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ゴンズイ

毒針に要注意!海に生息するナマズ“ゴンズイ”の魅力に迫る!天ぷらにすると激ウマなんです

どんな世界にも嫌われ者は存在します。アンパンマンで言うとこのバイキンマン的な。でも、バイキンマン推しのファンも少数派ながらいることでしょう。僕のように!今回はそんな海釣りの嫌われ者『ゴンズイ』の魅力をお届けします。

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目次

毒針を持つ海釣りの大外道“ゴンズイ”について

強いアタリで期待するも……なんだゴンズイでしたか。

釣られた ゴンズイ

海の堤防釣りでの定番外道のゴンズイ。

猛毒を持ってるらしいから糸を切って逃がしちゃおう……。そんな経験をされた方はとても多いことだと思います。

確かに、多くの釣り入門書や図鑑の模範解答はそう書いてありますもんね。

釣れない日に限ってたくさん釣れる厄介者。今日はそんなゴンズイが主人公です。

海に生息するナマズの仲間“ゴンズイ”の生息域

ゴンズイ

ゴンズイ(Plotosus japonicusは、ナマズ目ゴンズイ科ゴンズイ属に分類される最大25cm程度のナマズの仲間です。

みなさんご存知のとおり、ゴンズイは海水魚であり、太平洋側では房総半島以南、日本海側では山形県以南に生息します。

多くの図鑑では、日本海側の生息地は能登半島以南と記されていますが、新潟県や山形県でも周年観察できるようになってきています。

こんな所にも、海水温の上昇だったり温暖化の影を感じてしまいますね。

ナマズの仲間は約3000種。海を生活の場に選んだ少数派“海産ナマズ”

ハマギギの仲間

僕の記事をいつも読んでくださっている方は薄々感づいてくださっているかと思いますが、僕が最も好きな魚は“ナマズ”なんです。

ナマズって種類が多く、形もさまざま。プランクトンを主食とするものからコケしか食べないもの、腐肉食や完全肉食のもの……語りだしたら止まらないので、またの機会にさせていただきますが(笑)。

ゴンズイの他にもハマギギなど、世界には海や河口に生息するナマズが他にもいるんです。

世界を見渡すとさまざまな少数派がいます

例えば、淡水に生息するカサゴの仲間がいたり、淡水に住むゴンズイの仲間がいたり。

淡水カレイもいれば、淡水イシモチだっているんです。淡水魚ばかりでスミマセン。

何も「変わっている」ことは悪いことじゃありません。いつだって個性は大切にすべきです。話しが逸れはじめているので、ゴンズイに行先をグイっと戻しましょう(笑)。

ゴンズイ最大の特徴は“毒針”

ゴンズイ 毒針

ゴンズイと聞いて真っ先に思い浮かべるのは毒針ですよね。

でも、今回はゴンズイの魅力を深堀したいので、毒針については後回しにさせてください。

何もゴンズイの特徴は毒針ばっかりじゃないんです!

ゴンズイの良い特徴を集めてみた

ゴンズイの稚魚や幼魚は、ギュっと凝縮された群れを作る

ゴンズイ玉

防御効果やエネルギー節約効果、学習効果や索餌効果を高めるため多くの魚は群れを作りますが、ゴンズイの群れの密度はとりわけ濃いと言われています。

「ゴンズイ玉」と呼ばれるこの群れ、実は視覚とフェロモンを使ってお互いがぶつかることなく集まっていると考えられています。

ダイバーに人気なゴンズイ玉

ゴンズイ玉

僕もダイビングでゴンズイ玉を見るのが好きなのですが、ゴンズイ玉の面白い性質をひとつご紹介します。

イワシやブリなど多くの群れを形成する魚は、分裂したり合流したりを繰り返します。

しかし、ゴンズイ玉は2つの群れが近づいたとしても、群れを乗り換える個体はいないんです。

ひとつひとつの群れが持つフェロモンの構成がそれぞれ異なっていいて、ゴンズイは嗅ぎ分けることができるんですね。

ゴンズイは食べるとめっちゃ旨い

ゴンズイ 天ぷら

ゴンズイは20cm前後になると、とても香り高い脂を身に纏います。

ナマズの多くが淡水魚特有の臭みの元となる脂が乗るのですが、ゴンズイの脂は格別にウマイんです。

海水が凄いのかゴンズイが凄いのかはさておいて、ハッキリ言ってゴンズイを食べないのは勿体ないです。

ゴンズイはめちゃ可愛い

ゴンズイ

体側に伸びる2本の線、脂びれを持たないナマズにしてはハッキリとした目、そして何より……。

上下4本ずつのヒゲ!これが可愛いゴンズイの特徴です。いつかゴンズイを飼育してみたい……ってくらいゴンズイが大好きなんです。

さて、散々惚気させていただいたところで、ゴンズイの釣り方や毒針の注意点といった肝心な部分に移りたいと思います(笑)。

ゴンズイを狙って釣ってみよう

ゴンズイは波風の立ちにくい穏やかな場所が好き

ゴンズイ 釣れるポイント

ゴンズイを狙う場合は、潮通しのあまり良くない内湾や漁港の奥などが適しています。

川の水が流れ込んでいるような場所も良いでしょう。

ゴンズイは夜行性なため、本格的に狙う場合は夜釣りがオススメです。

日中に狙ってみたい場合は……

明るい時間はゴンズイにとっては休息の時間です。

ゴンズイは岩やコンクリートの隙間などを寝床にしますので、消波ブロックと岸壁の間なんかを狙ってみましょう。

ちなみにゴンズイは岸壁沿いが一番よく釣れます。危険ですので消波ブロックには乗らないようにしましょう。

ゴンズイを狙うために使う仕掛け

ゴンズイ 仕掛け

ゴンズイは、夜になると岸壁や海底にある餌を求めて回遊してきますので、ウキ釣りではなくオモリを使った釣りが適しています。

岸壁沿いを狙う場合は胴付き仕掛け、ちょい投げで狙う場合はキス釣り用の天秤仕掛けでもOK。

サビキ釣りなど、撒き餌をする釣り人が帰った後は狙い目ですよ!

夜釣りも岸壁ギリギリが狙い目です。まずは足元から狙って見てください。

    ハヤブサ カワハギ・ベラ 五目胴突 2本鈎2セット

    全長:60cm 使用針:キツネ鈎針 号数:5号 入数:2本鈎×2セット ハリス号数:3号 幹糸号数:4号

    ゴンズイの食性|何でも食べるスカベンジャー(腐肉食)

    ゴンズイの食性

    ゴンズイは発達した味蕾(みらい:味を感じる細胞)を使い、海底に潜むゴカイの仲間やエビやカニ、魚の死骸など動物性の餌を探します。

    つまり、餌は口に入る大きさの物なら何でも良く、アオイソメやオキアミ、小さく切ったサンマの切り身やイカの短冊が適しています。

    ゴンズイの毒針処理、美味しく食べるために気を付けたいこと

    ゴンズイの毒の位置

    ゴンズイ 毒針

    ゴンズイは、胸びれと背びれの周辺に毒腺があり、鋭くとがった針のようなヒレが刺さり、裂傷を負うことで毒が体内に侵入します。

    何が言いたいかというと、針のようなヒレに毒がある訳ではなく、毒はヒレの周りから分泌されます。

    つまり、すでに手に切り傷などを負っているとゴンズイを触っただけでも痛みを感じる場合があるので、要注意です。

    とにかく、ゴンズイに素手で触れないように細心の注意を払いましょう。

    万が一、ゴンズイに刺されてしまったら

    ゴンズイの毒針

    痛みのピークは15分から1時間後に襲ってくるので、まずは落ち着くことです。

    刺さったトゲがあればしっかり抜きましょう。

    ゴンズイの毒は熱に弱い性質があります。コンビニなどでお湯を分けてもらい、45~50度前後のお湯を用意し火傷しない程度に患部をしっかり温めましょう。

    冬場なら、自動販売機で売られている温かい飲み物を患部に当てるだけでも痛みが和らぎます。

    万が一、意識障害やけいれんなどを発症した場合は、アナフィラキシーを疑い迷わず救急車を呼びましょう。

    針を外す前にヒレを切り落としましょう

    ゴンズイ 毒

    各ヒレをできるだけ長いペンチやキッチンハサミを使って、根元から先が尖らないようにしっかり切りましょう。

    ヒレを切ったつもりでも先が尖っていると、意味がないんですね。

    また、ゴンズイの毒は死んでも持続しますので、切り取った毒針は無暗に堤防などに残さないようにしましょう。

    ゴミとして持ち帰っても二次災害に繋がるので、近くに海水浴場でもない限り、いっそ海へ捨てるのが一番安全です。

    あっという間にカニなどの生物の餌になるので、問題はありません。

      貝印 キッチンばさみ

      サイズ:213×90×15mm 材質:刃部/ステンレス刃物鋼 かしめ部/ステンレススチール 柄部/ポリプロピレン

      夏のゴンズイは傷みやすいので注意です

      ゴンズイの肝(キモ)は大変美味しいのですが、肝を含めた内臓全体が傷みやすく、夏場は特に注意です。

      肝を楽しむのは夏以外、もしくはしっかり保冷できる場合にしましょう。

      僕は傷んだ内臓の匂いが上品な身に移ることが嫌なので、釣り場で内臓は抜いてしまうことが多いです。

      美味しいゴンズイを捌いてみよう

      捌く時が一番危なかったりします

      ゴンズイ 毒針

      毒魚の毒針って切ったつもりでも残っているものです。必ず家族にはゴンズイを持ち帰ったことを伝えましょうね。

      僕が子供の頃、オニオコゼを持ち帰り、知らずにクーラーボックスに手を入れた祖母が刺されてしまったことがあります……。

      何にしても美味しいゴンズイ。オススメな調理は…

      ゴンズイ 天ぷら

      僕が一番好きな食べ方は天ぷらです。

      ゴンズイならではの香りが引き立ち、身は柔らかでふっくらしていてギンポと並んで絶品です。

      他にも、かば焼きや一夜干し、煮つけやフライでも美味しくいただけます。

      厄介者にも魅力があるものです

      確かに危険で面倒くさいゴンズイですが、他の魚が釣れない時に釣れてくれる美味しい魚として扱ってみてはいかがでしょうか。

      くれぐれも毒針には注意していただきながら、一度食べていただければ、きっとゴンズイの魅力に気づいていただけると思います。

      筆者紹介

      山根央之(やまねひろゆき)

      初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
      餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。

      テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。

      怪魚ハンター山根ブラザーズ(兄)の記事一覧

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