ジャーク(JERK)×王様(REX)=“JEREX”

シーフロアコントロールの代表である弘田一博氏が展開するプライベートブランド、「HIZ-ヒズ-」から発売されている「ジャレク」。
シーフロアコントロールには「JAMロッド」というスロージギングロッドもありますが、こちらは“オートマチックに喰わせの間を作ること”を重視したロッドです。
それに対してジャレクは、アングラーが“意のままにジグを操れること”を重視して、スロージギングロッドでは珍しいファースト寄りのテーパーを採用しています。
開発者の弘田氏が「(アングラーの)少しの過ちで魚が逃げてしまうくらい」と言うほど、アングラーの動きに対してリニアに動く竿に仕上げられているそうです。
そんなジャレクを実際に使ってみましたので、その使用感をお届けします!
ラインナップ
ジャレクの特徴

まずはジャレクのスペック的な特徴から解説します。
高弾性かつファーストテーパーなブランク

あえて最先端のカーボンは用いず、既存の低レジンかつ低伸度な高弾性カーボンを採用しています。
こういった高弾性カーボンは破断強度の面で不利ですが、それを設計によってカバーし、竿としての強度を確保しているそうです。
また、同社のJAMロッドをはじめとして、大多数のスロージギングロッドはスローテーパー(胴調子)に設計されているのですが、ジャレクはファーストテーパー(先調子)気味に作られています。
ガイドはトルザイト仕様

ガイドは、軽量なチタンフレームのトルザイトガイドが採用されています。
トルザイトリングは、SiCリングよりも小さな外径で内径を稼げるため、軽量化できるのがメリットです。
ガイドはトップガイドを含めて10個の構成で、#1〜5まではシングルフット、#6〜9ガイドまではダブルフットがセッティングされています。
リールシートの周りはオーソドックス

リールシートは、スロージギングロッドの定番であるFujiのT-DPS22。
T-DPS22は適度に太くて脱力してホールドできるため、疲労軽減や感度が良くなるメリットがあります。
JAMロッドはEVAグリップですが、ジャレクはコルクグリップです。
独自構造のグリップエンド

エンド部分は、空洞になった独自の「BAVS(バヴス)」という構造。
フタのない空洞にすることで、アタリの振動が減衰することなく、手元に伝わりやすくなっているようです。
これはJAMロッドにも用いられています。
ジャレク603-4をインプレ

ここからはジャレク603-4の使用感をお届けします。
丹後や輪島などの日本海側の中深海スロージギングを中心に使用しました。
ウエイト別のアクション
200gのジグをセッティングして、水深100mで操作している様子です。
一般的なスロージギングロッドよりもバットが硬く、それによって曲がりの支点が先寄りになるため、穂先の返るリズムが非常に速いです。
音楽に例えるなら、一般的なスロージギングロッドは4ビート、ジャレクは8ビートといったところ。
良くも悪くも釣りのリズムがまったく変わります。
次は300gのジグを水深130mで操作している様子です。
曲がり方は200gを操作している時とほぼ変わらず、同じようにシャクれます。
曲がりの支点が先にあるせいか、普通のスロージギングロッドよりも曲がりの変化量が少なく、重くなった分だけ引き抵抗が少し増えたくらいに感じました。
適合ウエイトの上限である400gを水深130mで操作している様子です。
300gの時に比べて曲がりは少し深くなりましたが、穂先までしっかり返り、速い誘いも遅い誘いも問題なくできます。
適合ウエイトの範囲なら、ウエイトを替えてもある程度同じように誘えるのがこの竿の面白さですね。
強度的な怖さはない

正直なところ、高弾性な先調子のスロージギングロッドと聞き、使うまではちょっと怖さがありました。
しかし、実際に使って負荷をかけてみたところ、折れそうな気配は全然なく、かなり強そうな印象です。
スロージギングロッドを曲げる意義はさて置き、「普通に使っていれば折れない」という安心感は十分にあります。
ただし、そうは言ってもスロージギングロッドなので、無闇に竿を立てるのは控えた方が良いでしょう。
反響感度が良い

ブランクやトルザイトガイド、独自のBAVSが効いているのか、反響感度はかなり良いと思います。
着底時のトンッという感触、ジグが岩や砂に触れた感触が金属的に伝わってきました。
高感度を謳うスロージギングロッドは多いですが、その中でもかなり良い部類だと思います。
その一方、ティップ側は繊細なので荷重変化もわかりやすく、ジグの挙動も掴みやすいです。
ファーストテーパーによる高い操作性

高弾性カーボンとファーストテーパーの組み合わせによって、レスポンスに優れ、高い運動性能を備えています。
テンポの速いジャークでもブレが少なく、青物などの遊泳力の高いターゲットを狙うのにはかなりマッチするロッドです。
その一方、ティップは繊細で曲がりやすいため、ネチネチとした細かい誘いがしやすいとも感じました。
ただし、単調にシャクっているとただただテンポが速い釣りになってしまうため、考えて操作することが求められるのは間違いないでしょう。
さまざまなジギングに対応!

ピーキーな一面はあるものの、使いこなせればハイピッチな釣りからネチネチ系の釣りまで、幅広く使える面白いロッドだと思います。
遅い誘いが中心の中深海ジギングは300〜400gのジグで水深150〜300m、青物ジギングは300gで水深200mまでくらいが目安になるでしょう。
また、速いテンポで強い入力ができるので二枚潮やドテラ流しでも使いやすく、トンジギなどのマグロジギングとも好相性だと感じました。
“The King of Jerk”はダテじゃない。

おそらく、好き嫌いが分かれて誰でも使いやすいロッドではないと思いますが、高い操作性と感度を備えたロッドなのは間違いありません。
使いこなせれば、今までとは違った釣り方ができ、釣りきれなかった状況を打開できる1本になると思います!
撮影:tsuki
シーフロアコントロール ジャレク 603-4
全長(ft) | 6'3" |
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継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 191 |
適合ジグ(g) | MAX400 |
PEライン適合(号) | MAX4.0 |
税別定価(円) | 71,000 |
シーフロアコントロール ジャレク 603-1
全長(ft) | 6'3" |
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継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 191 |
適合ジグ(g) | MAX200 |
PEライン適合(号) | MAX1.0 |
税別定価(円) | 71,0000 |
シーフロアコントロール ジャレク 603-2
全長(ft) | 6'3" |
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継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 191 |
適合ジグ(g) | MAX250 |
PEライン適合(号) | MAX2.5 |
税別定価(円) | 71,000 |
シーフロアコントロール ジャレク 603-2.5
全長(ft) | 6'3" |
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継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 191 |
適合ジグ(g) | MAX250 |
PEライン適合(号) | MAX2.5 |
税別定価(円) | 71,000 |
シーフロアコントロール ジャレク 603-3
全長(ft) | 6'3" |
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継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 191 |
適合ジグ(g) | MAX300 |
PEライン適合(号) | MAX3.5 |
税別定価(円) | 71,000 |
シーフロアコントロール ジャレク 603-3.5
全長(ft) | 6'3" |
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継数(本) | 1 |
仕舞寸法(cm) | 191 |
適合ジグ(g) | MAX350 |
PEライン適合(号) | MAX3.5 |
税別定価(円) | 71,000 |