アカハタについて
アカハタは、関東以南の太平洋側や富山湾以南の日本海側に広く生息する、ハタ科マハタ属に分類される海水魚。
体長は大きくても40cm程度で、ハタ科の中では比較的小型の種類です。岩礁域やサンゴ礁などを好み、小魚や甲殻類などを捕食します。産卵期は夏。
アカハタもハタの仲間に多い性転換をする魚で、雌から雄に転換する雌性先熟です。
鮮やかな赤い体色が特徴的で、食味も良く、釣りの対象魚としても人気です。
アカハタの食べ方と市場価値
アカハタはサッパリとしたクセの無い白身なので、いろんな料理と相性の良い魚です。
刺身で食べる場合は、やや弾力が強い身のため、数日寝かせて薄作りにするとより美味しく食べられます。
すこし淡白な味わいなので昆布締めとも好相性。
アクアパッツァなどの洋食でも美味しく食べられます。
市場価格は1kg当たり2,000〜3,500円程度と、ハタ類の中では安価ですが、十分美味しい魚です。
アカハタ釣りのシーズン
アカハタは水温が高くなる5月〜11月頃がもっとも釣りやすいシーズンです。
暖かい海を好む魚なので、多くの地域は夏頃にハイシーズンを迎えます。
冬でも水温が高い南方の海域では、冬場も含めて通年狙える魚です。
アカハタの釣り方&仕掛け
アカハタを狙うのに適した仕掛けと釣り方を紹介します。
ワーム
根の荒い場所を狙うので、根掛かりしにくいテキサスリグやフリーリグが適しています。
着底後、ボトムバンプなどで底を狙い、強いアタリがあれば大きくアワせましょう。
シンカーを重くすれば、ボートから深いポイントを釣ることもできます。
ジグヘッドリグでも釣れますが、根掛かりが多いのであまりおすすめしません。
▼ おすすめのワーム
アカハタなどのロックフィッシュ狙いでは、ド定番のワームです。
ボリュームのあるパドルや足によってアピールが強いことが特徴。
赤やオレンジ色を使うことが多いです。
ぶっこみ
オモリが付いた仕掛けを投げ、そのままアタリを待つ釣りです。
仕掛けを投げ込んだ後は道糸を張って、穂先に出るアタリを待ちます。
アタリがあれば、魚が喰い込むまで少し待ってから大きくアワせましょう。
しばらくアタリがない場合は、エサを付け替えたり、仕掛けを入れ直したりしてください。
エサは魚の切り身やイカの短冊、キビナゴなどがおすすめです。
▼ おすすめの針
ぶっこみ釣りでは丸セイゴタイプの針がおすすめです。
細長い形状なので、エサを吸い込ませやすいことが特徴。
針先は内側を向いているので、根掛かりしにくいこともメリットです。
胴付き仕掛け
仕掛けの最下部にオモリを付け、枝分かれした針にエサを付けて船から釣る方法です。
着底後、底付近でゆっくり竿を上げ下げして誘います。
針が海底に接触しにくい仕掛けなので、根掛かりが少なく、初心者でも釣りやすい仕掛けです。
エサは活きたイワシや魚の切り身、キビナゴなどがおすすめ。
▼ おすすめの胴付き仕掛け
切れにくい太ハリス仕様の胴付き仕掛けです。
強度の高い小鯛鈎を用いているので、いろいろな魚に対応できます。
海底を狙いやすいように設計されているので、アカハタには最適な仕掛けです。
ひとつテンヤ
テンヤと呼ばれるオモリと針が一体になった仕掛けに、冷凍エビや活きエビを付けて船から狙う釣り方です。
エビが跳ねるイメージで、着底後2〜3回ほど跳ね上げてからゆっくり落とし込みます。
エサを使うのでアタリが多く、アカハタ以外にもたくさんの魚種を狙えるのも魅力です。
▼ おすすめのテンヤ
スムーズに刺さるフッ素コートの針を搭載したテンヤです。
固定式のテンヤなので素早くフッキングが決まります。
エビをしっかり固定できるエビロックシステムが便利です。
スーパーライトジギング
船から軽いメタルジグで狙うのが、SLJ(スーパーライトジギング)です。
青物などと違い、アカハタは海底から離れてエサを追わないので、そこをネチネチ攻めるとこ大切。
根掛かりが多いポイントを狙うので、リアフックは外すのがおすすめです。
メタルジグの他にも、タイラバやインチクでもよく釣れます。
▼ おすすめジグ
タングステン製のリーズナブルなメタルジグです。
タングステンは鉛よりもシルエットが小さく、底取りが簡単で喰わせやすいです。
根の荒い場所を探る場合は、付属のトリプルフックを外して使いましょう。
アカハタと一緒に釣れることが多いハタの仲間
アカハタを狙っていると、別のハタも混じって釣れることが多々あります。
よく釣れるハタの仲間を紹介します。
キジハタ
関西ではアコウと呼ばれ、オレンジ色の斑紋と黄みを帯びたヒレが特徴です。
津軽海峡、青森から九州南岸の日本海側、相模湾から九州南岸の太平洋沿岸まで広く分布しており、日本海や瀬戸内海はとくに多いです。
最大60cm程度まで成長し、岩礁域を好みます。
市場価格は時期にもよりますが、1kg当たり2,500〜4,000円程度。その食味は絶品で、ハタの中では1、2を争う高級魚です。
オオモンハタ
白と褐色の網目のような模様が特徴で、最大50cm程度まで成長するハタです。
相模湾から九州南岸の太平洋沿岸、長崎や鹿児島県などの東シナ海沿岸、日本海側では島根や山口県など、高水温域に多く生息しています。
アカハタと同じく沿岸の岩礁域などに生息しますが、エサとなる小魚に着いて中層に定位するなど、回遊性の強さが特筆すべき点。
市場価格は1kg当たり2,000〜3,000円程度と、ハタ科の中では比較的安価です。
マハタ
黒っぽい体色と縞模様が特徴ですが、大きくなるに連れて縞模様は薄れて真っ黒に近くなります。
北海道から九州南岸の日本海、仙台湾から九州南岸の太平洋沿岸に広く生息しています。
沿岸域に生息するのは60cm程度までで、成長するにつれて深海に移動し、1m・100kg以上に達する個体も。本種とマハタモドキの超大型個体は、まとめてカンナギとも呼ばれます。
市場価格は1kg当たり2,500〜4,500円程度と、キジハタと同じくらい高価です。
アオハタ
黄色がかった体色と縞模様が特徴で、最大60cm程度までになるハタです。
山形県以南から九州にかけての日本海側、太平洋では房総半島以南に生息しています。
水深10〜50m程度の沿岸域の岩礁帯に生息しますが、砂泥地帯にも多い珍しいハタです。
市場価格は1kg当たり2,000〜3,000円程度。キジハタなどと比較すると、やや旨味が少ないと言われます。
手軽に狙えるターゲットです!
狙えば素直に反応してくれ、割と簡単に釣れる魚なので、ルアーフィッシングや船釣り入門にも適したターゲットです。
食べても美味しい魚ですが、資源回復が難しい根魚なので必要以上のキープは控えましょう。
小さい個体はできるだけリリースしてあげてくださいね。