タイラバとは
タイラバ とは、マダイ狙いに特化したルアー(疑似餌)のこと。
タイラバを構成するパーツのネクタイとスカートはラバー製。そのラバーを使用したルアーでマダイを狙うことから、タイラバと呼ばれています。
タイラバを使用した釣りは、落として巻くだけと操作が簡単。美味しい魚が釣れることもあって釣り初心者の方にもおすすめな釣りですよ。
タイラバで狙えるターゲット
タイラバでは、マダイをメインターゲットとし、その他にもさまざまな魚が釣れます。
アタリが多く、五目釣りとしての要素もあるため、1日を通して飽きずに楽しめるのもタイラバの魅力です。
マダイがメインターゲット
タイラバのメインターゲットであるマダイは、スズキ目スズキ亜目タイ科に分類される高級魚。北海道の一部や琉球列島を除く、日本全国に広く分布しています。
そんなマダイは、釣り人からの人気が高い魚で、釣り魚の王様と評されることも。
他にもあらゆる魚が狙える
マダイだけでなくあらゆる魚が釣れるのもタイラバの魅力。一例を挙げると、カサゴやハタなどの根魚はもちろん、クロダイ、青物、タチウオ、アマダイなど色とりどり。
マダイが釣れない時でも、何かしらの魚からの反応を得られるのもタイラバの魅力です。
タイラバの時期・時間帯
タイラバは1年を通して楽しめますが、時期によって釣果に差が出ます。これからタイラバに入門する人には、釣れやすい時期から始めるのがおすすめです。
また、タイラバをする上では時間帯も重要。釣れやすい時間帯に集中して釣りをすることで、より多くの釣果を望めます。
では、具体的なベストシーズン、釣れやすい時間帯の目安について深掘りしていきましょう。
ベストシーズンは春と秋
タイラバのベストシーズンは、ズバリ、春と秋です。
そのベストシーズンとなる春と秋でも、特徴が大きく異なるので、それぞれの時期の特徴を抑えておきましょう。
▼大型が狙える春のノッコミシーズン
産卵を控え、浅場へ移動してきた大型マダイが釣れる時期が、春のノッコミシーズンの魅力。
釣果にムラがあるものの、アベレージサイズが大きく、自己記録サイズを狙うにも最適な時期になります。
ノッコミシーズンは地域によっても異なりますが、おおよそ4〜6月が目安です。
▼数釣りが楽しめる秋
秋はマダイの活性が高くなり、1kg以下、大きくても1.5kg前後とやや小型が中心になるものの数釣りを楽しめる時期。
また、秋は青物やハタなどの嬉しい外道が釣れやすい時期でもあります。
したがって、秋はタイラバ入門には外せない時期といえるでしょう。
日中の潮が動く時間帯は外せない
マダイを釣る上で、日中の潮が動く時間帯は外せません。とくに集中して釣りをしたいのは、上げ3分・下げ7分と呼ばれる時間帯。
干潮を0分、満潮を10分とした時、上げ3分は干潮から約2時間後、下げ7分は満潮から約2時間後です。その時間帯は潮が動きやすく、マダイがタイラバに反応しやすくなります。
若潮や長潮といった一見状況が悪い日でも、上げ3分・下げ7分に差し掛かると、釣果が出ることがあるので、とくに集中したい時間帯といえるでしょう。
タイラバの仕掛け・タックル
タイラバは、キャストせずに船下に落とす“バーチカル”の釣りが基本。船下での釣りでは、仕掛けの上げ下げを行いやすいベイトタックルが最適です。
ラインやタイラバ仕掛け、カラーなどの詳細については、必ず近くの釣具店や船宿に聞いておくことを忘れずに。
船宿によっては、タイラバの重さやラインの太さなどのレギュレーションが設けられている場合もあるので、加えてチェックしておきましょう。
誘導式仕掛けが主流
タイラバの仕掛けには、固定式と誘導式があります。
固定式とは、ヘッドとフックが一体になっているタイプ。誘導式とは、ヘッドとフックが固定されておらずヘッドの自由度が高いタイプです。
近年では、誘導式のタイラバが一般的で、釣具店で販売されているほとんどのタイラバが、この誘導式を採用しています。
▼ヘッドは複数用意しておく
ヘッド の重さは底が取れることが大前提。
だからといって重すぎてもマダイに違和感を与えてしまうため、重すぎず軽すぎない重さが必要になります。
どのくらいの重さが必要かは釣具店や船宿へ聞いておき、潮の流れ方などあらゆる状況に対応できるよう、複数用意しておくことをおすすめします。
▼まずはセット仕掛けでOK
タイラバに初めて挑戦する時には、ヘッド、ネクタイ、スカート、フックの4点が含まれたセット仕掛け を使用しましょう。
セット仕掛けは、ネクタイやスカート、フックのバランスが最適化されていて、初めての人でも使いやすいのが特徴です。
タイラバの各パーツの役割
- ヘッド:タイラバのオモリのことで、仕掛けを棚まで沈めるのに必要
- ネクタイ:水中で波動を出し、マダイにアピールする
- スカート:ネクタイとは違う波動を出し、アピール力を高められる
- フック:タイラバに食い付いたマダイを掛ける
スタート 2step 鉛 コンプリート
ラインナップ | 60-80g |
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大人気メーカーが販売する鉛製タイラバ
タイラバマニアの間で絶大な人気を誇る、瀬戸内海発祥のスタート。そのスタートが販売する鉛製のタイラバで、ヘッドにこだわって作られているのが特徴です。
ヘッドの後方にホールがあり、ユニットが入り込むことで安定性が向上。その結果、バイトを誘発でき、かつ針掛かりの良さも実現しています。
ロッドは仕掛け重量に対応したものを
タイラバロッド は、使用するヘッドの重さに対応した硬さのロッドを使用しましょう。
柔らかいロッドはマダイのアタリを弾きにくく、重みを乗せるようにフッキングできるのが特徴。
一方で、硬いロッドは重量があるヘッドを扱いやすく、深場での大型マダイ狙いに対応します。
長さは、5ft5in〜7ftほどまでがラインナップされていますが、中心となる6ft半ばがとくに万能。長さに困った時には6ft半ばを基準に選択しましょう。
▼【選ぶ時のポイント】海域に合わせたパワーを
Mパワーのロッドは汎用性が高くさまざまなフィールドに対応できますが、海域によっては、それ以上もしくはそれ以下のパワーのロッドが必要になるでしょう。
とくに注視したいのが、東京湾や瀬戸内海のような内海なのか、日本海側のような外海なのか。
潮流が速くない内海では、80gほどと軽めのヘッドを使用するため、Mパワー以下が最適。一方、潮流が速い外海では、200gを超えるヘッドを使用することもあるので、Mパワー以上のロッドが活躍します。
このように、釣りをする海域に合わせたロッド選びが非常に大切になります。
シマノ 炎月 BB B69M-S/2
全長 | 6ft9in |
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自重 | 141g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 106.4cm |
ルアー重量 | 40-150g |
PEライン適合 | MAX1.2号 |
安定したリーリングとファイトを可能にする1本
シマノ独自のグリップ、Xシートデュアルガングリップを搭載し、ロッドを握りやすいおすすめの1本。ロッドを持つ手が疲れにくく、安定感のあるリーリングとファイトをサポートします。
ティップにはしなやかな特徴があるカーボンソリッドを搭載しているため、マダイのアタリを弾きにくいのも特徴です。
リールは150〜300番サイズを
リール は、両軸タイプの150〜300番サイズが基本。
軽いヘッドを使用する内海では150番、重いヘッドを使用する外海では300番を使用するのが一般的でしょう。
また、ギア比に関してはパワーギアやノーマルギアが、潮の抵抗を受けても軽く巻き上げられるのでおすすめです。
▼カウンター付きがおすすめ
タイラバでは、カウンター付きの両軸リールを使用するのがおすすめ。カウンターとは、放出しているラインの長さをリールのモニターに表示する機能のこと。
カウンター付きリール を使用すると、どの辺りの水深でマダイがヒットしたかを把握でき、再現性のある釣りを可能にします。
また、ヒットしたマダイがあと何mで上がってくるかを把握するのにもカウンターが役立ちます。
シマノ 炎月 CT 150PG
ギア比 | 5.8 |
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自重 | 250g |
最大ドラグ力 | 6kg |
巻き取り長さ | 58cm |
PE糸巻量(号-m) | 0.8-400/1.0-330/1.5-200 |
巻きとフォールの速度も表示するカウンター搭載
仕掛けがある水深はもちろん、巻きとフォールの速度も表示するカウンターを搭載している炎月 CT。マダイがヒットした巻きやフォールの速度がわかり、再現性を高められます。
また、巻き心地は非常にスムーズで、負荷がかかった状態での巻き上げも楽。ミドルクラスの価格帯でやや値段が高いですが、予算があれば入門者にもおすすめしたい機種です。
PEライン+フロロリーダーで
タイラバではメインラインにPEライン、リーダーにフロロを使用します。
PEラインは内海では200m以上、外海では300m以上をリールに巻いておきましょう。
▼PE0.8〜1号が基準
PEライン の太さについては、0.8〜1号が基準です。
編み数は、水の抵抗を受けにくく強度も高い8本編みがより快適ですが、価格を抑えたいという方は4本編みでも問題ありません。
ダイワ UVF紅牙デュラセンサーX8+Si2
耐摩耗性に優れているのが特徴
耐摩耗性が従来の300%以上あり、PEラインの弱点でもある摩耗によるラインブレイクを防げるのが特徴。1m、5mの位置にマーカーがあり、10mごとにラインのカラーが変わるマルチカラーを採用しています。
強度や耐久性も十分に高く、大型を狙える春のタイラバでも安心。8本編みでも比較的低価格で、購入しやすいのも魅力です。
▼リーダーは3ヒロ(約4.5m)ほど用意する
リーダー の太さは、PEラインの太さの3〜4倍を目安にしましょう。
PEラインが0.8〜1号に対して、リーダー3〜4号(12〜16lb)のイメージです。
長さは3ヒロ(4.5m)ほどを結んでおくと良いでしょう。
山豊テグス 鯛ラバフロロショックリーダー
初心者におすすめなリーズナブルリーダー
釣り糸メーカー、山豊テグスのタイラバ専用フロロカーボンリーダー。しなやかで結束しやすく初心者にも扱いやすいリーズナブルなアイテムです。
カラーにカモフラージュグレーを採用し、水中に溶け込みやすいのが特徴です。
▼代表的な仕掛けの結び方
誘導式のタイラバはヘッドの穴にラインを通し、その先にネクタイ、スカート、フックをセットしたユニットを結びます。
結び方はクリンチノット、ユニノット、漁師結び、ループtoループの4種類が基本。
中でもクリンチノット、ユニノットを覚えておくと、汎用性が高く、さまざまな場面で役立ちます。
タイラバの釣り方
海底までタイラバを落とす
タイラバを水面直下で動かして、フック、ネクタイ、スカートがラインやヘッドに絡まっていないかを確認します。
動きに問題なければ、リールのクラッチを切り、タイラバを海底まで落としましょう。
着底後、等速巻きで誘う
①着底を感じたら即巻き上げ開始
タイラバが着底すると、ラインがふけたり、ロッドのティップが跳ね上がったりします。
着底を確認したら、即巻き上げを開始しましょう。
②指示棚を一定のスピードで巻く
釣り船では、底から何mを狙えば良いか、またはリールをどのくらい巻けば良いか、船長から指示があります。
その指示棚を一定のスピードでリールを巻きましょう。
等速巻きといって、タイラバを一定の速度で動かすことが基本の釣り方となります。
③アタリが無ければタイラバを再度海底へ落とす
指示棚の上限まで巻き上げたら、タイラバを再度落として着底させましょう。
着底したら再度指示棚を一定のスピードで探ります。
着底→巻き上げ→着底→巻き上げを繰り返すイメージです。
ヒットしても一定の速度で巻き上げる
タイラバではアタリがあっても、ヒットしても一定の速度でリールを巻き続けます。
リールを巻くのを止めて、ラインテンションが抜けるとバラシにつながるので、気を抜かずに最後まで巻き続けましょう。
タイラバのコツ
シンプルな釣り方ゆえ初心者にもおすすめなタイラバですが、釣果が簡単に出るというわけではありません。釣れない時間帯が続くということも茶飯事です。
そんな時には、仕掛けのローテーションや誘い方に変化をつけて、マダイの反応を伺いましょう。
では、具体的なコツについて解説します。
仕掛けのローテーションで状況を探る
タイラバでなかなか釣れない、そんな時に試したいのが仕掛けのローテーション。
タイラバでは、仕掛けが状況に合っていないとアタリがなかったり、アタリがあってもフッキングしなかったりします。
アタリがない時には仕掛けを大きく変える、アタリがあっても掛からない時にはわずかな変化を与えるのがおすすめです。
▼ヘッドのウェイトやカラーを変える
まず試したいのが、ヘッドのウェイトやカラーを変えること。
ヘッドのウェイトに関しては、軽くしてボリュームを抑える方法と、重くしてフォール速度を上げる方法があります。
軽くしてボリュームを抑えることで、食いが渋いマダイがヒットするのを狙えます。一方、重くしてフォール速度を上げると、アピール力が上がりタイラバに気づかせられるのがメリット。
また、カラーに関しては、アタリがある時には近いカラーでローテーションしてみましょう。例えば、赤でアタリがあってもフッキングしない時には、赤の中でも暗めや明るめを試すのがおすすめです。
▼ラバーのカラーやボリュームを変える
ラバーのカラーに関してもヘッドと同様、アタリがある時には細かく、アタリがない時には大きくカラーを変更してみましょう。
ネクタイ の形状は、厚くて太いと波動が大きく、薄くて細いと波動が小さいです。波動が大きい方が良いか、小さい方が良いか、日によって大きく差が出るので波動にこだわってローテーションしましょう。
スカート に関しては、アピール力を上げたい場合は本数を増やし、アピール力を下げる場合は本数を減らすとよいでしょう。
誘い方を変えてみる
タイラバでは、ヘッドやラバーをローテーションするだけでなく、釣り方を変えるのも効果的。
タイラバは単調な釣りですが、その単調な中でもわずかに誘い方を変えることで、釣果につながります。
▼巻き上げ回数や巻きスピードを変えてみる
釣れないときに、まず試したいのが巻き上げ回数や巻きスピードを変えてみること。
巻き上げ回数に関しては、通常の巻き上げ回数に加えて、10〜20回ほど多めに巻いてみるのがおすすめ。例えば、着底後リールのハンドルを20回転させているときには、数回に1度は30〜40回転させるような変化を加えるのが効果的です。
▼フォールスピードを変えてみる
近年のタイラバでは、巻き上げのスピードだけでなく、フォールスピードを変えてみるのも効果的。タイラバ用のリールには、フォールスピードを調整する機能を搭載したモデルもあります。
フォールスピードを速めると、落ちるものに反応するマダイにタイラバの存在を気づかせやすくなります。
一方、フォールスピードを緩めると、フォール中のバイトを狙いやすくなるでしょう。
タックルを揃えてタイラバにチャレンジしよう!
タイラバはアタリが多く、ルアーフィッシング初心者はもちろん、釣り初心者でも楽しめるのが魅力。マダイをメインに高級な外道も多彩に釣れて、釣りを楽しめるだけでなく、魚料理も堪能できます。
船釣りに挑戦したいけど、何から始めようか悩んでいる人は、ぜひタイラバにチャレンジしてみてください。