使ってツバスやサバといった小型回遊魚を狙うのも面白いです。
20g前後のメタルジグが投げやすく、気持ちよくアクションできますよ。
スーパーライトショアジギング

ジグサビキができるので、もちろんスーパーライトショアジギングもできます!
ロッドのパワー的には、メタルジグのウエイトは20g前後、青物のサイズはハマチぐらいまでが目安。
ショアジギングロッドのような強引なファイトはできないので、ドラグを使ってゆっくりファイトしましょう。
万能に使えるエギングロッドの選び方

ここからは万能に使えるエギングロッドの選び方を解説します。
長さと硬さに注目しましょう!
長さは83 or 86

エギングロッドのスタンダードな長さは、8ft3inか8ft6in。
8ft3inは短いので軽くて操作性に優れ、8ft6inは長さを活かして遠投ができます。
とはいえ、わずかの違いですので、持った時にしっくり来る方を選ぶと良いでしょう。
硬さはMクラスが基準
硬さ | パワー | ライトゲーム | チニング | サビキ | ちょい投げ | シーバス | タチウオ | ロックフィッシュ | タコ | ライトショアジギング |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
柔らかい | ML | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | △ | △ | △ |
↕️ | M | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | △ |
硬い | MH | △ | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
エギングロッドの中でも万能と言われるのが、Mクラスです。
Mクラスのエギングロッドの多くが3.5号までのエギに対応しており、ルアーなら概ね20g前後なら問題無く使えます。
Mクラスを基準に、ライトな方向に振りたければMLクラス、ヘビーな方向に振りたければMHクラスを選ぶと良いでしょう。
ただし、はじめは硬いロッドでエギングをするのは難しいので、ビギナーの方にはMLかMがおすすめです。
エギングロッドとシーバスロッド、どちらが万能?

一概に言えないものもありますが、エギングロッドとシーバスロッドの違いは、長さと曲がり方(テーパー)です。
エギングロッドは8〜9ftが多いのに対し、シーバスロッドは9〜10ft程度が主流。
また、エギングロッドはファーストテーパー(先側が曲がる)が多いのに対し、シーバスロッドはレギュラーテーパー(中間部分から曲がる)が主流です。
ざっくり性格を分けると、エギングロッドは操作性と感度を重視したロッド、シーバスロッドは遠投性能とパワーを重視したロッドだと言えます。

つまり、「どちらが万能か?」の答えは、使用環境(対象魚や釣法)によって変わるということです。
ライト系万能ロッドがエギングロッド、ヘビー系万能ロッドがシーバスロッドと考えるのが良いでしょう。
どちらを買うか迷った際は、シンプルに「エギングとシーバスのどちらをメインにしたいか?」を基準に選ぶのがおすすめです。
お手頃価格の万能エギングロッド5選
最後に、お手頃な価格で購入できる万能なエギングロッドを5本紹介します。
これからエギングを始めたい方や、いろんな釣りをしてみたい方は参考にしてみてください。
メジャークラフト ファーストキャスト エギング FCS-832E
全長(ft) | 8'3" |
---|---|
自重(g) | - |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | - |
適合エギ(号) | 2.0-3.5 |
口コミ・レビュー
中学生の息子に購入 ちょいと借りてキャスティングしてみましたが軽くバランスがよいので
子供や女性など手首に負担なく投げ続けられます ロッドの重さなど気にしてませんでしたが
違いがわかりました。
出典: 楽天市場
実売価格6,000円前後、リーズナブルで入門に最適なエギングロッドです。
張りを抑えた中弾性カーボンを用いており、初心者でも扱いやすい設計になっています。
重みを乗せて投げやすく、ファイト時はしっかり曲がりこんで魚を浮かせられるロッドです。
アルファタックル クレイジー アオリスティック 862M
全長(ft) | 8'6" |
---|---|
自重(g) | 121 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 133 |
適合エギ(号) | MAX4 |
船竿でお馴染みのアルファタックルから発売されているエギングロッドです。
シャクリやすさを重視した、スタンダードなロッドに設計されました。
ワインド釣法にも十分対応できるバットパワーも備えています。
ダイワ エギングX 83M
全長(ft) | 8'3" |
---|---|
自重(g) | 108 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 130 |
適合エギ(号) | 2.5-4.0 |
ダイワ製エギングロッドのエントリーモデルです。
バット部分には、カーボンテープで締め上げて強化するブレーディングXが採用されています。
これによってパワーロスが少なくなり、軽快な操作とキャストが可能。
糸絡みのしにくいKガイドも搭載されているため、ライントラブルも少ないです。
シマノ ソルティーアドバンス エギング 83M
全長(ft) | 8'3" |
---|---|
自重(g) | 97 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 129.4 |
適合エギ(号) | 2-4 |
口コミ・レビュー
ショートタイプで使いやすい。家の中で持った感じちょっと硬いかなと思ったけどエギングでは全然良かった。某動画サイトでは投げにくいとの評価もあったけど、すごく投げやすいと感じた。リールはミラベルを合わせた。とにかく軽い。これがすべて。
出典: 楽天市場
シマノ製エギングロッドのエントリーモデルです。
上位機種譲りのハイレベルなブランクを採用しており、エントリークラスとは思えない軽さが実現されています。
シャープさとパワーも十分備えており、さまざまな釣りに使えるロッドです。
トップガイドにはラインへのダメージが少ないSiCリングが搭載されているため、細いPEラインでも安心して使用できます。
アブガルシア ソルティースタイル エギング STES-862M-KR
全長(ft) | 8'6" |
---|---|
自重(g) | 127 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 132.5 |
適合エギ(号) | 3-4 |
高感度で軽量なコストパフォーマンスに優れるエギングロッドです。
独自のカーボンテープラッピングを採用しており、ロッドのネジれが少ない設計になっています。
小口径ガイドによって軽量化しており、感度も良好。
張りを抑えたレギュラーテーパーのため、投げやすくて他のルアー釣りにも使いやすいです。
エギングロッド万能説はホント! だけど……

エギングロッドが万能なのは確かですが、「何でもできる」というワケではありません。
大きな青物には力不足ですし、カゴ釣りやウキ釣りなどの長い仕掛けも扱いにくいです。
全部の釣りができるロッドはないので、どんな釣りをしたいかイメージしてロッドを選ぶようにしましょう。
撮影:tsuki / TSURI HACK編集部