ディープタイラバに適したロッドとは?
ディープタイラバはその名の通り、深い場所を狙うタイラバのこと。
70cm、80cmの大鯛がコンスタントにヒットし、夢の90cmオーバーに出会う可能性がある魅力的な釣りです。
しかし、浅場のタイラバとは異なる部分も多く、それによって適した道具も変わってきます。
本記事では、ディープタイラバロッドの選び方を解説し、オススメのロッドを価格別に紹介します。
ディープタイラバの特性
ロッドを選ぶに当たっては、まずディープタイラバの特性を理解しておく必要があります。
ディープタイラバのキーとなる要素を解説します。
▼ディープタイラバを詳しく解説した記事です
水深
“ディープ”に明確な定義はありませんが、水深80m以上、時には120〜130mを狙う釣りを一般的にディープタイラバと呼びます。
水深が深いので必然的に重いヘッドが必要となり、150〜200gクラスを常用することが特徴です。
ドテラ流し
ディープタイラバでは、船のエンジンを止めて風と潮に乗せて流す“ドテラ流し”といわれるスタイルが主流です。
そのため、徐々にラインが沖に払い出されて斜めになり、底取りを繰り返すと仕掛けと自分の距離がどんどん遠くなります。
つまり、水深が100mであっても、ラインは200m以上出ることもあるわけです。
ディープタイラバロッドを選ぶ基準
ディープタイラバの特性を踏まえた上で、ロッドを選ぶ際のスペックの目安を解説します。
硬さ(パワー)
ロッドの硬さはヘッドのウエイトに合わせ、上限ウエイトが200〜300gを目安に選んでください。
各社のMHやH、XHパワーが該当するのですが、中にはULでも200g以上のウエイトに対応するロッドもあるので、しっかりと適合ウエイトを確認しましょう。
長さ
5ft台などの短いものではなく、6ft半ばから7ftにかけての少し長めのロッドが良いでしょう。
ディープタイラバのフィールドとなる外海は波が高いことも多く、仕掛けが重くて鯛も大きいので、曲がりしろの多い長めのロッドが向いています。
曲がりしろが多いとロッドがクッションの役割を果たして船の揺れを吸収し、タイラバに余計な動きを加えず、等速巻きを維持しやすくなります。
調子(テーパー)
掛け調子(先調子)か乗せ調子(胴調子)の2パターンに大別されますが、これに関しては好みです。
アタリを見極めて掛けアワせる釣りも、巻き続けて向こうアワセで乗せる釣りも、どちらも楽しめます。
初心者の方は乗せ調子で慣れていくのがオススメですね。
トルクと食い込みのバランスが大切
ディープタイラバにおいて大切なのが、トルクと食い込みのバランスです。
深場をドテラで流すため、重いヘッドに潮の抵抗も加わり、非常に大きな負荷が掛かった状態で長い距離を巻き上げることになります。
さらに魚も大きくて水圧も加わるため、重たい仕掛けと大鯛に負けないトルクがとても大切です。
こう言うと硬いロッドをイメージするかもしれませんが、硬いだけではフッキングが決まりません。実際、硬いライトジギングロッドを使うと乗りが非常に悪く、追い食いが少なくなることも知られています。
ベリー辺りのトルクで重いタイラバを巻け、鯛がヒットしてからはそこからさらに曲がり込んでバットのトルクで浮かせられるようなロッドが理想です。
実売1万円前後のディープタイラバロッド
ダイワ 紅牙X 69XHB-S
自重:113g
継数:2本
仕舞寸法:108cm
ルアー重量:60~300g
PEライン適合:0.8~1.5号
ダイワの紅牙X 69XHB-Sは、実売価格11,000円前後のエントリーモデル。
ベイトモデルはスパイラルガイドを搭載しており、不慣れな初心者の方でも穂先にラインを絡めにくくなっています。また、持ち運びしやすい2ピースなことも嬉しいですね。
穂先にはカーボンソリッドが採用されており、鯛のアタリを弾かずにしっかりと食い込ませられるしなやかさを持っています。
同価格帯の中では軽量な部類ですが、バットパワーに不足はないので、大鯛にも対応できるロッドです。
シマノ ソルティアドバンス タイラバ B69MH-S
自重:125g
継数:2本
仕舞寸法:106.5cm
ルアー重量:45~200g
PEライン適合:MAX1.5号
ソルティアドバンス タイラバ B69MH-Sは、実売価格10,000円前後のタイラバロッドです。
タイラバは“一定の速度で巻く”という動作が基本ですが、簡単なようでじつはそれが意外と難しく、とくに経験が浅いと不用意な動きをさせてしまいがち。
しかし、ソルティアドバンスは長めのソリッドティップを搭載しており、船の揺れや手元のブレを吸収してくれるため、等速巻きを維持しやすくなっています。
オーソドックスな乗せ調子ですが、穂先が白く塗装されているのでアタリや着底を視覚的に捉えることが可能。
シマノ 炎月BB B69MH-S/2
自重:147g
継数:2本(センターカット2ピース)
仕舞寸法:107cm
ルアー重量:バーチカル45〜200g/ドテラMAX250g
PEライン適合:MAX1.5号
中型から大型の真鯛や、ディープでのタイラバに対応するスペックを持った乗せ調子のタイラバロッドです。
バーチカルでは45〜200g、ドテラではMAX250gのウエイトを扱え、浅場からディープまで幅広く対応できます。
シマノ独自のXシートデュアルガングリップと呼ばれるリールシートを採用していて、持ちやすくて疲れにくいと評判。
タイラバはジギングなどに比べて“楽な釣り”というイメージかもしれませんが、重たいウエイトを巻き続けると手首への負担がそれなりに大きく、とくに不慣れな方はリールシートの恩恵が大きいでしょう。
実売価格は14,000円前後ながら、ハイパワーXやタフテックαなどのシマノのテクノロジーが使われていることも魅力です。
メジャークラフト ソルパラ タイラバモデル SPXJ-B70MTR/DTR
自重:-
継数:2本
仕舞寸法:-
ルアー重量:MAX160g
PEライン適合:0.6~1.2号
メジャークラフトのソルパラは、9,000円前後で購入できるお値打ち価格のタイラバロッド。
7ftの長いブランクは、波やウネリが大きな日でも船の揺れを吸収してくれ、安定したリトリーブをキープできます。
また、曲がりしろが深いので、大鯛のツッコミや首振りにしっかりと追従し、バラシが少なくなることも魅力。
スパイラルガイドを採用しているので、ライントラブルを防いでくれることも初心者の方には嬉しいですね。
プロックス 桜魚タイラバエアーK 205M SKUTRAK205M
自重:133g
継数:2本
仕舞寸法:107.5cm
ルアー重量:50~180g
PEライン適合:1~2.5号
こちらも実売価格9,000円前後のタイラバロッドです。
大鯛の突っ込みにも対応できるように、カーボンシートをクロス状にラッピングする補強をバットに加えています。
50~180gまでのタイラバを扱えるので、「浅場もやりつつ時には100m前後までやりたい」という方におすすめ。
デザイン性も高く、スレッドやバットなどの各所に桜色が入っていてその気にさせてくれます。
実売2〜3万円のディープタイラバロッド
ダイワ 紅牙MX N70XXHB-METAL AP
自重:112g
継数:2本
仕舞寸法:111cm
ルアー重量:80~200g
PEライン適合:0.8~1.5号
紅牙MX N70XXHB-METAL APは、ダイワ独自のメタルトップを搭載した2ピースのロッドです。
MAX200gに対応するディープ専用設計の乗せ調子なので、ディープタイラバロッドの王道的なスペックといえます。
チタン合金性のメタルトップは、非常にしなやかで反響感度にも優れることが特徴。
鯛がネクタイを噛んだ違和感も捉えられ、アタリをよりクリアに伝えてくれます。
シマノ 炎月TT B69MHS
自重:132g
継数:2本
仕舞寸法:138cm
ルアー重量:45~200g
PEライン適合:MAX1.5号
MAX250gまでを操作できる乗せ調子に設計され、120〜130mラインも攻められるモデルです。
シマノ独自のスパイラルXを搭載したことで、ネジレや潰れに対する剛性が高く、トルクフルなブランクに仕上げられています。
白色に塗装されたソリッドティップは、朝や夕方などのローライト時にも視認性が高く、穂先の変化でもアタリを判断することが可能。
スパイラルXの有無が炎月BBとの大きな違いですね。
シマノ 炎月SS B610MH-S RIGHT/LEFT
自重:150g
継数:2本
仕舞寸法:140cm
ルアー重量:バーチカル45~200g/ドテラMAX250g
PEライン適合:MAX1.5号
炎月SS B610MH-Sは、ドテラ状態でMAX250gまで使える乗せ調子のタイラバロッドです。
炎月TTがスパイラルXのみなのに対し、炎月SSはスパイラルXに加えて最外層をハイパワーXでさらに補強し、より捩れや潰れ剛性が高くなっています。
また、エクストリームガングリップと呼ばれる左右専用形状のグリップを搭載しており、より手とのフィット感を高めています。
それによって、ガイドも左右専用のスパイラルにセッティングされていることも特徴です。
ジャッカル ビンビンスティックエクストロ BXS-C69SUL
自重:133g
継数:2本
仕舞寸法:-
ルアー重量:ドテラMAX300g
PEライン適合:0.6~1.0号
ジBXS-C69SULはフルソリッドブランクを採用し、ドテラ状態で300gのウエイトに対応するロッドです。
MAX300gと聞くと「硬いロッドでは?」と思うかもしれませんが、フルソリッド特有のしなやかさと太いトルクを備えています。
ドテラ流しはバーチカルに比べて糸フケが多く出るので感度が鈍りますが、そういった状況でもアタリや着底を感じることが可能です。
外海特有のクラゲや浮遊物対策として大口径のガイドを搭載し、ガイドの目詰まりやそれによるロッドの破損も防いでくれます。
テイルウォーク タイゲームSSD C69H/FSL
自重:155g
継数:2本
仕舞寸法:159cm
ルアー重量:MAX280g
PEライン適合:MAX1.5号
タイゲームSSD C69H/FSLは、フルソリッドブランクを採用したタイラバロッドです。
スパイラルガイドを用いることでガイド数を減らし、フルソリッドの弱点である重さを解消しています。
非常にトルクフルなブランクなので、巻きアワセでもロッドでのアワセでも太軸フックを貫通させられます。
MAX280gまで扱える懐の深さや、スパイラルガイドによるトラブルレス性能も魅力です。
実売3万円以上のディープタイラバロッド
アブガルシア エラディケーター セブンスペシャル ESSC-74M120-FS-Limited
自重:-
継数:2本
仕舞寸法:-
ルアー重量:100~250
PEライン適合:~2.5号
アブガルシアが発売するフルソリッドブランクのタイラバロッドで、フルソリッド特有の粘り強さや追従性を備えています。
ディープタイラバはファイト時間が長いので針穴が広がりやすく、ティップだけが柔らかいロッドではバラシが増えるのですが、フルソリッドならそんな心配がありません。
MAX250gまで乗せられるので、潮が速いディープエリアをヘビーウエイトのタイラバで攻略できます。
7ft4inのロングレングスはフッキングストロークを大きく取れるので、太軸のフックを用いたジグやインチクとも好相性です。
シマノ 炎月エクスチューン B610MH-S RIGHT/LEFT
自重:156g
継数:2本
仕舞寸法:140g
ルアー重量:45~200g
PEライン適合:MAX1.5号
炎月エクスチューンB610MH-Sは、タフテックインフィニティと呼ばれるカーボンソリッド穂先が使われおり、下位機種に搭載されるタフテックαよりもさらに折れにくくてしなやかになっています。
ディープタイラバでは、高速回収時にクラゲの足などがガイドに詰まって穂先が折れることがあるので、強靭なソリッドティップは大きなメリットです。
対応ウエイトは45〜200gと幅広く、近海のバーチカルから外海のドテラまで幅広く楽しめます。
炎月SSと同じく、左右専用設計なので間違えないように注意してください。
ダイワ 紅牙 EX N68HB-SMT
自重:100g
継数:2本
仕舞寸法:160g
ルアー重量:45~200g
PEライン適合:0.5~1.5号
紅牙EXはタイラバの名手として知られる中井一誠氏が監修したフラッグシップモデルです。
疲労を軽減するエアセンサーショートトリガー、超高感度なスーパーメタルトップ、軽量なAGSなど、最新のダイワテクノロジーが結集されています。
ディープタイラバはもちろんのこと、浅場のバーチカルにも使え、汎用性の高さも魅力です。
自重はわずか100gと、同カテゴリーの中ではトップクラスに軽く、操作性や感度にも一役買っています。
天龍 レッドフリップRF6102B-MH/DK
自重:129g
継数:2本
仕舞寸法:159cm
ルアー重量:バーチカル 60-200 , ドテラ MAX300
PEライン適合:MAX1.5号
天龍のレッドフリップRF 6102B-MH/DKは、ドテラタイラバ向きのロッドの中では珍しい掛け調子の攻撃的な1本。
ティップには適度な張りを残すために中弾性カーボン、ベリーからバットには高弾性カーボンを採用しており、早掛けや鯛が反転したタイミングにフッキングする送り掛けがしやすくなっています。
MAX300gまで対応するので、使用頻度の高い200g前後はもちろん、潮が速い日に250g前後を難なく巻き上げられます。
天龍のハイエンドモデルながら実売価格は30,000円ほどで、手に取りやすいロッドです。
がまかつ ラグゼ 桜幻 鯛ラバーR B60M-solid.F
自重:109g
継数:2本
仕舞寸法:138.5cm
ルアー重量:60~180g
PEライン適合:0.5~1.2号
鯛ラバーR B60M-solid.Fはティップに若干の張りを持たせ、水中の情報を高次元で把握することを目的として開発されたロッドです。
食い込みを重視して柔らかいソリッドを採用した一般的なロッドとは対照的に、前アタリや微かな水流変化などを捉える反響感度を重視しており、かなり攻めたロッドといえるでしょう。
急潮流下でも穂先が入り込み過ぎず、それによって感度を維持できることも特徴です。
深場の大鯛をその手に!
高級魚の真鯛が手軽に釣れるタイラバ。その中でも、サイズが圧倒的に大きく、ゲーム性も高いのがディープタイラバの魅力です。
80cmは当たり前に、90cmも狙える夢のある釣りなので、ぜひこだわりのロッドを選んでみてくださいね!