エギング初年度で年間100杯以上釣りました

近年人気が高まりつつあるサーフエギング。
私のメインフィールドである静岡では、イカのシーズンになると、広いサーフが人で埋め尽くされます。
それでも、「なかなか思うように釣れない」という声をよく耳にします。じつは、かつての私もその一人でした。
しかし、あるポイントを意識するようになってから、驚くほどイカと出会えるようになったのです。
私自身、2024年4月に本格的にエギングを始めたばかりですが、これまでに既に100杯以上のイカを釣り上げることができました。
大畑
自分でもびっくりするぐらい上出来だったエギング元年を振り返り、そのコツを余すことなくお伝えします!
ポイント選び
地形変化を探す

サーフは基本的にイカの付き場となるストラクチャーが何もありません。
そのため、ブレイクやワンドのような地形変化が非常に重要になってきます。
また、地形変化のある場所は潮の通り道になっていたり、潮がヨレてイカがよく回遊してきます。
そのため、少しでも変化のある場所を探しましょう!
海藻やストラクチャーを探す

サーフのイカは基本的にずっと回遊していることが多いです。
しかし、海藻など何かしらのストラクチャーがあるとその周辺に溜まっていることがあります。
堤防や磯が隣接するサーフ、あるいは消波ブロックの近くも狙い目。
とくに春先は産卵を意識しているため、海藻や流木など、イカが卵を産み付ける場所を探しているので、そういった障害物周りを探ることが重要です。
潮目を探して、とにかくランガン!

イカは潮目に沿って回遊しています。
なので、何もない場所で投げるより、なるべく潮目の近い場所を探してみてください。
流れのないところで投げ続けるより、なるべく潮の流れている場所を見つけられるかが釣果を伸ばすカギとなります!
大畑
潮の流れが感じられないときは、ランガンして少しでも流れの効いている場所を探してみてください。
エギの使い分け方
シャロータイプは必須

もちろん深い場所もありますが、サーフは水深が浅く、投げた先の水深が3〜5mくらいの場所が多いと思います。
しゃくって来るとすぐに底を引きずってしまうような浅いポイントでは、シャロータイプの出番が多くなります。
また、潮の流れが緩く、エギがまっすぐ帰ってきてしまう状況ではシャロータイプ一択です!
4号も持っておこう

逆に、潮が速くエギがすぐ戻ってきてしまうときや、水深のあるポイント、イカの活性が高い状況では、4号の出番もあります。
とくに秋から冬にかけては高活性なイカが多く、500gクラスでも4号に果敢に抱いてくることがあります。
大畑
最初のうちは無理に使わなくても構いませんが、慣れてくると必ず出番が訪れるので、1〜2個はケースに入れておくと安心です。
アクション
エギを上に跳ねさせる

サーフでは足場が低く、ラインが水に取られやすいため、どうしてもエギが底を引きずりやすくなります。
底を引きずりすぎると根がかりの原因になるだけでなく、ラインが傷んでキャスト時にエギだけが飛んでいってしまうことも……。
そのため、普通にシャクるのではなく、なるべく上方向にエギを跳ね上げるよう意識することが大切です。
コツとしては、一般的なエギングのように竿全体を使うのではなく、ティップでラインを軽く弾くイメージで操作します。

ありがちなのが、手の位置が低く、手前方向に力を入れるシャクリ方。
これだと、エギが跳ね上がらず手前に寄ってきてしまいます。

サーフでエギをしっかり跳ね上げるには、竿を高めの位置に構え、ティップで上方向に弾くように意識しましょう。
シャクリのリズムは通常のエギングと同じで問題ありません。状況によって調整しますが、私は3〜5回シャクって10秒ステイを基準にしています。
大畑
もちろん、一般的なシャクリ方でも釣れますが、この動きを意識するだけで拾えるイカの数が増え、エギのロストも格段に減らせます。
ドラグ設定は強め

サーフエギングではラインが水中に取られてしまうので、ドラグを緩めすぎるとエギに力が伝わらず、しっかり動いてくれません。
そうなると、エギが底を引きずりやすくなってしまいます。
また、サーフではアベレージサイズが1kg前後と大型のイカが多いのが特徴。
さらに漁港よりも警戒心が低く、しっかりエギを抱いてくれるので、そこまで緩める必要がありません。
大畑
エギング初心者の私はアタリが分からないことも多く、アクションがそのまま合わせになることもしばしば(笑)
そんなとき、ドラグが緩いとチャンスを逃してしまうので、少し強めに設定しています。

身切れを心配する人もいますが、1kg前後のイカにしっかりカンナが刺さっていれば身切れはほとんど起こりません。
状況によっては魚を釣るとき並みにドラグを強くして問題ありません。
ただし、食いが浅い時期や産卵期(5〜6月)は緩めたほうがバラシを防げます。
大畑
人によってやりやすいスタイルは異なるので、参考程度にいろいろ試してみてください!
表〜中層も狙う

サーフエギングではボトムを意識するのがセオリーですが、イカは表層付近にも浮いています。
とくに月明かりで影ができる夜や、潮の流れが速いときは、エギ着水直後(0カウント)から誘い始めたり、中層を意識して引いてくると効果的です。
こうした条件でボトムに反応がない場合は、表〜中層もしっかり狙ってみましょう。
大畑
底を引きずる心配がないので、堤防のようなシャクリでも問題ありません。
潮回り
大潮を狙うべし

サーフエギングで1番釣れる潮回りは間違いなく大潮です。
とくに満月の大潮。これが鉄則です!
もちろんシーズンになるといつでも釣れる確率はありますが、あまり通うことができない人は満月の大潮を狙って釣り場に行ってみてください。
干潮前後がベスト

サーフで干潮になると、普段より前に出られるようになり、潮位が高いタイミングでは届かなかった沖のブレイクまでエギが届くようになります。
逆に、満潮時にイカが浅い場所まで入ってきて釣れるポイントもありますが、サーフでは基本的に干潮前後を狙うのが良いでしょう。
潮が大きく動く時間帯

潮の動き方は一年を通して大方決まっています。
例えば、春〜秋にかけては昼間、秋〜春にかけては夜間に大きく潮が動きます。
基本的にはナイトゲームが主体ですが、晩春から初夏にかけては、デイゲームでの釣果が伸び始める時期です。
大畑
明るい時間に潮が大きく動く日はデイゲームにも挑戦してみてください!
飛距離
飛ぶエギを使う

サーフエギングで最も重要なのは、やはり飛距離です。
飛ばせるほど広く探れるため、釣果も格段に伸びます。
自重があり、よく飛ぶエギや、最近増えている重心移動搭載モデルがとくに効果的です。
大畑
また、4号を使ってみるのもおすすめです。
\サーフでおすすめエギを特集した記事です/
エギをチューニングする

エギの飛距離を伸ばす裏ワザとして、「ロケッティアチューン」という方法もあります。
ラインにシモリ玉を通し、カンナにはめてキャストすることで頭から飛び、飛距離がアップするという仕組みです。
やや調整がシビアでトラブルも起きやすいため、興味のある人は試してみる程度でOKです。
大畑
私はミスキャストやライントラブルが多発してストレスが溜まったので諦めました(笑)
\ロケッティアチューンを特集した記事です/
水中をイメージする

これが最も重要であり、同時に最も難しいポイントですが──水中をどれだけイメージできるかが、釣れる人とそうでない人の大きな差になります。
エギの動きはもちろん、地形の変化やイカの位置、どんな軌道で追ってきて抱くのかまで想像できると、釣果は格段に向上します。
この感覚を掴めるようになると、自分の狙ったタイミング・場所でイカに口を使わせることも可能です。
イメージと実際の水中が100%一致している必要はありません。多少のズレがあっても、「イメージ通りに釣れた」という経験こそが大切です。
これを意識するかしないかで、再現性や自信は大きく変わります。適当に投げるのではなく、常に頭の中で水中の動きを描きながら釣ってみてください。
大畑
もちろん、すぐに身につくものではありません。
水の透明度が高い場所や浅場でエギの動きを観察し、何度も繰り返して感覚を磨いていきましょう。
セオリーに縛られず、自分の釣りを見つけよう

私はエギングの知識がまったくなかったため、セオリーから外れたアクションやタックルセッティングをしていました。
ですが、サーフではそれがむしろ功を奏し、良い釣果につながりました。
今回紹介したポイントを意識すれば、誰でもサーフからアオリイカを狙えるようになります。
いきなりすべてを実践するのは難しいので、まずは一つずつ試してみてください。1杯釣るごとに新しい発見があるはずです。
サーフでは春以外でも大型が狙え、晩秋には1.8kg、2月にも2kgクラスをキャッチしています。
大畑
とくに11〜12月は最も狙いやすく、真冬でもチャンスあり。
ぜひ挑戦してみてください!
撮影:大畑 大志朗