タイラバにはショックリーダーが必須
タイラバ(鯛カブラ)はPEラインが必要不可欠で、道糸としてナイロンやフロロカーボンラインを使うことはありません。
しかし、PEラインは結束強度や耐摩耗性が弱く、光も透過しないので仕掛けを直結するのはNGです。
そのため、PEラインの先にはショックリーダー(先糸)を結束する必要があります。
本記事では、タイラバにおけるリーダーに対する考え方を解説し、おすすめアイテムを紹介するのでぜひ参考にしてください。
リーダーの太さはPEラインに合わせる
タイラバでは、0.6〜1号のPEラインに対して2〜4号のリーダーを組むのが標準的です。
しかし、例えばディープタイラバの場合はワンランク強めにセッティングするなど、釣り方や海域に合わせる必要もあります。
ここからはリーダーの太さについて解説します。
PEの“3〜4倍の太さ”を目安に
PE(一般的な強度) | リーダー(一般的な強度) |
0.4〜0.6号(8-12lb) | 2〜3号(8-12lb) |
0.8〜1.0号(16-20lb) | 3〜4号(12-16lb) |
1.2~1.5号(24-30lb) | 4〜6号(16-24lb) |
まずベースとなる考え方は、PEラインの3〜4倍の太さです。
PEラインに対して、リーダーの強度を少し弱いバランスにすることで、PEとリーダーの強度を活かしつつ、根掛かりした際には仕掛けとの結束部で切る(PEのタカ切れを防ぐ)ことができます。
また、PEとリーダーの強度が近いと編み込みやすく、結束部の強度を出しやすいこともメリット。
もちろんPEとリーダーの強度をイコールにしても問題ありませんが、上手く結束できていなかったり、PEが少し痛んだりしているとタカ切れするリスクがあるので注意しましょう。
根掛かりが少ない場所では太リーダーも有効
根掛かりが少ない場所では、PEラインに対してリーダーを強くするのも有効です。
とくに大型の鯛はヘッドごと丸呑みする場合もあり、細いリーダーだと歯に擦れて切られてしまうことも。
とはいえPEを太くすると潮受けが大きくなり、フォールスピードが遅くなるなどのデメリットもあるため、“根掛かりのリスクが少ない”という条件下では太いリーダーが活躍します。
細い方がアタリは多い
リーダーの太さに関係なく喰ってくることもありますが、比較するとアタリが多いのは細いリーダーでしょう。
リーダーを太くすると魚に与える違和感は大きくなり、潮の抵抗を受けてアタリがボケやすくなるため、アタリが増える要素はありません。
とくに渋い時は1ランク・2ランク細いリーダーを持っていると活躍することがありますよ。
リーダーの長さは船の流し方に合わせる
リーダーの長さは、短過ぎても長過ぎてもNGです。
船の流し方によっても適切なセッティングが異なるので理解しておきましょう。
バーチカルは短め|3ヒロ程度
タイラバが船の真下へと垂直に落ちる“バーチカル”では、3ヒロ(約4.5m)を目安にしてください。
後述するドテラ流しの状態よりも、ラインシステム上部での根ズレが少ないため、やや短めのセッティングです。
2ヒロ程度でも十分ですが、根の荒い場所だと結び目付近に傷が入って頻繁に結び替えるため、3ヒロほど取っておくと釣行中にリーダーを再結束する手間が生じません。
リーダーが極端に短いと、クッション性が失われて喰い込みも悪くなり、違和感も与えやすくなるのでアタリが少なくなります。
反対に長過ぎても感度が悪くなって、着底やアタリがぼやけるため、3ヒロ程度が“ちょうどいい”と思います。
ドテラは長め|4ヒロ程度
タイラバを斜めに引く“ドテラ流し”では、バーチカルよりも長い4ヒロ(約6m)を目安にしましょう。
ラインが斜めになることで、ラインシステム上部での根ズレが起こりやすくなるためです。
リーダーが短いとPEが根ズレして即ラインブレイクとなってしまうため、リーダーを長くすることでタカ切れを防ぎ、キャッチ率も向上させられます。
リーダーの素材はフロロカーボンが主流
素材 | 比重 | 伸び | 光の屈折率 | 結束強度/直線強度 | 耐摩耗性 | 吸水性 | 紫外線劣化 |
フロロ | 重い | 伸びにくい | 低い | 普通 | 高い | ほとんどない | 劣化しにくい |
ナイロン | 軽い | 伸びやすい | 高い | 強い | 普通 | あり | 劣化しやすい |
リーダーの素材にはフロロカーボンとナイロンの2種類ありますが、タイラバではフロロカーボンリーダーを使うことが圧倒的に多いです。
フロロカーボンが多用される理由は以下の通りです。
タイラバにフロロリーダーが向いている理由
- ・比重が重く、水に馴染みやすい
- ・伸びが少なく、感度に優れる
- ・光を透過しやすく、魚に警戒されにくい
- ・直線強度や結束強度はナイロンに劣るが、細い号数の場合は差が少ない
- ・耐摩耗性に優れ、傷がつきにくい
ただし、近年は素材の進化や特殊な処理によって、一口にフロロカーボンといっても特性が多様化しています。
例えば、フロロカーボンの純度によっても吸水性や紫外線劣化の程度にもバラつきがあるため、「フロロは劣化しない」と過信せずに少なくとも釣行ごとには結び変えましょう。
ナイロンリーダーは結束強度と直線強度が高くてよく伸びるため、大型狙いやショートバイト対策で使う人もいるようです。
PEとは摩擦系ノットで結束
PEラインとリーダーの結束は、FGノットやPRノットといった摩擦系ノットを用いましょう。
FGノットは専用ツール等は不要ですが、しっかり組めていないと強度が安定しないのがネック。
PRノットは専用のボビンが必要でやや高額ですが、誰が結束しても強度が安定します。
摩擦系ノット以外は結束強度が低いのでおすすめしません。
仕掛けとの結束はお好みのノットで
仕掛けとの結束は、好みの結び方で問題ありません。
クリンチノットや漁師結び、ユニノットなど、慣れた結び方でOKです。
タイラバにおすすめのリーダー10選
タイラバにおすすめのリーダーを集めました。ぜひリーダー選びの参考にしてください。
山豊テグス 鯛ラバフロロショックリーダー
リーズナブルな価格のタイラバ専用フロロカーボンリーダーです。
しなやかな糸質なのでクッション性能が良く、結束強度も優れています。
水中で目立ちにくいカモフラージュグレーカラーを採用。スプールバンド付きなのでラインがバラけません。
巻量 | 30m |
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大手通販サイトでの実売価格 | 600円前後(編集部調べ) |
デュエル パワーリーダー タイラバ CN
ナイロンラインにフロロカーボンをコーティングした、独自のカーボナイロンリーダーです。
フロロとナイロンの特性を併せ持ち、適度な柔らかさと伸びを備えつつ、耐久性にも優れます。
フロロカーボンよりも喰い込みとクッション性に優れ、バラシを軽減できるのがメリットです。
巻量 | 30m |
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大手通販サイトでの実売価格 | 700円前後(編集部調べ) |
クレハ シーガー
世界初のフロロカーボンラインをリリースし、現在も支持され続けているシーガーのフロロカーボンハリスです。
価格はリーズナブルですが、原料の生産から自社で一貫して行われています。
糸質はしなやかなのでリーダーの結束もしやすいですよ。
巻量 | 60m |
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大手通販サイトでの実売価格 | 1,000円前後(編集部調べ) |
サンヨーナイロン ナノダックス ショックリーダー
ナイロン分子の隙間にナノサイズの改質剤を加える、ナノダックス技術が採用されたリーダーです。
ナイロン素材ながらフロロカーボンと同等の伸び率が実現され、高い感度を備えています。
ナイロン特有の高い結束強度を誇る一方で、光の透過度は改善されており、ナイロン素材の弱点を消したようなラインです。
巻量 | 50m |
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大手通販サイトでの実売価格 | 1,000円前後(編集部調べ) |
シマノ 炎月 真鯛リーダー EX フロロ
強度に優れる高分子フロロカーボンを採用したタイラバ専用リーダーです。
硬めのコアフロロと柔らかい外装フロロから成る、シマノ独自の2層構造が特徴。
表面が柔らかいことでPEとの密着性が増し、結束強度が高くなります。
巻量 | 30m |
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大手通販サイトでの実売価格 | 1,000円前後(編集部調べ) |
バリバス ショックリーダー フロロ
しなやかでとても柔らかいフロロカーボンリーダーです。
しなやかとは言え伸び率が小さく、深場からもアタリを確実に伝えてくれます。
樹脂膜でライン表面を覆うスーパータフコーティング加工によって、耐摩耗性能を高めていることも特徴です。
巻量 | 30m |
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大手通販サイトでの実売価格 | 1,200円前後(編集部調べ) |
東レ ショックリーダー スムーズロックプラス
高い衝撃吸収性としなやかさを備えた、ショックリーダー専用設計のフロロカーボンラインです。
表面にナノレベルの微細な凹凸を設けるナノスリット®︎を採用しており、ライン同士の摩擦特性を上げて結束強度を高めます。
同強度の一般的なリーダーに比べ、ワンランク強いことも魅力です。
巻量 | 45m |
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大手通販サイトでの実売価格 | 1,200円前後(編集部調べ) |
ダイワ 紅牙リーダーEX Ⅱ タイプF
高強力フロロカーボンの純度が100%のタイラバ専用リーダーです。
適度なしなやかさに設計されており、結びやすくてしっかり締まるので結束強度が高くなります。
魚から見えにくいピンクに染色されています。号数毎にスプールバンドのカラーが異なり、見分けやすくて便利です。
巻量 | 35m |
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大手通販サイトでの実売価格 | 1,500円前後(編集部調べ) |
サンライン 鯛の糸リーダー SV-I
独自の染色技術によってピンクに着色されたタイラバ専用のフロロリーダーです。
ピンクは人からよく見える一方で、マダイからは見えにくいとされています。
高級な原糸と特殊加工によって高い耐摩耗性を実現しており、ヘッドとの擦れやボトムとのコンタクトによるダメージを最小限に抑えてくれます。
巻量 | 50m |
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大手通販サイトでの実売価格 | 1,600円前後(編集部調べ) |
クレハ シーガー グランドマックスFX
シーガーシリーズでもっとも高品質なのがグランドマックスです。
オリジナルのグランドマックスに対してFXは、しなやかで結束強度とクッション性に優れるのが特徴。
独自技術のFNT製法によって、糸よれや縮れも軽減されています。
巻量 | 60m |
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大手通販サイトでの実売価格 | 2,000円前後(編集部調べ) |
ラインシステムは適材適所で!
一括りにタイラバといえども、瀬戸内に代表されるフィネスな釣りから、ヘビーなディープタイラバまで釣り方は多岐に渡ります。
そのため、フィールドやタックルに合ったラインシステムを組むことが大切です。
ラインシステムは釣りの快適さや釣果へとダイレクトに結びつくので、しっかり考えてみてくださいね。