スロージギングロッドの元祖

少ないリーリングでもロッドの反発力によってジグを動かせる、スロージギングロッド。
今となっては一ジャンルとして確立されたスロージギングロッドですが、その元祖をご存知でしょうか?
それが、エバーグリーン社のポセイドン・スロージャーカー。
数度のマイナーチェンジはしているものの、発売から15年以上経っても多くのジギンガーから高く評価されており、まさに名竿中の名竿といえる存在です。
ラインナップ
スロージャーカーの特徴

まずはスロージャーカーのスペック的な特徴から解説します。
ブランク

スロージギングロッドらしい、高反発な国産ブランクを採用しています。
グリップエンドまで継ぎ目の無い完全ブランクスルー構造によって、グリップエンドまでがブランクとして機能。
ガイドセッティングなどは数度変更されていますが、ブランクは発売以来一度も変わっていません。

どの番手かすぐにわかるよう、番手ごとにスレッドの色が違います。
ちなみに赤いスレッドは4番です。
ガイド

ガイドのリングはトップだけがSiC-Jで、1番ガイド以降はSiC-Sです。
現行モデルのセッティングは、バットからベリーにかけてはダブルフットのLRV、ティップ部はシングルフットのKT、トップがMN。フレームの素材はすべてチタンです。
リールシート

リールシートはスロージギングロッドの定番、FujiのT-DPS22。
余分な補強やEVAを省くことによって、ブランクスルー構造のメリットを最大限に発揮するよう設計されています。

リールシートとブランクの隙間を埋めるアーバーというパーツはオリジナル。
ブランクからのインフォメーションを、ロスすることなく手元まで伝えることを重視しています。
スロージャーカー603-4をインプレ

筆者は、近海の青物ジギング〜中深海ジギングなどに使おうと、603-4を購入しました。
実際の具体的な用途を挙げると……

京丹後・浦島沖でのタラジギング。
水深200〜250m、300〜400gのメタルジグをメインに使用しました。

石川・輪島沖のライトな中深海ジギング。
水深120〜160m、250〜300gのメタルジグを使って底物釣り。

明石海峡の青物ジギングでも。
水深30〜60m、200〜250のメタルジグを使い、スロー系の釣りからハイピッチの釣りまでこなします。
いろいろな海域で幅広い釣り方を試してきたので、スロージャーカーの使用感を振り返ります。
アクションについて
こちらは水深100mで、200gのメタルジグを操作している様子です。
スペック上の上限ウエイトではありますが、まだまだ余力があり、スロー〜ハイピッチまで快適。
市場のスロージギングロッドと比較すると、ややファーストテーパー気味の設計になっており、それによってハイピッチ系のアクションやティップを使った小細工がしやすいのも特徴です。
次は水深100m、300gのメタルジグを操作している様子です。
荷重が増えた分だけ曲がり込みは大きくなりますが、スローピッチなら問題なく使えます。
ハイピッチだとやや竿の返りが遅く感じられ、ジグの動きはかなり控えめになっているはず。
水深にもよりますが、上限ウエイトはスローピッチだと300〜350g、ハイピッチだと200〜250gが目安になりそうです。
ジグを操作することに特化している

基本設計は古いとはいえ、最新のスロージギングロッドと比べても遜色の無い軽さであり、体感もかなり軽量。
そして何よりスロージャーカーの最大の魅力は、計算し尽くされた曲がり方、曲がりスピード、戻りスピードでしょう。
これによって幅広いジャークに対応し、非常に高いレベルでの万能さを実現しています。
まさにジグを操ることに特化したロッドであり、元祖にして完成系といわれる所以です。
感度◯

もちろんスロージギングロッドなので感度は良く、着底などの接触系の情報が手元まで反響してクリアに伝わります。
その一方でティップが柔らかいので荷重変化も掴みやすく、潮の変化やジグの挙動も掴みやすいです。
ただし、近年のスロージギングロッドは軒並み高感度なので、その中で特別に抜けているわけではないと思います。
曲げるなキケン!

メーカーからも公表されていますが、あくまでもジグをアクションさせることに特化したロッドであり、魚とファイトするためのロッドではありません。
キンキンの高弾性ブランクなので、一時的にでも大きな負荷が掛かると折れやすく、魚が大きい場合はロッドを真っ直ぐにしたストレートポンピングでやりとりしましょう。
ロッドを曲げずにファイトすれば、どんなに引っ張られてもロッドには負荷が掛からないため、大きなマグロやカンパチでも問題なくキャッチできます。
意図せずロッドに負荷を掛けてしまうケースとしては、根掛かりをアタリと勘違いしてフッキング、船縁での取り込み直前などが挙げられるのので注意してください。
釣竿史に名を残すマスターピース。

釣竿としては異例なほどのロングセラーであり、正直、筆者も使うまでは「古い竿でしょ?」と思っていました。
しかし、一度使うと“変える必要がないモノ”だと理解させられます。
また、ルアーフィッシングや竿作りに与えた影響、さらにはセールス等も含め、どの角度から語っても「名竿」と呼べる1本でしょう。
撮影:tsuki
エバーグリーン ポセイドン スロージャーカー 603-4
全長(ft) | 6'3" |
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自重(g) | 128 |
継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 191 |
適合ルアー(g) | 90-200 |
定価(円) | 59,000 |
エバーグリーン ポセイドン スロージャーカー 603-1
全長(ft) | 6'3" |
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自重(g) | 118 |
継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 119 |
適合ルアー(g) | 20-60 |
定価(円) | 58,000 |
エバーグリーン ポセイドン スロージャーカー 603-1.5
全長(ft) | 6'3" |
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自重(g) | 117 |
継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 191 |
適合ルアー(g) | 30-70 |
定価(円) | 58,000 |
エバーグリーン ポセイドン スロージャーカー 603-2
全長(ft) | 6'3" |
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自重(g) | 115 |
継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 119 |
適合ルアー(g) | 45-100 |
定価(円) | 58,000 |
エバーグリーン ポセイドン スロージャーカー 603-3
全長(ft) | 6'3" |
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自重(g) | 115 |
継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 191 |
適合ルアー(g) | 60-150 |
定価(円) | 58,000 |
エバーグリーン ポセイドン スロージャーカー603-5
全長(ft) | 6'3" |
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自重(g) | 133 |
継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 191 |
適合ルアー(g) | 120-250 |
定価(円) | 60,000 |
エバーグリーン ポセイドン スロージャーカー603-6
全長(ft) | 6'3" |
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自重(g) | 135 |
継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 191 |
適合ルアー(g) | 150-300 |
定価(円) | 61,000 |