現役船長が「ドテラ流し」の基本を解説!ラインの角度に注意すればもっと釣れる

2020/10/19 更新

船のエンジンを止め、風と潮に任せて船を流すドテラ流し。一度は聞いたことがあっても、「実際どのように船が流れているのか分からない」という方も多いでしょう。そこで今回はドテラ流しの基本について解説していきます。


アイキャッチ画像提供:岩室拓弥

ドテラ流しとは?

ドテラ流しの画像
ドテラ流しとは、パラシュートアンカーやスパンカーなどの道具を使わずに、風・潮に任せて船を流すことを指します。

釣り座は片舷のみ

ドテラ流しの画像
パラシュートアンカーやスパンカーを使って風に対して船を立てる場合だと、ルアーを垂直(またはそれに近い状態)に沈めることができるので、両舷に釣り人を乗せることができます。

ドテラ流しの画像
しかし、ドテラ流しの場合は風に対して船を横に向けるため、基本的にルアーは斜めに沈んでいきます。

そのため、釣り座はラインが払い出される(ルアーを沈めた地点から船が遠ざかる)方向となる、風上側の片舷に限られるのが基本です。

釣り座が右舷か左舷かは船の向きによって変わりますが、風下側で釣りを行うとルアーが船の下に入り込んでいく形になるので、非常に釣り難くなります。

※ちなみに、無風時などの風の影響をほぼ受けていない時はドテラ流しでもルアーは垂直気味に沈んでいきます。

ドテラ流しの特徴

ドテラ流しの画像
では、ドテラ流しの特徴について解説していきます。

機動力が高く、応用が効きやすい

潮流のみならず風も利用して船を流すドテラ流しは、機動力を活かしたランガンや手早く広範囲を探る釣りに適しています。

そのため、小移動が多くて広い瀬を流すことも多いジギングやタイラバ、ある程度の範囲を攻めつつも機動力が求められるボートエギングやティップラン、シーバスなど、様々なルアーフィッシングに対応するのが特徴。

その時その時の状況に適したスタイルで釣りを展開しやすいのがドテラ流しです。

風の影響を受けやすい

しかしその反面、風の影響をモロに受けてしまうため、強風時は釣り難くなるという面も持ち合わせています。

例えば、風が強くて船が押されすぎるとあっという間にラインが斜めになってしまい、底が取り難くなってしまいます。

また、風と潮の向き次第では時には2ノット前後で船が流されることもあり、漁礁などの狭いポイントはすぐに通過してしまうことも。

ある程度の風が吹くことで持ち味を活かせるドテラ流しですが、強すぎる風は苦手とします。


船の流れ方

ドテラ流しの画像
ドテラ流しでは風と潮に船を預けるため、当然その両方の影響を受けながら流れることになります。

つまり、風及び潮の強弱・向きによって船の流れる速度・方向が変わるわけです。3つの状況を例に、船の流れ方を解説します。

例1. 風と潮が同一方向の場合

ドテラ流しの画像
上の写真のように風と潮が同一方向の場合が一番シンプルな例です。

風・潮ともに右舷側で受けているため、船は左舷方向(黄色の矢印)に流れていきます。

例2. 風と潮が逆方向の場合

ドテラ流しの画像
こちらは風と潮がケンカしている、つまり逆方向からぶつかっている状況。

船が流れる方向を示す黄色の矢印が2本あるのは、風と潮のパワーバランスによって流れる方向が変わるためです。

潮よりも風の勢いが強い場合は左舷方向、潮の流れが勝る場合は右舷方向へと流れていきます。ちなみに、両者のパワーバランスが同じ場合は船は流れずにその場に留まります。

例3. 風と潮が垂直方向の場合

ドテラ流しの画像
こちらは潮と風の向きが垂直になっている例です。

写真では右舷側で風を受け、潮は船後方から流れています。船はその両方の影響を受けるため、斜め左前方へと流れていきます。

ただし、こちらも流れる方向は風と潮のパワーバランス次第です。風が弱ければより前方側へ、潮が弱ければより左舷側の方へ船は流れます。

いずれにせよ風の影響をモロに受けるドテラ流しでは、風と潮の向き・パワーバランスによって船の流れる方向は変わるということです。

ドテラ流しの釣りで気を付けること

ドテラ流しの画像
ラインが沖に払い出されるという性質上、ドテラ流しでは注意すべき事項が2点あります。

これらに気をつけるだけで一気に釣りが快適になり、釣果もアップしますよ!

こまめにルアーを回収する

冒頭でも説明したように、風の影響をある程度受けている状態だと、船とルアーの距離はどんどん離れていき、初めは真っ直ぐに近い状態だったラインがどんどん斜めになっていきます。

ある程度ラインが斜めに入った方が釣りはしやすいのですが、角度が付きすぎるとオマツリや根掛かりが増えたり、狙いのレンジを攻められなかったりするリスクが高まります。

水深やその時の風の強さにもよりますが、ラインの角度が45~50°以上になったら一旦ルアーを回収し、再投入するようにしましょう。

両隣のラインにも気を付ける

前項で紹介した通り、ルアーは必ずしも前方へのみ離れていくとも限りません。

その時の状況によっては横方向にラインが入っていくことも少なくなく、このような状況においてはオマツリする確率が非常に高くなり、ひどい時は3~4人でオマツリすることも。

また、自分のラインが真っ直ぐ前方に入っていたとしても、使用しているラインの太さやルアーが異なると、周りとルアーの流れ方も変わってきます。

オマツリなどのトラブルを減らすことも釣果アップのコツなので、自分だけではなく両隣の釣り人のライン角度にも気を配りながら釣りをしましょう。

船・ルアーの流れ方を理解して釣果アップ!

ドテラ流しの画像
以上がドテラ流しの基本ですが、ドテラ流しに限らず船の流し方とその特徴を理解し、意識することで釣果は確実にアップします。

何をしても釣れる良い状況もありますが、その中でより良い釣果を狙ったり、タフな状況下で1匹を絞り出したりしようと思うと、船の流れ方を頭に入れておくことが大切ですよ!
画像提供:岩室拓弥

筆者の紹介


岩室拓弥

釣具店・釣具メーカー勤務を経て、現在は福岡市東区箱崎港から出船している遊漁船「エル・クルーズ」の船長。

職業柄オフショアがメインとなっているが、元々は陸っぱりがメインでメバリング・エギングなど様々な釣りの経験も豊富なマルチアングラー。

遊漁船 エル・クルーズHP

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岩室拓弥
岩室拓弥

釣具店・釣具メーカー勤務を経て、現在は福岡市東区箱崎港から出船している遊漁船「エル・クルーズ」の船長。職業柄オフショアがメインとなっているが、元々は陸っぱりがメインでメバリング・エギングなど様々な釣りの経験も豊富なマルチアングラー。

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