アジの種類について
刺身から塩焼き、フライまで美味しく頂ける、日本の食卓を代表するアジ。軽量リグを操作してアジを釣り上げるルアーゲーム、“アジング”も年々人気を博しています。
今回は、数多くの種類が存在するアジの特徴や見分け方をご説明します。果たして食べて美味しいのは何アジなのでしょうか。
アジについての豆知識
名前の由来は諸説ありますが『味がいいからアジ』と付けられた説が一番有名です。
漢字では魚偏に参の一文字で表しますが、『美味しいから参ってしまう』という由来があり、意味を知っておくと覚え易い漢字です。
そもそもアジって何種類いるの?
全長15センチから、150センチ以上になる種類も存在し、現在アジ科の魚は合計146種類が確認されています。その中でも日本国内で釣りのターゲットとして親しまれている5種類をご紹介します。
マアジ
アジと言えばマアジを差すほど最もポピュラーで身近な種類。暗緑色の背中に、銀白色の腹が基本ですが、生態によって色や体格が変わってきます。
マルアジ
鮮魚コーナーで見かけることも多く、釣りのターゲットとしても、マアジと並んでよく知られているマルアジ。
一見マアジと判断がつかないほど酷似していますが、側線の傾斜度合いや尾びれなど、見分けるポイントが数か所存在します。
味に関しては「マアジと比べ美味しくない」と批判する声が多く聞かれますが、冬に旬を迎えるマルアジは油がしっかり乗っており、同時期のマアジよりも美味しいという意見もあります。
メアジ
名前の通り、マアジに比べ大きい目が特徴のメアジ。他にもゼイゴが柔らかくトゲトゲしていないところや、エラブタにある小さな突起がマアジとの比較ポイントになります。
食味はマアジに比べ落ちると言われていますが、新鮮なものは引けを取らない美味しさを誇り、流通価格は比較的安価に設定されています。
シマアジ
体高が高く、体側に黄色のラインが最大の特徴であるシマアジ。体型は平たくヒラアジと呼ばれることもあります。
大きいもので全長1メートルを超えますが、市場では60センチ~80センチ程度が食用として多く流通しています。
また出回っているシマアジのほとんどは養殖物ですが、漁獲量の少ない天然物は味の良さから高級食材として扱われています。
ムロアジ
全長は50センチ程度まで成長し、マアジに比べ細長い円筒形の体型をしています。魚体の黄金線がくっきりとしており、見分けは比較的簡単です。
一般的にスーパーなどで見かける事のない、なじみの薄い種類ですが、クサヤなどの干物に使われることで有名です。
一度は食べてみたい“くさや”お酒との相性は抜群です。
人気のマアジにも2種類いるらしい
食味も釣りのターゲットとしても、ダントツ人気はアジの代名詞的存在であるマアジ。そんなマアジは、生息環境によって2つのタイプに分かれるとされています。
金アジ
沖での回遊をせず岩礁地帯や湾周辺に居ついている個体は金アジや黄アジと呼ばれています。
名前の通り体が黄金色に輝いており、ヒレは透き通っています。あまり大型には成長しませんが、エビなどの甲殻類も捕食するため、体高が高いことが最大の特徴。
食味についても抜群によく、ブランドアジとして高値で取引されています。
セグロ
エサを求めて沖を回遊するタイプはセグロ・クロアジ・ノドグロと呼ばれています。見た目の特徴は、金アジに比べ背中が黒っぽく、ヒレは透き通っていません。
長距離を回遊するため、身が引き締まり油の乗りは少ない傾向にあります。金アジより味が劣ると言われていますが、獲れる場所によっては油がしっかり乗っており、ブランド化もされています。
食べておいしいのは?
好みの問題も多少あるかも知れませんが、やはり美味しいのは『金アジ』ではないでしょうか。
潮の流れが速い場所に居つく回遊しない瀬付きアジは、肉質が引き締まっており、栄養豊富な餌場で育つことから油がしっかり乗っています。
一方回遊型のセグロは大きな群れで行動するため、十分な捕食が出来ていない場合が多くあります。
このように環境の違いから同じマアジでも大きく差がありますので、食べ比べてみるのもおもしろいでしょう。
おいしいアジの見分け方
スーパーマーケットの鮮魚コーナーでお馴染みのマアジ。どうせ買うなら新鮮で美味しいものを選びたいですよね。
陳列されている中から一番美味しいアジの見分けるポイントを見ていきましょう。
体高
背中からお腹の部分にかけての垂直方向距離を体高と呼びますが、この体高があるものは美味しい金アジの特徴であり、ボリュームがあるほど肉厚で油が乗っている傾向が見られます。
全長が同じサイズでも体高が全然違いますので、体型に注目して美味しいアジを見極めましょう。
色味
同じマアジでも金アジ・黒アジの2種類が存在することをご紹介しましたが、やはり美味しいと言われる金アジを選びたい所です。
体が全体的に金色がかっており、ヒレが透き通っているものを探してみましょう。鮮度については目が濁っておらず黒く澄んでレンズのように丸みを帯びているものが新鮮とされていますので、見落とせない重点ポイントです。
注意!それってマルアジかも?
マアジと非常に似て、見分けの判断がつけにくい“マルアジ”もスーパーで多く売られています。
マアジに比べやや細長い体型のマルアジですが、尾びれの付け根にある小さなヒレはマルアジにしかついていないので、見極める最大のポイントとなります。
場所によってマルアジもアジとして括り、販売してあることも多くあるため、しっかり見極めて美味しいマアジを選びましょう。
アジ博士になって釣りをもっと楽しもう!
たくさんの種類が存在し、生息環境によっても味が異なるアジは、アングラーを飽きさせない絶好のターゲットです。
アジを釣り上げた際は何アジなのか観察し、味の違いを吟味してみて下さい。味・種類の区別をしっかり把握し、アングラーに尊敬されるアジ博士を目指しましょう!