春先のナマズ釣りは少しだけ難しい
3月初旬から中旬、気温は上がるが……
水の中は地上より温度上昇が遅いため、河川よって大きく異なりますが、おおむね水温5~8℃と一年で最も低い水温を記録します。
特に、ナマズが越冬する場所は、水深のある川底なので暖まりにくいんですね。
この時期のナマズの気持ちは、『目の前を通れば喰うけど、追いかけるにはまだ寒いわ……』って感じです。
春先のナマズは釣れる場所を探すのが難しい
春のナマズ釣りでは、5~9月のハイシーズンによく釣れたポイントを3月に回ってもなかなか釣果が上がらないと思います。
原因のひとつに、ハイシーズンによく釣れていた水深の浅いポイントにまだナマズが来ていないことが挙げられます。
本来のナマズって意外と行動圏が広く、季節に合わせて規則的な回遊をする魚なんです。
ナマズ釣りは4月中旬からが本番です
水温が15℃を超えてくるとナマズ達は本格的に産卵を意識し、早い地域では4月中下旬に産卵が始まります。
一年で一番の大釣り(数釣り)ができるのは、最初の産卵より1~2週間前の産卵遡上で越冬場所から水路や支流に入ってきたタイミングです。
冬の間に釣り人からのプレッシャーから解放されていたことに加え、4月中旬にアマガエルが冬眠から目覚めるため、ナマズの意識が表層に向くようになり、短い期間ではありますがナマズの春爆が起こります。
5月は産卵真っ盛り&釣り人の増加
水温が20℃を超えるようになると、ナマズの産卵は最盛期を迎えます。
産卵中のナマズはルアーに興味を示さなくなるので、4月に生じたナマズの春爆に比べると釣果は落ち着きます。
また、ナマズ釣りのハイシーズンを迎えることもあり、アングラーが増えてきますのでナマズの警戒心も強くなってきます。
ザックリとですが、3月から5月にかけてのナマズの状態はこんな感じです。
今回の記事では、多くの方が苦戦する春先(3月-4月初旬)のナマズの釣り方と春爆についてご紹介していきます。
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春先のナマズは本流や水量が安定している水路が狙い目
3月前半のナマズはまだ越冬場所にいる
春先のナマズ釣りは、まだ冬を引きずってるということを忘れてはいけません。
すなわち、狙うべきポイントは河川の本流や勾配が少なく水深のある水路などになってきます。
ベイトは多い程、ルアーへの反応も良くなりますので、小魚の有無も意識してみましょう。
ちなみに春先のメインベイトは魚と考えて良いでしょう。
真冬に水が少なかった水路はNG
ポイントを選ぶ際に特に重要視して欲しいのが水位の変動です。
冬の間、安定した水位が保たれている河川や水路がオススメです。
さらに、緩やかな流れと砂泥底、岩や水草、ボサやゴミなどのストラクチャーがあればベスト!自ずとそのようなポイントではオイカワやカワムツといったベイトフィッシュも越冬します。
春先のナマズの釣り方とオススメルアー
春先のナマズを釣りたい方はボトムを探ろう
ナマズは、真冬でも目の前に餌が現れれば比較的素直に口を使ってくれる魚です。
ただし、その攻撃範囲は横にも縦にも夏と比べて極端に狭くなります。僕の感覚としては最大でも50cmくらい……。
水深が1mもあるような越冬場所では、トップの釣りはほとんど成立しません。
テキサスリグ or ラバージグが手堅い
底の質やストラクチャーの有無を把握しやすい、テキサスリグやラバージグが春先のナマズ釣りではオススメです。
しっかりストラクチャーにコンタクトさせながら、ズル引きや小刻みなボトムバンプで狙っていきましょう。
シンカーやジグの重さは5~7g程度の軽めがオススメです。ワームは4インチ前後の小さすぎず大きすぎずが良いでしょう。
ナマズが溜まっているディープを見つけられれば春先でも2匹3匹と同じポイントから釣れることもありますよ!
チル(Chill) バレットシンカー 3/16oz (5g)
・ウェイト:3/16oz (5g)
・入り数:4個入
スピナーベイトのスローロールやメタルバイブのリフト&フォールでもOK
ポイントが広大だったり、初めての場所でいまいち何処にストラクチャーがあるか分からない場合は、スピナーベイトのスローロールがオススメです。
春先は陸生生物の活動もまだ鈍いため、ナマズのメインベイトは魚です。そのような理由からもスピナーベイトが効果的といえます。
根掛かりの心配が少ない場所では、メタルバイブレーションのリフト&フォールのリアクション狙いも良いでしょう。
春先もトップで釣りたい方は
水位変動が無く、水深が1mより浅い水路の岸際を攻めてみて下さい。ボサやゴミなどストラクチャーが絡むと良いですね。
デイとナイトはあまり関係ありませんが、とにかくストラクチャーの際を移動距離を落としてネチネチと動かした方が良いので、ルアーを目視しやすいデイゲームがオススメです。
ハイシーズンに比べてバイト数こそ減りますが、シャローにナマズがいる川や水路さえ見つけられれば充分勝機はありますよ!
あとは、記事として本末転倒になってしまいますが(笑)温排水や都市型河川などへ釣行するのもアリかと思います。
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ナマズの春爆を予想しよう!
3月下旬~4月中旬の嵐は生き物が動く
南からの暖かな空気を纏った春の嵐は、さまざまな生き物に活動開始を促します。
ナマズも例外でなく、河川の増水に合わせて越冬場所から産卵場所へ大きく回遊します。
つまり、ナマズの春爆は大雨で大増水後、水位が落ち着いた頃が狙い目です!
桜が散る頃に訪れるナマズの春爆
大雨の回数や規模によって、ナマズ達の産卵遡上の移動距離や密度は異なりますが、時に同じ流れ込みや堰下に沢山のナマズが集まることがあります。
運よくそのようなナマズの密度が濃いポイントに当たると、3時間程度の釣行でも10尾以上の数釣りができたりします。
このようなナマズの春爆は水域や年によって全然違いますが、僕が通っていた水路群では1週間程度続くイメージがあります。
こんな状況ではもちろんトップオンリーで大丈夫です。思う存分、ナマズの捕食音を楽しみましょう!
アマガエルの出現も目安になる?
気温の上昇に伴い、カエルたちも動き始めます。ナマズの主食の1つであるカエルの存在も重要です。
特にトップウォーターへの反応が良くなるのは、アマガエルが出てからになります。
アマガエルの産卵期は4月、ツチガエルやヌマガエルはアマガエルより一歩遅れて出始めます。
その年の一発目の産卵で春爆は終了
ナマズは、水温15℃以上で産卵を開始すると言われています。
4月下旬から6月にかけて、浅くて狭い場所や田んぼの中に複数のナマズが寄り添うように集まっている時は産卵を目前に控えていると思って良いでしょう。そんな時はロッドを置いて彼らの繁殖行動を観察するのも良いですよ!
産卵が始まってしまうと春爆は終わったと考えて良いと思います。
ココから先はようやく、イッピキイッピキを大切に楽しみながら釣るナマズ釣りのハイシーズンを迎えます。
筆者紹介
山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017