2歳の娘を連れて海外旅行(スリランカ)へ

普段、1人旅ばかりの僕ですが、先日家族を連れてスリランカへ行ってきました。
あくまでも家族旅行ですが……、無論、釣り竿も持っております。
山根
狙いはアカメの仲間バラマンディ。はたして、お目当ての魚と出会うことはできたのでしょうか?
大自然とカレーの国「スリランカ」

スリランカはインドの南に位置する島国で、北海道の8割程度の面積に約2100万人が暮らしています。
セイロン(旧国称)島とも呼ばれるスリランカの気候は高温多湿の熱帯性気候で、季節風の影響により5月から9月にかけては島の南西部が雨季となり、11月から3月は北東部が雨季になります。
山根
皆さん、セイロンティーって聞いたことありませんか? じつは、スリランカで収穫された紅茶のことなんです。
自然を活かした観光立国

海に囲まれたスリランカは魚釣り以外にも、ダイビングやサーフィンといったマリンスポーツが人気の観光立国です。
また、陸上環境も素晴らしく、国立公園ではジープに乗って野生のゾウやヒョウ、クジャクやワニを探すゲームドライブも楽しめます。
比較的治安良好で安心

スリランカの豊かな自然に惹かれたことはもちろんですが、娘を連れて行くうえで治安が比較的良いことも魅力でした。
外務省が発表している危険情報はスリランカ全土においてレベル1(十分に注意)、感染症情報はありません。
とはいえ、スリや引ったくりといった軽犯罪は頻発しているので細心の注意は必要です。
辛いけど、カレーが旨い国

スリランカは地理的にインドと近いこともあってカレーが美味しい国でした(辛いケド)。
スリランカカレーの特徴はスープカレーであること。お米やナンに似たロティと一緒に食べます。
山根
因みに、観光地では日本人だと分かると料理を辛くしない配慮をしてくれていたので安心して食べられました。
ホエールウォッチングの街“ミリッサ”へ
旅行の目的はクジラとバラマンディ

旅行のおもな目的は、スリランカの沖合に来遊するシロナガスクジラとマッコウクジラの観察です。
スリランカは場所によって雨季と乾季がハッキリしているので、11月から4月は南部、5月から10月は北部といった具合で周年マリンスポーツを楽しむことができます。
せっかく海辺に行くのですから僕も“スリランカ産のバラマンディを釣る”という目標を設定しました。
山根
この写真はトンガ王国で出会えたザトウクジラ。山根家の新婚旅行はクジラ観察&カジキ釣りでした。
高速バスでスリランカ南部の観光地へ

スリランカの首都コロンボに到着した僕たちは、高速バスに乗ってスリランカ南部の観光地“ミリッサ”を目指しました。
日本のJICAの援助によって作られたバスターミナルは、エアコン付きの待合室があったり、時刻表通りの出発だったりと近代的で驚きます。
因みに、正確なバス代は忘れてしまいましたが1席600円くらい。スリランカの物価は日本と比べて1/2~1/3くらいです。
ビーチ隣接のホテルに宿泊(夜釣りに行くために)

ミリッサは観光地ということもあり、周辺には数十軒もの宿泊施設がありましたが、夜釣りに行きたいという理由からビーチ直結のホテルに5日間滞在することにしました。
一棟貸しでキッチンやリビングもついてお値段1泊約12,000円。普段の釣り旅では絶対泊まれない価格ですが今回は奮発です。
山根家流の海外旅行スケジュール
日中は奥さんが沖合へ

さすがにクジラを探しに外洋まで娘を連れていけないので、奥さんだけが早朝から海に出掛けます。
残念ながら3日間ともクジラを見つけることはできなかったようですが、イルカやマンタ、ウミガメと出会えたようで久々の海外を満喫したとのこと。

クジラを探している間に何度も鳥山に遭遇したらしく、キハダやらカツオやら色々釣ったみたいですよ!
娘とビーチや川を散策

そんな頃、生き物大好きな娘と僕はホテルから徒歩圏内のビーチや川をのんびり散策していました。
ビーチには蟹やヤドカリが歩いていますし、街中でもリスやイタチ、サルや野鳥など思いのほか沢山の生き物たちと遭遇できたので、2歳児と散歩するにはちょうど良かったです。

試しに車の通らない橋の上から食パンを撒いていると、ボラが群れを成してパンを食べ始めました。
魚の餌やりが大好きな娘は大喜びして、ずっとパンを投げ続けています。
すると、マングローブの陰から綺麗な魚が出てきたではありませんか。

すかさずパックロッドを伸ばして、娘からパンを分けてもらい釣り上げることに成功!
スリランカとインド南部の特産種であるグリーンクロマイドという汽水域に生息する珍シクリッドです。
ここに来ないと出会えないだけに、絶対に釣っておきたかった魚を娘の爆量パン撒き効果のお陰でゲットできました。
山根
余談ですが、橋脚と照明の位置、ボラの存在。この橋にできる明暗なら絶対バラマンディ釣れるっしょ!って確信していました
夕涼みのお散歩

夕方になり3人で散策していると涼しくなったからか現地の人たちもビーチに出てきています。
スリランカの人たちはみんな優しくって人懐っこいですね。娘と一緒にいるとすれ違う度に可愛いねーって声を掛けられます。
中には釣り人もいて、話を聞くとバラマンディやGTを狙っているとのこと。両種とも10~20kg越えが狙えるらしいです。
深夜の上げ潮を狙って隙間釣行

地図を見ながら「このビーチも絶対にバラマンディ釣れるやろ!」って思ったので、このホテルをチョイスしていたのですが、想像以上に釣り人が多くてビックリしました。
実績場に釣り人が集まるのは世界共通ってことですね。
3人で夕食を食べて、少し仮眠を取ってから、上げ潮に変わるタイミングを狙って深夜のビーチに出てみます。

下げ潮から上げ潮に変わった時でした。カンッという金属的なアタリと共に、バラマンディがヒット!
ところが、ランディングまであと少しというところでフックオフ。ルアーを確認するとリアフックは伸び、フロントはリングごと無くなっていました……。
フックオフ直後にライトで照らして魚体を見た感覚では、1m越え、15kgくらいありそうなバラマンディ……。自己記録間違いなしの魚を逃してしまいショックです。
翌晩、1時間遅らせて深夜のビーチに再出撃

翌晩は、1時間遅らせて深夜のビーチに出撃です。
同じく潮の変わり目の時合にウェイクベイトを使って水面直下を引いてくると再びバラマンディがヒット!
昨晩よりもサイズダウンですが、バラさないように慎重に砂浜にズリ上げました。
メガバス カゲロウ155F
長さ | 155mm |
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重さ | 39g |
山根
インドネシアでも実感しましたが、夜のバラマンディの陸っぱりでは大型のウェイクベイトが効果的ですよ!

今までに何度も釣ったことがある魚ですが、スリランカのバラマンディはLates lakdivaという学名が2012年についたばかりの別種であるとされています。
確かに、体高が低いような気がするけど……。ハッキリ言って素人的には区別がつきませんでしたが初物かもしれないので嬉しい限りです!
それに陸っぱりで釣れると達成感も大きいですね!
翌日、バラマンディ料理を堪能

アジアにおいてバラマンディは釣りの対象魚であるとともに、食用魚としてもとてもポピュラーな魚です。
しっかり血抜きしてからホテルに持ち帰り、翌日捌いてみました。
スズキによく似た白身魚で、蒸し料理にして食べましたが臭みもなくとっても美味しかったです!
あまりにも大きすぎて1回では食べきれず、半身はホテルのスタッフにプレゼントすると翌日にカレーにしてくれました(これも美味)。
山根
「海で釣った魚は大丈夫」という独自理論を発動し、刺身でも少し食べてみましたが、爽やかな脂と白身魚らしい旨味と食感が相まって激旨!寿司にしたら最高だと思います。
最終日は小さなロウニンアジで納竿

最終夜にはGTと呼べないサイズでしたが、ポッパーでロウニンアジをキャッチ。
この魚を最後にミリッサの隙間時間を使った釣行はお終いとなりました。
因みに明暗は刺し網地獄

そうそう、当初期待していたあの明暗ですが、バイブレーションで底を取ろうとすると根掛かり連発。
はい、刺し網地獄でした……。こればかりはアジアあるあるですね。
明暗よりもビーチの方に可能性を感じたこともあり、あまり長居はしませんでした。
マッドクラブを格安で購入

翌日、レストランに夕食を買いに行くついでにあの橋を見に行くと、ちょうど漁師が刺し網を引き揚げています。
しばし、眺めていると僕たち夫婦の大好物であるマッドクラブを漁獲しているではありませんか!

この蟹、日本ではノコギリガザミと呼ばれるのですが、超高級食材なんです。
サイズにもよりますが、活きているものなら1杯1万円越えなんて当た前。物価の安いスリランカで食べても1杯3,000〜6,000円くらいします。
そんなマッドクラブを交渉の末、750円で購入させていただきました(最初、3000円と言ってきたので相場を言い当てたら笑いながら安く売ってくれました)。

かくかくしかじか、初めて活きの良い巨大な蟹を見た娘も大喜びです。
すっかり行きつけになっていたレストランに持ち込み、カレーにしてもらいました(何もかもカレーになります)。
蟹の出汁がたっぷりと出た辛くないカレーは本当に美味しかったです!
ホテルの目の前で釣りができて良かった

今回は山根家の家族旅行についてレポートさせていただきました。
釣果を上げることができた最大の要因は、優良ポイントの目の前に宿泊できたことでしょう。
もしも、家族旅行の隙間に釣りをしたいお父さんやお母さんは、ホテル選びに拘ってみてくださいね。
撮影:山根央之
▼後編に続く