多摩川で釣れる魚
都内を流れる一級河川の多摩川は全長138キロメートル。かつては水質汚染で魚も住めない環境でしたが、現在は水質も回復しアユやコイ、うなぎ、オイカワ、さらには鮭の遡上もみられるなど、今では多種多様な魚が生息しています。まさに都会に残された釣り天国! 身近な川に魚がいるなら、釣りたくなるのが釣り人の性ですよね?まずは、多摩川で釣ることができる魚を見ていきましょう!
アユ
水質汚染で多摩川から姿を消していた天然遡上アユも、2006年頃から毎年100万尾以上の天然遡上が確認されています。また、2012年には推定遡上数が1194万尾にものぼり、水質が良くなった事で食味もよくなっています。清流のシンボルとも言える天然遡上アユは、多摩川が復活した象徴とも言えるでしょう。
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オイカワ
川の中でも浅く開けた場所に好んで住むオイカワにとって、特にそういった場所が多い多摩川の中流域は生息に非常に適した環境といえます。エサを使ったウキ釣りや、毛ばり仕掛けの流し釣り、カゴと撒きエサを使ったオランダ仕掛け、さらにはフライフィッシングでも狙う事ができる身近な魚です。
オイカワ釣り方について、詳しくはこちらをチェック!
シーバス
本来海の魚であるシーバスも、エサとなるアユ等の魚を追って多摩川に遡上してきます。シーバスの実績は調布取水堰(丸子の堰)より下流が中心になりますが、近年それより上流でも釣れているようです。シーバスタックルに5~7センチのミノー、バイブレーション、ペンシルやポッパー等のトップウォータールアーで狙う事ができます。
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うなぎ
お店で食べたらお高くつく天然うなぎも、実は多摩川を泳いでいます。下流から中流域が主な生息域で基本的に夜釣りが中心となり、日没から2時間くらいまでの時間帯が狙い目となります。流れが緩く水深があり、近くに葦やテトラポッドなどうなぎの隠れ家になるものがある場所がポイントになります。
ナマズ
日本在来のフィッシュイーターであるナマズ。魚が豊富な多摩川にももちろん生息しています。夜行性で、日没後からが釣りやすい時間帯。テトラポッドなどの障害物や、瀬の脇の淵、複数の流れがぶつかる場所がポイントとなり、ミミズ等を使ったエサ釣りはもちろん、ルアーで狙う事もできます。
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テナガエビ
主に多摩川の下流域に生息しています。春から初夏にかけて、テナガエビの住処となっているテトラポッドや岩場の隙間がポイント。赤虫やミミズをウキ釣り仕掛けに付けて釣ることができます。釣った後は、素揚げや塩焼きで美味しく食べることもできる川エビです。
テナガエビについて詳しい釣り方はこちらをチェック!
まさかの外来魚も?!
在来の魚のほかに、ブラックバス、雷魚、ブルーギルなどの日本でも一般的な外来魚はもちろん、アリゲーターガーや南米産のプレコ等まで捕獲された記録があります。人の手によってあらゆる外来魚が放流されてしまっているため「タマゾン川」なる異名も…。なお、これらの外来魚は釣りあげてしまっても生きたまま川から持ち出す事は禁止されているのでご注意ください。
多摩川の釣り場を紹介
長大な流域距離がある多摩川の中でも、交通の便がよく様々な魚が狙える中流域~下流域のポイントを紹介します。
多摩川中流域
■駒澤大学玉川校舎付近のテトラ帯
砧本村のバス停から徒歩5分ほどのテトラ帯。狙える魚種はテナガエビ、オイカワ、コイ、シーバス、うなぎ、ナマズ。中流域でテナガエビが狙える貴重なポイントですが、数は狙いにくいようです。夜間はミミズを付けたぶっこみ仕掛けでナマズやうなぎが狙えます。また、運がよければ丸子の堰を越えてきたシーバスに出会えることもあるそうです。
■二ヶ嶺宿河原堰の下流域
堰の下流から東名高速道路の橋脚下の間に瀬とトロ場が連続するポイント。狙える魚種は瀬でアユ、オイカワ、ウグイ、トロ場でうなぎやナマズ。瀬は毛針仕掛けでオイカワやウグイを狙うのに絶好のポイント。アユの遡上が見られる時はトロ場でのナマズのルアーゲームが面白いポイントです。
多摩川下流域
■六郷付近のテトラ帯
川崎駅、京急川崎駅から徒歩10分ほどのポイント。狙える魚種はテナガエビ、コイ、シーバス、うなぎ、ナマズ等。秋になればハゼも狙う事ができるポイントです。海水の影響を受ける場所なので、海と同じく満潮と干潮の間で水位の変動が起きている時間帯が狙い目!タイドグラフをチェックして行くのがおすすめです。
■第三京浜の橋脚周辺
多摩川でアユが狙える場所としては最下流に位置するポイント。狙える魚種はアユ、コイ、オイカワやウグイ等。特に多摩川が増水した後は上流から流されたアユが最初に居つくポイントとなるため、台風が重なるアユシーズンの終盤は数釣りを楽しむ事もできます。
多摩川の魚に適した仕掛け
多摩川でオイカワやウグイ、テナガエビを釣るのに適した仕掛けと、コイ、うなぎ、ナマズ等の大物狙いに適した仕掛け、それぞれ代表的なものを紹介します。
のべ竿と浮きを使ったエサ釣り
小物狙いにはシンプルなウキ釣り仕掛けが適しています。餌は市販の練り餌や赤虫、ミミズ、サシ等、狙う魚によって使い分けるのがポイントです。ウキは流れのある場所なら玉ウキ、緩やかな場所ならトウガラシウキと使い分けると、魚のあたりを取りやすくなるのでおすすめです。
ダイワ リバティクラブ 万能小継 硬調43・Q
オーナー ホリデー池・川釣リ仕掛 5 R-3334
リール付きのロッドを使ったエサ釣り
大物狙いにはリール付きのロッドを使ったぶっこみ仕掛けがおすすめです。餌はミミズやテナガエビの他に、うなぎ狙いならアユの切り身なども有効。錘は流れの強い場所なら重めに、緩やかな場所なら流されない程度まで軽くするとトラブルも少なくなります。
ダイワ リバティクラブ ショートスイング 15-330
シマノ 15ストラディック C3000HG
ささめ針 2段ぶっこみ仕掛 E-106
多摩川でルアー釣りも楽しめる
シーバスやナマズが生息する多摩川では、ルアーフィッシングを楽しむ事ができます。シーバス狙いなら丸子の堰より下流を中心に、干潮と満潮の間の潮が動く時間帯を意識して挑戦してみましょう。5~7センチのミノー、バイブレーション、ペンシルやポッパー等のトップウォータールアーがおすすめ。ナマズは中流域でも狙う事ができます。日没前後から夜間と、濁りが入った時が狙い目で、ルアーはノイジーやミノー、スプーンやスピナーベイトで、障害物の際や流れ込み等の流れの変化を探るとよいでしょう。
多摩川の釣りで許可は必要?
多摩川での釣りでは魚種を問わず遊漁券が必要になります。料金は以下になります。
フナ類/ウグイ/オイカワ:1日500円/年間2,500円
アユ/コイ/ウナギ/フナ類/オイカワ/ウグイ:1日1,000円/年間5,000円
釣り場で購入することも可能ですが、事前に近隣の釣具店やコンビニで購入してから行くことをおすすめします。また、料金の詳細や釣りの規則は漁協のサイトで確認しておきましょう。
遊漁券の詳細を確認する
多摩川で釣りを楽しもう!
東京都心エリアからも近く、電車やバスでも釣りに行ける多摩川は、気軽でありながら様々な魚が釣れる魅力的な釣り場です。遠方まで出かける時間がない時や、少しの空き時間に釣りを楽しみたい時などにぴったり。ルールを守って多摩川での釣りを楽しみましょう!