シロサバフグについて

分類 | |
界 | 動物界 Animalia |
門 | 脊索動物門 Chordata |
亜門 | 脊椎動物亜門 Vertebrata |
綱 | 条鰭綱 Actinopterygii |
上目 | 棘鰭上目 Acanthopterygii |
目 | フグ目 Tetraodontiformes |
亜目 | フグ亜目 Tetraodontoidei |
科 | フグ科 Tetraodontidae |
属 | サバフグ属 Lagocephalus |
種(学名) | Lagocephalus spadiceus |
種(英名) | Half-smooth golden pufferfish |
種(和名) | シロサバフグ |
シロサバフグは無毒で味がよく、古くから食用として親しまれてきました。しかし、サバフグにはいくつかの種類がいて、同じサバフグ属でも毒を持っている種類が存在するので注意が必要です。
本記事ではシロサバフグの特徴や、他のサバフグとの見分け方を解説します。
形態
シロサバフグは30センチ前後まで大きくなります。体型は細長い紡錘形で、体高はあまり高くありません。体色は名前の通り白っぽかったり、黄金色をしていたりします。背中には小さな棘がありますが、背びれまでは到達しません。
色合いがサバに似ていることが名前の由来とされています。
生態
肉食性のシロサバフグは、エビやカニなどの甲殻類、イカやタコといった軟体動物、さらに小魚も捕食します。そのため、タイラバやメタルジグといったルアー(疑似餌)で釣れることもあります。産卵期は初夏で、生まれて1年で15センチほどまで成長します。
毒
シロサバフグは無毒で、各地域においても毒を持った個体は確認されていません。しかし、サバフグ属には毒を持った種類、または地域によって毒を持つ種類が報告されていることから、シロサバフグの可食部は筋肉・皮・精巣に制限されています。
分布
北海道から九州・沖縄までの太平洋側、新潟県を北限とした九州・沖縄までの日本海側が分布域です。沿岸性と中層回遊性が強く、水深の浅い場所に生息しています。
人との関わり
シロサバフグはトラフグのように高価ではなく、手に入れやすくて美味しい庶民的なフグとして人気です。釣り人にとっては、釣りをしていると釣り糸を噛み千切っていくことがあるので、ちょっとしたやっかいものとして認識されています。
地方名
シロサバフグは一般的にサバフグ、その次にギンフグやホンカナトと呼ばれることが多いです。地方によっては、福井県でウラバ、京都府でサンキュウ、愛媛県でギロ、徳島県でギンナン等の名前でも呼ばれています。
シロサバフグを食べる

旬と身質
シロサバフグの旬は、秋から春にかけて。身はフグらしい透明感のある白身をしていて、味は上品。熱を加えても硬くなりにくい身質です。漁獲状況と市場価値
シロサバフグは漁獲量が多く、無毒のフグとして古くから食用として親しまれてきました。価格は安価で、市場にも多く出回っています。スーパーなどで安く売られているフグの多くは、シロサバフグです。
食べ方
▼寄せ鍋
シロサバフグが旬を迎える冬期に最適な寄せ鍋。身に塩を振って一晩寝かせ、出てきた水分を取ったのちにお湯にくぐらせ冷水で締め、表面を軽く焼いておきます。それを野菜等と一緒にお好みで煮れば、シロサバフグの上品な味わいを楽しめます。
▼味噌汁
手軽にシロサバフグを味わいたいなら味噌汁がおすすめ。皮を残した身と昆布で出汁を取り、そこに味噌を溶くだけで味付けは十分です。お好みでネギを入れても良いでしょう。
▼竜田揚げ
竜田揚げにする際は、1日冷蔵庫で寝かせるなどして身の水分をしっかり抜いておくのがポイントです。醤油やみりん、カレー粉で下味をつけて揚げましょう。▼煮付け
シロサバフグの身から出る出汁が絶妙な味わいとなる煮付け。皮を付けたままにしておくと身が崩れにくいです。皮のぬめりを綺麗に取るため、一度お湯と冷水にくぐらせてから調理することをおすすめします。
▼一夜干し
水分が抜けて身が締まり、凝縮した味を楽しめる一夜干しもサバフグの定番調理法。頭を落として背開きにしてから塩を振り、一晩寝かせて身から出た水分を拭き取って、さらに半日ほど干してからじっくり焼き上げます。背中の棘がある部分の皮を取り除いておくと食べやすいです。
近縁種(サバフグ属の魚)

ここではシロサバフグの代表的な近縁種をご紹介します。
クロサバフグ
全体的に黒っぽい体色をしているクロサバフグ。シロサバフグ同様、可食部は筋肉・皮・精巣です。基本的には無毒とされていますが、南シナ海では身に弱毒、卵巣や肝臓に猛毒を持った個体が確認されています。シロサバフグとは、尾の上下にはっきりと白い部分があるかどうかで見分けられます。
ドクサバフグ
ドクサバフグは名前の通り毒を持っているサバフグで、食用にすることは出来ません。最大50センチ程度まで大きくなり、体高が高く、尾びれが内側に強く丸くなっていることが特徴です。シロサバフグとよく似ていますが、頭部から背びれ付近まで小さな棘があるかどうかで見分けられます。
カナフグ
カナフグは最大70センチ前後まで大きくなる種類。筋肉・皮・精巣は食べられますが、肝臓には強毒があり、卵巣は食用不可です。南シナ海においては、筋肉にも毒を持った個体が確認されています。見た目は他のサバフグと比べて体高があり、全体的に丸みを帯びた体型をしています。背中に小さな棘が無い事を目安にすると、他のサバフグと見分けられます。
シロサバフグを味わってみよう!

ただし、自分で釣ったシロサバフグを食べる際は、くれぐれも他のサバフグと間違わないように注意してくださいね。