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肝が苦手でも食べられた。カワハギ×牛乳の“意外な効果”

肝が苦手でも食べられた。カワハギ×牛乳の“意外な効果”

冬のカワハギといえば濃厚な肝が魅力ですが、血の香りや磯っぽさが気になることも。

「牛乳に浸けると臭みが取れる」という噂は本当なのか?

元料理人の筆者が、日本酒・氷塩水の定番処理とあわせて実際に比較検証しました。

いちばん臭みが抜けた方法とは——。

目次

カワハギの肝は牛乳でも臭み抜きできる?

カワハギの肝

冬のカワハギと言えば、なんといっても濃厚な肝。

ただ、新鮮でも血の香りや磯っぽさが気になることがあります。

そんなとき、「牛乳に浸けると臭みが取れる」という話を釣り仲間から聞きました。

山下

元料理人の筆者が、定番の酒や氷塩水での下処理とあわせて、実際に検証してみました。

カワハギを用意して検証してみた

カワハギ

最初は3匹の肝を、それぞれ別の方法で下処理しましたが、個体差が大きく、臭いの違いを正確に比べることができませんでした。

そこで条件をそろえるため、残りの1匹の肝を3等分し、酒・氷塩水・牛乳の3通りで下処理して検証しています。

山下

なお、個体差が混ざった最初の比較でも、牛乳に漬けた肝がもっとも臭みが少ない傾向は感じられました。

1匹の肝で再検証

酒・氷塩水・牛乳にそれぞれ30分ほど浸け、処理した肝をすべて裏ごしして食感をそろえたうえで比較しました。

あとは、臭いと味わいの違いをひとつずつ丁寧に確かめていきます。

定番の日本酒

日本酒

筆者が勉強させてもらっていた飲食店でも、肝の下処理には日本酒を使っていました。

アルコールの揮発で血の香りが飛び、臭みを抑えつつ肝の味が濃く際立つ印象です。

やり方はいたってシンプルで、下処理した肝を日本酒にひたひたに浸け、冷蔵庫に入れておくだけ。

取り出した後は、サッと氷水で洗い、余分な水分を拭き取ります。

パンチのある味わい

食べてみると日本酒の香りがわずかに残り、上品でパンチのある味わい。

今回は火を入れずに生で食べましたが、アルコール分が気になる場合にはサッと湯通しするのがおすすめ。

風味はそのままに、まろやかでクセのない味わいになります。

筆者好みの氷塩水

氷塩水

筆者が普段からよく使うのが、氷塩水での下処理。

冷水に少量の塩を加えて塩分濃度3%ほどの塩水を作り、その中に浸けておくと、浸透圧で余分な水分が抜けるだけでなく、温度が下がることで脂分が固まり、肝がぎゅっと締まるのが特徴です。

触った感じも3つの中でもっとも弾力があり、プリッとします。

旨みが強い

臭みはほどよく抑えられつつ、肝らしい香りと旨みがしっかり残る印象。

肝そのものの味を活かしたいときにぴったりの方法です。

ぶつ切りで食感を楽しめる

今回は裏ごししましたが、大きめに切って、その弾力を活かした食べ方もおすすめ。

独特の食感がクセになります。

噂の牛乳はいかに……

牛乳

今回もっとも試してみたかったのが、この牛乳での下処理。

30分ほど浸けて取り出し、氷水でサッと洗ってから裏ごして身と和えてみました。

牛乳で下処理する際は、血抜きした肝を軽く洗って水気を拭き取り、ボウルに肝が浸かる量の牛乳を注ぎ、冷蔵庫で約30分置くのが基本です。

浸け終えたら氷水ですすいで水気を切ると、臭みがしっかり抜け、風味が残ります。

臭みがなくてまろやか

食べてみると、肝特有の臭みがやわらぎ、全体的にまろやか。

レバーの下処理にも使われる方法で、魚の肝でも同じように効果があると感じました。

山下

あとから調べると、牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)が臭み成分を吸着してくれるのだそうです。

結論:臭み抜きには牛乳が最強だった!

臭みが抜けるのは牛乳

3通りの下処理を比べたなかで、もっとも臭みが少なかったのは牛乳に浸けた肝でした。

血の香りがほぼ消え、口当たりもまろやか。クセが抜けることで、肝本来の甘みが際立ちます。

試食した家族の中には、これまで「肝はちょっと苦手」と言っていた人もいましたが、牛乳で処理したものは「これなら臭みが一切ない。美味しい!」と好評でした。

臭みをしっかりと抜きたいなら牛乳を試してみて!

牛乳を試してみよう

牛乳に含まれるタンパク質が臭み成分を吸着し、肝特有の血の香りをやわらげてくれます。

日本酒や氷塩水と比べてももっともクセが少なく、まろやかで食べやすい仕上がりに。

魚の肝が苦手な人でも食べやすくなるので、ぜひ一度、牛乳下処理を試してみてください。

冬のカワハギが、より上品で濃厚な味わいになりますよ!

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