ロングセラーのレバードラグリール
マーフィックスの歴史は意外と古く、1998年にマミヤ・オーピーから発売されました。
マミヤ・オーピーの釣具事業撤退後は、2000年にリョービに、さらには2010年にエイテックが引き継いでモデルチェンジ&販売を継続しています。
本記事では、マーフィックスC3の使用感をお届けします。
ラインナップ
モデル | 自重(g) | 最大ドラグ力(kg) | ギア比 | 巻取り長さ(cm) | PE糸巻き量(号-m) | 定価(円) |
C3 | 660 | 8 | 4.8 | 100 | 1.5-1200 | 70,000 |
N4 | 810 | 10 | 4.4 | 100 | 2.0-1200 | 80,000 |
S5 | 845 | 10 | 4.4 | 100 | 3.0-1000 | 85,000 |
W6 | 865 | 10 | 4.4 | 100 | 4.0-900 | 88,000 |
マーフィックスC3の特徴
マーフィックスシリーズの中でも、C3は近代的な用途に合わせたもっともコンパクトなモデルです。
まずは、C3のスペック的な特徴から紹介します。
ボディ
ボディは、強度に優れるアルミマシンカットのワンピースフレームです。
パーミング側は、リールを保持しやすいナローサイドカップを採用。
直径はN4よりも約1cmコンパクトになっています。
ドラグ
スプールには大口径のカーボンドラグワッシャーが収まっています。
従来モデルのコルクドラグワッシャーに比べ、滑り出しのスムーズさが特徴です。
マーフィックス伝統のレバードラグは操作性に優れ、瞬時に調整できます。
ギア
ギアは高強度なステンレスマシンカットギア。
歯が斜め方向に切られているヘリカルギアで、これによって噛み合い率が向上させています。
また、スプール径が大きいため、比較的ローギアレシオ(4.8:1)ながら100cmの巻き上げ長を確保していることも特徴です。
ハンドル
アルミ製のロングアームハンドルを搭載しており、80mmと100mmの2ポジションを選べます。
高硬度EVA製の樽型ノブなので、スロージギングで使いやすいです。
マーフィックスC3をインプレ
ここからはマーフィックスC3の使用感をお届けします。
青物ジギングから中深海ジギングまで、さまざまなジギングで使ってみました!
強力な巻き上げパワー
巻き上げパワーは非常に強く、ブリ程度ならリーリングだけで走りを止め、頭の向きを変えて強引に寄せられます。
中深海では回収作業がとても楽で、使ってすぐに大口径ギアとローギアレシオの恩恵を感じられるはずです。
初期はまったくノイズが無く、滑らかな巻き心地に感動しましたが、数回使うと少しゴロゴロ感がでてきました。
ジギングにおいて気になるレベルではありませんが、ブルーヘブンやレイジと同じく、ギアが噛み合う感じはありますね。
滑り出しが滑らかなドラグ
ドラグの滑り出しがとてもスムーズで、青物をライトラインで狙った時には安心感がありました。
ズルズル滑るわけではありませんが、コルクワッシャーのような食いつきはないので、ライトラインへの適性は高いと思います。
1クリックの調整幅をデジタルスケールで計測してみたところ、ムラはあるものの、0.3〜0.4kgの調整幅でした。
レバードラグリールは0.5kg程度の調整幅のものが多いため、比較的細かい調整ができる機種といえるでしょう。そういった意味でもライトラインを使いやすいですね。
従来モデルよりもパーミングしやすいが……
従来モデルよりコンパクトになっているとはいえ、それでも少し大きく感じます。
リールの背が高いため、手が小さな方は親指の付け根あたりに負担が掛かるかもしれません。
また、自重もジギングリールの中ではかなり重い部類なので、慣れるまでは違和感があると思います。
とはいえ、サイズとウエイトは巻き上げ力とのトレードオフなので、「小ささで楽をするのか?パワーで楽をするのか?」という話ですね。
“100cm/1回転”の意味
マーフィックスシリーズの全機種が、最大巻取り量100cm/1回転に統一されています。
ハンドル1回転=100cmなので、レンジをイメージしたり計算したりしやすく、丁寧な釣りができます。とくにスロージギンで多用する1/2ピッチや1/4ピッチでの移動距離もイメージしやすいです。
また、スプールが大口径なのでラインの放出(スプール痩せ)による巻き取り量の変化が少ないのもメリットです。
メンテナンス性に優れる
構造がシンプルなので、ある程度リールを触れる人であれば、自身でオーバーホールすることもできます。
特別な工具も必要なく、マイナスドライバーのみで分解が可能です。(ハンドルを外すにはスパナが必要)
ちなみに、専用グリスもメーカーから発売されています。
高負荷なジギングと相性◯
マーフィックスC3の長所は巻き上げ力と滑らかなドラグ。短所は大柄かつ重たいこと。
そのため、ディープの青物ジギングやトンジギ、カンパチジギングにはとても使いやすいですね。
反対に、水深100mまでの青物ジギング程度なら、軽いオシアジガー1500等の方が使いやすいと思います。
中深海ジギングにはドンピシャです。
ローギアながら巻取り量があるので、水深200mから400gのジグを回収するのがかなり楽でした!
ブルーヘブンL50と比較
マーフィックスを検討する際、比較対象になるのがSOMのブルーヘブンではないでしょうか?
C3と糸巻き量が近いブルーヘブンL50Hiも使っているので、両者を比較して解説します。
ただし、サイズ感等はやや異なるため、横一線に並べて比較はできませんが、参考程度にしてみてください。
モデル | 自重(g) | 最大ドラグ力(kg) | ギア比 | 巻取り長さ(cm) | PE糸巻き量(号-m) | 定価(円) |
マーフィックスC3 | 660 | 8 | 4.8 | 100 | 3.0-600 | 70,000 |
ブルーヘブンL50Hi | 515 | 9 | 6.3 | 110 | 3.0-650 | 81,500 |
巻き感については大差なく、どちらもオシアジガーやソルティガのような滑らかさはありません。
巻き上げパワーは、ボディがやや大きくてギアレシオが低いマーフィックスC3にアドバンテージがあります。
ブルーヘブンL50のパワーギアモデル(ギアレシオ5.3・巻き上げ量93cm)なら、差は小さいかもしれません。
言い換えると、低いギアレシオで100cmの巻き上げ量を確保しているのは、マーフィックスC3の魅力ですね。
操作性に関しては、コンパクトかつ軽量なブルーヘブンL50に分があります。
パーミングのしやすさはかなり違うので、手が小さな方はブルーヘブンL50の方が使いやすいかもしれません。
釣具店で購入する際は、両機種ともロッドにつけて持ち比べるのをおすすめします。
ドラグの大きな違いは、マーフィックスC3がカーボンワッシャー、ブルーヘブンL50がコルクワッシャーを搭載していること。
そのため、マーフィックスは滑り出しがスムーズで、ブルーヘブンは粘り強い印象でした。
マーフィックスはドラグの調整幅が細かいのもあって、ライトラインを使ったり、アカムツのような身切れしやすい魚を釣ったりするのに向いていると思います。
ブルーヘブンのドラグは魚を止めることに長けており、大きな魚と強引なファイトをしやすい印象です。
少々大柄だけれど……
シリーズ中でもっともコンパクトとはいえ、十分ハイパワーかつ高耐久な1台でした。
構造がシンプルでパーツ数も少ない分だけ故障しにくく、巻き上げも強いので高負荷なジギングにはもってこいのリールです。
ヘビーなジギングが多い方は買って損はないと思うので、ぜひ手に取ってみてくださいね。
エイテック マーフィックス C3-LH
自重 | 660g |
---|---|
ギア比 | 4.8 |
最大ドラグ力 | 8kg |
巻取り長さ | 100cm |
PE糸巻量(号-m) | 1.5-1200 |
エイテック マーフィックス C3-RH
自重 | 660g |
---|---|
ギア比 | 4.8 |
最大ドラグ力 | 8kg |
巻取り長さ | 100cm |
PE糸巻量(号-m) | 1.5-1200 |