ライトジギングのリール事情

日本各地の身近な海域で楽しめるライトジギング。
外洋のハードなジギングに比べていろいろな意味で敷居が低く、オフショアフィッシングの入門にもピッタリな釣りです。
本記事では、そんなライトジギングに適したリールの選び方を解説し、おすすめの機種を紹介します。
ライトジギングの定義
SLJ | ライトジギング | ジギング | |
---|---|---|---|
メタルジグの目安 | 20〜80g程度 | 80〜150g程度 | 150g以上 |
PEラインの目安 | 0.6〜0.8号程度 | 0.8〜1.5号程度 | 1.5号以上 |
海域の目安 | 水深50m程度までの近海エリア | 水深100m程度までの近海エリア | 近海から外海まで |
ジギングは大まかに3つほどのカテゴリーに分けられますが、それぞれに明確な定義はなく、その線引きは曖昧。
その中でも、水深100m程度までの近海で、150gまでのメタルジグを使う釣りをライトジギングと呼ぶことが多いです。
ライトジギングリールの選び方

まずはライトジギングに適したリールの選び方を解説します。
ライトジギングはスピニングリールとベイトリールのどちらも使われますが、それぞれ適したシーンが異なります。
遊漁船によって船の流し方などが異なるので、船長や釣具店に聞いてから道具を揃えるのがおすすめです。
ドテラ流しはスピニングタックル

船を風と潮に乗せて流す“ドテラ流し”の場合は、スピニングタックルが適します。
ドテラ流しはラインが斜めに入っていくため、振り幅を大きく取りやすいスピニングタックルがシャクりやすいです。
また、とくに水深が浅い場合などは、キャスティングして広範囲を探れるのもメリットと言えます。
サイズはSW4000〜6000番

スピニングリールのサイズは、SWモデルの4000〜6000番が最適。
ジグが軽ければ、汎用スピニングリールの4000〜5000番台も使えますが、100gを超えてくるとパワー不足を感じるでしょう。
SWモデルは汎用スピニングよりボディがワンサイズ大きく、防水性能等にも優れるので、基本的にはSWモデルをおすすめします。
バーチカルはベイトタックル

船のスパンカー(帆)を立て、ラインが真下に入る“バーチカル”と呼ばれる環境にはベイトリールが適しています。
ベイトリールはフォール中のアタリを取ったり、フォールを交えて誘ったりしやすいのも特徴です。
タチウオや根魚狙いのジギング、急潮流域の青物ジギングでよく使われます。
サイズは150〜300番

ベイトリールは150〜300番サイズを目安にしてください。
青物がメインターゲットの場合、ジグのウエイトが重たい場合は、パワーと耐久性を重視して300番クラスのリールを選びましょう。
反対に、対象が小型の回遊魚や根魚で、ジグのウエイトも軽いなら、コンパクトで軽い150番クラスがおすすめです。
ロープロ型か丸型かはお好みで

ベイトリールの形を大きく分けると、ロープロファイル型と丸型のがあります。
ロープロ型は、軽くて握りやすいことがメリットです。
また、樹脂素材を用いていることが多く、それによって全金属製丸型リールよりも価格が抑えられています。

全金属製丸型リールは、剛性に優れているのが特徴。
高負荷状態でもボディのたわみが少なく、それによって力強く巻き上げられます。
ただし、ロープロ型よりも重たく、高価なことがデメリットです。
近年はカウンターリールも人気

ベイトリールには、デジタルカウンターを搭載したリールもあります。
カウンターにはラインの放出量が表示されるため、指示ダナを狙いやすく、ヒットしたタナもわかりやすいことがメリットです。
ギア比(巻き上げスピード)について

ライトジギングでは、ハンドル1回転当たりの巻き上げ量が多い、ハイギアが人気です。
ジグを素早く動かせる上に、入力が大きくなるので横方向へのスライド距離も伸ばせるため、とくに青物ジギングでは好まれます。
ハイギアは巻き上げトルクが小さく、ジグが重たくなると巻き上げが苦しくなりますが、ライトジギングはジグが軽いのでデメリットは出にくいと言えるでしょう。

アクションのピッチを細かくしたい場合はローギア(パワーギア)が有効です。
ヒットレンジが狭い時などは、一定のレンジ内でより多くアピールできます。
編集部&ライターの愛用リール

ここからはTSURI HACK編集部とライターが愛用しているリールを紹介します。
用途や実際に使ってわかった魅力をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
シマノ ステラSW 6000HG
自重(g) | 425 |
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ギア比 | 5.7 |
最大ドラグ力(kg) | 13 |
巻き取り長さ(cm) | 103 |
PE糸巻量(号-m) | 3-300 |
シマノのハイエンドSWリールであるステラSW。
一言で表すと、「デメリットは高いこと、メリットはそれ以外全部!」というリールです(笑)
ベイエリアの青物ジギングで使っていますが、浅場なら250g、ちょっと深いところでも200gは難なくシャクれます。

とくに巻き上げトルクは特筆もので、魚がかかった際はもちろん、深場からの回収がめちゃくちゃ楽。
ジギングはシャクっている時間と回収時間が釣行の大半を締めるので、この時間が楽ということは……1日の釣りがめちゃくちゃ楽になるということ!
耐久性も文句なく、10年は楽勝で使えるでしょう。ステラは頑丈すぎるので、旧モデルを使い続けている人が多いのも特徴ですね。
by 編集部しみけん
ダイワ ティエラ A IC 150H-DH
自重(g) | 230 |
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ギア比 | 7.1 |
最大ドラグ力(kg) | 5 |
巻き取り長さ(cm) | 80 |
PE糸巻量(号-m) | 1-400 |
ハイパードライブデザインというダイワの新しい設計思想に基づいて作られた、高剛性かつ軽量なカウンターリールです。
コンパクトなサイズ感ながら、アルミ製金属フレームやロングハンドルによって、力強い巻き上げが可能!
タチウオジギングやライトな根魚ジギングでは、200g程度のメタルジグも難なく扱えます。

タチウオジギングを中心に活躍してくれていますが、タイラバやイカメタルなどにも使えるオールマイティさも魅力。
カウンターリールで迷ったら、「コレを選んでおけば間違いない」というくらい汎用性は抜群です!
ただし、青物狙いのライトジギングには少々パワー不足ですね。
by tsuki
シマノ グラップラー 300HG
自重(g) | 325 |
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ギア比 | 6.2 |
最大ドラグ力(kg) | 7 |
巻き取り長さ(cm) | 84 |
PE糸巻量(号-m) | 2-380 |
グラップラー300HGは、もはや“ロープロ型ジギングリールの傑作”とも言える存在。
それまでのロープロリールは剛性が低く、「青物狙いに問題なく使える」というリールがほぼありませんでした。
しかし、それを変えたのがグラップラー300HG! その魅力は、青物にも使える剛性感と巻き上げトルク。

200g超の重ためのジグも、難なく早いピッチでシャクり上げられます。
それでいて低価格なのでコスパは最強。2017年からのロングセラーとなっており、かなりの台数が売れているそうです。
コンパクトかつ頑丈なので、タコ釣りにも最高!
by 編集部しみけん
シマノ オシアコンクエスト 300XG
自重(g) | 355 |
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ギア比 | 7.5 |
最大ドラグ力(kg) | 7 |
巻き取り長さ(cm) | 101 |
PE糸巻量(号-m) | 1.5-500 |
シマノのフラッグシップベイトリールが、オシアコンクエスト。
“ライトジギング用ベイトリールの代名詞”とも言える存在で、圧倒的な人気を誇ります。
用途はグラップラー300HGとほぼ同じですが、絶対的な性能をとるならオシアコンクエスト!

全金属製の丸型ボディならではの剛性、さらにはシンクロレベルワインドやフォールレバーといった機能も備えます。
XGモデルはクラス最速の“最大101cm/1回転”の巻き上げスピードを誇り、とくにロングジグを用いた青物狙いにはベストマッチです!
by 編集部しみけん
ダイワ ソルティガIC 300H-SJ
自重(g) | 405 |
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ギア比 | 7.3 |
最大ドラグ力(kg) | 10 |
巻き取り長さ(cm) | 98 |
PE糸巻量(号-m) | 1.2-600 |
ダイワ製カウンターリールの最上位機種がソルティガIC!
ティエラAのような小型リールでは厳しい領域をカバーできるリールです。
300番クラスの丸型リールなので、高負荷状態でもスルスルと楽に巻き上げられます。

メジロクラスなら何の苦労もなく、ブリも余裕でキャッチできるでしょう。
オシアコンクエストと同じく、ライトではない“一般的なジギング”の領域にも対応できます!
強さを重視するなら300番、ライトな方向に特化してタイラバとも兼用するなら100番がおすすめです。
by tsuki
ライトジギングにおすすめのリール13選

最後に、愛用品以外のおすすめリールを紹介します。
ぜひこちらも参考にしてみてください。
ライトジギングにおすすめのスピニングリール7選
ダイワ BG SW 6000D-H
自重(g) | 385 |
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ギア比 | 5.7 |
最大ドラグ力(kg) | 12 |
巻き取り長さ(cm) | 101 |
PE糸巻量(号-m) | 3-300 |
ダイワ製ジギング用スピニングリールのエントリーモデルです。
剛性に優れるアルミ製のフルメタルボディを採用。
大口径のタフデジギアが搭載され、パワフルな巻上げができるようになっています。
ねじ込み式のハンドルのため、ハンドル取り付け部のガタつきもありません。
シマノ スフェロスSW 5000HG
自重(g) | 445 |
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ギア比 | 5.7 |
最大ドラグ力(kg) | 10 |
巻き取り長さ(cm) | 97 |
PE糸巻量(号-m) | 2-350 |
シマノのエントリーモデルがスフェロスSWです。
回転抵抗を大幅に低減するインフィニティドライブが導入されており、高負荷時でもガンガン巻き上げられます。
IPX-8相当の防水性能を誇るXシールドやXプロテクトによって、耐久性も良好。
ギアやドラグワッシャーの耐久性も高く、オフショアで安心して使えます。
ダイワ カルディアSW 6000S-H
自重(g) | 430 |
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ギア比 | 5.7 |
最大ドラグ力(kg) | 12 |
巻き取り長さ(cm) | 101 |
PE糸巻量(号-m) | 2-300 |
強靭・高耐久なフルメタルモノコックボディ仕様のスピニングリールです。
モノコック構造によってボディ内部のスペースが広く確保され、大型のドライブギアが封入できるようになり、ワンランク上の力強さを実現。
ダイワ独自の防水機構であるマグシールドも採用され、耐久性も優れています。
ドラグにはカーボンワッシャーが採用されており、ドラグの安定性も高いです。
シマノ ストラディックSW 6000HG
自重(g) | 450 |
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ギア比 | 5.7 |
最大ドラグ力(kg) | 8 |
巻き取り長さ(cm) | 103 |
PE糸巻量(号-m) | 3-300 |
スフェロスの上位機種に当たるのがストラディックSWです。
ワッシャーを金属とカーボンのみで構成し、スプールを上下両方向から支持するXタフドラグを採用。
耐熱性と耐久性が向上しており、スムーズなドラグ性能を発揮します。
ライントラブルの少ないワンピースベールもポイントです。
ダイワ セルテートSW 6000-H
自重(g) | 375 |
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ギア比 | 5.7 |
最大ドラグ力(kg) | 15 |
巻き取り長さ(cm) | 101 |
PE糸巻量(号-m) | 3-300 |
セルテートSWはカルディアの上位に位置するSWリールです。
メインシャフトとピニオンを非接触構造にしたエアドライブシャフトにより、回転抵抗を大きく軽減。
ローターは炭素繊維強化樹脂であるザイオンで作られており、軽くて低慣性なので回転レスポンスに優れます。
マグシールドはピニオン部とラインローラーに搭載され、防水性能も高いです。
シマノ ツインパワーSW 5000HG
自重(g) | 415 |
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ギア比 | 5.7 |
最大ドラグ力(kg) | 13 |
巻き取り長さ(cm) | 97 |
PE糸巻量(号-m) | 2-350 |
ステラSWの設計を踏襲した、ハイスペックなスピニングリールです。
ステラと同じくローターが金属製なのでたわみが少なく、安定した巻き上げを実現。
スプールを2点のベアリングで支持するリジットサポートドラグ仕様のため、ドラグ性能も非常に安定しています。
ラインローラー部には、高い防水性を誇るXプロテクトが採用されており、塩噛みを軽減します。
ダイワ ソルティガ 5000-H
自重(g) | 365 |
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ギア比 | 5.7 |
最大ドラグ力(kg) | 15 |
巻き取り長さ(cm) | 96 |
PE糸巻量(号-m) | 2.5-300 |
ダイワ製SWスピニングリールの最上級モデルがソルティガです。
超々ジュラルミン1.3倍の強度を誇る、G1ジュラルミン製マシンカットタフデジギアを搭載。
フルメタルモノコックボディとの相乗効果により、圧倒的な巻き上げ力を備えています。
スプール周りにベアリングが2個追加されており、セルテートSWよりもドラグの安定性がさらに向上しました。
ライトジギングにおすすめのベイトリール6選
シマノ グラップラーBB 150HG
自重(g) | 210 |
---|---|
ギア比 | 7.2 |
最大ドラグ力(kg) | 5 |
巻き取り長さ(cm) | 72 |
PE糸巻量(号-m) | 0.8-400 |
ライトジギング専用に設計されたリーズナブルなモデルです。
剛性に優れるアルミ製ボディに60mmのパワーハンドルを搭載し、150番サイズながら、力強い巻き上げ力を発揮します。
レベルワインド連動機能を備えているため、スムーズにラインを放出でき、ドラグ性能も優秀。
独自の防水機構であるXプロテクトも導入されており、耐久性も高いです。
シマノ グラップラー 150HG
自重(g) | 205 |
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ギア比 | 7.8 |
最大ドラグ力(kg) | 4 |
巻き取り長さ(cm) | 78 |
PE糸巻量(号-m) | 0.8-400 |
グラップラーBBの上位機種にあたる、本格ライトジギングリールです。
大径ドライブギアを搭載する上に、ピニオン部をベアリングで2点支持するX-SHIPも採用しています。
ドライブギアは精度の高いマイクロモジュールギアなので、巻き心地の滑らかさも特徴。
さらに、フォールレバーが搭載されている点や、ドラグサウンドが鳴る点もポイントです。
ダイワ ティエラ LJ 200H
自重(g) | 370 |
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ギア比 | 7.3 |
最大ドラグ力(kg) | 10 |
巻き取り長さ(cm) | 91 |
PE糸巻量(号-m) | 2-300 |
ライトジギングに特化して作られたパワフルなカウンターリールです。
フレームはフルアルミ製、ハンドルは85mmのクランクタイプを用い、ロープロリールの中でも圧倒的な巻き上げ力を備えています。
電子ドラグサウンドを採用することで、クリック音を鳴らすための物理的な抵抗がゼロになり、従来以上のドラグ性能を実現。
さらにシンクロレベルワインド仕様のため、フォールもスムーズです。
シマノ グラップラー プレミアム 150XG
自重(g) | 240 |
---|---|
ギア比 | 8.1 |
最大ドラグ力(kg) | 5 |
巻き取り長さ(cm) | 81 |
PE糸巻量(号-m) | 0.8-400 |
グラップラーシリーズの最上位機種がプレミアムです。
フォールレバーでブレーキを掛けた際、巻き重りが発生しない新構造を導入しています。
サイドプレートには、炭素繊維強化樹脂であるCI4+を用い、軽量化している点も特徴。
巻き上げ距離やフォールスピードを表示する機能もあり、ヒットパターンの再現性も高めやすいです。
ダイワ ソルティガ 300H
自重(g) | 420 |
---|---|
ギア比 | 7.3 |
最大ドラグ力(kg) | 10 |
巻き取り長さ(cm) | 100 |
PE糸巻量(号-m) | 2-400 |
ダイワのハイエンドベイトリールがソルティガ300です。
丸型金属ボディに85mmハンドルを備え、レベルワインド付きベイトリールとしてはトップクラスの巻き上げ力を誇ります。
また、アノードプロテクションと呼ばれる耐腐食システムを導入し、耐久性を高めているのもポイント。
ライトジギングだけではなく、中深海ジギング等にも対応できるハイパワーな1台です。
シマノ オシアコンクエストCT 300HG
自重(g) | 395 |
---|---|
ギア比 | 6.2 |
最大ドラグ力(kg) | 7.5 |
巻き取り長さ(cm) | 84 |
PE糸巻量(号-m) | 2-380 |
大人気のオシアコンクエストにカウンターを搭載したモデルです。
旧モデルからフォールレバーの構造やカウンターの視認性が改良され、巻上距離アラームも備わりました。
またパーミングカップ側を3mmコンパクト化しており、パーミングしやすくなっているのもポイントです。
オシアコンクエスト300と同じく、200gを超えるウエイトも余裕で扱えます。
釣り方に応じたリールを選ぼう

ひとくちにライトジギングといえど、海域によって対象魚やジグのウエイト、船の流し方もさまざまです。
ということは、適切なリールも異なるので、リールを選ぶ前に釣行する海域を決めるのが大切です。
なんとなく選ぶと失敗してしまいますので注意してくださいね。
撮影:tsuki / TSURI HACK編集部