何かの終了を伝える魚たち

お目当ての魚が連チャンで釣れていたのに、急に違う魚が釣れ始めた——そんな経験はありませんか。
たとえば、イシガキダイが連チャンしていたのに、急にタカノハダイが掛かり始めたとか。
先週までメジナが釣れ盛っていたのに、今日はネンブツダイが爆湧きしているとか。
今回は、移動や釣り終了を判断するきっかけとなる“外道”をご紹介します。
山根
あくまでも僕の体験談ベースの話ですが、状況によっては逆にチャンスにつながることもあるかもしれません。
なんせ、相手は自然ですからね。
時合終了を知らせる生き物たち
クサフグ&キタマクラ

海のエサ釣りでは避けては通れない、フグの仲間たちです。
彼らが頻繁に釣れるようになってきたということは……本命が抜けたか、潮が緩んで活性が落ちている可能性が高いでしょう。
ゴンズイ

夜釣りの定番外道、ゴンズイ。
じつは食べておいしい魚ではあるんですが、毒針が厄介です。
この魚も、潮の流れが落ち着き、スズキやチヌといった本命が周りにいない“静かな時間”に連発する印象があります。
ヒトデ

ヒトデもまた、時合終了……というより、シーズン終了を告げる外道です。
水温が下がる冬は、ヒトデしか釣れない……なんてことも珍しくありません。
潮が動き出すのを待つか、それとも春を待つか——そんな状況です。
山根
現場でできる対策としては、こまめに仕掛けを引いたり、シモリ玉を使ってエサを海底から離すといった工夫が有効です。
ウミケムシ

毒針を持つウミケムシ。こればかり釣れるようになったら、正直お手上げです。
潮が動き出せば改善することもありますが、素直に移動するのもひとつの手でしょう。
ちなみに、万が一刺された場合は、こすらずに流水で洗い流し、(重要なので繰り返しますが)こすらずにティッシュなどで水気を取ります。
針が見えている場合は、優しく1本ずつ抜き、見えない場合はテープで除去しましょう。
タカノハダイ

時合の終了を知らせるタカノハダイ。
あくまで僕の体感ですが、この魚が釣れると「終わったな」と感じる場面が多い印象です。
冒頭で触れたように、磯でのお手軽な石物釣りや、堤防のフカセ釣りでも、この魚が掛かった途端に本命のアタリがパタッと止んだ——そんな経験が何度もあります。
山根
とはいえ、とくに寒い時期はおいしい魚なので、嬉しい外道でもあるんですけどね。
ヤガラの仲間たち

ジギングやロックショアで掛かってくる、あの長細い魚——ヤガラです。
獰猛なフィッシュイーターであることは重々承知していますし、食べてもおいしい外道です。
一方で、ヤガラがルアーを追える状況は、潮が緩み、水中で他の魚がベイトを追い回していない“静かな状態”なのではないか……と感じています。
開始の合図になる魚たち
ウツボ

ブッコミ釣りの大外道、ウツボ。
この魚は逆に、釣れなくなった瞬間が“時合突入の合図”だと、僕は認識しています。
さっきまであれだけアタっていたのに、急にウツボの気配が消えた——その直後にタマンが釣れた。そんな経験、何度もあるんです。
小サバ

フカセ釣りにおいて、非常に厄介なエサ取りのひとつが小サバです。
とにかくすばしっこくて、正直、素人にはどうにも避けられないんですよね。
山根
ポジティブ思考な僕は、小サバが湧いてきたら「サビキシーズン到来!」と前向きに捉えて、次回の釣行はサビキメインで組み立てるようにしています(笑)
平穏を教えてくれる魚たち
ダツ

ルアー釣りをしていて、ダツがやたらと追ってくる時……ありますよね。
そんな時は、海が平穏——つまり、青物などの大物が回っていない状況だと考えられます。
一方でダツは、ベイトに素直に反応する魚でもあります。
だからこそ、「ベイトはいるが、上位のフィッシュイーターはいない」という、水中の“静けさ”を可視化してくれる存在とも言えるでしょう。
アカハタ

キビナゴやイワシを撒き餌にしたフカセ釣り、“スルスルスルルー”釣法で、やたらとアカハタばかり釣れる時があります。
これも、大型魚が不在で潮も動いていない——そんな“平和な海”が広がっているサインだと感じています。
ウミヘビ

砂地のブッコミ釣りで、フグにすらエサを取られない——そんな平和な(=激渋な)状況でも、なぜか掛かってくるダイナンウミヘビ……。
僕は大好きな魚なんですが、一般的にはとんでもない外道ですよね。
山根
ちなみにダイナンウミヘビは、光量によって瞳孔の開き方が変わる面白い魚なんです。
明るい時は細くて“悪そうな顔”をしていますが、暗い時は丸くなって、どこか愛嬌のある表情になります。
コレ来たら完全終了
サバフグ

鋭い歯と素早い遊泳力を持つサバフグの群れに囲まれてしまうと、さすがに太刀打ちできません。
僕はこれまで、船からのカワハギ釣りや筏釣り、さらには銀平(ウグイの活きエサ)を使った泳がせ釣りでも、サバフグの猛攻に遭ってきました。
いずれの場合も、移動する以外に回避不能でしたね。
山根
筏釣りの時は、「この時間はサバフグと遊ぶ」と割り切って、ルアーで楽しく釣っていました(笑)
ウスバハギ

巨大なウスバハギの群れも非常に厄介です。この“遊泳力オバケ”のエサ取り名人が居ついてしまうと、ウキ釣りもブッコミ釣りも成立しません……。
オキアミは一瞬で消えますし、イカやサンマなどの身エサをぶっこんでも、着底するまでの間にやられてしまいます。
山根
とはいえ、食べておいしい魚でもあるので(ソウシハギと間違えないように注意)、僕はウスバハギの群れに遭遇できたらラッキーだと思ってしまうタイプです。
巨大ザメ

巨大なサメが、釣り場や船の下に居ついてしまうこともあります。
こうなると、何を釣ってもサメの餌食に……。僕も何度か経験があります。
サメって、本当に賢いなと感じる瞬間でもあります。
時合を見極めよう

「これ分かる」と共感していただける魚(生き物)はあったでしょうか。
魚釣りは毎回、理想通りの釣果が得られる遊びではありませんし、外道もつきものです。
一方で、「なぜ今この魚(生き物)が釣れたのか」と考えるようにすると、時合の見極めや、次の釣果につながるヒントが見えてくるかもしれません。
撮影:山根央之
