タコ釣りに適したリールとは

船からのタコ釣りはここ10年ほどで大ブームとなり、大阪湾・明石海峡ではタチウオ・青物と並ぶ一大人気ジャンルとなりました。
そんなタコ釣りはロッドアクションが多いうえに、タックルに大きな負荷が掛かるため、リール選びも大切です。
本記事では、タコ釣りマニアの筆者がタコ釣りに適したリールの選び方とおすすめの機種を紹介します。
タコ釣りのリール選び

まずは船からのタコ釣りに適したリールの選び方を解説します。
剛性に優れたベイトリールが大前提

船のタコ釣りは大きな負荷が掛かるため、剛性に優れたベイトリールを選んでください。
アワセを入れた時や底に張り付いたタコを剥がす際に強い力が加わるため、弱いリールだと巻き上げられなかったり、壊れたりしてしまいます。
スピニングリールは構造上巻き上げ力が弱いうえに、周囲とオマツリする原因となるので禁止している釣り船も多いです。
また、大半のタコ用ロッドはベイトリール用に設計されているので、間違ってもスピニングリールを買わないようにしましょう。
サイズ(糸巻量)は300番前後

2号のPEラインを200m程度巻けるリールを選びましょう。
シマノ製ベイトリールは200〜300番、ダイワ製は150〜300番がおすすめです。
ただし、発売時期やモデルによっては糸巻量と番手の規格が異なるため、糸巻量もよく確認してください。
タコ釣りはロッドをシェイクして誘ったり、穂先のテンション変化でアタリを取ったりする繊細な一面もあるので、必要以上に大きなリールを使うと大変ですよ。
ローギアが人気

巻き上げトルクの強いローギア(パワーギア)がおすすめ。
番手の後ろに「PG」や「P」の表記があるのがローギアモデルです。
ハイギアモデルでも釣りはできますが、これといったメリットはありません。
タコは魚のように引きませんが、海底の大きな石を抱いたまま上がってくることもあり、想像以上に巻き上げトルクが必要です。
シングルハンドルが楽
ドラグ力は最低でも5kg必要
タコ釣りに代用できるリール

もっとも代用に適するのが、ジギング用のベイトリールです。
レベルワインダーがないタイプの大型リールはややオーバースペックですが、オシアコンクエスト(シマノ)の300番などはベストマッチです。
明石海峡では青物の潮待ちでタコ釣りをすることがあるため、そのままジギングタックルでタコ釣りをする人も多くいます。
それに対して、タイラバ用ベイトリールやブラックバス用ベイトリールは弱く、リールの寿命を縮めかねないのであまりおすすめしません。
ブラックバス用リールの中でも、ビッグベイト用はタコ釣りに適したモデルが多く、海水対応のリールなら問題なく使えます。
また、タコ釣りは浅いポイント(20m前後まで)ですることが多く、基本的に電動リールは必要ありません。
ただし、稀に50m以上のポイントに行くこともあり(シーズン初期など)、そういったポイントでは電動リール(ダイワ200番・シマノ600番程度)が活躍します。
タコ釣りにおすすめのリール10選

船タコ釣りに適したリールを集めました。ぜひ、リール選びの参考にしてください。
プロックス ジンベイ JBR300
自重 | 260g |
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ギア比 | 6.2 |
最大ドラグ力 | 10kg |
糸巻量 | PE3号-300m |
巻き取り長さ | 68cm |
ベアリング数 | 6/1 |
高剛性なアルミフレームを採用したベイトリールです。
最大ドラグ力は10kgなので大物が掛かっても安心。大型EVAノブ付きのパワーハンドルを搭載しており、パワフルに巻き上げられます。
価格がリーズナブルなのでタコ釣り入門におすすめです。
アブガルシア 黒船 PH
自重 | 210g |
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ギア比 | 6.4 |
最大ドラグ力 | 7kg |
糸巻量 | PE2号-200m |
巻き取り長さ | 66cm |
ベアリング数 | 4/1 |
60mmと70mmにポジション変更ができる、可変式のハンドルを搭載したベイトリールです。
高耐久ブラスギヤ・シャフトが採用されているので、強い負荷に対応。独自のカーボンマトリックスドラグワッシャーを搭載しており、強くドラグを締めこめます。
ピニオンギア部のベアリングには撥水コートが施され、潮噛みが軽減されるので耐久性も良好です。
エイテック テイルウォーク エラン オクトパス ワイド VTN 64BR
自重 | 270g |
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ギア比 | 6.4 |
最大ドラグ力 | 9kg |
糸巻量 | PE2号-200m |
巻き取り長さ | 78cm |
ベアリング数 | 4/1 |
6点式遠心ブレーキを搭載してキャスティングにも対応する、アルミボディのベイトリールです。
ナロータイプのスプールを搭載しており、その上シンクロレベルワインド仕様なので仕掛け落下が早く、PEラインへの負担も軽減。
2号のPEラインが200m付いているので、すぐにタコ釣りができます。
エイテック テイルウォーク エラン ワイドパワー オクトパスSPⅡ 64BR
自重 | 319g |
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ギア比 | 6.4 |
最大ドラグ力 | 12kg |
糸巻量 | PE3号-200m |
巻き取り長さ | 78cm |
ベアリング数 | 4/1 |
強度に優れるアルミボディを採用した、船のタコ釣りで大人気のベイトリールです。
大ダコも引き剥がせる最大ドラグ力12kgを誇り、遠心ブレーキとシンクロレベルワインドも搭載しています。
3号のPEラインが200m巻かれていますが、明石ではPE2号を指定している船もあるので注意してください。
エイテック テイルウォーク オクトパス ライト プラス 66R
自重 | 215g |
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最大ドラグ力 | 8kg |
ギア比 | 6.6 |
糸巻量 | PE2号-200m |
巻き取り長さ | 62cm |
ベアリング数 | 4/1 |
操作性を重視してコンパクトなボディを採用したベイトリールです。
ボディはコンパクトですが、カーボンクロスワッシャー仕様の強いドラグ、遠心ブレーキも装備しています。
ハンドルはアルミラウンドノブなので、しっかり握り込めて汚れにも強いです。PE2号が200m付属します。
ダイワ フネXT 150P-OP PE3号-150M糸付
自重 | 220g |
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ギア比 | 4.8 |
最大ドラグ力 | 9kg |
糸巻量 | PE2号-200m |
巻き取り長さ | 51cm |
ベアリング数 | 4/1 |
ダイワ独自の金属製ボディ、スーパーメタルフレームを用いたベイトリールです。
マグネット式のマグフォースブレーキを搭載しており、キャスティングも可能。
スムーズな仕掛けの落下を実現するスーパースプールフリーも装備しています。
大型ハンドルと大型ノブによって、巻き上げもパワフル。PE3号が150m付属します。
ダイワ ダイナスター 300
自重 | 325g |
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ギア比 | 5.1 |
最大ドラグ力 | 5kg |
糸巻量 | PE4号-250m |
巻取り長さ | 62cm |
ベアリング数 | 2/1 |
スーパーメタルフレームを採用した、金属製の丸型ベイトリールです。
シンクロレベルワインドを搭載しており、仕掛けの落下がスムーズ。
剛性の高い金属製丸型ボディに、バランサー付きロングハンドルが組み合わされており、非常にパワフルな巻き上げができます。
やや重たいリールですが、剛性と耐久性に優れることが特徴です。
シマノ ゲンプウ XT 200PG
自重 | 195g |
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ギア比 | 5.5 |
最大ドラグ力 | 5kg |
糸巻量 | PE2号-200m |
巻き取り長さ | 59cm |
ベアリング数 | 3/1 |
樹脂製ボディを採用した、軽量コンパクトなベイトリールです。
シマノ独自のスーパーフリースプールを搭載しており、スピーディーな仕掛け落下を実現。
錆や潮噛みに強いベアリングを装備しており、耐久性に優れます。
60mmのロングクランクハンドルと大型ラウンドノブにより、巻き上げ力も十分です。
シマノ ベイゲーム 300PG
自重 | 325g |
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ギア比 | 4.8 |
最大ドラグ力 | 8kg |
糸巻量 | PE2号-380m |
巻き取り長さ | 65cm |
ベアリング数 | 5/1 |
剛性の高い金属製ハガネボディを用いたベイトリールです。
パワーロスの少ない内部設計のXシップ、精密なマイクロモジュールギアを搭載しており、滑らかで強い巻き上げを実現。
遠心ブレーキシステムのSVSも装備しているので、キャスト性能も優れます。
ドラグはカーボンクロスワッシャー仕様で、大型のタコがヒットしても安心です。
シマノ グラップラー 300HG
自重 | 325g |
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ギア比 | 6.2 |
最大ドラグ力 | 7kg |
糸巻量 | PE2号-380m |
巻き取り長さ | 84cm |
ベアリング数 | 5/1 |
ベイゲーム300と基本的な仕様は同じで、ギア比が異なるベイトリールです。
ハイギアなので少し巻き上げトルクが劣りますが、基本性能が優れているのでタコ釣りでも十分使えます。
ライトジギングとの併用など、汎用性を重視したい方にイチオシの1台です。
強くて軽いリールが理想です!

タコ釣りには、タコを底から引き剥がせるドラグ力とパワーを備えたリールを選んでください。
また、一日手持ちで誘い続ける釣りなので、剛性はもちろん軽さも重要です。
近年は手頃な価格で高性能なリールが買えるので、ぜひタコ釣りを楽しんでくださいね。
撮影:tsuki