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怪魚ハンターが贈るお魚クイズ|思わず「へぇ〜」と言ってしまう解説を添えて。

怪魚ハンターが贈るお魚クイズ|思わず「へぇ〜」と言ってしまう解説を添えて。

怪魚ハンター山根が贈る、ちょっと濃いめのお魚クイズ

あなたは何問正解できるかな?

目次

スーパーに並ぶ美味しいアユに関するクイズ

アユは1年で死んでしまう年魚ですが、鮮魚売り場では1年を通して成魚サイズのアユが売られていますよね。

本来、20cmを超える成魚サイズは概ね6月から9月頃しか川にいないはず。

繁殖期を迎える10月になると、体色が黒ずみますし、産卵を終えると死んでしまいます。

それでは、クイズです!!

Q:成魚サイズのアユが1年中販売されているのは何故?

アユの成熟には日照時間と水温が関係しているため、日照時間を16~20時間に設定して飼育することで、アユの成熟を遅らせられます。

同様に、夏でも日照時間を減らすことで成熟を早めることも可能なんです。

つまり、養殖場では日照時間を調整することで、1年中アユを生産して出荷できるんですね。

ということで、答えは……

A:日照時間を調整することでアユの成熟をコントロールできるから。

猛毒テトロドトキシンを持つフグに関するクイズ

フグが猛毒を持っていることは、周知の事実かと思います。

ちなみに、フグは餌から毒を摂取して蓄積する生き物ですので、毒量には個体差や季節差によって大きく異なるのです。

そんなフグが毒を持つ理由は、“自身を守るため”なわけですが、最新の研究で別の理由も明らかになりました。

それでは、クイズです!

Q:フグが毒を持つのは何故?「自分の身を守る」意外の理由を答えてください

メスのフグが持つ毒量は繁殖期にもっとも多くなり、産卵前に毒が肝臓から卵巣へ移動することが分かっています。

また、産み落とされた卵だけでなく、孵化直後の仔魚の体表にも微量の毒があり、捕食者から被食されてもすぐに吐き出され、生残するという研究結果があります。

口すら開いていない仔魚にも微量の毒があることから、フグは親から子へ毒を渡していると言えるでしょう。

つまり、今回のクイズの答えは……

A:自分の赤ちゃんを守るため。

タコやイカの進化に関するクイズです

皆さんご存知の通り、イカやタコには魚のような骨がありません。

コウイカには骨があるじゃん!

と、ツッコミたくなるかもしれませんが、正しくは骨ではなく甲(こう)という器官です。

ヤリイカやアオリイカなどツツイカの仲間には、透明で薄っぺらい軟甲(なんこう)があります。

それでは、クイズです!

Q:イカやタコに骨が無いのは何故?

じつは、イカやタコの祖先は貝なんです。

そのため、アオリイカ、マダコ、アサリ、サザエ……。これらすべてが、軟体動物門に分類されています。

イカやタコの仲間は進化の過程で筋肉が発達し、素早く泳げるようになったため、重たい貝殻が邪魔になったと考えられています。

ということで、答えは……

A:イカやタコは貝の仲間だから骨が無い

ここで、「何でコウイカの仲間は大きな甲を残したのか?」と、疑問に感じた方はきっと生き物好きですね。

それでは、追加クイズです!

Q:コウイカの甲の役割ってなんでしょう?

イカやタコの祖先が貝殻を持っていた頃、貝殻は防御のためだけでなく、浮力を獲得する手段としても使用されていました。

プカプカと海中を漂いながら生活する、オウムガイを想像していただくとわかりやすいかもしれませんね。

コウイカの仲間が持つ甲は、防御の手段としては使われなくなりましたが、今もなお浮力を獲得する役割を担っているのです。

ということで、答えは……

A:コウイカ類の甲は浮力体である。

未解明なアジに関するクイズです

アジの仲間は体側から尾ビレの付け根にかけてギザギザとした突起があり、ゼイゴやゼンゴと呼ばれます。

とても特徴的な器官なので、アジを釣ったり食べたりするのが好きな人なら一度は気になったことがあるはずです。

ちなみに、魚類学ではゼイゴを“稜鱗(りょうりん)”と呼びます。

それでは、問題です!

Q:ゼイゴの正体と役割は何でしょう?

稜鱗という文字の通り、ゼイゴの正体はウロコです。

その役割は、捕食者からの防御手段とも言われますが、異論もあるようで、ハッキリしたことは分かっていません。

ゼイゴは、魚にとって重要な感覚器官である側線を被う位置にあることから、水流や振動などの変化を正確かつ俊敏に感じる役割があるとも考えられているそうです。

ちなみに、アジの仲間以外にも、ナマズの仲間であるドラス類にもアジのゼイゴに似た器官があります。

身近な生き物であっても、まだまだ分かっていないことって沢山あるんですね。ということで、答えは……

A:ゼイゴの正体はウロコ。ただし、その役割は未解明である。

超効率重視なクロマグロに関するクイズです

一般的な魚は口とエラ蓋の開閉を連動させることで、口腔内の圧力を変化させられます。

そのため、自らが動かずとも口から水を取り込み、エラに通すことが可能です。

このような呼吸方法を、“二重ポンプ換水法”や“鰓ポンプ換水法”と呼びます。

ところがクロマグロは二重ポンプ換水ができないため、泳ぎ続けることで口からエラに絶えず海水を通しています。

このような呼吸方法を“ラム換水法”と呼び、ホオジロザメやマンタ(オニイトマキエイ)もラム換水による呼吸しかできません。マグロは止まると窒息するのは有名な話ですよね。

でもじつは、他にも止まれない理由があるんです。

それでは、問題です!

Q:呼吸以外にクロマグロが止まれない理由は何?

クロマグロは身の密度が高く、海水に対して比重が高いため、止まってしまうとドンドン沈んでしまいます。

普通の魚は鰾(ひょう/うきぶくろ)を使って浮きも沈みもしない中性浮力を獲得しますが、クロマグロはその機能を必要としなかったのか、充分に発達させていません。

そこで、クロマグロは胸ビレや尾柄隆起縁(びへいりゅうきえん)といった器官をまるで飛行機の翼のように使い、揚力を得ています。

マグロは呼吸をするだけではなく、揚力を獲得するためにも前に進み続けないといけないわけですね。

ということで、答えは……

A:マグロは墜落しないためにも泳ぎ続けている。

最後に余談を少しだけお伝えしますね。

クロマグロといえば、「一生休まずに泳ぎ続ける魚」というイメージがありますが、じつはちゃっかり尾ビレを振るのを止める瞬間があるんです。

尾ビレを振ったり、止めたりしながら移動し続ける行動をグライド遊泳と呼び、クロマグロの場合は5秒以上尾ビレを止めることがあります。

尾ビレを振ったときに深度を上昇させ、尾ビレを止めている間はまるで滑空(グライド)するかのように進むわけです。

こうすることで、尾ビレを振り続けて泳ぐよりも低燃費で移動できることが明らかになっています。

何問わかったかな?

今回は食や釣りで身近な生き物の生態をクイズ形式でお伝えいたしました。

皆さんには、少しでも生き物たちの能力や生態に興味を持っていただけたら嬉しい限りです!

撮影:山根央之

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