バスって極寒なのになぜ生き残れるの?
以前の記事で“バスは変温動物”と説明しましたが、こんな風に感じたことはありませんか?
「真冬に、湖や池に氷が張るとかザラなのに、なんでバスは生きられるんだろう!?」
確かに、フィールドによっては氷に穴を空けてバス釣りをするところもあります。
水面が凍るほど冷たい水の中、なぜバス達は生きることができるのでしょうか?
それは……
水の持つ特異な性質が理由です
外気温で水が冷やされ0℃になると水は凍りますが、氷になった水は密度が著しく低くなるため、湖の表面に氷が張ります。
ですが、水の密度が一番大きい4℃の水は、冷却の過程で底に沈んでいきます。そのため湖面は凍っても、湖底まで凍りつくことはないのです。
そして、この知識を頭に入れておくだけで
バスのレンジを見つける洞察力UPに繋がるのです。
上級者へのステップアップ!「水の密度」に注目してみよう
バス釣りにおける水温ワードに“4℃”というものがあります。なぜ4℃という水温が重要なのかというと、水の密度が最も大きくなる、すなわち最も水の中で重く下に沈むのが4℃の水だからです。
4℃が最高密度となり、そこから水温が高くなるにつれて密度は低くなります。反対に4℃よりも水温が下がっても密度は低くなります。
寒い時期はボトムにいる…とは限らない!
どれだけ冷えても4℃の水が底に沈むのであれば、水温が下がる晩秋・冬・早春は水温の安定している底を釣ればよいのではないか? と思うかもしれません。
ところが、別に視点で考えて見ると、4℃よりも高い水が、4℃よりも上の位置、すなわち中層にあることも多いのです。
そんな時、バスの餌(ベイト)は暖かい水温帯にいることも多く、それと同時にバスも少し浮き気味のポジションをとることがあります。
春先は“中層”と言われるワケ
春は季節が進行するごとに水温が上昇してきますが一気に水中全体が温まるわけではなく、温められた水から逃げるようにボトムには比重の高い冷たい水が流れ込みます。
また表層水温も外気温によって冷やされていることも多いです。そのため中層が最も暖かくなるタイミングが多いのが春です。
それによって餌を捕食したいアクティブなバスは中層を泳ぐことが多くなります。
そのため春先は中層がキモと言われ、中層を狙えるジャークベイトやスイムジグの出番というワケなのです。
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水の密度変化で起きるサーモクラインを意識しよう
バス釣り用語にサーモクラインというものがあります。これは水温がハッキリと分かれる層のことです。
比較的水深の深いフィールドや凪のコンディションで見られる現象で、水温差による密度の変化によって起こります。
一般的にサーモクラインの下側の水は水温が低く、水中に含まれる酸素量が乏しいと言われています。
秋のターンオーバーも水の密度変化で起きる
秋に発生するタフコンディションな状況。”フォールターンオーバー”も水温による密度変化が原因で引き起こされます。
水温の高かった夏から秋にかけて急激な冷え込みがくると表層の水温が冷やされて底まで沈みます。そうするとそれよりも水温の高かった底層の水が押しのけられて水上まであがってきます。
そうすると酸素濃度の低かった水が湖の浅いところまでやってくるので、魚の活性にマイナス効果を与えるというわけです。
浅い湖や浅い場所、川などのフィールドでは外部の風や流れなどでかき混ぜられることが多く、サーモクラインができずに水温が上から下まで一定…ということが多々あります。
ターンオーバーの時期、野池や川に言ってみるのが釣果の近道と言われるのは、この為です。
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水への理解を深めて、今まで見つけられなかったバスを探そう!
今回は、サーモクラインや水の比重と行った少し難しい内容だったかもしれません。
ですが、バスを取り巻く環境への理解を深める事で
今まで見つけられなかったバスを探し出すヒントとなることは間違いありません。
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ライタープロフィール
Always had high hopes.
I wanted Monsters,I want Monsters…
Put my past Trophy’s .I vie for new Trophy’s.2019:5100g
2020:5110g
2008:4800g
2019:4600g#sences#transcendencejp pic.twitter.com/DbNIWc6LNH— ビックリマン高田雄介 (@bikkurimantkd) April 7, 2020
海外釣行ツアーChillTrip所属のプロガイドであり、Transcendenceのロッドデザイナー。年間釣行日数は300日ほど。GTから近所の小魚まで淡水海水問わずになんでも釣ります。
国内での釣行はバスフィッシングがメイン。琵琶湖のモンスターバスフィッシングが得意分野です。