潮干狩りをやってみよう!
アサリやハマグリなどの美味しい貝を採られる潮干狩りは、春の人気アクティビティです。
貝を集めるシンプルな遊びですが……行くタイミングやちょっとしたコツを知っていれば、もっと楽しめるのをご存知でしょうか?
本記事では、安全に潮干狩りを楽しみ、美味しい貝をたくさん採る極意を紹介します!
潮干狩りの時期は?
潮干狩りは3〜9月頃に行え、気温なども考慮すると4〜6月頃までが快適に楽しめます。
この時期は昼間に潮がよく引くので、貝を採りやすいシーズンです。
潮干狩りの主役とも言えるアサリは、4〜5月頃に旬を迎えるのでこの頃がベストシーズンといえます。
潮干狩りにおすすめの日と時間帯は?
日程を決める際は“潮汐”を確認しましょう。潮汐とは、潮の満ち引きです。
潮が引いて海面が下がると、海水に浸かっていた砂浜が露出するので、潮干狩りをするには干潮の時が適します。
干潮のタイミングを知るには、上記のような潮汐表を見る必要があります。
「地域名 潮汐」で検索すると各地の潮汐表が出てくるため、潮位を示すグラフが下がっている時間帯を狙って行きましょう。
また、潮の満ち引きの度合いは日によって異なり、“大潮”と呼ばれる日がもっとも干満差が大きくなります。
つまり、大潮の干潮時がもっとも潮位が低くなるので、潮干狩りには最高のタイミングとなるわけです!
ちなみに、潮汐は約15日を1サイクルとしており、その中に大潮の日は4日ほどあります。
潮干狩りに必要な道具は?
ここからは潮干狩りに必要な道具を紹介します。
熊手
バケツ
プロマリン ハイパーメッシュ 反転バケツ
獲った貝を入れたり、手を洗ったりと、バケツは必要不可欠。
どんなバケツでもOKですが、海水を切れるメッシュ付きのタイプがおすすめです。
貝入れ網
クーラーボックス
キャプテンスタッグ 発泡クーラーボックス 8L
温度が高くなると貝が痛むので、必ず用意しておきましょう。
保冷剤
ダイワ CPアイス Sサイズ
クーラーボックスと合わせて保冷剤も必ず用意しましょう。
水を入れたペットボトルを凍らせてもOKですが、保冷剤の方がコンパクトです。
日焼け止め
花王 ニベアUV ウォータージェル SPF50 80g
砂浜には日陰がなく、春の紫外線はキツいので日焼け対策は必須です。
濡れた場合は、マメに塗り直しましょう。
貝採りグッズは熊手だけじゃない
潮干狩りといえば熊手がポピュラーですが、じつはそれ以外にも便利なアイテムがあるので紹介します。
ただし、道具が制限されている場所もあるので、ルールに注意してください。(例:ジョレンや網付き熊手の使用禁止など)
スコップ
キャプテンスタッグ 角型スチールフォールディングスコップ
熊手がなければ、庭や畑用のスコップでもOKです。
レーキ
浅香工業 金象印 8本爪レーキ 1200柄付
レーキとは整地や除草などに使われるアイテムです。
広い範囲を大きく掻けて便利ですが、重たいので体力が要ります。
ヤス
ナカジマ スチールパイプヤス
ヤスは魚を突くためのアイテムですが、潮干狩りにも使えます。
2本のヤスを両手に持ち、サクサクと砂に突き刺しながら歩いて貝を見つけます。
貝採りジョレン(鋤簾)
ベルモント レジャージョレン
布や金属の網がついた、貝採りに特化した道具です。
効率よく貝を採れるアイテムですが、乱獲防止のために使用を制限している場所も多く、ルールに注意してください。
マテ貝ホイホイ
潮干狩りの服装は?
潮干狩りは、濡れても汚れても問題がない服装で行きましょう。
怪我や日焼け対策として、涼しい時期なら長袖長ズボン、暑い時期なら半袖半ズボン+ラッシュガードがおすすめです。浜からの照り返しもあるため、日焼け対策は忘れずにしてください。
その他に、あると便利なアイテムを紹介します。
軍手
DCM お徳用軍手 12双
手の怪我を防止するために、軍手の着用をおすすめします。
砂の中に手を入れた時、牡蠣殻や割れた貝で怪我をしてしまうことも少なくありません。
濡れるのが気になる方は、ゴム手袋でもOKです。
長靴
プロマリン ショートラジアルブーツ
サンダルだと貝殻などで足を怪我する可能性もあるため、短めの長靴がおすすめです。
濡れても大丈夫なら、歩きやすいマリンシューズがベストです。
サングラス
ダンシェーディーズ ORIGINAL
紫外線から目を守るためにサングラスも掛けておきたいところ。
偏光レンズと呼ばれるものなら、海面の光の反射を抑えてくれるので海中の貝を見つけやすくなります。
ウェーダー(胴長)
プロックス Pプルーフウェダー PX341
とにかく貝をたくさん獲りたい方は、ウェーダーを履くのがおすすめです。
行動範囲が一気に広くなるので、人の少ない沖の方へも立ち込めます。
ただし、くれぐれも溺れたり深場に取り残されたりしないように十分注意しましょう。
潮干狩りで採れる貝の種類
潮干狩りをするといろんな貝が採れ、見分けるのが難しい場合も。
美味しく食べられる代表的な貝を紹介します。
アサリ
潮干狩りでもっともポピュラーなのがアサリです。
浅利という漢字の通り、浅い場所に生息していて、河口などの汽水状態を好みます。
殻長は3〜4cmほどのものが多く、殻の表面がザラザラしているのが特徴。
環境の変化や乱獲などにより、近年は生息数を減らしています。
ハマグリ
潮干狩りで採れるもっとも高級な貝がハマグリです。
アサリより一回り大きく、大きい物は8cm以上になります。
殻の表面がツルっとしており、殻の後端に黒い出っ張りがあるのが特徴。
在来種のハマグリは激減しており、潮干狩りで採れるハマグリの大半は輸入種です。
マテ貝
独特な円筒状の形が特徴的な2枚貝です。
瀬戸内海や三河湾、東京湾など、内湾の干潟や浅い海域に深く潜って生息しています。
巣穴に塩を振りかけると飛び出てくる習性があり、飛び出してきたところを採ります。
アサリやハマグリほど旨みはありませんが、クセが少なくて美味です。
その他
アサリやハマグリ以外にも、シオフキ(写真左)やカガミガイ(写真右)などもよく採れます。
どちらもアサリとよく似ていますが、カガミガイは明らかに大きく、シオフキは丸みが強くて成長線(横シマ)がハッキリしているのが特徴。
この他にも、ハマグリによく似たバカガイなども採れます。
潮干狩りでたくさん採るコツ
ここからは潮干狩りでたくさん採るためのコツを解説します。
たくさん採りたい方はぜひ参考にしてくださいね。
地形や環境の変化を狙う
地形や環境の変化があるところは、貝にとって過ごしやすい場所になります。
海底に起伏のある部分や傾斜していて水深が変化している場所、岩場の周り、海草が生えている場所は狙い目です。
1匹いたら周りを重点的に
貝類は良い環境に集まりやすく、1匹いると群れでいる傾向が強いです。
そのため、1匹見つけたらその周りを重点的に探してみましょう。
波打ち際を歩く
波打ち際を歩いているだけでも貝を見つけられます。
貝は砂よりも軽いため、波が来ると貝が浮くこともあるので掘らなくてもOKです。
沖も狙い目
沖に行けば行くほど人は少なくなるので、貝のストック量は増えます。
大きいものも多くなるので、大きな貝をたくさん採りたい方は、ウェーダーなどを使用して沖を狙うのがおすすめです。
潮干狩りの注意点
漁具の制限以外にも、潮干狩りにはいくつかの注意点があります。
安全に楽しめるよう、しっかり理解しておきましょう。
貝毒に注意
貝毒とは二枚貝が持つ自然毒で、毒を持った植物プランクトン(貝毒プランクトン)によって貝に毒が蓄積される現象です。
貝毒プランクトンが発生した海域の貝を食べると、下痢やしびれなどの食中毒を起こします。
潮干狩りをする前には、各都道府県でモニタリングされている貝毒検査結果を確認しておきましょう。
採捕できる大きさに注意
地域によっては、採捕できる貝の大きさが制限されている場合があります。
資源保護の観点から、基準に満たない小さな貝は逃がしてあげましょう。
アカエイに注意
砂浜にはアカエイが生息していることもあります。
尾の棘には強い毒があり、刺されると激痛が走って最悪の場合は重症化して死に至るケースも。
刺された場合は、冷水で洗浄して毒針を抜き取りましょう。その後火傷しない程度の熱湯をかけて毒を分解し、すぐに病院へ行ってください。
密猟に注意
潮干狩りは、どこでやっても良いわけではありません。
沿岸部の多くには共同漁業権が設定されており、遊漁者が貝を採ると罰則が課せられます。
取り残され事故に注意
潮干狩りに夢中になっていると、潮位が上がっていることに気づかず、深みにはまったり取り残されたりして水難事故となるケースもあります。
子どもから目を離さない、沖に行きすぎないなど、安全には気を配りましょう。
貝の持ち帰り方
貝を持ち帰る時は、付着した雑菌を落とすために、殻を擦り合わせて真水でよく洗いましょう。
その後水気をきり、クーラーボックスに入れて持ち帰ります。
クーラーボックスはキンキンに冷やしておく必要はありませんが、温度が上昇しないようにしてください。
帰宅までの時間が短くて水温が上がる心配がない場合は、海水に入れて持って帰るのもアリです。
帰宅してから砂抜きをするために、帰る前はペットボトルに海水を汲んでおきましょう。
貝の下処理(砂抜き)
食べる前に、砂抜きを行います。
ボウルにザル(バット+網)を重ねて貝を入れ、汲んでおいた海水を入れます。
水の量はひたひたに浸かるくらいが適量で、上からアルミホイルや新聞紙を被せて暗い状態にしましょう。
2〜3時間ほど置いて砂を吐かせたら、水から30分ほど上げて吸った塩水も吐かせます。
貝の保存方法
砂抜きが終わったら、真水で殻を擦り合わせるようにして洗います。
1日程度で食べ切る場合は、軽く湿らせた新聞紙などに包んで冷蔵保存しましょう。
食べない場合は、そのまま冷凍保存するか、茹ででから冷凍保存しましょう。茹で汁と一緒に冷凍しても、剥き身だけ冷凍してもOKです。
冷蔵の場合は数日、冷凍の場合は3週間程度日持ちします。
おすすめの貝料理
採るのはもちろん、食べるのも潮干狩りの醍醐味です。
筆者がイチオシの貝料理を紹介します。
アクアパッツァ
アクアパッツァは、魚介類をトマトやオリーブオイルなどと煮込むイタリア料理です。
洋風煮付けとも言える料理で、一見難しそうに見えますが、じつは超簡単。
アサリの旨味が魚や野菜に移り、最高です!
パスタ
貝はパスタとも相性抜群です。
貝を入れるだけで本格的な味になり、贅沢な香りと旨みを楽しめます。
アサリと白ワインで作るボンゴレビアンゴ、それにトマトソースを加えたボンゴレロッソが有名ですが、バターと醤油で味付けした和風パスタも美味しいですよ。
酒蒸し
ハマグリなどの大きい貝を贅沢に堪能したい方は、酒蒸しがおすすめです。
水と酒で煮て、塩胡椒で味を整えるだけのシンプルな料理ですが、絶品。
バターを入れるとコクを出すのがおすすめです。
ラーメン
貝の出汁を使ったラーメンも最高です。
あっさりした中にも、貝出汁の深い味わいを楽しめます。
にんにくと生姜、塩で茹でるだけなのでとっても簡単。
貝汁
昆布、酒、水、塩で煮こめば、朝ごはんにぴったりなお吸い物の完成。
ちなみに、飲んだ後にも最高です。
もちろん、味噌汁や赤だしにしても最高。
おすすめの潮干狩りスポット
各地域の人気潮干狩りスポットをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
熊取湖(北海道)
所在地 | 料金 |
能取湖の湖口漁港南端から二見ヶ岡漁港東端までの能取湖東岸(距岸200m以内) | 無料 |
熊取湖の潮干狩り(網走市HP内)
厚岸味覚ターミナル・コンキリエ(北海道)
所在地 | 料金 |
厚岸郡厚岸町住の江2丁目2番地 | 大人2,000円/小学生1,500円/幼児無料 |
海の公園 潮干狩り場(神奈川)
所在地 | 料金 |
横浜市金沢区海の公園10番 | 無料 |
牛込海岸潮干狩場(千葉)
所在地 | 料金 |
木更津市牛込 | 大人2,000円/子ども1,000円 |
竹島潮干狩り場(愛知)
所在地 | 料金 |
蒲郡市竹島町 | 1,500円 |
御殿場海岸 潮干狩り場(三重)
所在地 | 料金 |
津市藤方 | 無料 |
箱作海水浴場(ぴちぴちビーチ)(大阪)
所在地 | 料金 |
阪南市箱作3346 | 無料 |
的形海水浴場 潮干狩り場(兵庫)
所在地 | 料金 |
姫路市的形町的形1919 | 大人1,400円小人800円 |
沙美海水浴場(岡山)
所在地 | 料金 |
倉敷市玉島黒崎 | 無料 |
白土海水浴場(山口)
所在地 | 料金 |
宇部市西岐波白土 | 無料 |
松江浦海岸(福岡)
所在地 | 料金 |
豊前市宇島 | 500円 |
和間海浜公園(大分)
所在地 | 料金 |
宇佐市大字岩保新田129番地の3 | 中学生以上700円/小学生300円 |
最高のレジャーです!
楽しくて美味しい潮干狩りは最高のレジャーですね。
自然の中で大人も子どももこんなに夢中になれる遊びは、他になかなか無いかもしれません。
ぜひ潮干狩りに行ってみてくださいね!